2019年10月の記事一覧
創作プログラム「テンペラ絵具を作って描こう」③④
◆◆◆3日目◆◆◆
10月14日、「テンペラ絵具を作って描こう」3回目を迎えました。
イエローオーカーで一層薄く全体に色を塗り、乾燥。
明るい部分を白で描きおこしていきます。
だいたい白で描きおこしたところで、また一層ライトレッドをかけます。
乾燥後、また白で描きおこし、最後にテールベルトで一層全体にかけます。
これを繰り返すことにより、陰影がはっきりしていきます。
白で描きおこしていく作業は根気がいる作業で、みなさん集中して取り組んでいました。
下図と見比べ、小林先生にアドバイスをいただきながら、制作を進めていきました。
◆◆◆4日目◆◆◆
台風の影響のため日程を変更し、10月22日(火・祝)に開催しました。
いよいよ最終日。
固有色を作り、塗っていきます。
様々な色の顔料を組み合わせ、少量の水で練り、メディウムを加えて絵具を作ります。
微妙な色合いを出すのに、試しがきをしながら調整をしていました。
これまでに陰影を出す作業をしてきているので、固有色をのせるだけでかなり変化します。
髪の毛や肌の質感など、みなさん丁寧に塗っていました。
下地づくりから、卵を使ったメディウムづくり。
色づくりと、ひとつひとつの制作の過程を経て、じっくりテンペラ画を描いていきました。
4日間講師をつとめていただいた小林先生。そしてご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
ワークショップマート開催しました!
9月16日(月・祝)、当館にてワークショップマートを開催しました!
3回目の今回はあいにくの雨。
初めて美術館のエントランスホールでの開催となりました。
今年のワークショップは、当館の収蔵作家をテーマに考えていただきました。
どのようなものがあったのか簡単にご紹介します。
◆FRIDAY SCREEN
「いつもの街角」
紙でできたバックに、様々な模様のスタンプを押し、暮らしの中にある身近なものを作品に変身させました。
テーマにした作家はジョン・スローン
◆et craft
「漆をみがき出して作る光のペンダント」
銀色の下にピサロの作品の色使いやタッチを元にした模様が漆で描かれています。
模様を出しながら、漆をつるつるぴかぴかにみがきました。
テーマにした作家はカミーユ・ピサロ
◆佐賀健
「ぼくらのガニング・ロックス」
ワイエスの作品のひとつ《ガニング・ロックス》をもとにしたワークショップ。
小さな板に板に描かれた、真っ黒な背景と目や口などがない横顔に、オリジナルの絵を描きました。
テーマにした作家はワンドリュー・ワイエス
◆Decca*chi
「ぶら下げよう♪お家ポケット」
家のかたちをモチーフにした革に絵を描き、首からぶら下げて使えるお家ポケットを作りました。
テーマにした作家は斎藤清
◆tenonaka
「自然光と影」
カップに石けんと植物を選んで詰め、自然を感じられる贈り物を作りました。
テーマにした作家はクロード・モネ
◆工房 マートル
「揺らめく色のワックスモビールをつくろう」
キャンドルのかけらを自由に削って、偶然に生まれた色の重なりをモビールで楽しみました。
テーマにした作家は加納光於
◆山ぐらし
「ふくしまの旗をつくろう」
タグをキャンバスに、様々な種類の生地を切ったり貼ったり重ねたりして福島市のペナントを作りました。
テーマにした作家は小関庄太郎
◆MOTO COFEE
「コーヒーで世界を変える」
一粒一粒に想いを馳せてコーヒー豆をブレンドしていきました。
テーマとなった作家はベン・シャーン
◆佐藤恭子
「サシェを作ろう~鼻で絵を見たことがありますか?~」
育てた綿花から織った布で作った袋に、綿花の種やハーブを摘めてサシェを作りました。
目だけではなく鼻でみる絵画で、美術館を楽しみます。
テーマにした作家は小川芋銭
◆山口やすひろ
「まねっこミュージアム~パントマイムで遊ぼう~」
音楽に合わせて展示室にある絵の中の人物のまねをしてみたり、絵の中に入って絵の奥を探検してみました。
開催日は敬老の日。この日は常設展示室が無料でした。
ワークショップにご参加いただいた方々もたくさん常設展をご覧になっていました。
各ワークショップのテーマになっていた作品も全て展示されています。
パントマイム時間の後には、当館学芸員によるミニギャラリートークも開催しました。
参加いただいたみなさま、ワークショップ、フード出店をしていただいたみなさま、ありがとうございました。
そして、今回も企画をしてくださったFRIDAY SCREENの坂内さん、鈴木さん、ありがとうございました!
創作プログラム「テンペラ絵具を作って描こう」②
◆◆◆2日目 10月6日◆◆◆
まずは前回塗った下地のやすりがけ。
きれいにまんべんなくやすりがけをして、下地の細かい凹凸をなくしていきます。
やすりがけが終わったところで、下絵を転写。
カーボン紙を重ね、前回トレーシングペーパーに写した輪郭線を転写します。
下地に写し取った線を、面相筆でなぞって描いていきます。
面相筆を使い、細い線で輪郭を描いていきます。
細かい線が多いので、集中力が必要です。
最後に、これから使っていくテンペラのメディウムづくりをしました。
今回は卵黄メディウムと全卵メディウムを使います。
最初は全員で全卵メディウムを作りました。
新鮮な卵の黄身は、つまむことができます。
外の薄い皮は不要なので、中の部分だけを取り出します。
受講者の方同士、協力して進めていました。
びんに卵黄を入れてかき混ぜ、白身の部分も不純物を取り除いて入れます。
ここに防腐剤、サンシックンドリンシードオイル、ダンマルワニスを入れ、びんの蓋をしっかりとしめて振ります。
これを冷蔵庫に保管し、制作に使用します。
最後に画面をイエローオーカーで一層薄く塗って、2回目は終了しました。
創作プログラム「テンペラ絵具を作って描こう」①
9月29日、10月6日、14日、22日の4日間、当館実習室にて「テンペラ絵具を作って描こう」を開催しました!
講師は、画家で山形大学教授の小林俊介先生です。
初日はこれから制作を進めていく上でとても重要な下地作りです。
今回はシナベニヤに和紙を貼ったものをご準備いただきました。
下地に塗る材料を準備していきます。
山形大学の学生さんもお手伝いに来てくれました。
できるだけ均一に塗っていきます。
刷毛で慎重に塗っていきます。
横から見ると、均一に塗れているのか分かりやすいです。
乾燥を待つ間に下図を考えます。
模写の場合は、先生にご準備していただいた図版からコピーを取ります。
模写する絵にトレーシングペーパーを重ね、鉛筆で主要な線をたどっていきます。
自分で絵を考えてきた方や、写真を元にして描く方などもいました。
1日目はここで終了!
次回に向け、下地の乾燥をします。