常設展「コレクション展 IV」が始まりました

みなさま新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

美術館は1月6日に開館し、常設展示室では「コレクション展 IV」が始まりました。
さっそくその中身をご紹介しましょう。

まず第1室に入ると巨大な日本画がまず目に飛び込んできます。ガラスケースに並んでいるのが、須賀川出身で昨年没後50年を迎えた須田■中(すだ・きょうちゅう)[■:王へんに共]の作品です。
『渓の葉月』では、川のせせらぎが聞こえて来そうなほど生き生きとした描写が目を奪います。夏が恋しくなる一品。隣の『篝火』は鵜飼の様子を描いたもの。燃え盛る炎と鵜の群れが闇夜に浮かび上がっています。静と動がドラマチックに対比された須田の代表作です。


向かいの壁では、須田と同時期に活動していた日本画家・星茂、常盤大空(ときわ・たいくう)、福王寺法林(ふくおうじ・ほうりん)の作品をご紹介しています。
奥には、昨年生誕100年を迎えた二本松ゆかりの画家野地正記の作品が続きます。巨大な『スダマティ(死んでしまった) 』の精緻な筆遣いをご堪能ください。
 

第2室では「100年前の関根正二」と題して、わずか20歳でこの世を去った関根とその友人たちの作品をできるかぎり時間軸に沿って展示しています。関根の書簡をはじめ、現在行方の分からない絶筆「慰められつゝ悩む」の絵葉書など貴重な資料もあわせて展示しています。


続いて、河野保雄氏のコレクションから絵画と彫刻作品をご紹介しています。絵画では吉井忠、麻生三郎、鶴岡政男の洋画とともに、川西英、谷内六郎、初山滋などかわいらしい小品も並んでいます。
 

第3室には、アメリカとフランスの名画が並んでいます。
ワイエスの『ガニング・ロックス』に描かれた男の肌には、陽の光を浴びてキラキラ輝く髭までしっかり描かれています。質感まで伝わってくるその表現描写から、おもわずこの男の生き様まで想像できてしまいそうです。
つづいてベン・シャーンの『ドレフュス事件』、『リルケ『マルテの手記』より:一行の詩のためには…』シリーズから数点、また『ラッキードラゴン』などをご紹介しています。
そしてフランスからはジョルジュ・ルオーの『超人』と版画集『ミセレーレ』から4点が並びます。ふっくらしたほっぺた、分厚い唇につぶらな瞳の『超人』はなんとも憎めません。
 

最後の第4室には齋藤清とフランスのマックス・エルンストの版画が並んでいます。
 

1月はほかにも「美術館への年賀状展 2015年」や「円空展」など、様々な展覧会がもりだくさんです。「学校連携共同ワークショップ・参加校作品展」も1月12日まで開催中です。皆様おさそいあわせのうえ、ぜひ美術館に遊びに来てください!