横尾忠則ポスター展オープン



今朝の美術館前庭。なんと雪が!昨日でなくて本当によかったです。

昨日、「横尾忠則ポスター展」がオープンしました!
この展覧会は実は3年前から企画していましたが、東日本大震災後、一時延期となり、今年ようやく実現しました。待ちに待ったオープンです。


《横尾忠則ポスター展(福島県立美術館)》2013年 ©TADANORI YOKOO

横尾忠則さんといえば、戦後日本を代表するグラフィック・デザイナーであり、美術家であり、作家でもあり、いろいろな顔を持つマルチな才人です。本展はポスターに焦点を絞り、約400点の作品をご紹介します。

横尾さんは1936年兵庫県生まれ。この6月で77歳とは思えぬエネルギッシュな創作活動を展開されています。「隠居宣言」をしたとはいえ、実は隠居とは忙しいのだそうです。自分のやりたいことをやるのが隠居。やりたいことがまだまだたくさんある、ポジティブな隠居生活を送っていらっしゃるとのこと。(すごい!)

そんなお話しが聞かれたのは、昨日行われたオープニング対談の中でした。
日本美術史家の山下裕二さんとの1時間半にわたる対談は、終始リラックスした雰囲気に包まれ、250席満席になった会場の笑いも絶えませんでした。


横尾忠則氏


山下裕二氏

「話しはどこに飛ぶかわからないよ。」と事前にお二人に言われていました。しかし「飛ぶ」というより、ほぼ『少年マガジン』の話しで終わりました。1970年に横尾さんは『少年マガジン』の表紙を9冊描いていらっしゃいます。その中の1冊は「横尾忠則特集」。実は山下さんがこの道に入られたのは、これら『少年マガジン』と出会ったからと言っても言い過ぎじゃない、とまでおっしゃる作品。それらをご紹介いただきながら、当時の横尾さんのグラフィックの仕事に大きな影響を与えた、様々な人たちとの交流が引き出されていきました。
唐十郎、寺山修司、澁澤龍彦、三島由紀夫や大島渚、ジョン・レノンやミック・ジャガー、そして当時の編集者たち。それから70年の大阪万博の話しも。



(ぶっ飛んでる)『少年マガジン』の表紙にしろ、中味にしろ、そういう時代の文化が背景にあったんだということがよくわかりました。残念ながら『少年マガジン』は本展に出品されていませんが、60年代のポスターはまさにこの中から生み出されたものなのです。

最後に横尾さんが話された印象深いひとこと。「いろいろなことがバラバラに存在しているみたいだけど、結局は根っこにある一つに繋がってるんだよね。」(う~む、なるほど。)

横尾さん、そして面白いお話しを引き出して下さった山下さん、本当に有り難うございました。

展覧会は6月16日まで開催。是非皆様、お出かけいただき、横尾ワールドをご堪能下さい。

(A.Y.)