Koi鯉アートのぼりプロジェクト

今日は、あそvivaの中心となっている展示、「Koi鯉アートのぼりプロジェクト」についてご紹介しましょう。
このプロジェクトは、渡邊晃一さん(福島大学人間発達文化学類准教授)が震災間もない頃から、避難所の子どもたちとワークショップで鯉のぼりを制作したり、広く海外にも呼びかけて一人一人が描いた鯉のぼりを募ってきたものです。渡邊さんの文章から。
「鯉は里の魚です。里は田と土からなります。地域に住む子どもたちが、龍になっていくように、明日に向かって「鯉」が登り始めるエネルギーを、各々の文化、土地で育んでいきたいと願っております。」
福島県には中通り、浜通りを中心に「絵幟」の伝統があります。そうした文化を踏まえて、とも渡邊さんはお話しくださいました。

そのようにして集まった鯉のぼりは現在1,000点に及びます。5月には、福島市内のパセオ通りで元気よくはためいた鯉のぼり。今回、美術館の展示室に収まりきれず、泣く泣く700点あまりに減らしました。しかし700匹の鯉のぼりが並ぶ様は壮観です。
幼稚園のこどもたちが描いたもの。大学生による、仕掛けの楽しいもの。イギリスや台湾から寄せられたお国柄がしのばれるもの。奈良美智さん、ヤノベケンジさん、八谷和彦さんら、アーティストによるものも。福島へのあたたかいメッセージもついています。
そして壁には、避難所で小学生が合作した、大きな鯉のぼり。

あそVIVAに展示するにあたり、渡邊さんは新たなインスタレーションを考えてくださいました。「天の川を泳ぐ鯉のぼり」です。天井から吊された鯉のぼりの下には、LEDのきらめく星たちが。。。。
 
渡邊さんの呼びかけに、様々な形で応えた方たちの作品も同時に展示しています。
京都のギャラリーはねうさぎさんが企画した、「七夕の箱Exhibiton ~川から海へ」プロジェクトからは、100人の作家さんが、透明アクリルの箱にペイントを施した祈りの作品を福島へ寄せて下さいました。今回は、天の川の上を流れる、灯籠のイメージになっています。
ブロンズ新社さんには、今回絵本コーナー、工作コーナーでつかう本などをたくさんご協力いただきました。ブロンズ新社さんを経由して、バルセロナの子どもたちが寄せてくれた、五味太郎「かおをかきましょう」も紹介しています。
札幌大谷大学短期大学部美術科造形美術コースの岡部昌生さんのゼミは、「原発の見える森から」東北へのエール 福島の皆さんへ という映像作品で参加されいてます。
イギリスのウィンブルドン美術大学のロージー・ポッターさんたちによる、砂浜での鯉のぼりプロジェクトの写真もあります。
 
多くの方々の、福島に寄せて下さった思いが、たくさんつまった展示になりました。
皆さんの思いは、これから私たちが歩んでいく支えになります。本当にありがとうございました。

(増)