特集展示「前衛美術会とその周辺展」がオープンしました。



外は雪交じりの今日、企画展示室の1室を使って、
コレクションをメインにした小企画「前衛美術会とその周辺展」がオープンしました。


これは、2012年にアートギャラリー環を主宰する川妻さち子氏からご寄贈いただいた高山良策、尾藤豊、桂川寛、中村宏、鏑木昌弥など前衛美術会やその周辺の作家たちの作品をご紹介する展覧会です。
 

戦後間もない1947年、前衛美術会は誕生しました。
1920年代のフランスで始まった、人間の無意識を表面化しようとするシュールレアリズムの表現方法は、日本でも、画家の福沢一郎を中心として戦前の前衛的な美術家たちによって取り入れられました。
戦中、この動きは一旦中断しますが、戦後の展開を担ったのが前衛美術会でした。
 

彼らは、芸術の前衛と政治の前衛をどのように融合させるか、という新たな課題に正面から向き合いました。社会主義リアリズムに異議を唱え、一方で当時、アメリカから流入してきた抽象絵画の奔流にも飲み込まれることなく、社会や政治と芸術の関わりを考え続け、人間を見つめ続けてきた美術家たちの集団です。前衛美術会は、76年に齣展に改組し、現在も活動を続けています。
 

本展では、石井茂雄、池田龍雄、尾藤豊、伊藤和子、高山良策、山下菊二、志賀丈二、入江比呂、桂川寛、中村宏、鏑木昌弥、11名の作家の91点を展示しています。
 

12月13日(土)午後2時から、ギャラリートークも行いますので、是非みなさま足をお運び下さい。

荒木