2019年度常設展第Ⅰ期
3月26日(火)より企画展で伊藤若冲展が開幕しましたが、同日より常設展も2019年度第Ⅰ期展示が始まりました!
早速ご紹介していきます。
まず第1室目では、当館自慢の日本画の名品を展示しております。若冲展では水墨の作品が比較的多いですが、こちらでは鮮やかな着色の画面をお楽しみ頂けます。展示期間の季節とあわせ、春や初夏のさわやかな空気が感じられる作品が多いです。
小茂田青樹『薫房』や山口華楊『畑』、池田遙邨『大漁』など、見ているだけで自然の生き生きとしたエネルギーを感じられます。
また、風景画の他、人物画も展示されています。橋本関雪の『倪雲林』はかなり巨大です。速水御舟『女二題』、安田靫彦『茶室』、根上富治『笛』など、しっとりとした美しさには息を呑んでしまいます。
続いて第2室では、「生誕100年 橋本章特集展示」を行っております。
橋本章(1919-2003)は、第二次世界大戦後の福島を舞台に、鮮烈な活動を展開した造形作家です。橋本は、妻の故郷である福島県伊達地方で教師の職を得ながら、創作活動を展開し、地元の画家や人々を巻き込んでさまざまな美術運動を展開しました。
画家の生誕100年にあたる本年、橋本作品を所蔵する美術館・ギャラリーが、同時多発で展覧会を開催することになり、当館での展示もその連携事業の中の一つとして位置づけられています。
素描から特大サイズのタブロー、オブジェなど、多岐にわたる作家の創作活動をご紹介しております。
次の第3室目は、海外作品のコレクション展示です。
印象派をはじめとするフランス美術の名品紹介では、コロー、モネ、ピサロやルノワールを展示しています。印象派のきらめく風景作品はこの季節に相応しく感じますね。また、彼らの他、サーカスを題材としたルオーの多色刷りの版画もご覧頂けます。
そして、アメリカ美術の紹介では、当館の目玉作家であるベン・シャーンとアンドリュー・ワイエスを展示しています。
《ラッキードラゴン》をはじめ、シャーンの作品には作家の強い意志が込められています。
ワイエスでは、人気の《松ぼっくり男爵》が今期は出品されています。緻密な水彩表現の極地をご堪能頂きたいです。
最後の部屋は、版画のコーナーです。
まず左壁面にあるのは、福島県を代表する版画家の斎藤清の木版作品です。眼光鋭い猫ちゃんや妙に迫力のある赤ん坊、霊峰とその麓に集う牛達などユニークな作品が並びます。
もう片方の壁では、追悼展示として、昨年ご逝去なさいました浜田知明と秀島由己男の版画を並べています。小さな画面の中に深遠な世界が広がっています。
現在開催中の常設展第Ⅰ期は6月23日(日)まで!
若冲展チケットの半券でもご鑑賞頂けますので、是非ともご鑑賞ください。