福島県立美術館ブログ

「アートなおはなしかい」開催しました!

7月24日(土)、おとなりの図書館さんと一緒に「アートなおはなしかい」を開催しました。

まずは図書館での絵本のよみきかせ。
ストレッチで体をほぐした後、紹介されたのは『まいごのたまご』(作:アレックス・ラティマー / 訳:聞かせ屋。けいたろう)です。

どこかの巣からころがり落ちてしまった、恐竜のまいごのたまごが、お母さんをさがすおはなしです。

2冊目は、『びじゅつかんへいこう』(文:スーザン・ベルデ /絵:ピーター・レイノルズ/訳:なかがわちひろ)。
美術館ってどんなところなんだろう?どんな風に楽しめるのかな?
そんなことを考えさせてくれる絵本でした。

次はとなりの美術館へ。
最初にみたのは大きな屏風。


まずは、何が描かれているのか、みんなで絵全体を見てみます。
木や葉っぱ、花、池などが描かれています。
絵の中に巣があることに気づいてくれた子がいました。
どんな生き物の巣なのでしょうか?
絵の中には他に生き物が描かれていないため、何の巣なのかは分かりません。

この絵は、勝田蕉琴作《安らかなる鳥の巣》。
描かれたのは今からちょうど100年前の1921年です。
みんなだったら、この鳥の巣からどんな鳥が生まれると思うかな?
大きいかな?小さいかな?羽の色は?それぞれ心の中で想像します。

巣が出てくる絵だったので、図書館さんから『ふしぎな鳥の巣』(作・絵:鈴木まもる)という本を紹介してもらいました。

さまざまな鳥が作る巣を、緻密な絵とともに紹介している本です。
ヒナを守るために入口が分からないようになっている巣や、アパートのように複数の鳥が住む巣など…。
一見巣には見えないものもあり、とても面白い本でした。

次にみたのは、クロード・モネ作《ジヴェルニーの草原》。
描かれた季節はいつ頃か?時間は何時ころか?など、絵から想像しながらみていきます。
この絵にも描かれている「積みわら」が描かれた3点の作品画像を見ながら、それぞれが描かれた時間帯についてみんなで予想しました。

季節や時間よって移り変わる光を描こうとしたモネ。
そのモネの生涯をやさしいイラストとともに知ることができる、
『ぼくはクロード・モネ』(作:林綾野  / 絵:たんふるたん)という絵本を紹介してもらいました。

次の作品に進む前に、よみきかせしてもらったのは『アヒルかも!ウサギかも!』
(作: エイミー・クラウス・ローゼンタール トム・リヒテンヘルド/ 訳: せきね みつひろ)。

一枚の同じ絵でも見方によって、アヒルにもウサギにも感じられます。
自分には何に見えるか…?そんなことを考えながら楽しめる絵本です。

次に紹介したのは、不思議な生き物が描かれた絵。

この生き物は何に見えるかな?
ほとんどの子が、「亀に見える」と答えてくれました。
何匹いるかな?指差ししながら数えてみます。
この作品は桂ゆき作《親亀の背中に子亀をのせて》。
作品をみている途中、「何か貼ってあるように見える」「デコボコしてる」
ということに気づいてくれた子がいました。
この作品は板の上にくしゃくしゃにした紙が貼り付けてあり、コラージュという技法で作られています。

最後に、絵のモチーフにもなっている亀について詳しく知ることができる『こうら』(文:内田 至 / 絵:金尾 恵子)という本を紹介してもらいました。

亀は、実は恐竜の時代から固い”こうら”で身を守ってきました。
危険が迫るとこうらを膨らませるパンケーキガメなど、
さまざまな種類の亀とこうらの機能について、緻密な絵とともに知ることができる本でした。

作品をみた後は工作の時間! 
図書館さんに戻って画用紙を使った工作をしました。
今回は、《安らかなる鳥の巣》の作品から、「ゆらゆらうごく鳥をつくろう」というテーマで作りました。
作品の中には鳥が出てきませんでしたが、どんな鳥が生まれるのか想像しながら作っていきます。

大小さまざまな大きさに切った丸い画用紙を組み合わせて、好きな色や模様の羽やくちばしを付けていきます。

最後に目を描いて完成!
リボンを付けたり、羽の模様を描いたり、尾羽を付けてみたりと、みんなそれぞれ工夫をこらして作ってくれました。



ご参加いただいたみなさま、図書館スタッフのみなさま、ありがとうございました!

創作プログラム「おさんぽ美術館―マップをつくろう」開催しました

6月20日(日)、創作プログラム「おさんぽ美術館―マップをつくろう」開催しました。

イラストレーターの佐藤ジュンコさんが作ってくれたマップ。
今回はこのマップを見ながら美術館の庭やエントランスホールをおさんぽし、気に入った場所や発見したことなどを絵やことばにして小さな紙にかいていきます。

はじめに、美術館スタッフから新しいイラストマップのこと、今日の活動の流れ、注意事項についてお話しました。
その後はマップを手に、自由に美術館をめぐります。

梅雨入りしたばかりで前日は雨。
ですがプログラム当日、幸い雨は降らず、曇り空だったので予定通り屋外で活動することができました。

  

ちょうどアジサイがきれいに咲いていました。
みなさん花の形をじっくり見ながら、丁寧に描いていました。
他にも梅の木になった実や、かわいらしい形の葉っぱ、青々とした竹など、色々なものを発見していました。

ひととおり庭をめぐると、館内へ。

 

エントランスホールにある彫刻作品を見ながら描いたり…
建物の大きな窓などを気に入って描いている子もいました。

実習室に戻って色塗り。
色鉛筆やクーピー、ポスカやペンなどを使って色を塗っていきます。

 

みんな集中して描いていたので、描く時間を少し延長。
たくさんお気に入りを見つけてくれて、10枚くらい描いている子もいました。

最後に、大きなマップの前で発表会。
描いた絵について、何を見つけたのか?どんなところが気に入ったのか?などを紹介してもらいました。

発表が終わると、見つけた場所に貼り付けていきます。
(描いてもらった作品全部は貼りきれなかったので、特に気に入っているものを選んでもらいました。)
大きなマップが子ども達のお気に入りで埋められていきました。

 

みなさんそれぞれいろんな場所でお気に入りを見つけて描いてくれました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
完成したマップは、エントランスホールで7月4日(日)まで展示しています。
ご来館の際にはぜひご覧ください。

庭園は、季節ごとに異なる種類の花が咲いていたり、さまざまな鳥や虫もいて色々な発見ができる場所です。
美術館に展示されている作品ももちろんですが、美術館の建物や庭も楽しんでいただけるといいなと思います。
当館にいらした際にはぜひイラストマップを手に、お気に入りの場所を見つけてみてください。

 

芸術鑑賞講座を開催しました

6月12日(土)、当館講義室にて「芸術鑑賞講座―名画との対話」を開催しました。

この講座では、西洋美術史を彩る巨匠たちの美しい名画に秘められた絵画表現の意味と魅力を読み解いていきます。

全部で4回開催する講座の第1回目のテーマは、「レオナルド・ダ・ヴィンチと《モナ・リザ》」。

複雑な表情で、多くの人々を魅了するこの作品は、レオナルドが亡くなるまで手元に置いていました。

今回の講座では、《岩窟の聖母》や《最後の晩餐》など他の作品についても触れながら紹介しました。

 

 

次回のテーマは「ジョルジョーネと《ラ・テンペスタ(嵐)》」。

開催日は8月14日(土)です。

※今年度の受講者の募集は、定員に達したため終了しました。

 

創作プログラム「木っ端でカタチをつくろう」開催しました!

6月6日(日)、創作プログラム「木っ端でカタチをつくろう」開催しました!
美術館再開後、初となったワークショップ。
宮城県在住の彫刻家、佐野美里さんが講師です。
今回は広い空間ということで、当館エントランスホールを会場にしました。
1人1つ円形のシートで制作するのは、コロナウイルス感染症対策のための佐野さんのアイデアです。

自己紹介のあと、まずは、佐野さんが作った作品をみんなで囲んでじっくりみます。

佐野さんが「何に見える?」と聞くと、「猫っぽい」「犬!」などと子ども達から声があがります。
「どういう風に見えてもいいんだよ。作品の見方は自由。思ったことを大切にしてね。」と佐野さん。
次はとなりに置かれた作品をみてみよう。
美術館に所蔵している笹戸千津子さん作《彫刻家》(1988年作、ブロンズ)。

いつもはさわれない美術館の作品ですが、今日は特別。
きれいに洗った手でみんなでやさしくさわります。
実物大の頭像は、師匠である佐藤忠良さんをモデルにしています。

佐野さんが「どんな感じがする?」と聞くと、
「ひんやりしてる」「つめたい」などと子ども達から感想がありました。
「これは金属で作られているんだよ。」
中央にあるマリノ・マリーニの《騎手》を示しながら、「この大きな作品もそうだよ」と説明してくれました。
今度は佐野さんの木彫をさわってみます。

「さわり心地はどうかな?」
「デコボコしてる!」「ザラザラ」などと子ども達から声があがりました。
今回のワークショップでは、佐野さんが木彫を作った後に出た木っ端を使います。

持ってきてくれた3作品。
それぞれ表情があり、とっても愛らしいです。

 

佐野さんが作品に使っている木は”クスノキ”という名前の木であること。
東北にはほとんどなく、あたたかい地域で育つこと。
「神様の木」とも言われていることなどをお話してくれました。

「みんなは『となりのトトロ』って見たことあるかな?トトロが住んでいた木がクスノキだよ」
クスノキを作品に使っていますが、作品を作る中でどうしても木片や木っ端がたくさん出ます。
今回はみんなにこの木っ端と木片を使って作品を作ってもらいます。
大切な木の一部を使って、みんなで作品に生まれ変わらせます。

 

早速制作へ。
まずは並べられた大きな木片の中から、1つ気に入ったものを選びます。
次に、1人1つずつ準備されたトレーにカラフルに着色された木っ端を入れてきます。

(木っ端は佐野さんが制作で出た木っ端の中から、大きめのものを選んで絵具で着色してきてくれました)
赤や青、ピンクや黄色、金色や銀色など、色々な色や形の中から好きなものを選んでいきます。

木片と木っ端を選んだら、円形シートの中でみんな自由に接着していきます。

 

同じ色の木っ端を集めて貼ったり、大きな目玉を付けたり、木っ端を手で割って形を変えたり…。
途中で木っ端の山から欲しい木っ端を探し、色や大きさにこだわりながらどんどんくっつけていきます。
みんなそれぞれ思い浮かんだ“カタチ”ができてきます。

 

黙々と制作に取り組んで…完成!
佐野さんに見てもらいます。
それぞれ、何を作ったのか?どんなところにこだわったのか?
など、佐野さんがインタビューしていきます。

 

最後に大きな佐野さんオリジナルの大きな虫眼鏡で鑑定!

作品をじっくり見ながら「本物」かどうか鑑定していきます。
完成した作品をお互いに見たり、お話を聞いたりしながら、1人1人に拍手をしました。

 

子ども達の想いやこだわりがつまった“カタチ”が完成しました!

講師を務めてくださった佐野美里さん、アシスタントをしてくださった佐野麻里菜さん、
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

 

現在開催中の特集展「佐藤玄々の彫刻」では、相馬市生まれの彫刻家佐藤玄々(朝山)の作品を展示しています。
希望された方にはワークショップ終了後、展示室で作品をみてもらいました。

ネコやトカゲ、ウサギやにわとり…など、玄々の作品には生き物をモチーフにしたものが多いです。
みなさんじっくりと1点1点ご覧になっていました。
こちらの展示は6月20日(日)までです。
ぜひご来館ください。

2021年度常設展Ⅰ期はじまりました

当館は、昨年9月から施設の改修工事により休館しておりましたが、工事完了にともない5月22日(土)より再オープンいたしました!

 

改修工事では、屋根の減災化工事や、企画展示室壁面と企画・常設展示室の床面の全面貼り替え、照明のLED器具への更新が主なものでした。

照明器具の更新により、展示室内の明るさが格段にアップし、作品の見栄えもよりはっきりと鮮明に感じられるようになりました。

 

再オープン後最初の常設展ということで、第一期では当館コレクションの選りすぐりの名品を展示します。

会期は5月22日(土)~9月5日(日)まで。料金280円でご覧頂けます。(高校生以下無料)

 

展示の様子をここで少しご紹介します。

 

【第一室め:日本画の名品】

最初の部屋では、近代日本美術を代表する巨匠や福島ゆかりの日本画家たちによる逸品を展示しています。

 

掛け軸では、平福百穂、小杉放庵、横山大観、酒井三良など。自然や農村風景を主題にしており、心が和む描写です。

屏風では、勝田蕉琴と福田豊四郎を展示しています。

 

向かい側の壁では、人物を描いた作品が並びます。

橋本関雪、速水御舟、安田靫彦ら院展で活躍した巨匠の優品や、会津出身の日本画家・猪巻清明の《はさみ将棋》を展示しています。

いずれも完璧な構図と高い完成度で見入ってしまいます。

 

展示室奥のほうでは、松本榮、大山忠作、室井東志生を出品しました。全員福島出身で、人物画を得意とした画家です。

 

そのほか福王寺法林、山本丘人の大作や小川芋銭が来県した際に描いた《細道絵日記》の絵巻も展示しています。

*《細道絵日記》は前期展示での出品。後期展示では、酒井三良の《水郷の一日》を出品します。

 

 

【第二室め:アメリカの美術、フランス美術の名品】

続く第二室は、当館の海外コレクションの選りすぐり作品がまとめて展示されています。

アメリカ美術では、ジョン・スローンやレジナルド・マーシュの大型作品を久々に出品しました。

また、当館のアメリカ美術コレクションを代表する画家ベン・シャーンとアンドリュー・ワイエスももちろん展示しています。

第五福竜丸事件を主題にしたシャーンの《ラッキードラゴン》、そしてワイエスの作品で特に人気の高い《松ぼっくり男爵》《そよ風》を一度に観覧でき、見応えがあります。

   

フランス美術のコーナーでは、バルビゾン派のコローや印象派の代表的作家モネとルノワールの作品を展示しています。モネは今回久しぶりの出品です。

また、ゴーゴリの小説にシャガールが挿絵を寄せた版画集《死せる魂》シリーズも一部展示しています。こちらは会期中展示替えを行います。

 

 

 

【第三室め:関根正二と近代の洋画】

三番目の部屋では、白河出身で大正期に活躍した夭折の天才画家・関根正二と、大正~昭和にかけて活動した洋画家たちの作品を展示しています。

関根の作品では、《姉弟》《神の祈り》などコレクションの代表作のほか、今回なんと、新発見のデッサンを特別出品させて頂いております(個人蔵)。

貴重なタイミングですので、ご来場の際はお見逃しなく。

 

関根以外の作家では、青木繁、岸田劉生、安井曾太郎、村山槐多、松本竣介ら近代洋画の代表作家や、吉井忠、鎌田正蔵など昭和に活躍した福島出身画家の作品を展示しています。

   

洋画では照明器具更新の効果が特に感じられるように思います。厚塗りされた絵具の色味が以前より鮮やかに見えるようになりました。

 

 

【第四室め:斎藤清の版画、銅版画の魅力(*前期)】

最後の部屋です。片方の壁面では、福島を代表する版画家・斎藤清の作品を10点展示しています。初期から後半にかけての画業を追える出品内容です。
構図と色彩の効果が際立つ、斎藤さん特有のモダンなセンスによって表された作品群は、いま見ても非常に新しく感じます。

 

向かい側の壁では、前期展示では「銅版画の魅力」と題して、長谷川潔、駒井哲郎、浜田知明、浜口陽三の作品を展示しています。
いずれも日本の近代版画を代表する作家です。メゾチントによる奥深い漆黒の表現やエッチングで表された繊細な作品世界をお楽しみください。

後期展示では、明治後期から展開された創作版画運動について、山本鼎をはじめとする作家たちの作品を取り上げます。

 

これからの梅雨の時期と夏の暑い季節、休日の予定も天候に左右されることが多くなりそうですが、美術館内は年間通して快適な環境です。

リニューアルされた館内で皆様のご来場をお待ちしております。

 

【美術館再オープン】~図録フェア、ポストカードプレゼント企画開催中!~

当館は施設の改修工事が完了し、5月22日(土)よりリニューアルオープンいたしました!

みなさま大変お待たせしました。

 

再開館を記念した特別企画ということで、特集展示「佐藤玄々の彫刻/福島の作家・福島の風景」期間の6/20(日)までは、

ご来場のお客様全員にポストカード1枚を差し上げております。

 

また、館内ブックショップでは現在、図録2,000円以上お買い上げの方に、当館の絶版図録1冊プレゼント企画を実施中です。

プレゼントの図録内容はその場でのお楽しみ。(*在庫なくなり次第終了)

お帰りの際にこちらも是非のぞいてみてください。

福島県立美術館の「イラストマップ」ができました!

福島県立美術館のイラストマップができました!

当館は5月21日まで改修工事のため休館中です。
もっと美術館に親しんでほしい、楽しんでほしいという想いから、休館中に「美術館イラストマップ」を制作しました! 
イラストは、福島県伊達市霊山町生まれで、仙台市在住のイラストレーター佐藤ジュンコさんに描いていただきました!

実際にみなさまにご覧いただけるのは、5月22日の開館以降ですが、
とってもかわいいイラストマップの一部をご紹介します。 

 

美術館では季節によってたくさんのドングリが発見できます…!
かわいらしいドングリたち。

ジュンコさんも登場します!
どこを歩いているのでしょうか?マップから探してみてくださいね。

他にも、館内にある部屋の紹介や…

 

美術館に展示されている彫刻作品も紹介しています!
ご来館の際には、ぜひ手に取って館内と庭をめぐってみてください。

今回のマップづくりでは、実際にジュンコさんと美術館スタッフで館内や庭園を歩きながら打ち合わせをしました。
普段見慣れた美術館の景色も、ジュンコさんと一緒に改めてじっくりと見てみると色々な発見があり、私たちスタッフも楽しい時間となりました。
(庭で「コンコンコン!!」と一生懸命音を立てるキツツキに出会った時には驚きました)


とっても魅力的なイラストマップが完成しました!
何度も美術館に足を運んでいただいたイラストレーターの佐藤ジュンコさん、本当にありがとうございました!

このイラストマップは、福島県立美術館と福島県立美術館協力会で制作しました。
制作にあたり、エツコ&ジョー・プライス夫妻から受けた、福島県の子ども達に対する美術教育支援のためのご寄付を活用させていただきました。
ご夫妻に対し心から感謝申し上げます。

「まんまるもじゃもじゃポケットつきバッグをつくろう!」開催しました。

3月13日(土)創作プログラム「まんまるもじゃもじゃポケットつきバッグをつくろう!」を福島市子どもの夢を育む施設こむこむ「つくろうの部屋」で開催しました。

講師はFRIDAY SCREENの鈴木孝昭さん、坂内まゆ子さんです。

今日のワークショップでは、ダンボール織りでカラフルなポケットつきバッグをつくります。

紙や布など、いろんな素材でポケットを織りましょう!

 

  

経糸をダンボールに張ったら制作開始です!紙や布はこのように細長く切ります。

 

 

たくさんある材料から使いたいものを選びます。お店みたいで選ぶのも楽しいですね。

 

 

 

選んだ材料を経糸に通して織っていきます。

 

細い糸は何本も束ねるとボリュームが出せます。

 

 

数種類の毛糸を組み合わせるのもいいですね。

 

和紙の素材感もいいアクセントになります。

 

 

完成まであと少し!

 

 

経糸を切って結ぶと、もまんまるもじゃもじゃポケットの完成です!

 

 

バッグに貼り付けたら素敵な作品の完成です。

鈴木さん、坂内さん、参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

共催 福島県立美術館 公益財団法人福島市振興公社

「グリザイユ技法で花を描く」開催しました。

2月13日(土)福島市アクティブシニアセンター・アオウゼで「グリザイユ技法で花を描く」を開催しました。

本来時間のかかる技法ですが、アクリル絵の具を併用して3時間半で完結させます!

講師は当館学芸員の大北です。

 

描く花はピンクのガーベラです。

 

あらかじめグレーのジェッソを引いたキャンバスに花の輪郭を鉛筆で描きます。

 

鉛筆の作業が終了したら、白のアクリル絵の具で描きます。

水の量を調整することで明暗をつけていきます。

 

リラックスして描くのではなく集中を続ける修行のようになってしまいました。

時間設定に無理があったと反省しています…。

 

乾燥させたら油絵の具で彩色します。

色を薄く何度も重ねることで空間感が出るのですが、今日は時間が限られているので一層だけにします。

こんな感じです。

 

設定に無理があったのですが、短時間でここまで仕上げる皆さんのスキルや集中力に脱帽しました。

参加していただきありがとうございました。

 

アクリル絵の具と油絵の具を併用することで時間短縮だけではなく、それぞれの特性を生かせばおもしろい表現が可能になります。

いろいろ試していただければ嬉しいです。

学校連携共同ワークショップ参加校作品展を開催しました

福島県ゆかりの作家(アーティストNaomi Horiike、アートユニットFRIDAY SCREEN)を講師に招き、各学校等で子ども達が制作した作品の全てを前期、後期に分けて展示しました。

会場は当館が改修工事のため福島市子どもの夢を育む施設こむこむの企画展示室です。

 

 

 

前期「FRIDAY SCREENワークショップ」では、子ども達の生活する地域の魅力や児童生徒の実態などを作家が担当者から聞き取り、全ての開催地で違う内容のワークショップを行いました。

どのワークショップも段階を踏むスタイルのため、子ども達は考えること、ひらめくことを楽しみながら魅力的な作品を仕上げました。自らが難しさを楽しむ時間がそこにはあり、教育現場に必要とされる自主性、創造力の伸長が期待できるワークショップになりました。

 

福島県立小野高等学校(美術部)

 

 

福島市教育委員会教育研修課(ふれあい教室)

 

 

二本松市立渋川小学校(5年生)

 

 

会津美里町公民館

 

 

田村市立大越小学校(6年生)

 

 

郡山市立日和田中学校(美術部)

 

作家のホームページでも各ワークショップについて紹介しています。

 

 

 

後期「Naomi Horiikeワークショップ」では、多くの子ども達が「仲良く楽しめた」「笑顔になれた」と振り返っています。

印象的だった感想の中に「アートとはたった一つのくくりではなく、生活の中に無限大に広がっていると思います」「私たちの人生もアートなんだと感じました」という言葉がありました。これらは、自分の中で積み上げてきた概念に疑問を抱いたから生じるもので、Naomiさんと時間を共有した子ども達の感性が、より一層磨かれることを予感させてくれます。

 

郡山市立緑ヶ丘中学校(美術部)

 

 

郡山市立御舘中学校(2年生)

 

 

会津坂下町立坂下中学校(美術部)

 

 

福島県立相馬高等学校・相馬東高等学校・原町高等学校(美術部)

 

 

会津若松市立第一中学校(美術部)

 

 

会津若松市立第二中学校(美術部)

 

作家のホームページでは各ワークショップの動画を紹介しています。

 

 

福島の子ども達のために貴重な時間を提供してくださった3名の作家と、当事業に協力してくださった多くの方々に感謝いたします。

創作プログラム「魔法陣!ソーシャルディスタンシング!!」開催しました!

当館は現在改修工事のため休館中です。
12月12日、福島市のこむこむさんで創作プログラム「魔法陣!ソーシャルディスタンシング!!」開催しました。
大きな紙の上でグルグル!体を動かして「魔法陣」を描いていきます。

講師は東北芸術工科大学講師のイシザワエリさんです。
アシスタントには、学生の富樫さんと長岡さんが来てくれました。

「みんなならどんな魔法を使いたいかな?」

「おいしい食べ物が出てくる魔法!」

「コロナがなくなる魔法!」…

さまざまな魔法が子ども達から出てきます。

「まずは魔法の杖をつくってみよう」

並べられた流木から、1本好きなものを選びます。

中には子ども達の身長よりもずっと長―い木も!

「魔法陣をどんな色にする?」

1人1本ペンを選び、カラフルなテープで木にくくりつけます。
ここまでできたら飾り付け!
机に並べられた色々な柄の布や毛糸、タッセル…
ここから好きなものを選んで貼り付けたり結んだりしてオリジナルの魔法の杖にしていきます。

 

毛糸やリボンをくるくる巻き付けて結んだり…

 

テープや布を巻いたり…

 

オリジナルの杖が完成!

みんなで高く掲げて、魔法使いになったみたいです!

完成した杖で、大きな紙に魔法陣を描いていきます。

 

全身を使って紙全体にぐるぐる!

 
大きな紙に寝転がりたくなっちゃいます。

 

次は水でといた絵具を魔法陣にたらしていきます。

 

刷毛に絵具をしみこませて飛ばしたり

 

手のひらでスタンプする子も!

 

最後の仕上げ!魔法陣でキラキラさせたいところに、ラメが入ったのりを塗り、パウダーをふりかけます!

 

 

魔法陣が完成しました!
最後に、イシザワさんから子どもたちにインタビュー。
どんな魔法を使いたいと思って魔法陣を描いたのか聞いていきます。

みんなそれぞれ、さまざまな魔法をこめた素敵な魔法陣と杖ができあがりました。
最後はみんなで集合写真!

イシザワさん、富樫さん、長岡さん 、そしてご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
ご協力いただいたこむこむスタッフのみなさま、ありがとうございました!

 

創作プログラム「ガラスフュージングを楽しもう」開催しました!

当館は現在改修工事のため休館中です。
10月25日(日)、福島市アクティブシニアセンター・アオウゼさんを会場に、創作プログラム「ガラスフュージングを楽しもう」開催しました。
講師に、ガラス作家の近岡令先生。アシスタントに近岡明美先生にお越しいただきました。

「フュージング」とは電気炉を使って板ガラスを溶かす技法です。
今回の講座では、ガラス板の中から好きな色を選んでカットし、透明なガラス板に自由に並べて、10cm角程度の小皿をつくります。
まずはガラス板の色選び。
複数の色のパターンから選んだり、自分なりに組み合わせを変えたりしてデザインを考えます。
(デザインは大きく四角形と多角形に分かれています)

デザインシートを参考にしながら、色ガラスの板を選んでいきます。
色が決まったところで、板ガラスをカットしていきます。
近岡先生から、ガラスカットの仕方についてレクチャーしていただきました。

ガラス板にガラスカッターで傷を付け、手やペンチを使って線のところでガラスを割ります。
ガラスカッターの持ち方や角度、切った時に出る音など、ガラス板をカットする時のコツを教えていただきました。

自分のデザインに合わせて油性ペンで下書きをし、ガラス板を切っていきます。


最初は恐る恐る切っていた方もだんだん慣れ、パキッとガラスが割れるのを楽しんでいました。
カットするうちに、元々のデザインに一工夫加えて、三角形や六角形を入れたりしている方もいました。

この間に、電気炉の中に入れていたガラスが溶けた様子をみなさんにご覧いただきました。
(アオウゼさんの七宝焼き用電気炉をお借りしました)

手前にある2層に重ねてある四角形のガラスが、熱で溶かすことで白い板の上にあるような丸い形になります。
ガラスの種類によっては、溶ける前と後で色の印象が異なるものもありました。

それぞれガラス板のカットが終わったところで、よごれのふき取りと接着作業へ。
ガラス板を配置し、フュージングのりを使って仮り留めしていきます。

仮留めが終わったところで終了。
作品は近岡先生の工房で焼成していただきました!

近岡先生より完成後の写真をいただきました。

みなさんとっても素敵な小皿が完成しました!
返却は本日からですので、ご自宅で飾ったり小物を置くなどして楽しんでいただければと思います。

今回の講座は、春の企画展「ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」に合わせて4月に開催が予定されていました。
しかし、緊急事態宣言にともない開催できなくなった講座でした。
近岡先生たちのご厚意により開催を延期させていただき、無事10月に開催することができました。

近岡令先生、明美先生、そしてご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました!
また、AOZスタッフのみなさま、ありがとうございました!

次回は12月にこむこむさんを会場に創作プログラムを開催します。

「リトルモンスターを作ろう!」開催しました。

10月17日(土)創作プログラム「リトルモンスターを作ろう!」を福島市子どもの夢を育む施設こむこむ「つくろうの部屋」で開催しました。

講師は画家の宮嶋結香さんです。

今日のワークショップでは、ボトルキャップフィギュアをベースに、コルク粘土で形を作り、木の実やボタンなど、身近にある素材を使って、自分だけの小さなオリジナルモンスターを作ります!

 

 

宮嶋さんから作り方を聞いて、フィギュアと粘土を受け取ったら制作開始です!

 

 

フィギュアにコルク粘土をつけて自由に形を作ります。

 

 

形ができてきたら、木の実、木の枝、ビーズやボタン、貝殻などをつけていきます。

 

 

いい感じです!この後、粘土の表面を乾燥させて色を塗ります。

 

 

 

 

 

真剣に丁寧に工夫しながら色を塗っていきます。まるで職人です。

 

最後は全員のオリジナルリトルモンスターの撮影会です。どの作品も魅力的です!

分解して要素を加えて創り上げることで表現の幅が広がりました。

 

宮嶋さん、参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

共催 福島県立美術館 公益財団法人福島市振興公社

創作プログラム「三原色で描く水彩画」開催しました!

8月31日(月)より、当館は改修工事のため休館に入りしました。
そのため、普段は美術館の実習室で開催している創作プログラムを、福島市内の会場をお借りして開催しています。

9月13日(日)、福島市アクティブシニアセンターAOZさんで「三原色で描く水彩画~入門編~」を開催しました!


講師は画家で上越教育大学准教授の伊藤将和先生です。
伊藤先生は西会津町のご出身です。

色と色とを混ぜ合わせることで、多彩な色を作り出すことができます。
今回の講座では、色の三原色(マゼンダ赤・シアン青・イエロー黄)のみを使用して、水彩画を描きました。

まずは色の基本や描き方について、スライドで説明していただきました。
 

構図の取り方、明度、彩度、色相。人は色をどのように捉えているのか。
補色の関係…などなど、実験なども交えて丁寧にご説明いただきました。

では、実際に描いてみましょう!
まずは赤、青、黄色の絵具をパレットに出して混色をし、色相環を作ってみます。

ウォーミングアップが終わったところで、本日のモチーフ選び。
今回のモチーフはスイーツ。
ケーキやタルトなどの中から、描きたいものを1つ選びます。

 


鉛筆でモチーフの形をとっていきます。
構図が大体決まってきたところで、午前中は終了。

お昼休憩をはさみ、午後は自然な色調でモチーフの色を再現していきます。

今回の講座で使った絵具は、青、赤、黄色のみ。
何度も塗り重ねながら、モチーフの色に近づけていきます。
同じような赤でも、青みが強い赤もあれば、黄色みが強い赤、くすんだ赤もあります。
よーくモチーフを観察しながら、色を近づけます。
最後に影を描くと、立体感が増します。

ワークショップ中に、並行して伊藤先生もタルトを描いていました。
できあがった絵をご覧になりながら、みなさん伊藤先生に質問をしていました。

最後に、受講者全員の作品を持ち寄り鑑賞会。
お互いどのような絵が完成したのか、みてみます。
いくつかの作品については、伊藤先生からコメントをいただきました。

伊藤先生、ご参加いただいたみなさま、AOZスタッフのみなさま、ありがとうございました!


引き続き、来年春ころまでAOZさんやこむこむさんを会場にワークショップを開催します。
HPで募集案内を掲載しますので、ぜひご参加ください。

創作プログラム「建築廃材で小さなまちをつくろう―木製ブックスタンド制作」

8月22日(土)、当館実習室にて創作プログラム「建築廃材で小さなまちをつくろう―木製ブックスタンド制作」開催しました。
講師は相馬市出身の画家、門馬美喜さんです。

講師のふるさと相馬市をはじめ、福島県の復興に使われた様々なかたちの建築廃材。
これらの木材を自由に組み合わせて、ブックスタンドにひとりひとりが思い描く、行ってみたいまちを作ります。
午前、午後で2回開催しました。

まず、L字に組み合わされた木の板を1人1つ選びます。
紙ヤスリを使って、角を丸くしていきます。

 

木をしっかりと押さえながらヤスリをかけていきます。 
具体的に使う場所をイメージしながら作っている方もいました。

ヤスリがけが終わったら、上にのせる小さな木を選んでいきます。
たくさんの木片から、形や色合い、模様を見ながら探していました。
 

選んだ木片をL字の上にのせ、木工用ボンドで接着します。
それぞれが思い描く街や家をつくっていきます。

 

接着がだいたい終わったところで、柿渋を塗りました。
柿渋には防腐、防虫などの効果があります。
重ねて何度も塗ることで落ち着いた感じの色になります。
 

柿渋が乾燥したら、みつろうワックスをウエスですりこみ、完成です!
みんなでお互いの作品を見ていきました。
作品はこのような感じ。
小さな部屋のような空間を作ったり、木片の模様を波のように組み合わせたり、たくさんの木を並べてビルのようにしたり…
様々なまちの姿があらわれました!

門馬さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

9月より改修工事のため休館となりましたが、市内の施設を会場に、引き続き創作プログラムを実施します。
詳細は当館HPをご覧ください。

館長講座 延期分を開催しました

「古典に帰れ-西洋美術の巨匠たち」をテーマとした早川博明前館長による館長講座は2018年度より始まりました。

今年3月に最終回を予定しておりましたが、新型コロナウイルスの影響によりやむなく延期に。

それから約半年が経過し、8月29日(土)にようやくこの最終回を延期開催することができました。

 

事前申込制・間隔をあけて座って頂くなど、ウイルス感染防止策を行いながら、これまでとは違う形での開催となりましたが、

みなさん非常に熱心に、久しぶりの早川さんのお話に耳を傾けていました。

約2時間、あっという間の時間でした。

  

 

お話を終えたあと最後に、美術館友の会の方が素敵な花束を贈って下さいました。

とても和やかな雰囲気に胸が温かくなった場面でした。

 

館長講座「古典に帰れ-西洋美術の巨匠たち」は一先ずこの最終回をもって一区切りです。

ご参加頂いたみなさま、有り難うございました!

そして早川さん、シリーズ講座おつかれさまでした!

2020年度第Ⅱ期常設展 終了

当館は本日9月1日~2021年春頃まで、改修工事により約半年間休館となります。

ご利用のお客様にはご不便をおかけしますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。

 

さて、これに伴い展示の方も企画展・常設展ともに8月30日(日)に閉幕しました。

展示室も工事の手が入る予定なので、リニューアル後は展示室の雰囲気が少し変わったように見えるかもしれません。

改修前の展示室でのラスト展示となったので、作品撤去作業を終えたときはどこか寂しさを感じました。

 

以下、直近まで開催していた常設展Ⅱ期(7/1~8/30)について展示風景を振り返ります。

 

まずは Aの部屋から

 

  

日本画のコーナーです。川端龍子《螢》や中島清之《胡瓜》など、夏らしい作品もあります。

中でも速水御舟の《女二題》は当館でも一推しの名品の一つですが、昨年ご寄贈頂いた下絵を初めて展示し、下絵と本画を見比べられるという面白さのある空間となりました。

 

部屋の奥は、没後10年となる伊砂利彦の特集展示コーナーです。

涼やかな画面に包み込まれると不思議な心地よさを覚えます。目の前に波の流れを感じられる素敵な展示空間でした。

 

続いては Bの部屋です。手前の片面では洋画を展示。

関根正二、岸田劉生、安井曾太郎など大正期の画家達の作品に始まり、丸山晩霞、石井柏亭らの水彩画、そして村井正誠、百瀬寿らの抽象絵画などを並べました。

時代が進むにつれて作品のサイズが大型になっていくのが分かります。

  

 

もう片面の壁では、現代の彫刻の特集展示を行いました。

  

工藤哲巳、橋本章、入江比呂らのミクストメディアによる作品や、安藤栄作、髙野正晃による生命感のある力強い木彫作品などを出品しました。

部屋の真ん中に鎮座するのは川島清の《Observation 42-地下の落下物》。特別な存在感を放ちます。

 

次は Cの部屋です。海外コレクションを展示しました。

フランス美術では、コロー、ピサロ、ルノワールを出品。いつ見ても心がぱっと晴れるような明るい印象の並びです。

 

 

アメリカ美術では、ベン・シャーンを2面に展示。

おなじみの《ラッキードラゴン》などのペインティングに加え、シャーンが撮影した写真の資料展示を行いました。

  

ほかの作家としては、ジョン・スローン、レジナルド・マーシュ、そしてワイエスの《松ぼっくり男爵》と《ガニング・ロックス》を出品。

表現の多様さを感じます。

 

最後は Dの部屋です。

左側では、福島を代表する版画家・斎藤清の1930~1950年代の初期作品を展示。

 

右壁面では、今期は福島の版画家達を特集しました。

  

 長谷川雄一さん(写真左)、安部直人さん(写真右)、山中現さん(写真下)の作品を取り上げました。

 技法や表現の差異から、それぞれの版との向き合い方の違いも感じられるようです。

 

次にオープンするのは約半年後となってしまいますが、その間当館の収蔵品を用いて、

小峰城歴史館で関根正二を中心としたコレクション展(9/12[土]~11/8[日])、喜多方市美術館で海外コレクション名作展(10/18[日]~11/17[火])

といった移動美術館展を開催しますのでそちらにも是非足をお運び下さい。

 

リニューアルオープンをお楽しみに!

「アートなおはなしかい」開催しました!

8月8日(土)、おとなりの図書館さんと一緒に「アートなおはなしかい」を開催しました。
今回のテーマは、「夏をさがそう!」

図書館の本や美術館の作品の中から、“夏”をさがします。
まずは図書館さんで絵本のよみきかせです。

最初に紹介されたのは、『トマトさん』(田中清代作、福音館書店)。
真っ赤に熟れた「トマトさん」といきもの達のある暑い夏の1日を描いた絵本でした。
トマトさんの表情の変化が面白く、たくさんのいきもの達も愛らしく描かれています。

次はとなりの美術館へ!

ちょっとしたクイズも入れながら、みんなで作品を楽しみます。
作品を鑑賞した後には、関連する本を紹介していただきました。


最初に鑑賞したのは、中島清之作《胡瓜》(1923年)。
生い茂る葉っぱの間に見えるキュウリの実をみんなで探しました。
暑いかな?寒いかな?ジメジメ?カラッとしてそう?
絵から気温や湿度まで感じられそうです。
最後に、キュウリの育て方がわかる本や、日本各地の伝統野菜についての本を紹介してもらいました。


大きなふきが摺られ、背後に滝、周りを飛び交うツバメが描かれた平福百穂作《ふき》(制作年不詳)。
ここでは、葉っぱの部分をどうやって作っているのか、みんなでクイズなどをしました。
この後、葉っぱの形から植物を探すことができる本や、人の背丈より大きい秋田蕗の写真が載っている本を紹介してもらいました。


波の動きを表した伊砂利彦作の《瀬》(1978年)はとても涼しそうな一枚。
「どんな音が聞こえてきそうかな?」みんなで想像しました。
鑑賞後、水に関する本を紹介してもらいました。

百瀬寿作《NE.Blue,Blue,Blue and Blue》(1993年)
「青」にもいろんな色があります。
みんなが好きな部分はどこかな?指差してみてもらいました。
色には様々な名前がついています。
最後に、色の詳しい名前と由来に関する本や、青が変化していく様子を描いた、美しい絵本を紹介してもらいました。

 

 

展示室での活動はここまで。
最後に、百穂の《ふき》をイメージしながら、葉っぱを使った工作をしました。
今回は美術館の庭園から採取した葉っぱを活用。(美術館の庭園には様々な種類の樹木があります)
水彩絵の具をスポンジにつけ、葉っぱの裏側にトントンと付けていきます。

 

まんべんなく付いたら、厚紙の上に葉っぱを置き、新聞紙を重ね、上からこすりつけます。
葉っぱをゆっくりはがすと…。模様がきれいに写ります。

好きな葉っぱを2枚選んでスタンプしていきました。
最後に、葉っぱの間や上に、いきものをステンシルして、葉っぱのカードが完成!

ご参加いただいたみなさま、図書館のスタッフのみなさま、ありがとうございました!

WORKSHOP MART開催しました

8月2日(日)、当館庭園にて「WORKSHOP MART~おうちを美術館にしよう~」開催しました!
連日雨が続いていましたがこの日は晴れ、暑いくらいのお天気でした。

今回は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、いつもと形式を変えての開催となりました。
これまでのようなワークショップ出店ではなく、持ち帰って家で楽しめるワークショップキットを準備しました。
家の中で制作し、完成した作品を飾っておうちの中を彩ります。

準備されたキットは8種類。
絵画、彫刻、グラフィック、テキスタイル、版画の各ジャンルに加え、過去に参加してくれた作家のワークショップ3種類が並びました。
 

 

 

一番上から
画家になってみよう!「静物画を描くキット」
彫刻家になってみよう!「《歩く花》のとなりを歩く彫刻をつくろう」
グラフィックデザイナーになってみよう!「レイアウト・レイヤーキット」
染色家になってみよう!「キッチンでもできるハーブ染めキット」
版画家になってみよう!「フロッタージュキット」

さっそく美術館の石畳を使って作品づくりをしている方もいました!

  

こちらは、過去に参加してくださった作家さんによるワークショップキット。
左から、
工房マートル(キャンドル作家)さんの「揺らめく色のワックスモビール」
佐藤恭子(綿花農家)さんの「サシェをつくろう 鼻で絵を見たことがありますか?」
Decca*chi (革コモノ作家)さんの「とったどー!大漁だぞー♪モビール」
8種類のキットは、すべて完成後におうちで飾れるよう、額縁が入っていたり、ひもでかけられるようになっていました。

みなさん、キットでどんな作品ができるのかスタッフの説明を聞きながら、選んでいました。


また、当日参加できるワークショップが1つだけありました。
「いつもの街角」
軽くて水に強い素材でできたクラッチバッグに、スタンプを押して、オリジナルバッグをつくりました。

 

こちらもたくさんの方にご参加いただきました。
キットを使っておうち時間を楽しみ、完成した作品で部屋を彩っていただけたらうれしいです!

ご参加いただいたみなさま、ワークショップキットを企画・制作していただいたみなさま、ありがとうございました。
また、当日暑い中スタッフとしてお手伝いいただいた方々、FRIDAY SCREENの坂内さん、鈴木さんありがとうございました。

「勝手に!大津絵ふきだしグランプリ」結果発表

「大津絵展」にあわせ、エントランスホールで開催していた「勝手に!大津絵ふきだしグランプリ」。

28日(日)で展覧会が終了しました!

たくさんのナイス!を獲得した「グランプリ」は…

 

「どこまでが額ですか?」

 18ナイス!を獲得しました!

 

他の作品も、「〇〇賞」で紹介していきます。

「館長賞」

当館の館長が選んだ一枚は…!

 

「福島の酒はんめーべ? もっと飲まんしょ!」

 

「担当学芸員賞」

今回の「大津絵展」を担当した学芸員が選んだのは…!

 

「きみといっしょにいたい」

 

「監視員賞」

日々、作品の安全を見守ってくれている監視員さん達の票を最も集めたのは…!

グランプリも獲得した 「どこまでが額ですか?」でした。

惜しくも一票差で2位だったのは、

 

「これからデートなんでよろしくお願いします」

みなさま、おめでとうございます!

今回ご紹介できなかったふきだしの中にも、楽しいものがたくさんありました!

ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました!

「ミニ大津絵をつくろう!」

現在、当館企画展示室では「大津絵展」開催中です。

これにあわせて、13日(土)と14日(日)の2日間、エントランスホールに小さな体験コーナー「ミニ大津絵をつくろう!」を設けました。

江戸時代に東海道の大津周辺で旅人へのおみやげものとして親しまれた「大津絵」。

量産のため、版木押しや型紙で骨格をつくり、素早い筆づかいで色が塗られたものもありました。

今回は、和紙にスタンプされた黒い骨格を元に、色を塗ったり、表情を描き入れたりして、小さな大津絵をつくりました。

塗る前はこのような感じ。

 

左から《瓢箪鯰》、《大黒外法の相撲》、《鷲》、《鬼の念仏》の4種類。

顔の部分が抜けているので、表情を自由に描きこむことができます。

 

着彩の道具はポスカを準備。

基本の7色以外にも、使いたい色を自由に使って色を塗っていただきました。

 

みなさんとっても集中して塗ったり描きこんだりしていました。

完成したミニ大津絵の一部ご紹介。

 

元になっている黒い骨格は一緒ですが、色合いや表情によって全く異なる印象の作品が完成しました。

 

オリジナルのキャラクターを生み出す方もいて、発想に私たちスタッフもびっくり!

 

ご参加いただいた方からは、「たのしかった」、「塗り絵なんて久しぶりでおもしろかった」、「展覧会の思い出になった」などのご感想をいただきました!

短時間のワークショップでしたが、「大津絵」の魅力を感じていただけたらうれしいです。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

 

「もうひとつの江戸絵画 大津絵展」は6月28日(日)まで開催しています。

ぜひご来館ください。

ジャポニスム展 第六章

企画展「ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」展より、全6章からなる展示の様子を引き続き、ご紹介していきます。

 

今回は最終回、第6章「アール・デコとジャポニスム」です。

 

アール・ヌーヴォーに続く様式のアール・デコは、20世紀前半の両大戦間期に流行をみせた装飾様式です。
植物モチーフは抽象的な形となり、シンプルかつモダンなスタイルが人気を得ました。
また、工業の進展に伴い、数多くの新しい素材の使用が可能となったのも特徴的な点です。

 

本章で展示されるアール・デコ様式の作品は、日本美術の影響がアール・ヌーヴォーを超えて存続したことを示しています。

それでは、作品をご紹介していきます。

 

アール・デコを代表する作家、ルネ・ラリックの《ナーイアス図飾皿》(1920年頃)。
ギリシャ神話に登場する川や泉の妖精ナーイアスが型押し技法で表されています。
無数の水泡が妖精の体の動きに合わせるように揺らめき、躍動感を感じさせます。
まるで今まさに妖精が水中から浮かび上がってきたかのような錯覚を覚えます。

 

 

スウェーデンのエドワルド・ハルド、オレフォスガラス工場による《網にかかった魚文鉢》(1924年)。
器の周りに、漁網と網にかかった魚がぐるりと一周描かれている面白いデザインです。
水中で魚たちが、徐々に狭まる網の中で戸惑う様子が伝わってきます。

 

 

フランスのガブリエル・アルジー=ルソー《蝶文鉢》(1915年頃)。
茶色がかった色合いの蝶が羽を大きく広げて、器の周りを取り囲むように配されています。
羽の斑紋や立体的な造形など、なかなかリアルな蝶の表現です。器の淡い紫色と羽の緑色の色合いによって、幻想的な雰囲気が醸し出されています。

 

 

ドーム兄弟《ガラス水差》(1910年頃)。
ドーム兄弟は、アール・ヌーヴォー期から活躍していましたが、時代の流れに合わせてアール・デコ様式を取り入れた作品も手掛けるようになり、モダンなセンスによる造形で名声を保持しました。
本作は、表面に艶消しの加工を施して劣化しているような風味をわざと出しています。
フォルムのユニークさと相まって、特殊な色合いと質感により、存在感を感じさせます。

 

 

こちらもドーム兄弟、《多層間金箔封入小鉢》(1925-1930年)。
典型的なお茶碗の形です。色ガラスペーストが全体に滲みとして広がり、不規則な形状の金箔がガラス層の間に挟み込まれることによって、高貴な輝きを放っています。
驚くほど美しい本作は、日本の造形美と漆工芸の世界を集約した名品と言えるでしょう。

 

 

ジャポニスムの影響は、様々な形で表現を変えながら、アール・ヌーヴォー、そしてアール・デコまで続いていたことが分かります。

 

 

 

「ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」展の紹介は以上となります。

約100年以上前に起こった東西文化交流の熱を、その結果生み出された美しい名作群の魅力を少しでも感じて頂けたら幸いです。

本展は残念ながら中止となってしまいましたが、新型コロナウイルスが収束し、美術館で皆さまとまたお会いできる日を楽しみにしております。

ジャポニスム展 第五章

企画展「ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」展より、全6章からなる展示の様子を引き続き、ご紹介していきます。

 

今回は第5章「もうひとつのアール・ヌーヴォー―ユーゲントシュティール」です。

 

19世紀末から20世紀初頭にかけて欧米で同時多発的に流行したアール・ヌーヴォー様式ですが、その表現は主にふたつの潮流から成っていました。

ひとつは、植物など有機的なモチーフを曲線美豊かに、アシンメトリーな配置で表すフロレアル・アール・ヌーヴォーというもので、フランスを中心に流行しました。

もう一方は、主にドイツ語圏でもてはやされた幾何学的アール・ヌーヴォー「ユーゲントシュティール」です。
直角や幾何学的なディティールが特徴で、左右対称に表すシンメトリー性や様式化された植物モチーフが好まれました。

 

本章のユーゲントシュティールの作品を見ると、3章で紹介した作品群とは明らかにデザインの特徴が異なることが分かります。

 

それでは、これから作品をご紹介していきます。

ベルリン王立磁器製作所による、(右):《花束文鉢》(1900-1905年)と、(左):《四つ葉クローバー文花器》(1900-1905年)。
1751年に設立されたベルリン王立磁器製作所は、ユーゲントシュティールの時代に最盛期を迎えました。
豊かなフォルムと装飾モチーフで有名となり、幾多の万博で成功を収めました。
両作品とも植物が様式化されており、洗練された優雅さを感じさせます。

 

 

こちらもベルリン王立磁器製作所、(右):《エナメル彩花器》(1910年頃)と、(左):《植物文花器》(1910年頃)。
鮮やかなエナメル彩と小さな金の連珠で装飾されたデザインが規則正しいリズムで配されています。
同製作所が誇る装飾図案の豊富さ、技術の高さが分かります。

 

 

ドイツのビレロイ&ボッホ製陶所による《樹文花器(一対)》(1903年)。
幾何学的に様式化された濃紺の樹木が立ち上がっています。スタイリッシュな造形で、ユーゲントシュティールの特徴を明確に示しています。

 

 

最後にご紹介するのは、フランスのウッツシュナイダー社の《洋蘭文ティーセット》(1910年頃)。
クリーム色の器は、いずれも両側面に豪華な洋蘭のモチーフが配され、金彩や緑色の水滴模様で装飾されています。
このようなティーセットでお茶会をしたらとても優雅なひと時となるでしょうね。

 

 

同じアール・ヌーヴォー様式といえども、ユーゲントシュティールでは幾何学的デザインやシンメトリー性が明確に示されているのが分かります。
同時代の流行でも国や文化圏によって、デザインの特徴が大きく異なる点が面白いと思います。

    

 

次回は最終章の第6章をご紹介します。

ジャポニスム展 第四章

企画展「ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」展より、全6章からなる展示の様子を引き続き、ご紹介していきます。

 

今回は第4章「建築の中の装飾陶板―1900年パリ万博のビゴ・パビリオン」です。

 

古くから陶器は、壁や屋根の建築資材やカバータイルとして使われてきましたが、19世紀末になると、工場生産の導入によって大きなサイズの陶板の製造が可能となりました。様々な陶器が作られ、鉄筋コンクリート構造の建造物を飾ったのです。
建築を装飾するそれらの陶器にも、表現のコンセプトや釉薬の使い方において、日本美術の影響は見られます。

 

ここで紹介する作品群は、1900年パリ万博でお披露目された建築用陶器群、いわゆるビゴ・パビリオンの建築装飾の一部です。
建築家ジュール・ラヴィロットが設計・建設し、陶器群はビゴ社が製造しました。

 

このパビリオンは博覧会でグランプリを受賞した後、ブダペスト国立工芸美術館館長によって買い上げられ、ブダペストに移送されました。
しかし、地下室に地下室に仕舞い込まれたそれらの建築装飾は、世界大戦後の動乱と共に長い間忘れ去られてしまいました。
ところが、美術館改修工事の折に発見され、1996年に同館で行なわれた展覧会でようやく一部が展示されるに至りました。

国外においてこれほどまとまった形で展示するのは、本展が初めてだそうです!大変貴重だということが分かりますね。

 

それでは、作品をご紹介していきます。

デザイン:ポール・ジューヴ、ビゴ社製《牡牛図フリーズ装飾陶板》(1898-1900年)。
1900年パリ万博のメインエントランスは、巨大な動物のフリーズで飾られていたそうですが、
本作はメインエントランスの作品をビゴ・パビリオン用に小型化したものの一部です。
万博の雰囲気を今に伝える作品です。

 

 

デザイン:G.ニコレ、ビゴ社製《水中図フリーズタイル》(1898-1900年)。
こちらも生き物を描いた作品。大小さまざまな魚やヒラメが泳いでいます。
水草も描かれていて、よく見ると細かく表現されていることが分かります。

 

 

デザイン:アルフレッド=ジャン・アルー、ビゴ社製《蛙図フリーズタイル》(1898-1900年)。
蛙の脚がタイルをまたいでいますが、ここで分割するのは理由があります。
並べる際に、タイルごとに焼き上がりの色が異なっていても自然に見せられるためだそうです。工夫されているのが分かります。

 

 

デザイン:ピエール・ロシュ、ビゴ社製《自転車に乗る人物図フリーズタイル》(1898-1900年)。
自転車を全速力で漕ぐ人物の列が描かれています。丸い輪二つで自転車を表し、上半身から布がたなびくことで疾走感が表現されています。
19世紀に発展した産物のひとつが自転車。当時の自転車ブームを生き生きと伝えています。

 

 

         

(左):ビゴ社製《草花図壁面カバー装飾陶板》(1898-1900年)。
大型の豪華なタイルは、建造物の内装用に、玄関ホールの内壁カバータイルとして制作されました。
本作は、濃淡のある青い地に植物が2枚にわたって大きく表されています。玄関にこのような装飾があると、とても優雅な気持ちになるでしょうね。


(右):デザイン:ヤーノシュ・バッハ、ジョルナイ陶磁器製造所製《蔓花図フリーズタイル-建築用陶器》(1911年)。
ハンガリーのジョルナイ陶磁器製造所は、芸術的な装飾品ばかりでなく、数百種に上る建築用装飾陶器も製造しました。
フリーズ用タイルの一部である本作は、かつてブダペストのある高級賃貸住宅の窓枠を飾っていたそうです!

 

 

このように華やかで細かな装飾を施した陶器で建築物を彩るのは西洋的な文化ですが、
特に陶磁器の生産が盛んなハンガリーでは、自国を代表する文化の一つであるとも言えるでしょう。

実際、ブダペスト国立工芸美術館の屋根はジョルナイ陶磁器製造所によるタイルが使用されていて、素晴らしい美しさを誇っています。

 

次回は第5章をご紹介します。

ベッツィ・ワイエス夫人を偲んで

アメリカの画家アンドリュー・ワイエス(1917-2009)のベッツィ夫人が4月22日に98歳で亡くなられました。

ワイエスは当館のコレクションにとって、とても重要な画家の一人です。常設展示室の三番目の落ち着いた部屋の中央に掛けられた《松ぼっくり男爵》を、一度はご覧になった方も多いのではないかと思います。

親愛なる家族や親しい友人たち、そしていつも目にする日常の風景をとても大事に描き続きたワイエスにとって、ベッツィ夫人はインスピレーションの源であり、よき理解者であり、いつもそばにいる最愛の人でした。すでに天国に召されたワイエスの傍らで、おそらく微笑んでおられることでしょう。

 

ワイエスの孫娘、ビクトリアさんが制作した祖父母への追悼のビデオをご紹介いたします。

皆さまと共に、アンドリューとベッツィ夫妻の人生を振り返り、ご冥福をお祈りしたいと思います。

https://vimeo.com/410013185

 

ただいま、コロナウィルス感染防止のため休館をしておりますが、開館した折には、またワイエスの作品を見に来ていただければ嬉しいです。

 

 

ジャポニスム展 第三章

企画展「ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」展より、全6章からなる展示の様子を前回に引き続き、ご紹介していきます。

 

今回は第3章「アール・ヌーヴォーの精華―ジャポニスムを源流として」。本展のメインの章になります!

 

アール・ヌーヴォー様式の源泉のひとつとなり、芸術のあらゆる領域へと広がりを見せたジャポニスム。
本章では、作品を特徴に基づいて4つのセクションに分類し、体系的にご紹介しています。

 

 

 

第一セクション:花のモチーフ

西洋美術においても、植物など自然の描写は昔から行われてきましたが、それらはほとんど物語画や人物画の背景であったり、教訓的な意味を担った静物画であったりしました。

一方、日本美術では、植物の造形美そのものが作品の主題として成り立ち、茎や蔓による曲線美や花の可憐さなど、表現は多様に富んでいました。
また、構図もアシンメトリー(非対称)で、細部の表現は精緻で洗練されたものでした。

このような日本美術の特徴が活かされたアール・ヌーヴォー様式の作品が並びます。

  

      エミール・ガレ《洋蘭文花器》1900年頃            エミール・ガレ《クレマチス文銀製台付花器》1900年頃 

 

 

   

     ジョルナイ磁器製造所《葡萄新芽文花器》1898-99年             ドーム兄弟《水辺風景図花器》1910年頃

 

 

第二セクション:表面の輝き

日本の品々のうちでも、蒔絵の漆芸品には大きな意義がありました。
表面に蒔かれた金や銀の粉の煌めきは、古くから黄金を特別視していた西洋の人々にとって特に魅力的に映りました。

ジャポニスムはアメリカでも流行しましたが、ルイス・カンフォート・ティファニーも日本工芸の金属的な輝きに魅せられたひとりです。
ティファニーが開発した虹色の光を放つファブリルガラスは、類いまれな華やかさと洗練さを備えたものですが、日本の金工芸の影響をも想起させます。

 

 

 

第三セクション:伝統的な装飾モチーフ

日本のデザイン表現の特徴のひとつに、植物や雲や波などの自然の装飾文様・モチーフを繰り返し反復させるという手法があります。

ヨーロッパの工芸界もこの日本美術の装飾表現を採用しましたが、反復するモチーフを正確に絵付けするのは非常に繊細な作業でした。

ジョルナイ陶磁器製造所は、玉虫色に輝くエオシン彩を用いたり多彩な色合いでもって描き出し、驚くほど美しく細密な装飾表現を実現させています。

   

成型 デザイン:シャーンドル・アパーティ・アブト            ジョルナイ陶磁器製造所《黄色のヤグルマギク文花器》1900年頃
ジョルナイ陶磁器製造所《花瓶》1903年

                                                  

                                                                            

          左:《花煙帯文花器》1898年、右:《天空風景文花器》1898年 ともにジョルナイ陶磁器製造所作

 

 

第四セクション:鳥と動物

動物のモチーフは、西洋美術においても古くから様々な形で描かれてきましたが、脇役的な立場で描写される場合が多く、主役として扱われることはあまりありませんでした。

一方の日本美術では、動物の描写が際立っており、作品の要として描き出されることが多くありました。
動物の特性を観察し、生き生きと面白く表現した浮世絵や根付けは、ヨーロッパ美術の動物表現にも影響を与えました。

   

 ルイス・カンフォート・ティファニー《孔雀文花器》1898年以前          エミール・ガレ《昆虫文花器》1889年以前

 

 

    

  シャーンドル・アパーティ・アブト、ジョルナイ陶磁器製造所     左:ロイヤルドルトン社《ヨークシャー豚像》1905年頃
 《狩りをする雌ライオン像》1908年                 右:チャールズ・ジョン・ノーク、ロイヤルドルトン社
                                  《スコッチテリア像》1904-10年

 

 

 

芸術家が日本美術の表現を吸収して理解し、自分なりの表現へと昇華させていった跡が作品から感じられますね。

現在ほど情報量の波に溢れていなかった時代に生じた東西交流が、このような形で美しい作品群に結晶したことを考えると感慨深いです。

 

 

 

次回は4章をご紹介します。

ジャポニスム展 第二章

企画展「ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」展より、全6章からなる展示の様子を前回に引き続き、ご紹介していきます。

 

今回は第2章「日本工芸を源泉として―触感的なかたちと表面」です。

 

東洋の工芸では、作品の形状に自然の造形をそのまま「かたち」として取り入れることが多々あります。たとえば、瓢形の器や果実の形をした器などです。
このような発想は、古代ギリシャやローマ時代の造形を伝統的なフォルムとして参照してきたヨーロッパの人々にとって新鮮なものでありました。 

また、西洋文化では釉薬や顔料は、表面を均一に覆い、計算通りの完璧な仕上がりとなった場合に高く評価されました。
その一方、東洋では、作品の焼成中に起こる事態や偶発性も制作過程のひとつとしてとらえ、自由な創作の余地をはらんでいました。 

このような東洋の陶磁器の影響を受けて、多くのヨーロッパの作家が、東洋的なフォルムを採用したり、表面に特殊な色合いや質感を出そうと釉薬の様々な実験を行なったりし、成果を収めました。

 

 

 

それでは、2章の作品をいくつかご紹介していきます。

 

こちらは、スウェーデンのロールストランド磁器製造所作の《結晶釉花器》(1903年頃)です。
シンプルな色と形が、結晶釉の美しさを引き立てています。雪の結晶のようにも、咲き誇る桜の花びらのようにも見えてくるほど美しいです。
気品に満ちていて、日本人の感性に強く響くものがあります。

 

 

 

続くこちらも、ハンガリーのジョルナイ陶磁器製造所作の《結晶釉花器》(1902年)。
瑠璃色が美しく輝く作品です。縦方向に濃く流れる結晶の蔓とその周りを染める淡い色彩は、まるで青い藤の花を彷彿とさせます。

 

 

 

ハンガリーのイエネー・ファルカシュハージ=フィッシェルとヘレンド製陶所が制作した《瓢形花器》(1901年)です。
瓢箪の形は、東洋の工芸に特徴的な形です。また、このくすんだ色合いと不規則に浮かぶ茶色の斑紋が日本らしさを一層感じさせます。
ヘレンド製陶所はハンガリーの陶磁器ブランドとして、テーブルウェアなどで有名ですが、かつてはこのようなジャポニスムの作品も手掛けていたんですね。 

 

 

   

こちらは、スウェーデンのアウグスト・ヘルマン・ノイド作の《青春と老いを象徴する飾壺》(1896年)です。
不思議な球根型をした作品には、片面に、髪に花を挿した若い女性の肖像が、もう片面にはしわだらけの老婆の顔が配されており、「青春」と「老い」を象徴的に示しています。時の流れはまたたく間に移ろいゆき、生命は儚いというメッセージを伝えています。
釉薬の濃淡と浮彫で表情を細かく描き出す技術が素晴らしいです。 

 

 

 

最後にご紹介するのは、テプリツェ=ツルノヴァニ製陶所の《ラスター結晶釉花器》(1900年頃)です。
全体を紫や青、緑、黄色の金属光沢のある結晶ラスター彩が覆っています。
光の当たり具合によって色合いが変わりますが、日本工芸で使われる螺鈿(貝殻の内側の七色に光る層を装飾に用いる技法)と通じているようにも思われます。
魅惑的な色合い、結晶釉のきらめきと光沢感、それらを効果的に引き出す不思議な形状。いずれを見ても完成度の高い作品です。

 

 

1章で表された日本的なモチーフは影を潜めても、かたちと表面の質感から日本らしさが感じられます。
新しい技法による表現に果敢に挑戦した芸術家の努力を思い浮かべると素敵ですね。

 

   

   

 

次回は3章をご紹介します。

「ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ展」第一章

当館は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、5月10日まで企画展・常設展含め全館臨時休館となりました。

企画展「ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」についても残念ながら中止が決定となりました。再開を楽しみにされていた皆様には心よりお詫び申し上げます。何卒ご理解の程、お願い申し上げます。
観覧券の払い戻し対応については、本展公式HPよりご確認ください。
http://www.fct.co.jp/Japonisme_F/



中止を受けましたが、会場では美しい作品群がいまも展示されています。
ぜひ皆様にご覧になっていただきたいので、前回に引き続き、本展の紹介を行なっていきます。

 

本展は全6章で構成されています。

はじめの第1章は「自然への回帰―歴史主義からジャポニスムへ」

ヨーロッパの一般大衆が初めて日本文化に触れる機会を得たのは、1862年のロンドン万国博覧会と1867年のパリ万国博覧会でした。
海を渡りやってきた日本の珍しい品々は、古典的な芸術ルールに慣れていたヨーロッパの人々に衝撃を与え、多くの芸術家や工房が日本趣味に基づく作品の制作に着手しました。

ここでは、日本美術の影響がもっとも強く認められるジャポニスムの初期段階の作品を紹介しています。
日本的な装飾や直線的・平面的な表現、大胆な構図など、日本らしさが明確に表現されています。

 

しかし一方で、作品の仕上げ方は、設計通りの完璧な仕上がりが目指されており、日本美術の特徴のひとつである偶発性の美の追求は無視されています。
なめらかな表面と計算通りにデザインが精緻に反映されているのが優れた作品という、西洋の伝統的な意識は変わらずに示されていました。

 

それでは作品を何点かご紹介いたします。

  

こちらは、ハンガリーを代表する製陶所のジョルナイ陶磁器製造所が作成した《滝に植物蝶文スツール》(1896年)。
ユーリア・ジョルナイが日本の布地を見本にデザインしました。
蝶の後ろに縦に長く伸びているのが滝です。もともとの布地デザインでは滝は青色でしたが、黄金色に変わりました。(筍のようにも見えるような?)
背景の赤に色が映えて調和のとれた豪華で美しい装飾となっています。

 

 

  

続いては、マルク=ルイ・ソロン(伝)、ミントン社制作の《尾長猿文飾壺》(1877年頃)。
深い藍色の地をバックに、イチジクの木の枝を渡る尾長猿が精巧な絵付けで描かれています。また、幾何学文様が描かれた丸文が何か所かに配されています。
躍動感あふれる見事な造形と装飾のいずれにおいても日本美術の影響が表れている逸品です。

 

 

  

展示室でひときわ目を引くのが、アール・ヌーヴォーを代表する芸術家エミール・ガレの《菊花文花器》(1896年頃)。
日本美術でよくみられる帯状の霞や靄の上に、色鮮やかな菊の花々が描かれています。
植物学者としての側面ももっていたガレは、自邸の庭で2,500種以上の植物を栽培し、その中には日本由来の品種も相当ありました。
日本のことを「キクの国」と呼び、日本美術に強い興味を抱いていたガレの趣味が顕著に示されています。

 

 

  

                                

こちらは、フランスの陶芸家ジョゼフ=テオドール・デックによる《花鳥文花器》(1880年頃)です。
みずみずしい自然の描写、今まさに飛んできたかのような生命力に満ちた鳥の表現が素晴らしいです。
日本の花鳥画を思わせる作品ですが、黄色と目の覚めるようなスカイブルーの色の組み合わせは日本では中々生まれなかったのではないでしょうか。

また、作品左右の側面には、口に輪を咥えた獅子がいます。東西の表現が混ざったような造形に感じられます。
見れば見る程おもしろい作品です。

 

 

    

最後にご紹介するのは、フランスのフランソワ・ロラン、ロラン&フィス・ファイアンス製陶所作《花枝にとまる鳥図花器》(1872年頃)です。
灰色の地にダイナミックな筆使いで花鳥図が描かれています。正面には、花のもと枝にとまる鳥が一匹、裏面には、植物のあいだを二匹のトンボが飛んでいます。
日本の陶磁器や水墨画を参照して描いたのでしょうか。手本を見つめながら絵付けに励む作者の姿が想起されます。

 

 

ほかにも1章ではジャポニスムの影響がよく分かる作品群が展示されています。

当時西洋で巻き起こった日本ブームの熱が伝わってくるようです。

  

 

 

 

次回は第2章をご紹介します!

ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ

3月24日より開幕した企画展「ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」。

5月10日までの開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月19日から5月6日まで急遽臨時休館となりました。

観に行く予定だったけれども行けなかったという方もいらっしゃるかと思います。web上ではありますが本展についてこれから何回かにわたりご紹介していきたいと思います!

  

 

 

まずは、素晴らしい作品群をお貸出し頂いた「ブダペスト国立工芸美術館」についてご説明します。

同館の創設は1872年に遡ります。1896年に建築家エデン・レヒネルの設計によって建物が生まれ変わり、ハンガリアン・アールヌーヴォーを代表する記念碑的建築となりました。まさに建物自体が作品です。(ちなみに美術館の屋根には、ジョルナイ陶磁器製造所製のタイルが使われているんですよ!)

そして当時の館長イエネー・ラディシッチ氏の下で、若い世代の芸術家達を刺激するような名品・優品群が収集され、また同時に彼ら現代作家の作品も多く購入されました。その結果、国際的に名高い第一級のアール・ヌーヴォーコレクションが形成されるに至ったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場展示室にて ブダペスト国立工芸美術館の外観・内観写真紹介コーナー

 

 

本展のテーマは「ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」。

同館から本展には、日本趣味、いわゆるジャポニスムの影響が感じられる作品群がセレクトされ出品されています。

19世紀半ばに開国した日本から多くの文物が西洋に渡り、欧米では日本ブームが巻き起こりました。新しい表現を開拓したいと模索していた芸術家達にとって、目新しい日本の文物や美術作品はまさに天からの啓示のようなものでした。

浮世絵が印象派やゴッホなどのポスト印象派に影響を与えたことは広く知られているかと思いますが、このように日本の品々が欧米に影響を与えた文化現象のことを「ジャポニスム」というんですね。

 

ジャポニスムが瞬く間にもてはやされた後、19世紀末に流行を見せるのが「アール・ヌーヴォー」様式です。

アール・ヌーヴォーは表現としては、有機的な植物モチーフや流線的な表現が特徴です。その根底には、自然そのものの造形美に目を向け、芸術品に取り入れる日本美術の考え方・姿勢が影響源のひとつとして表れています。

 

 

本展に出品されている作品も、日本美術の造形的特徴やモチーフを率直に反映させたものから、さらに一歩踏み込み、作者のオリジナル性溢れる表現へと昇華させたものまで様々な形で日本美術のエッセンスが表現されています。

ジャポニスムからアール・ヌーヴォー期の宝石のように美しい工芸品を通して、西洋から見た日本、また私たちが考える「日本らしさ」「西洋らしさ」に思いを馳せることができる展覧会です。

 

次回からは、展示風景をご紹介していきます!

「アートカード★チャレンジ」展終了しました

掲載が遅くなりましたが、3月8日(日)「コレクション再発見2020」で開催していた「アートカード★チャレンジ」展が終了しました。

今回展示を考えてくれたのは、福島市立野田中学校の3年生117名の生徒さん達でした。

 2月29日(土)に予定されていた代表生徒によるギャラリートークが中止となりました。

また、会期中に、3年生全員で展覧会を観覧する予定でしたが、臨時休校となりみんなで一緒にご覧いただくことができませんでした。 

少しではありますが会場写真を掲載し、来場者の方々からいただいたメッセージを紹介したいと思います。

展覧会会場前の看板                     「アートカード★チャレンジ」展入り口

 

今回の活動は、第3学年の生徒、4クラス117名の美術科の授業で実施されました。

はじめにアートカードを用いたゲームで当館の収蔵作品に親しみました。その後、クラスごとに展示のテーマを考え、下記の4つのテーマが決まりました。

    1組…「孤独」       2組…「Face」
    3組…「Let’s think !」    4組…「Sky Sea」
最後に、各クラス4,5名で6つのグループに分かれ、テーマに合うと思う作品を1点ずつ選び、作品に対して感じたことや考えたことなどをまとめました。

それぞれのクラスの展示をご紹介します。(順番は会場内の順路、太字は生徒からのコメントなど)

 

2組「Face」

人の顔はそれぞれ個性をもっていて、表情の表現の仕方も違ってくるから、いろいろな顔があるという気持ちからこのテーマにしました。

 

選ばれた作品は、右から

ベン・シャーン《ラッキードラゴン》、国吉 康雄《婦人と子供》、脇田 和《窓》、

斎藤 清《凝視(花)》、玉川 信一《樹のある風景》、ピエール=オーギュスト・ルノワール《帽子を被る女》

ルノワール《帽子を被る女》には、生徒さんからこのようなコメントがありました。

「この顔を選んだ理由は、人物の顔の印象は優しいイメージを持っていますが、

背景は彼女の心情を表したかのような、薄暗い感じの色使いから、悲しさを連想させると思ったからです。」

 

4組「Sky Sea」

同じ青でも、空と海で違っていて、その違いや空の広さ、海の深さ、

自然の壮大さを数々の絵画で表現しているところを伝えたいと思い、「Sky Sea」というテーマにしました。

選ばれた作品は、右から

鎌田 正蔵 《小家族(A)》、カミーユ・コロー《ヴィル・ダブレー―林を抜けてコロー家へ向かう池沿いの道》、百瀬 寿《NE.Blue,Blue,Blue and Blue》

クロード・モネ《ジヴェルニーの草原》、福王寺 法林《バドガオンの月》、伊砂 利彦《瀬》

カミーユ・コロー《ヴィル・ダブレー》には、生徒さんからこのようなコメントがありました。

「この絵は、地面にある土や、暗い色などと対比させることによって、空の青さをとても強調しています。

全体的に黒が多いので、夜に近づいていることがわかります。

木々はいろいろな色を使ってあり、本物のように今にも動きそうな感じがします。」

 

1組「孤独」

人間関係の残酷さ、一筋の光に求めるもの、旅立ちの寂しさに、何か訴えかけるものを感じました。
その中に「孤独」というものが共通していたので、「孤独」というテーマにしました。

選ばれた作品は、右から

マックス・エルンスト『博物誌』《光の輪》、斎藤 清《会津の冬(51)》、野田 哲也 《日記1976年8月19日》、

アンドリュー・ワイエス《ガニング・ロックス》、山中 現 《第三夜》、速水 御舟《晩冬の桜》

速水 御舟《晩冬の桜》について、生徒さんからこのようなコメントがありました。

「みなさんの桜に対するイメージは何ですか?きっと春の満開の桜の様子を頭に浮かべると思います。

しかし、この絵のタイトルを読んでみてください。《晩冬の桜》と書かれています。

なぜ作者は冬の桜を描いたのでしょうか?

その桜は、すっかり葉が落ちていて、見どころがありません。背景も何一つ描かれていません。

でも、描いた理由があるはずです。

私たちは、この桜の心情を考えて描いたのでは、と推測しました。

春とは違って、人が寄り付かないことへの寂しさ、「孤独」さがあふれていると思います。

1組のテーマは「孤独」。この絵のイメージも「孤独」だと思います。」

 

3組「Let's think !」

このテーマにした理由は、いろいろな捉え方の出来る作品をあえて選択し、その作品について深く考えてほしいと思ったからです。

「Let's think (考えてみよう)」ということで、作品に思いを馳せてみてください。

また、私たちのキャプションも参考に、自分の捉え方を創作してみてください。

選ばれた作品は、右から

若松 光一郎《COMPOSITION・30.8.82》、橋本 章《武装する都市》、小林 浩《星辰軌道》、

マルク・シャガール《少年時代の思い出》、オノサト・トシノブ 《シルクNo.10》、吉井 忠《赤い風景》

若松 光一郎《COMPOSITION・30.8.82》について、生徒さんからはこのようなコメントがありました。

「音楽や楽器がたくさんあることで、この絵から何か音が聞こえそうだと感じました。

どんな音楽が聞こえてくるのか考えさせられる作品だと思います。また、夢の中のようにも思えます。

さまざまな向きでバラバラの文字のようなものが散りばめられていて、作者は何を伝えたいのか、見る人によって考えさせられる作品です。」

 

他にも、 展示室で生徒さんたちの活動の様子をパネルで紹介しました。

 

1:20の展示室模型に作品を並べてみながら、展示を考えました。

 

来場者からの感想やメッセージを一部ご紹介します。

~メッセージカードから~

  • 皆さんが「チャレンジ」したと知り、私自身もこれらの絵を見たらどう感じるだろう、ということを意識して鑑賞しました。ただなんとなく眺めるよりも作品に一層興味がわき、あれこれ思いめぐらせながら皆さんの考察を読むひとときがとても楽しく感じました。たまたま立ち寄った美術館でのすてきな出会い、ありがとうございました。
  • 中学3年生という多感な時期に、みなさんが絵をどう感じていらっしゃるのか、とても新鮮な気持ちで見せていただきました。これまで何度か見た作品もみなさんの解説のおかげで新しい視点をもつことができました。
  • 紹介のところにあったみなさんの写真にうつる顔がいきいきしていて、みていてとても楽しかったです。テーマにそって絵を選び、思いを語る。そんな授業私も受けてみたかったな~。素敵な時間をありがとうございました。先生のご指導も素晴らしいですね。
  • どのクラスも作品の選び方がとてもステキで、自分では考えつかないような発想が多く、面白く見ることができました。「この作品の意図は?作家の気持ちは?」と考えてみることの楽しさを改めて感じることができました。とってもステキな展示、ありがとうございました!
  • とても面白かったです。まずどうしてこの絵を選んだか、それが興味をひきました。そしてずっとながめているうちにメッセージ又は自分なりに伝わってくる事を感じ、それを文章にきちんとまとめられていてステキです。こういう見方もあるのか!ととても参考になりました。一人で鑑賞しましたが、皆さんたちと一緒にお話しながら、“ああ観える!こう観える!”と多角的に作品を見られたと思います。楽しかったです。ありがとうございました。
  • みなさんのコメントがどんな批評よりもシンプルな言葉でしかも、深い。新鮮。いつもみている作品に別の見方があるよとみなさんに教えてもらいました。ありがとう!
  • 皆さんがどきどきしながら、わくわくしながら話し合って選んだ姿が浮かびます。発表をお聞きしたかったです。しかし、芸術の深さや美しさを感じ取る心の授業に参加できて、皆さんはラッキーと思いますヨ。きっと何かが残るでしょう。3年生の皆さん、先生方、美術館の皆様に感謝致します。(保護者より)
  • アートカードチャレンジおつかれさまでした。あなた達の視点による作品の展示はとても新鮮なものにうつりました。あなた達のギャラリートークがあると知り、どのような話が聞けるのか、楽しみでした。中止となりとても残念です。でも、よい展示でした。ありがとう。
  • とても素晴らしい展示でした。テーマを決め、その作品から感じたコメントも付いていて、とてもみごたえがありました。学芸員さんとはまた違った視点がとても面白かったです。私も一緒にアートについて語り合いたいと思えるほどでした。ありがとうございました。
  • いろいろな絵を見て、考え、他の人たちにもどう伝えるか、良い経験をされたと思います。共通の絵を大人数で見ることにより、自分には感じなかったことも、聞くことにより共感するという機会もあったのではないでしょうか。きっと一人で見るより楽しい経験となり、後々豊かな鑑賞への足がかりになったことと思います。それがこちらにも伝わるような絵画展でした。ありがとうございました。
  • 通常の展示とちがい、題に対するイメージ、そこからつながる絵。そしてさらにそれに対するイメージと、とても楽しませていただきました。私はもうみなさんのおばあちゃんの歳なので感じ方、考え方がとても新鮮でした。ありがとう!
  • 知っている作品の気づかなかった魅力に気づいたり、知らない作品を知るきっかけをいただきました。選んだ作品や、選ばれなかったけれど気になった作品の背景にみなさんが興味を持って調べる手がかりになるとよいなと願っています。

 

~アンケートから~

  •   アートカードチャレンジはとてもおもしろい。同じ中学生が考えたと思うと、わたしも参加したいと思った。(郡山市・14才・女性)

  •   観ていておもしろかった。野田中の生徒達による説明も良かった。中学生としての捉え方が良いと思う。(福島市・44才・女性)

  •  中学生の絵に対する思いがわかり楽しかった。中学生にいろんな絵を見て、芸術に興味をもってもらえたらうれしいです。心の栄養になりますように。(伊達市・66才・男性)

 

野田中学校3年生のみなさん、ギャラリートークで発表予定だった4名の代表生徒さん、ありがとうございました!

今回は展示を全員でご覧いただくことができず、発表の機会もなくなってしまい、本当に残念でした。

美術科の中條先生、木島先生、約1年間にわたりお世話になりました。ありがとうございました!

そしてご来館いただいたみなさま、ありがとうございました!

 

「冬に透ける街~水彩絵の具の光に透ける感覚を楽しもう~」開催しました。

2月15日(土)創作プログラム「冬に透ける街~水彩絵の具の光に透ける感覚を楽しもう~」を開催しました。

講師は画家で絵本作家の小原風子さんです。

今日のワークショップでは、クレヨンや水彩絵の具で半紙を彩り、実習室の大きな窓に貼って街や森を創ります。どんな風景が広がるのか楽しみです!

 

はじめにフロッタージュの実演です。

凸凹の上に半紙を置いて、クレヨンやパステルでこすり模様を写し取ります。

 

実習室の中にもおもしろい模様がたくさんありました。まるで宝探しです!

 

今度は、美術館の庭で宝探しです!

木の根や葉の複雑な形もおもしろい。人工物の規則正しさもおもしろい。いろいろな発見があります。

 

 

集めた模様をみんなで鑑賞して午前は終了です。たくさん集めました!

 

午後は、集めた形を水彩絵の具で彩り、実習室の窓をみんなで街や森にしていきます。

 

貼ったり、切ったり、ちぎったり、大きな窓が彩られていきます。背景の信夫山もいい演出をしてくれています。

 

できあがった街や森に、自分と自分の友達を住まわせます。かわいい。

 

室内の照明を消すと光に透ける街が浮かび上がりました。

 

外から見ると、ここでも信夫山がいい演出をしてくれています!

 

天候にも恵まれ、笑顔の絶えないワークショップでした。

風子さん、参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

「Gallery F 2020 コレクション再発見」展開催中!

2月8日(土)より、当館1階企画展示室にて「Gallery F 2020 コレクション再発見」展がはじまりました。

4度目の開催となる今回は、「生誕100年 建畠覚造展 かたちの探求」、「アートカード★チャレンジ」ふたつの小さな企画をご覧いただけます。

 

「生誕100年 建畠覚造展 かたちの探求」

建畠覚造(1919‐2006)は、抽象彫刻の世界に大きな足跡をのこした作家です。

今回の企画では、当館が所蔵する8点に個人蔵1点を加えた9点の作品を展示しています。

 

中央に展示されている、《WAVING FIGURE47(大)》1987年は、幅が4mをこえる大きな作品です。

当館所蔵の建畠作品をまとめて全てご覧いただける機会です!

ぜひ建畠が探求し続けた独自のかたちの世界をご覧ください。

 

◆ギャラリートーク

「建畠覚造の思い出」※終了しました

2月8日(土)14:00~

酒井哲朗氏(当館名誉館長)

 

「建畠覚造と日本の現代彫刻」

2月22日(土)14:00~

三上満良氏(元宮城県美術館副館長)

※申し込み不要。チケットご購入の上、企画展示室入り口にお集まりください。

 

「アートカード★チャレンジ」

当館のアートカードを使って、福島市立野田中学校3年生の生徒たちが考えた小さな展覧会を、実際に当館の所蔵作品を展示して再現しました。

今回、生徒たちはクラスごとに4つのテーマを設定し、作品を選びました。

1組…孤独

2組…Face

3組…Let's think!

4組…Sky Sea

各テーマに合わせ、クラスで6点ずつ作品が選ばれました。

作品に添えられた子ども達のコメントもあわせて、お楽しみください。

 

◆福島市立野田中学校3年生代表生徒によるギャラリートーク

2月29日(土)14:00~

※申し込み不要。チケットご購入の上、企画展示室入り口にお集まりください。高校生以下は無料です。

 

〇会期:~3月8日(日)まで。

〇開館時間:9:30~17:00(最終入館は16:30まで)

〇観覧料:一般280円、高校生以下無料 ※常設展示室もご覧いただけます

〇休館日:2月17日(月)、25日(火)、3月2日(月)

ぜひご来館ください。

トークイベント「宮崎進(みやざきしん)の作品を語る」を開催します

トークイベント「宮崎進の作品を語る」

2月9日(日)14:00~ 常設展示室B

講師:宮崎とみゑ氏(作家遺族)

   赤松祐樹氏(多摩美術大学美術学部非常勤講師)

   黒川創氏(作家)

司会:荒木康子(当館学芸員)

 

現在、常設展示室Bに宮崎進(1922-2018)の作品17点を展示しています。

 

展示をして間もなく、いい画家さんだけれど今まで知らなかった、という声を聞きました。

まずは宮崎進について簡単にご紹介しましょう。

 

宮崎進は、山口県徳山市に生まれました。13歳の頃、絵の手ほどきをしてくれた画家・前田米蔵と共に、芝居小屋の一座の巡業に同行しながら舞台美術を手伝う経験をしました。1939年に上京し、日本美術学校油絵科で学びます。42年に応召。45年の終戦を満州で迎え、その後4年間シベリアに抑留されました。

49年に帰国後、東京での生活の合間に北陸、東北、北海道などを放浪し、絵を描き続けます。67年《見世物芸人》(東京国立近代美術館蔵)で第10回安井曾太郎記念賞を受賞。その頃、旅芸人や祭りの作品を多く描いています。76年からは多摩美術大学で教鞭をとりました。

80年代に入ると、画面から具象的要素はだんだんと消え去ります。シベリアで馴染みのあったドンゴロス(麻布)が直接張り付けられ、画面は抽象的な方向に向かいました。

94-95年の「宮崎進展」(下関、笠間他を巡回)で、50年代に描いたシベリアをテーマにした作品を初めて発表します。やがて宮崎の中で拭いされないシベリアがより一層力強く表現されるようになっていきました。

2004年には第26回サンパウロビエンナーレ日本代表として出品。「シベリアの声」というタイトルで展示をしました。

亡くなるまで、描く意味を問い続けた美術家でした。

 

当館は、作家の遺志に基づき、2018年度、東北、福島の風景、旅芸人や祭りを描いた作品19点をご遺族からご寄贈いただきました。今回の展示は、それらを初めてご紹介する機会となります。

 

 

この展示と関連して、2月9日日曜日トークイベントを開催します。

 

お三方にお話しいただきます。

ご遺族の宮崎とみゑさんは、間近で宮崎の姿を見つめてこられました。

赤松祐樹さん(多摩美術大学非常勤講師)は、山口県の周南市美術博物館学芸員時代に「宮崎進展 生きる意味を求めて」展を担当したご経験があり、また現在も資料整理に携わっておられます。

黒川創さんは、晩年の宮崎とも親交があり、宮崎をモデルにした人物も登場する小説を2月に刊行予定だそうです。2019年度大佛次郎賞を『鶴見俊輔伝』で受賞された作家です。

 

1時間程度ですが、宮崎進にとって東北とは何だったのか、そしてシベリアとはなど、いろいろお話をお聞きしたいと思います。

常設展観覧券をお求めの上、展示室Bまでお出で下さい。

皆様のお越しをお待ちしております。

「学校連携共同ワークショップ参加校作品展」はじまりました!

「学校連携共同ワークショップ参加校作品展」が本日より企画展示室Bではじまりました!

今年度のワークショップに参加した子ども達の作品を全て展示しています。

子ども達の柔軟な発想と感性をお楽しみください。見ごたえあります!

 

1月25日(土)~2月2日(日)

観覧料:無料

開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)

休館日:1月27日(月)

「美術館への年賀状展」はじまりました!

新春恒例「美術館への年賀状展2020」が、12日(日)よりエントランスホールではじまりました!

県内の小・中・高校生から当館宛てにお送りいただいた年賀状をすべて展示しています。

 

今年の干支である「子」をモチーフにした作品や、鯛や獅子舞、鏡もちを描いたもの。

また、新年の抱負が書かれ、子ども達の決意を感じられるものもあります。

鉛筆や絵の具、貼り絵やスタンプと技法も様々!

年賀状展は1月31日まで展示しております。ぜひご来館ください。

 

●観覧料:無料
●開館時間:9:30~17:00(最終入館は16:30まで)
●休館日:14(火)、20(月)、27(月)

創作プログラム「組み木のおもちゃを作ろう!」開催しました

12月15日(日)、当館実習室にて創作プログラム「組み木のおもちゃを作ろう!」を開催しました。

講師は創作おもちゃ作家の古川英樹さんです。

今回は、親子で好きな動物やクリスマスにちなんだ組み木のおもちゃを作ります!

 

前半は「のぼり人形」づくり。

動物や人の形など、好きなデザインを考え紙に描きます。

 

親子で話し合いながら、古川さんにアドバイスをもらいながら、形を考えていっていました。

描き終えたらスプレーのりで木の板に貼り付けます。

ここからいよいよ糸のこを使った作業です。

まずは古川さんにお手本を見せていただきました。

手を置く場所や木の向きを変えるタイミングなどについてアドバイスをいただきました。

早速みなさん親子一組一台で糸のこの作業を進めます!

親子で協力しながら、線に沿って糸のこで切っていきます。

 

黙々と切断作業。

初めて糸のこを使った!というお子さんも多かったですが、みなさんとても上手に切れていました。

切断が終わったら、ひもを通すための穴をドリルで開けていきます。

この作業は少し難しいので、古川さんがサポート。

ハンドルの操作を子ども達がしました。

それぞれやすりがけをし、自由に色を塗って午前中は終了。

お昼休憩の後、ひもを通してそれぞれボールや果物などのパーツをつけて、のぼり人形が完成しました!

とってもかわいいのぼり人形たち。みんな早速動かしてみます。

最初はうまく上げられなかった子もいましたが、コツをつかむとスイスイとのぼらせていました。

午後は組み木のかざりを作ります。

古川さんからは組み木のデザインを考えるときのコツを教えていただきました。

好きな動物や2020年の干支であるねずみ。クリスマスツリーなど季節に合わせたものなどみなさん自由にデザインを考えます。

午前中に切るのが難しかった部分を改良している親子さんもいました。

デザインができたら糸のこで切断作業。

2回目のためか、みなさん切るのが早くなり、細かい部分まで切ることが出来ていました。

作りたい組み木のイメージに合わせ、場合によって混色をしながら丁寧に色を塗っていきます。

みなさん、ひとつひとつのパーツをじっくりきれいに塗っていました。

作品が完成!

最後にみんなで鑑賞会をして作品について紹介してもらいました。

みなさん素敵な作品が完成しました!

ぜひおうちに飾ったり、つり下げたりして楽しんでいただきたいです。

 

古川さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

創作プログラム「まんが絵巻をつくろう」

11月24日(日)、当館実習室にて創作プログラム「まんが絵巻をつくろう!」を開催しました。

講師は、アーティストの久松知子さんです。

まず、「絵巻」とはどんなものか?

「横長の巻物の絵。右から左へくり広げて楽しむもの」、歴史についても簡単に説明していただきました。

 

なんと今回のワークショップのために、久松さんが一人に一つずつ、ミニ絵巻を作ってきてくれました。

みなさんこれを見て実際に絵巻をくり広げながら説明を聞きます。

今回のワークショップでは、常設展第Ⅲ期で展示している小川芋銭の《細道絵日記》、

《於那羅合戦》などに登場するキャラクター達をコラージュし、台詞や絵を描き加えて、巻物にします。

小川芋銭とはどんな画家なのか、また、それぞれどのような内容の作品なのかもお話しいただきました。

 

いよいよ制作です!

まず、切り抜かれたモチーフをみなさん好きに選び、並べたり組み合わせたりしながらお話を考えていきます。

だいたいのお話が決まったら、のりで貼り付け、そこに絵を描き加えたり、台詞やお話を入れていきます。

可愛いオリジナルのキャラクターを描いている方もいらっしゃいました。

親子で相談したり、じっくり静かに構想を練るなどしながら、みなさん制作を進めていきました。

お昼休憩をはさみ、仕上げ。

作品がだいたいできあがってきたところで、表装をしていきます!

久松さんがひとつひとつ丁寧に作る手順を説明してくださいました。

赤か青の2種類の布から選び、カラフルなひもの中から好きな物を選び、みんなで巻物にします。

みなさん真剣に貼り合わせて、オリジナルの巻物が完成しました!

子ども達は喜んで何度も広げたり巻いたりを繰り返していました。

最後の仕上げ。

短冊にタイトルを書きこみ、貼り付けます。

みなさんとっても楽しい作品が完成しました!

 

パーツをみることで、より作品自体にも関心を高まり、「帰りに作品を見に行こう!」と話している方もいました。

美術館スタッフ自身も、作品の細部まで改めて見る機会になり、登場人物の表情や筆の流れなど、作品の魅力を再発見する時間でした。

 

久松さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

館長講座を開催しました

11月23日(土)、 館長講座を開催しました。

昨年度に引き続き「古典に帰れ-西洋美術の巨匠たち」をテーマとし、美術史の流れに沿って各時代様式の巨匠たちを紹介しています。

 第4回のテーマは「新古典派とロマン派(アングル、ドラクロワなど)」。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

 

次回の予定は下記のとおりです。

第5回 1月18日(土) 英独西の近代巨匠(ターナー、フリードリヒ、ゴヤ)

10時半~12時頃まで講義室にて開講します(聴講無料)

事前申し込みは不要ですので、当日、直接会場にお越し下さい。

「木炭で自画像を描く」開催しました。

10月19日(土)創作プログラム「木炭で自画像を描く」を開催しました。

木炭デッサンの基本的な道具の使い方を身につけて、鉛筆とは違う描画の魅力を楽しみます。

講師は当館学芸員の大北孝です。

はじめに木炭の芯を抜き、使いやすくするために紙ヤスリで削ります。

今回使用するのは太さの違うヤナギ炭2種類です。

 

木炭の色幅を増やす練習です。美しい調子ができています。

 

調子をつくる練習が終わったらアタリをつけます。

皆さん姿勢が美しい!デッサンにおいて大切なことですね。

 

アタリをつけたら指を使って形をおこしていきます。

木炭はすぐに画面を変化させることができるので、私の描き方を実際に見ていただきました。

 

多めに木炭をのせて消しながら描いていきます。

形が見えてきたので練りゴムを使ってはっきりさせていきます。

 

皆さん集中して描き進めています。

 

完成が近づいてきました。コントラストがはっきりしていて力強いです。

 

一人一人の作品がとても魅力的です。

講師という立場で皆さんと時間を共有でき、とても楽しい一日でした。

参加していただきありがとうございました。

アートなおはなしかい開催しました!

10月26日(土)、おとなりの図書館さんと「アートなおはなしかい」を開催しました!

テーマは「色であそぼう!」

図書館でアートな本を紹介した後、美術館で作品鑑賞と色のにじみを楽しむブックカバーづくりをしました。

 

まずは図書館さんで、絵本をみんなで楽しみます。

ページをこすったり押したりすると、色が変化していくように感じられる絵本や、色の歴史や特徴についてまとめられた本など。

色の面白さを感じられる本をたくさんご紹介いただきました。

途中、色から感じるイメージを参加者に聞いてみます。

1人1枚ずつ色紙を持ち、あたたかい感じがする色とさむい感じがする色に分かれて貼っていきました。

緑色の折り紙を持ちながら、「どっちも感じる」と話していた子は真ん中に貼り付けていました。

 

 

よみきかせのあとは、連絡通路を通り美術館へ。

実習室でブックカバーづくりをしました。

配られた和紙に、油性ペンで自由に模様を描いていきます。

くねくね、ぐるぐる、てんてんと、カラフルな線で画面を埋めていきます。

ボウルに入れた透明な液体をスポイトでたらしていきます。

すると、描いた線がにじみんでいき、不思議な模様が広がっていきます。

線が重なっている部分は色が混ざって、描いたときとは違った色になります。

宇宙みたい!と話している子もいました。

作品を乾かしている間に常設展示室へ。

展示室を巡っていき、百瀬寿さんの作品をみんなで鑑賞しました。

 

 今回はアートキューブの中の「感覚キューブ」で作品を楽しみます。

嗅覚、聴覚、味覚などの感覚から想像し、いつもとはちょっと違う視点で作品をみていきました。

鑑賞後は実習室へ。

乾いた作品を、本のサイズに合わせて折っていくとブックカバーが完成します。

ご参加いただいたみなさま、図書館スタッフのみなさま、ありがとうございました!

 

創作プログラム「テンペラ絵具を作って描こう」③④

◆◆◆3日目◆◆◆

10月14日、「テンペラ絵具を作って描こう」3回目を迎えました。

イエローオーカーで一層薄く全体に色を塗り、乾燥。

明るい部分を白で描きおこしていきます。

 

だいたい白で描きおこしたところで、また一層ライトレッドをかけます。

乾燥後、また白で描きおこし、最後にテールベルトで一層全体にかけます。

これを繰り返すことにより、陰影がはっきりしていきます。

白で描きおこしていく作業は根気がいる作業で、みなさん集中して取り組んでいました。

 

下図と見比べ、小林先生にアドバイスをいただきながら、制作を進めていきました。

 

◆◆◆4日目◆◆◆

台風の影響のため日程を変更し、10月22日(火・祝)に開催しました。

いよいよ最終日。

固有色を作り、塗っていきます。

様々な色の顔料を組み合わせ、少量の水で練り、メディウムを加えて絵具を作ります。

微妙な色合いを出すのに、試しがきをしながら調整をしていました。

これまでに陰影を出す作業をしてきているので、固有色をのせるだけでかなり変化します。

髪の毛や肌の質感など、みなさん丁寧に塗っていました。

下地づくりから、卵を使ったメディウムづくり。

色づくりと、ひとつひとつの制作の過程を経て、じっくりテンペラ画を描いていきました。

4日間講師をつとめていただいた小林先生。そしてご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

ワークショップマート開催しました!

9月16日(月・祝)、当館にてワークショップマートを開催しました!

3回目の今回はあいにくの雨。

初めて美術館のエントランスホールでの開催となりました。

 

今年のワークショップは、当館の収蔵作家をテーマに考えていただきました。

どのようなものがあったのか簡単にご紹介します。

 

◆FRIDAY SCREEN

 「いつもの街角」

紙でできたバックに、様々な模様のスタンプを押し、暮らしの中にある身近なものを作品に変身させました。

テーマにした作家はジョン・スローン

 

◆et craft

「漆をみがき出して作る光のペンダント」

 

銀色の下にピサロの作品の色使いやタッチを元にした模様が漆で描かれています。

模様を出しながら、漆をつるつるぴかぴかにみがきました。 

テーマにした作家はカミーユ・ピサロ

 

◆佐賀健

「ぼくらのガニング・ロックス」

ワイエスの作品のひとつ《ガニング・ロックス》をもとにしたワークショップ。

小さな板に板に描かれた、真っ黒な背景と目や口などがない横顔に、オリジナルの絵を描きました。

テーマにした作家はワンドリュー・ワイエス

 

◆Decca*chi

「ぶら下げよう♪お家ポケット」

家のかたちをモチーフにした革に絵を描き、首からぶら下げて使えるお家ポケットを作りました。

テーマにした作家は斎藤清

 

◆tenonaka

「自然光と影」

カップに石けんと植物を選んで詰め、自然を感じられる贈り物を作りました。

テーマにした作家はクロード・モネ

 

◆工房 マートル

「揺らめく色のワックスモビールをつくろう」

キャンドルのかけらを自由に削って、偶然に生まれた色の重なりをモビールで楽しみました。

テーマにした作家は加納光於

 

◆山ぐらし

「ふくしまの旗をつくろう」

タグをキャンバスに、様々な種類の生地を切ったり貼ったり重ねたりして福島市のペナントを作りました。

テーマにした作家は小関庄太郎

 

◆MOTO COFEE

「コーヒーで世界を変える」

一粒一粒に想いを馳せてコーヒー豆をブレンドしていきました。

テーマとなった作家はベン・シャーン

 

◆佐藤恭子

「サシェを作ろう~鼻で絵を見たことがありますか?~」

育てた綿花から織った布で作った袋に、綿花の種やハーブを摘めてサシェを作りました。

目だけではなく鼻でみる絵画で、美術館を楽しみます。

テーマにした作家は小川芋銭

 

◆山口やすひろ

「まねっこミュージアム~パントマイムで遊ぼう~」

音楽に合わせて展示室にある絵の中の人物のまねをしてみたり、絵の中に入って絵の奥を探検してみました。

 

開催日は敬老の日。この日は常設展示室が無料でした。

ワークショップにご参加いただいた方々もたくさん常設展をご覧になっていました。

各ワークショップのテーマになっていた作品も全て展示されています。

パントマイム時間の後には、当館学芸員によるミニギャラリートークも開催しました。

参加いただいたみなさま、ワークショップ、フード出店をしていただいたみなさま、ありがとうございました。

そして、今回も企画をしてくださったFRIDAY SCREENの坂内さん、鈴木さん、ありがとうございました!

 

創作プログラム「テンペラ絵具を作って描こう」②

◆◆◆2日目 10月6日◆◆◆

まずは前回塗った下地のやすりがけ。

きれいにまんべんなくやすりがけをして、下地の細かい凹凸をなくしていきます。

やすりがけが終わったところで、下絵を転写。

カーボン紙を重ね、前回トレーシングペーパーに写した輪郭線を転写します。 

下地に写し取った線を、面相筆でなぞって描いていきます。

面相筆を使い、細い線で輪郭を描いていきます。

細かい線が多いので、集中力が必要です。

 

最後に、これから使っていくテンペラのメディウムづくりをしました。

今回は卵黄メディウムと全卵メディウムを使います。

最初は全員で全卵メディウムを作りました。

新鮮な卵の黄身は、つまむことができます。

外の薄い皮は不要なので、中の部分だけを取り出します。

受講者の方同士、協力して進めていました。

 

びんに卵黄を入れてかき混ぜ、白身の部分も不純物を取り除いて入れます。

ここに防腐剤、サンシックンドリンシードオイル、ダンマルワニスを入れ、びんの蓋をしっかりとしめて振ります。

これを冷蔵庫に保管し、制作に使用します。

最後に画面をイエローオーカーで一層薄く塗って、2回目は終了しました。

創作プログラム「テンペラ絵具を作って描こう」①

9月29日、10月6日、14日、22日の4日間、当館実習室にて「テンペラ絵具を作って描こう」を開催しました!

講師は、画家で山形大学教授の小林俊介先生です。

初日はこれから制作を進めていく上でとても重要な下地作りです。

今回はシナベニヤに和紙を貼ったものをご準備いただきました。

下地に塗る材料を準備していきます。

山形大学の学生さんもお手伝いに来てくれました。

できるだけ均一に塗っていきます。

 

刷毛で慎重に塗っていきます。

横から見ると、均一に塗れているのか分かりやすいです。

 

乾燥を待つ間に下図を考えます。

模写の場合は、先生にご準備していただいた図版からコピーを取ります。

模写する絵にトレーシングペーパーを重ね、鉛筆で主要な線をたどっていきます。

自分で絵を考えてきた方や、写真を元にして描く方などもいました。

1日目はここで終了!

次回に向け、下地の乾燥をします。

 

第3回目 館長講座

9月21日(土)、今年度第3回目の館長講座を開催しました。

 

昨年度に引き続き「古典に帰れ-西洋美術の巨匠たち」をテーマとし、美術史の流れに沿って各時代様式の巨匠たちを紹介しています。

 

今回の講座内容は「ロココ (2) ホガーズ、レノルズ、カナレットなど」です。

上記の作家のほか、ゲーンズボロ、ティエポロ、グアルディについても取り上げました。

18世紀イギリス、イタリアの代表的な画家たちが織りなした軽やかで優美な絵画世界をご紹介しました。

 

 

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

 

 

次回以降の予定は下記のとおりです。

 

第4回 11月23日(土)   新古典派とロマン派(アングル、ドラクロワなど)

第5回 1月18日(土) 英独西の近代巨匠(ターナー、フリードリヒ、ゴヤ)

第6回 3月21日(土) 19世紀写実派(ミレー、コロー、クールベ)

 

次回の第4回目のみ、休館をはさむため第4土曜日の開催となります。ご注意下さい。

 

10時半~12時頃まで講義室にて開講します(聴講無料)

事前申し込みは不要ですので、当日、直接会場にお越し下さい。

 

みなさまのご来場をお待ちしております。

やなぎみわ展最終日、無人公演の代わりにWSで創作するパフォーマンスを披露

やなぎみわ展も9月1日で最終日となります。

1日には、視覚に障がいがある人、ない人が一緒にワークショップを楽しみます。

《神話機械》を鑑賞し、そして最後には参加者みんなで新しいパフォーマンス「黄泉比良坂」を作り上げます。見える人、見えない人一緒に、やなぎみわが表現する神話の世界を視覚だけでなく五感で体感しようという企画です。

日時:2019年9月1日(日) ①10:30~12:00 ②14:00~15:30

場所:福島県立美術館講義室、企画展示室

講師:やなぎみわ氏(美術家・出品作家)、ヤンマー嶋村氏(ミュージシャン)、担当学芸員

上演は午前11:45分くらいから、午後は15:15分くらいから、2回、各回15分程度の公演を予定しています。

ただし開始時間は、ワークショップの進行により、前後する可能性があります。

 

当日は、これまで1日3回やってきた無人公演は実施いたしません。

無人公演は31日土曜日が最終となります。

 

 

創作プログラム「大地の絵具で絵を描こう」開催しました!

8月17日(土)、創作プログラム「大地の絵具で絵を描こう」を開催しました!

講師は、福島県田村市出身で現代美術家として活躍している佐藤香さんです。

はじめに、これまでに香さんが制作した作品を紹介してもらいました。

香さんは各地で行われているアートイベントで滞在制作を行っています。

描くのに使っているのは、その土地で集めた様々な色の土や炭、植物など。

土の色といえば、茶色が思い浮かびますが、茶色でも明るい茶色や赤っぽい茶色、焦げ茶などと少しずつ異なります。

いつもどのようにして作品を描いているのか紹介していただきました。

最後に今日の活動について説明します。

参加者のみなさんには、自宅の周りにある土や葉っぱなどを集めてきてもらいました。

さらに、美術館の周りの庭に土などを集めに行きます!

 

スコップで土を掘り、袋に入れていきます。

土の他にも、葉っぱや木の実、セミの抜け殻なども集められていました。

とても暑かったので外での活動は20分で終了!

みなさん集めた物を手に、エントランスホールへ向かいます。

 

集合したら、一人一人から拾ってきたものと、場所を教えてもらいました。

 

美術館の庭園は、同じ敷地内なのに場所によって土の色が違っていました。

普段は注目せずに歩いていたので、美術館スタッフにとっても発見でした!

 

いよいよ、集めた素材を使って大きな和紙に絵を描いていきます!

 

まず、香さんから土を使ってどのように絵具を作るのか説明がありました。

カップに土を入れ、水と木工用ボンドを入れ、筆でよくかき混ぜます。

これで絵具は完成です!

参加者のみなさんも作ってみました。

 

今回は香さんが今までに各地で集めた土も絵具に使わせていただきました!

土の種類によって、混ざりにくいものもあります。

みなさん水とボンドの配分を工夫しながら絵具を作っていました。

絵具ができたら、まずは小さな画用紙に試し描きしてみます。

土絵の具に慣れてきたところで、今度は大きな和紙に描いていきます。

  

細い筆で丁寧に。大きな刷毛で大胆に。葉っぱのかたちを写し取ったり。

 

みなさん自由にのびのびと描いていきます。 

お昼休憩をはさみ、制作を続けました。

 

完成したところで、最後は作品鑑賞会!

みんなで一つ一つの作品の周りに集まり、じっくりと見ます。

作者からは、どんなことをイメージして描いたのか、土の絵具を使ってみた感想などをお話ししてもらいました。

 

 

みなさん素敵な作品が完成しました!

佐藤香さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

「ロボット教室」開催しました。

8月3日(土)創作プログラム「ロボット教室」を開催しました。

 

当館で開催中の「やなぎみわ展 神話機械」では、京都、高松、前橋の大学、高専、そして福島工業高校の生徒が制作に携わったマシンが展示会場で動きます。

今日のワークショップは、それぞれのマシンの仕組みと動きを美術館で鑑賞することから始まりました。

左は高松でつくられた拍手をするように光ながら振動するマシンです。

右は前橋でつくられた胃カメラのように動くのたうちマシンです。

左は京都でつくられた言葉を話し、光を放ち、会場を動き回るメインマシンです。

右は福島工業高校の生徒が制作に携わった物を投げるマシンです。

 

美術館での鑑賞の後、福島工業高校の実習室へ徒歩で移動しました。

講師は福島工業高校の吉田健先生です。

マイコンを使った回路をつくる説明です。分からないことは工業高校の生徒が優しく教えてくれます。

 

これらをつなぎ合わせてパソコンでプログラムをつくりLEDを点灯させます。

 

回路とプログラムをつくって読み込ませます。とても真剣です!

 

数字を変えることで点滅する速度が変わったり、複数のLEDを点灯させることができました。

 

子ども達の飲み込みの早さには驚きです。今日の体験を応用して電子工作を楽しんでください。

吉田先生、高校生のみなさん、参加いただいたみなさま、本当に暑い中ありがとうございました!

触って、話して、見て楽しむ美術鑑賞ワークショップ「神話と機械を見聞きする」

「やなぎみわ展 神話機械」関連事業として、触って、話して、見て楽しむ美術館賞ワークショップを開催します。

毎年1回開催している、見える人、見えない人一緒に作品鑑賞をするワークショップです。

今年は「やなぎみわ展」で行います。

福島県立福島工業高校も協働して制作された本展のための新作《神話機械》を鑑賞します。近年やなぎさんの創作は、視覚だけでなく五感を使う方向に向かっているように思います。作品鑑賞も見るだけでなくて、いろいろな方法がチャレンジできるのではないでしょうか。

普段は入れないマシンエリアに入って、マシンを触ったりしながら鑑賞。そして言葉や音を使って機械とコラボレーションし、五感で作品を体験します。

見える人も、いつもと少し違った鑑賞をしてみませんか。是非ご参加ください。

〇日時:9月1日(日) ①10:30~ ②14:00~ 同じ内容なので、どちらかお選びください。
〇会場:美術館企画展示室など
〇講師:やなぎみわ氏、当館学芸員
〇協力:半田こづえ氏(明治学院大学非常勤講師)
    真下弥生氏(ルーテル学院大学非常勤講師)
〇費用:無料
〇対象:各回中学生以上の視覚障がい者5名程度、晴眼者5名程度
〇要申込 総合受付、電話024-531-5511、美術館HPより