創作プログラム「音の風景~心象表現を楽しもう~」開催しました!
5月13日(土)、創作プログラム「音の風景~心象表現を楽しもう~」を開催しました。
講師は作家の福田美里さんです。
宮城県を拠点に制作活動をされていて、当館では、2021年、22年に開催した庭園活用イベント、
「Art meets cookies」でも、作家のひとりとしてご協力いただきました。
今回の創作プログラムでは、美術館周辺の音を観察し、言葉や絵で表現していきます。
はじめに、福田さんから自己紹介と、プログラムの流れについてお話がありました。
美術館の庭園を散歩して、“気づき”を採集。その後実習室に戻って制作をします。
前半は参加者全員で一緒に歩きながら、どのようなことを感じたのか、それぞれワークシートに言葉や絵でメモしていきます。
外に出ると、さっそく鳥のさえずりが聞こえてきました。
池の水面には様々な模様が見えます。
芝生の上に座ってみると、ザッザッと葉っぱのこすれる音や、手触りを感じられます。
寝転がってみると…太陽の光が!
「まぶしい!」と参加者の方から声が聞こえると、「その感覚もぜひメモしてください」と福田さんから声がかかります。
みなさん感じたことや気づいたことをメモしていきます。
次は美術館の正面入り口へ。
このあたりは石が敷かれていて、芝生とは足の裏に感じる硬さも異なります。
「自分が鳴らす音にも注目してみてください」と福田さん。
遠くからは電車の音も聞こえてきます。
大きな彫刻《歩く花》(フェルナン・レジェ、1952-53年※寄託)の前へ。
彫刻を触ってみると、金属の質感や表面にあるデコボコなどが感じられました。
奥に進んでいくと、今度は砂利道に変わります。
梅の木を見上げると実がなっていました。
落ちている実を拾ってみると、ふわふわとしたさわり心地。
この季節ならではの光景です。
砂利道から少しはずれると、落ち葉がいっぱい積もっています。
踏んでみると、ガサガサッと気持ちのよい音がしました。
あづまやに集合し、前半は終了。
後半は一人ひとり好きなところをめぐっていきます。
庭園の一番奥にある水路のはじまりは小さな滝のよう。
「こんなところに滝があるんだ!」と驚きの声も聞こえました。
大きな枝を見つけました!
実習室に戻り、みんなで“気づき”を共有します。
・鳥のさえずり
・人工的なものと自然物の音の違い
・いつもは無意識に感じていることを意識する時間になり、自分の視点が変わる、意識が変わる感覚があった
・歩いている時間にしあわせを感じた
・大きな枝を見つけた
・風に吹かれるユキヤナギの揺れ方の違い
などなど…。みなさんたくさんの“気づき”を紹介してくださいました。
次は制作です!
庭園の散歩で感じたことや気づきを、表現していきます。
今回は、B5サイズのボードとはがきサイズの画用紙に、アクリル絵具で描きます。
制作の前に、福田さんが今回のワークショップのために作った参考作品などを見せていただきました。
自身が感じたことの中の1つに着目して、それを全面に描く一場面型や、
感じたことを1枚の絵の中にたくさん描いていく地図型などがあり、描き方は自由とお話がありました。
また、表現のヒントになるよう、デカルコマニーやドリッピングなどの技法を紹介してくれました。
ここからは自由に制作していきます。
ローラーを使ったり、筆に水をたくさん含ませて描いたり、コラージュをしたり…
みなさん思い思いに表現していきます。
作品が完成しました!
最後はみんなで作品を並べて鑑賞会です。
自分が作った作品や、今日の活動についての感想をお話していただきました。
受講者からの感想(一部)です。
・普段感じることのないことを感じて、絵を描くということが大変おもしろかった
・自分が感じたことを表現するプロセスがすごく楽しかった。
・小さいころにもどったようなゆったりとした時間を過ごせたのがよかった。
・自由さが心地よかった。
・静かな環境の祖と庭を散歩して目、耳、感覚などを働かせる。
・時間が足りなかった。
普段何気なく見たり聞いたり、感じたりしていることを、改めて意識してゆっくりと全身で感じとる。
自分自身ともじっくり向き合う時間になったように思います。
福田さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!