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「福島ねこづくし展」ワークショップ手作り猫絵馬が信夫山で再展示!

7/23~8/21まで開催していた「福島ねこづくし展」のことで嬉しいお知らせが!

 

館内ホールでは、参加自由のフリーワークショップ「手作り猫絵馬を作ろう」コーナーで、多くのお客様にオリジナルの猫絵馬を作成いただきました。


展覧会会期中のワークショップの様子

その場でホールに掲示された参加者様の猫絵馬は約900枚にのぼりましたが、それらが昨日9月28日(水)から信夫山にて再展示されています!

展覧会でもご協力いただいた特定非営利活動法人ストリートふくしま様のご厚意で実現しました。

  
信夫山ねこ稲荷神社                                    ねこ稲荷神社のすぐ隣にある古民家西坂家

展示されている場所は、山腹の信夫山ねこ稲荷神社に隣接する古民家西坂家です。

ゆっくりできるとても素敵な雰囲気の古民家カフェで、年内は展示していただけるので、描かれた方々もそうでない方もぜひ足をお運びください!

  

  

古民家西坂家は開館時間10:00~16:00。木曜日休館、休憩と手作り絵馬ご観覧は無料です。

 

信夫山猫稲荷と古民家西坂家の詳細や、アクセス等については、以下の信夫山HPからご確認ください。
https://www.shinobuyama.com/kominka-nekoinari

 

 

「みんな大好き!福島ねこづくし展」閉幕しました。

7月23日(土)から開催した特集展示「みんな大好き!福島ねこづくし展」は、先週末8月21日(日)で閉幕しました。

一ヶ月弱の会期だったので行けなかったという方もいらっしゃると思います。
以下、展覧会内容をふりかえります!

 

展示は2部構成で、第1部では猫がモチーフとなっている当館の収蔵品を31点展示しました。
描き方と絵の内容に注目し、3つのパートに分けてご紹介。
今回は特別に、第2部の猫絵馬から抜け出た「カワオ」「マタサブロウ」「マチコ」さんたちが展覧会ガイドを務め、作品の見どころなどをわかりやすく紹介してくれました。

 

第1部の1パートめは「キマッてる!モデル猫たち」と題して、絵のモデルとして堂々と猫がポーズをきめている作品を展示。
版画家・斎藤清の猫作品が多いですが、まとめて並べて見ると、構図を考える作家のモダンな感覚がよく分かります。
お客様のアンケートで「斎藤清に対するイメージが変わった」というお声もいただきました。
福島を代表する彫刻家・佐藤玄々の作品は、猫の体の柔らかさや丸みの表現が見事です。

  

 

2パートめのテーマは「猫かわいい。小さきものたち」。
動物の小さくて尊い命、猫の可愛らしさに眼差しを向けた作品が並びます。
寝ている子猫を描いた渡部菊二のデッサンや、飼い猫を小さく登場させている山口薫の水彩画を見ていると、作家の温かい愛情が伝わってきます。

   

 

3パートめのテーマは「一緒に暮らそう。生活のなかの猫」。人間の暮らしに溶け込んでいる猫の様子を描いた作品を展示しました。
出品している酒井三良、室井東志生、春日部たすくは全員福島県出身の作家です。
室井東志生は、歌舞伎役者や落語家など著名人の肖像画を多数手がけた画家で、ここでは会津若松出身の舞踏家・ダンサーである長嶺ヤス子氏と猫たちを一緒に描いています。
春日部たすくの水彩画はサイズが大きく、自宅で飼っていた猫たちにまつわるエピソードや想いをユニークな視点で絵画化しています。
猫たちをとても愛していたことが作品から感じ取られます。

   

 

 

続いての第二部では、川俣町猫稲荷神社に奉納された猫絵馬を紹介しました。
絵馬の出品総数は347点。本来は650枚以上ありますが、そこからピックアップしての出品です。それにしても大ボリューム!
養蚕が盛んな川俣では、鼠を駆除する猫を「猫神さま」として祀る民間信仰が生まれ、主に明治から大正期にかけて養蚕の成功を祈願する猫絵馬が庶民たちによって作られました。
猫神信仰は宮城県や群馬県にもありますが、当時の絵馬が着色ありで状態よくここまで大量に残されているのは、川俣町だけだそう。

いかにも絵師が描いたような名作もあれば、庶民がとても頑張って描いたからこそ出てくる独特の画力による作品など、どれも個性的で魅力に満ちています。

    

  

 

 

7月31(日)には、猫神信仰を研究されている村田町歴史みらい館館長の石黒伸一朗氏によるスライドトークを行いました。
川俣町の猫絵馬はもちろん、そのほか福島に密かにある猫の石像たちについてもお話ししてくださり、実際に行って見てみたい!という好奇心がかなりくすぐられるご講演でした。

 

福島は「猫啼」や「猫魔ヶ岳」など猫がつく地名がなぜか多く、知られざる猫大国だったのかもしれません。

実は当館すぐ裏にそびえる信夫山にも猫稲荷神社が存在して、現在は愛猫の健康を祈願する神社として人気を集めています。

 

また館内ホールでは、誰でもその場で参加できるフリーワークショップ「猫絵馬作り体験コーナー」を設けました。
みなさんの手作り猫絵馬が掲示用の壁に連日増えていき、描く人・絵馬を見る人でとても賑わいをみせていました。
こちらの予想を遙かに超えてみなさん作っていただけたので、ただただ感謝です。

    

 

おなじみになってきた展覧会フォトスポットは今回も登場!絵馬の猫たち、大活躍です。

 

不思議と魅力に満ちた猫神信仰と川俣町に残る猫絵馬、当館の猫コレクション、来館者による現代の新たな猫絵馬と、まさに「ねこづくし」な特集展示でした。

ご来館いただいたみなさま、ありがとうございました!

下記の当館Youtubeチャンネルでも本展の様子を紹介しているので、ぜひこちらもご覧ください。

https://youtu.be/fjR-BaQCXUE

 

「Gallery F 2020 コレクション再発見」展開催中!

2月8日(土)より、当館1階企画展示室にて「Gallery F 2020 コレクション再発見」展がはじまりました。

4度目の開催となる今回は、「生誕100年 建畠覚造展 かたちの探求」、「アートカード★チャレンジ」ふたつの小さな企画をご覧いただけます。

 

「生誕100年 建畠覚造展 かたちの探求」

建畠覚造(1919‐2006)は、抽象彫刻の世界に大きな足跡をのこした作家です。

今回の企画では、当館が所蔵する8点に個人蔵1点を加えた9点の作品を展示しています。

 

中央に展示されている、《WAVING FIGURE47(大)》1987年は、幅が4mをこえる大きな作品です。

当館所蔵の建畠作品をまとめて全てご覧いただける機会です!

ぜひ建畠が探求し続けた独自のかたちの世界をご覧ください。

 

◆ギャラリートーク

「建畠覚造の思い出」※終了しました

2月8日(土)14:00~

酒井哲朗氏(当館名誉館長)

 

「建畠覚造と日本の現代彫刻」

2月22日(土)14:00~

三上満良氏(元宮城県美術館副館長)

※申し込み不要。チケットご購入の上、企画展示室入り口にお集まりください。

 

「アートカード★チャレンジ」

当館のアートカードを使って、福島市立野田中学校3年生の生徒たちが考えた小さな展覧会を、実際に当館の所蔵作品を展示して再現しました。

今回、生徒たちはクラスごとに4つのテーマを設定し、作品を選びました。

1組…孤独

2組…Face

3組…Let's think!

4組…Sky Sea

各テーマに合わせ、クラスで6点ずつ作品が選ばれました。

作品に添えられた子ども達のコメントもあわせて、お楽しみください。

 

◆福島市立野田中学校3年生代表生徒によるギャラリートーク

2月29日(土)14:00~

※申し込み不要。チケットご購入の上、企画展示室入り口にお集まりください。高校生以下は無料です。

 

〇会期:~3月8日(日)まで。

〇開館時間:9:30~17:00(最終入館は16:30まで)

〇観覧料:一般280円、高校生以下無料 ※常設展示室もご覧いただけます

〇休館日:2月17日(月)、25日(火)、3月2日(月)

ぜひご来館ください。

「前衛美術会とその周辺」ギャラリートーク

本日、特集展示「前衛美術会とその周辺-川妻さち子コレクションから」のギャラリートークが開催されました。
 

今回は、学芸員による通常の解説に加えて、画家・伊藤和子氏とアートギャラリー環の川妻さち子氏をお迎えしてお話をお聞きしました。


伊藤氏は1958年に常磐炭鉱を訪れ、それを題材に作品を残されました。本展には《ボタ山への道》、《第二縦坑と選炭やぐら》と下絵数点が出品されています。
伊藤氏は、当時の炭坑の様子をお話しいただきました。巨大な選炭やぐらを見たときの感動が生き生きと伝わってくるお話でした。


アートギャラリー環の川妻さち子氏は、本展出品作品のほとんどを当館にご寄贈下さった方で、氏なくしては、本展の開催はなかったといっても過言ではありません。
前衛美術会の力強い作品の数々は、川妻さんがおっしゃるとおり、「あの時代が描かせたもの」だったと思います。そんな作品に対する川妻さんの深い愛情が伝わってくるお話でした。

特集展示「前衛美術会とその周辺-川妻さち子コレクションから」は、12月27日まで開催いたします。皆様ぜひ足をお運びください。

S.A.

特集展示「前衛美術会とその周辺展」がオープンしました。



外は雪交じりの今日、企画展示室の1室を使って、
コレクションをメインにした小企画「前衛美術会とその周辺展」がオープンしました。


これは、2012年にアートギャラリー環を主宰する川妻さち子氏からご寄贈いただいた高山良策、尾藤豊、桂川寛、中村宏、鏑木昌弥など前衛美術会やその周辺の作家たちの作品をご紹介する展覧会です。
 

戦後間もない1947年、前衛美術会は誕生しました。
1920年代のフランスで始まった、人間の無意識を表面化しようとするシュールレアリズムの表現方法は、日本でも、画家の福沢一郎を中心として戦前の前衛的な美術家たちによって取り入れられました。
戦中、この動きは一旦中断しますが、戦後の展開を担ったのが前衛美術会でした。
 

彼らは、芸術の前衛と政治の前衛をどのように融合させるか、という新たな課題に正面から向き合いました。社会主義リアリズムに異議を唱え、一方で当時、アメリカから流入してきた抽象絵画の奔流にも飲み込まれることなく、社会や政治と芸術の関わりを考え続け、人間を見つめ続けてきた美術家たちの集団です。前衛美術会は、76年に齣展に改組し、現在も活動を続けています。
 

本展では、石井茂雄、池田龍雄、尾藤豊、伊藤和子、高山良策、山下菊二、志賀丈二、入江比呂、桂川寛、中村宏、鏑木昌弥、11名の作家の91点を展示しています。
 

12月13日(土)午後2時から、ギャラリートークも行いますので、是非みなさま足をお運び下さい。

荒木

ワークショップ「福島を撮る」レポート

特集展示「瀬戸正人 バンコク・ハノイ・福島」展の開催にともなって、ワークショップ「福島を撮る」が、6月14日‐15日に開催されました。



これは、写真家・瀬戸正人さんと一緒に美術館周辺を歩きながら写真撮影をし、その後撮った作品を瀬戸さんに選んでもらって印刷し、美術館のエントランス・ホールに展示するというもの。

当日は天候にも恵まれ、絶好の散策日和となりました。
瀬戸さんが出したお題は、散策で出会った人を撮るというもの。
いざ散策を始めると、なかなか人に遭遇せずという予想だにしない展開にもかかわらず、
みなさん楽しく、思い思いの写真を撮影することができました。

2日目は、前日に撮った写真を、各自10枚ほど瀬戸さんに選んでもらい、インクジェット・プリンターで2L版に印刷しました。そこからさらに瀬戸さんが厳選した写真を、各自A4版に印刷して、みなさんで展示しました。

 

同じ場所を散策したのに、出来上がった写真はみなそれぞれ違っていて、ひとりひとりの個性がよく表れていました。また見慣れた福島の町には、まだまだ美しいものがそこら中に転がっていると気付かせてくれるワークショップでした。

参加してくださったみなさん、ワールドカップの誘惑にも負けず参加してくださりありがとうございました。

参加者のみなさんが撮影し、一緒に展示した写真は、美術館のエントランス・ホールに6月29日まで展示されています。



なお、本ワークショップは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社様より、
デジタル一眼レフカメラとインクジェット・プリンターをお借りして行いました。

S.A.

「瀬戸正人展」のお知らせ

ご好評いただいている「世界をめぐる絵本の旅」展が終了すると、6月10日(火)から「瀬戸正人 バンコク・ハノイ・福島」展が始まります。



瀬戸正人さんは、当館でも何度か作品をご紹介してきた日本を代表する写真家です。
1953年、日本人の父とベトナム人の母のもと、タイのウドーンタニに生まれました。1961年に父の故郷、福島県梁川町に移り住み、高校を卒業するまで福島で育ちます。父は写真館を営んでいました。

卒業後、東京写真学校で写真を学び、森山大道や深瀬昌久らに師事。写真の腕を磨きます。
1989年、写真集『バンコク、ハノイ 1982-1987』で日本写真協会新人賞を受賞。96年には都会に生きる人々を特異な視点で捉えた写真集『Silent Mode』『Living Room, Tokyo 1989-1994』で第21回木村伊兵衛写真賞を受賞しました。

また99年、自伝エッセー『トオイと正人』で第12回新潮学芸賞を受賞し、文筆活動も行っています。
http://www.setos.jp/index.html

本展では、当館の収蔵作品の《バンコク、ハノイ 1982-1987》を含め、これまで撮りためてきた福島の風景、震災後の福島、そして昨年発表した『Cesium-137Cs』から合わせて約50点を展示し、瀬戸さんの身体に寄り添ってきた原風景、「福島」の姿を辿ります。

会期中、ワークショップも開催します。

「福島を撮る」
瀬戸さんと一緒に、美術館周辺を歩きながら写真撮影。そして講評会。エントランスホールに作品を展示します。

日時:6月14日(土)13:00~16:00、15日(日)10:30~16:00
対象:一般15名程度 2日間参加できる方(要申込・多数の場合は抽選)
経費など:無料(カメラはご持参いただくか、貸与も可。プリント代も含みます。)
締切:6月8日(日)
協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社

奮ってご応募下さい。
絶対に面白いです!間違いありません。

A.Y.