創作プログラム「なりきり!清先生!」開催しました

現在当館で開催中の「斎藤清からのメッセージ」展にあわせ、子ども達向けの創作プログラムを実施しました。

清(きよし)先生ってどんな人?どんな作品を作ったのかな?
まずはスライドを見ながら、今回みんながなりきる版画家の斎藤清さんについて知ります。



「会津の冬シリーズ」がよく知られていますが、動物をモチーフにした作品も制作しています。
今回当館のポスターにも使われている《凝視(猫)》もそのひとつです。

紹介の後はいよいよ制作!
まずは好きな動物をスケッチします。



今回の版画は糸のこで切る作業もあります。
ポイントはなるべく単純な形にすること。
丸や四角を組み合わせたり、脚やしっぽは細くなりすぎないようにしたり・・・

下絵が描き終わったら板に写し取り、輪郭を電動糸のこで切断していきます。

  

6年生の子達は慣れた手つきで切っていきます。
はじめて糸のこを使う子達は、スタッフと一緒にゆっくりと。
最後にはサポートなしで、自分で板を動かして切断していました。すごい!

次は彫っていく作業です。動物の輪郭ができたので、目や鼻、口など顔のパーツや、毛並みなどを彫っていきます。
今回はじめて彫刻刀を使う子達には、持ち方を一緒に確認。
彫刻刀の種類によって、どんな彫りあとになるか説明します。
はじめての彫刻刀で緊張!まずは色をつけた練習用の板を、彫刻刀を使って彫ってみます。
慣れてきたら本番。みんな真剣に板に彫っていきます。

 

糸のこでうまく切れなかった部分も、彫刻刀で削ることで輪郭をきれいにできます。

お昼休みをはさみ、再開。
みんな集中していて、休み時間にも彫っている子達もいました。
最後に輪郭に紙ヤスリをかけてきれいにして、猫や犬、鳥、ヘビなど、それぞれ好きな動物の版が完成しました!

版ができたら刷りです!
まずは刷り方の説明をします。
インクをローラーでのばし、版につけていきます。
版木全体にまんべんなくつけることが大事です。



今回は何度もインクを水で洗って刷ることができるよう、水性の版画絵具を使いました。
インクの色は、黄色、赤、青の3色。メディウムを混ぜることで透けた感じも出すことができます。

 

色が重なると緑や紫、オレンジなどの色が生まれます。
筆でインクをつけて、塗り分けの工夫をする子も!

 
インクをつけたら、版木の上に紙を置き、バレンで端の方までしっかりおさえます。
紙をとってみると・・・きれいに刷れました!

試し刷りを何枚かした後は本番の1枚。
自分で作った動物の版を刷った後はまわりに装飾をしていきます。

 
葉っぱやひも、スポンジなど、身近にあるものを準備してみました。
ローラーでインクをつけ紙にこすりつけると、葉っぱの葉脈が浮かび上がります。
ボードを切って、お花を作ったり、スポンジで湖を作るアイデアも!
みんな工夫をこらして、素敵な作品が完成しました。



最後は大きな紙にみんなで刷ってみよう!
大きなロール紙に動物たちが集合します。
大きな紙に、版を足で踏んで刷ってもらいました。
まんべんなく、とんとんと足踏みして刷っていきます。



  
絵を描き、板を彫って版をつくり、刷るところまで・・・。
版画づくしの1日で、みんな小さな版画家さんになりました!
参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

さて、どんな大きな1枚の版画ができたのでしょう?
みんなでつくった作品は、斎藤清展会期中、エントランスホールに展示しています。
ぜひご覧ください!