福島県立美術館ブログ

アートなおはなしかい開催しました!

10月26日(土)、おとなりの図書館さんと「アートなおはなしかい」を開催しました!

テーマは「色であそぼう!」

図書館でアートな本を紹介した後、美術館で作品鑑賞と色のにじみを楽しむブックカバーづくりをしました。

 

まずは図書館さんで、絵本をみんなで楽しみます。

ページをこすったり押したりすると、色が変化していくように感じられる絵本や、色の歴史や特徴についてまとめられた本など。

色の面白さを感じられる本をたくさんご紹介いただきました。

途中、色から感じるイメージを参加者に聞いてみます。

1人1枚ずつ色紙を持ち、あたたかい感じがする色とさむい感じがする色に分かれて貼っていきました。

緑色の折り紙を持ちながら、「どっちも感じる」と話していた子は真ん中に貼り付けていました。

 

 

よみきかせのあとは、連絡通路を通り美術館へ。

実習室でブックカバーづくりをしました。

配られた和紙に、油性ペンで自由に模様を描いていきます。

くねくね、ぐるぐる、てんてんと、カラフルな線で画面を埋めていきます。

ボウルに入れた透明な液体をスポイトでたらしていきます。

すると、描いた線がにじみんでいき、不思議な模様が広がっていきます。

線が重なっている部分は色が混ざって、描いたときとは違った色になります。

宇宙みたい!と話している子もいました。

作品を乾かしている間に常設展示室へ。

展示室を巡っていき、百瀬寿さんの作品をみんなで鑑賞しました。

 

 今回はアートキューブの中の「感覚キューブ」で作品を楽しみます。

嗅覚、聴覚、味覚などの感覚から想像し、いつもとはちょっと違う視点で作品をみていきました。

鑑賞後は実習室へ。

乾いた作品を、本のサイズに合わせて折っていくとブックカバーが完成します。

ご参加いただいたみなさま、図書館スタッフのみなさま、ありがとうございました!

 

創作プログラム「テンペラ絵具を作って描こう」③④

◆◆◆3日目◆◆◆

10月14日、「テンペラ絵具を作って描こう」3回目を迎えました。

イエローオーカーで一層薄く全体に色を塗り、乾燥。

明るい部分を白で描きおこしていきます。

 

だいたい白で描きおこしたところで、また一層ライトレッドをかけます。

乾燥後、また白で描きおこし、最後にテールベルトで一層全体にかけます。

これを繰り返すことにより、陰影がはっきりしていきます。

白で描きおこしていく作業は根気がいる作業で、みなさん集中して取り組んでいました。

 

下図と見比べ、小林先生にアドバイスをいただきながら、制作を進めていきました。

 

◆◆◆4日目◆◆◆

台風の影響のため日程を変更し、10月22日(火・祝)に開催しました。

いよいよ最終日。

固有色を作り、塗っていきます。

様々な色の顔料を組み合わせ、少量の水で練り、メディウムを加えて絵具を作ります。

微妙な色合いを出すのに、試しがきをしながら調整をしていました。

これまでに陰影を出す作業をしてきているので、固有色をのせるだけでかなり変化します。

髪の毛や肌の質感など、みなさん丁寧に塗っていました。

下地づくりから、卵を使ったメディウムづくり。

色づくりと、ひとつひとつの制作の過程を経て、じっくりテンペラ画を描いていきました。

4日間講師をつとめていただいた小林先生。そしてご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

ワークショップマート開催しました!

9月16日(月・祝)、当館にてワークショップマートを開催しました!

3回目の今回はあいにくの雨。

初めて美術館のエントランスホールでの開催となりました。

 

今年のワークショップは、当館の収蔵作家をテーマに考えていただきました。

どのようなものがあったのか簡単にご紹介します。

 

◆FRIDAY SCREEN

 「いつもの街角」

紙でできたバックに、様々な模様のスタンプを押し、暮らしの中にある身近なものを作品に変身させました。

テーマにした作家はジョン・スローン

 

◆et craft

「漆をみがき出して作る光のペンダント」

 

銀色の下にピサロの作品の色使いやタッチを元にした模様が漆で描かれています。

模様を出しながら、漆をつるつるぴかぴかにみがきました。 

テーマにした作家はカミーユ・ピサロ

 

◆佐賀健

「ぼくらのガニング・ロックス」

ワイエスの作品のひとつ《ガニング・ロックス》をもとにしたワークショップ。

小さな板に板に描かれた、真っ黒な背景と目や口などがない横顔に、オリジナルの絵を描きました。

テーマにした作家はワンドリュー・ワイエス

 

◆Decca*chi

「ぶら下げよう♪お家ポケット」

家のかたちをモチーフにした革に絵を描き、首からぶら下げて使えるお家ポケットを作りました。

テーマにした作家は斎藤清

 

◆tenonaka

「自然光と影」

カップに石けんと植物を選んで詰め、自然を感じられる贈り物を作りました。

テーマにした作家はクロード・モネ

 

◆工房 マートル

「揺らめく色のワックスモビールをつくろう」

キャンドルのかけらを自由に削って、偶然に生まれた色の重なりをモビールで楽しみました。

テーマにした作家は加納光於

 

◆山ぐらし

「ふくしまの旗をつくろう」

タグをキャンバスに、様々な種類の生地を切ったり貼ったり重ねたりして福島市のペナントを作りました。

テーマにした作家は小関庄太郎

 

◆MOTO COFEE

「コーヒーで世界を変える」

一粒一粒に想いを馳せてコーヒー豆をブレンドしていきました。

テーマとなった作家はベン・シャーン

 

◆佐藤恭子

「サシェを作ろう~鼻で絵を見たことがありますか?~」

育てた綿花から織った布で作った袋に、綿花の種やハーブを摘めてサシェを作りました。

目だけではなく鼻でみる絵画で、美術館を楽しみます。

テーマにした作家は小川芋銭

 

◆山口やすひろ

「まねっこミュージアム~パントマイムで遊ぼう~」

音楽に合わせて展示室にある絵の中の人物のまねをしてみたり、絵の中に入って絵の奥を探検してみました。

 

開催日は敬老の日。この日は常設展示室が無料でした。

ワークショップにご参加いただいた方々もたくさん常設展をご覧になっていました。

各ワークショップのテーマになっていた作品も全て展示されています。

パントマイム時間の後には、当館学芸員によるミニギャラリートークも開催しました。

参加いただいたみなさま、ワークショップ、フード出店をしていただいたみなさま、ありがとうございました。

そして、今回も企画をしてくださったFRIDAY SCREENの坂内さん、鈴木さん、ありがとうございました!

 

創作プログラム「テンペラ絵具を作って描こう」②

◆◆◆2日目 10月6日◆◆◆

まずは前回塗った下地のやすりがけ。

きれいにまんべんなくやすりがけをして、下地の細かい凹凸をなくしていきます。

やすりがけが終わったところで、下絵を転写。

カーボン紙を重ね、前回トレーシングペーパーに写した輪郭線を転写します。 

下地に写し取った線を、面相筆でなぞって描いていきます。

面相筆を使い、細い線で輪郭を描いていきます。

細かい線が多いので、集中力が必要です。

 

最後に、これから使っていくテンペラのメディウムづくりをしました。

今回は卵黄メディウムと全卵メディウムを使います。

最初は全員で全卵メディウムを作りました。

新鮮な卵の黄身は、つまむことができます。

外の薄い皮は不要なので、中の部分だけを取り出します。

受講者の方同士、協力して進めていました。

 

びんに卵黄を入れてかき混ぜ、白身の部分も不純物を取り除いて入れます。

ここに防腐剤、サンシックンドリンシードオイル、ダンマルワニスを入れ、びんの蓋をしっかりとしめて振ります。

これを冷蔵庫に保管し、制作に使用します。

最後に画面をイエローオーカーで一層薄く塗って、2回目は終了しました。

創作プログラム「テンペラ絵具を作って描こう」①

9月29日、10月6日、14日、22日の4日間、当館実習室にて「テンペラ絵具を作って描こう」を開催しました!

講師は、画家で山形大学教授の小林俊介先生です。

初日はこれから制作を進めていく上でとても重要な下地作りです。

今回はシナベニヤに和紙を貼ったものをご準備いただきました。

下地に塗る材料を準備していきます。

山形大学の学生さんもお手伝いに来てくれました。

できるだけ均一に塗っていきます。

 

刷毛で慎重に塗っていきます。

横から見ると、均一に塗れているのか分かりやすいです。

 

乾燥を待つ間に下図を考えます。

模写の場合は、先生にご準備していただいた図版からコピーを取ります。

模写する絵にトレーシングペーパーを重ね、鉛筆で主要な線をたどっていきます。

自分で絵を考えてきた方や、写真を元にして描く方などもいました。

1日目はここで終了!

次回に向け、下地の乾燥をします。

 

第3回目 館長講座

9月21日(土)、今年度第3回目の館長講座を開催しました。

 

昨年度に引き続き「古典に帰れ-西洋美術の巨匠たち」をテーマとし、美術史の流れに沿って各時代様式の巨匠たちを紹介しています。

 

今回の講座内容は「ロココ (2) ホガーズ、レノルズ、カナレットなど」です。

上記の作家のほか、ゲーンズボロ、ティエポロ、グアルディについても取り上げました。

18世紀イギリス、イタリアの代表的な画家たちが織りなした軽やかで優美な絵画世界をご紹介しました。

 

 

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

 

 

次回以降の予定は下記のとおりです。

 

第4回 11月23日(土)   新古典派とロマン派(アングル、ドラクロワなど)

第5回 1月18日(土) 英独西の近代巨匠(ターナー、フリードリヒ、ゴヤ)

第6回 3月21日(土) 19世紀写実派(ミレー、コロー、クールベ)

 

次回の第4回目のみ、休館をはさむため第4土曜日の開催となります。ご注意下さい。

 

10時半~12時頃まで講義室にて開講します(聴講無料)

事前申し込みは不要ですので、当日、直接会場にお越し下さい。

 

みなさまのご来場をお待ちしております。

やなぎみわ展最終日、無人公演の代わりにWSで創作するパフォーマンスを披露

やなぎみわ展も9月1日で最終日となります。

1日には、視覚に障がいがある人、ない人が一緒にワークショップを楽しみます。

《神話機械》を鑑賞し、そして最後には参加者みんなで新しいパフォーマンス「黄泉比良坂」を作り上げます。見える人、見えない人一緒に、やなぎみわが表現する神話の世界を視覚だけでなく五感で体感しようという企画です。

日時:2019年9月1日(日) ①10:30~12:00 ②14:00~15:30

場所:福島県立美術館講義室、企画展示室

講師:やなぎみわ氏(美術家・出品作家)、ヤンマー嶋村氏(ミュージシャン)、担当学芸員

上演は午前11:45分くらいから、午後は15:15分くらいから、2回、各回15分程度の公演を予定しています。

ただし開始時間は、ワークショップの進行により、前後する可能性があります。

 

当日は、これまで1日3回やってきた無人公演は実施いたしません。

無人公演は31日土曜日が最終となります。

 

 

創作プログラム「大地の絵具で絵を描こう」開催しました!

8月17日(土)、創作プログラム「大地の絵具で絵を描こう」を開催しました!

講師は、福島県田村市出身で現代美術家として活躍している佐藤香さんです。

はじめに、これまでに香さんが制作した作品を紹介してもらいました。

香さんは各地で行われているアートイベントで滞在制作を行っています。

描くのに使っているのは、その土地で集めた様々な色の土や炭、植物など。

土の色といえば、茶色が思い浮かびますが、茶色でも明るい茶色や赤っぽい茶色、焦げ茶などと少しずつ異なります。

いつもどのようにして作品を描いているのか紹介していただきました。

最後に今日の活動について説明します。

参加者のみなさんには、自宅の周りにある土や葉っぱなどを集めてきてもらいました。

さらに、美術館の周りの庭に土などを集めに行きます!

 

スコップで土を掘り、袋に入れていきます。

土の他にも、葉っぱや木の実、セミの抜け殻なども集められていました。

とても暑かったので外での活動は20分で終了!

みなさん集めた物を手に、エントランスホールへ向かいます。

 

集合したら、一人一人から拾ってきたものと、場所を教えてもらいました。

 

美術館の庭園は、同じ敷地内なのに場所によって土の色が違っていました。

普段は注目せずに歩いていたので、美術館スタッフにとっても発見でした!

 

いよいよ、集めた素材を使って大きな和紙に絵を描いていきます!

 

まず、香さんから土を使ってどのように絵具を作るのか説明がありました。

カップに土を入れ、水と木工用ボンドを入れ、筆でよくかき混ぜます。

これで絵具は完成です!

参加者のみなさんも作ってみました。

 

今回は香さんが今までに各地で集めた土も絵具に使わせていただきました!

土の種類によって、混ざりにくいものもあります。

みなさん水とボンドの配分を工夫しながら絵具を作っていました。

絵具ができたら、まずは小さな画用紙に試し描きしてみます。

土絵の具に慣れてきたところで、今度は大きな和紙に描いていきます。

  

細い筆で丁寧に。大きな刷毛で大胆に。葉っぱのかたちを写し取ったり。

 

みなさん自由にのびのびと描いていきます。 

お昼休憩をはさみ、制作を続けました。

 

完成したところで、最後は作品鑑賞会!

みんなで一つ一つの作品の周りに集まり、じっくりと見ます。

作者からは、どんなことをイメージして描いたのか、土の絵具を使ってみた感想などをお話ししてもらいました。

 

 

みなさん素敵な作品が完成しました!

佐藤香さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

「ロボット教室」開催しました。

8月3日(土)創作プログラム「ロボット教室」を開催しました。

 

当館で開催中の「やなぎみわ展 神話機械」では、京都、高松、前橋の大学、高専、そして福島工業高校の生徒が制作に携わったマシンが展示会場で動きます。

今日のワークショップは、それぞれのマシンの仕組みと動きを美術館で鑑賞することから始まりました。

左は高松でつくられた拍手をするように光ながら振動するマシンです。

右は前橋でつくられた胃カメラのように動くのたうちマシンです。

左は京都でつくられた言葉を話し、光を放ち、会場を動き回るメインマシンです。

右は福島工業高校の生徒が制作に携わった物を投げるマシンです。

 

美術館での鑑賞の後、福島工業高校の実習室へ徒歩で移動しました。

講師は福島工業高校の吉田健先生です。

マイコンを使った回路をつくる説明です。分からないことは工業高校の生徒が優しく教えてくれます。

 

これらをつなぎ合わせてパソコンでプログラムをつくりLEDを点灯させます。

 

回路とプログラムをつくって読み込ませます。とても真剣です!

 

数字を変えることで点滅する速度が変わったり、複数のLEDを点灯させることができました。

 

子ども達の飲み込みの早さには驚きです。今日の体験を応用して電子工作を楽しんでください。

吉田先生、高校生のみなさん、参加いただいたみなさま、本当に暑い中ありがとうございました!

触って、話して、見て楽しむ美術鑑賞ワークショップ「神話と機械を見聞きする」

「やなぎみわ展 神話機械」関連事業として、触って、話して、見て楽しむ美術館賞ワークショップを開催します。

毎年1回開催している、見える人、見えない人一緒に作品鑑賞をするワークショップです。

今年は「やなぎみわ展」で行います。

福島県立福島工業高校も協働して制作された本展のための新作《神話機械》を鑑賞します。近年やなぎさんの創作は、視覚だけでなく五感を使う方向に向かっているように思います。作品鑑賞も見るだけでなくて、いろいろな方法がチャレンジできるのではないでしょうか。

普段は入れないマシンエリアに入って、マシンを触ったりしながら鑑賞。そして言葉や音を使って機械とコラボレーションし、五感で作品を体験します。

見える人も、いつもと少し違った鑑賞をしてみませんか。是非ご参加ください。

〇日時:9月1日(日) ①10:30~ ②14:00~ 同じ内容なので、どちらかお選びください。
〇会場:美術館企画展示室など
〇講師:やなぎみわ氏、当館学芸員
〇協力:半田こづえ氏(明治学院大学非常勤講師)
    真下弥生氏(ルーテル学院大学非常勤講師)
〇費用:無料
〇対象:各回中学生以上の視覚障がい者5名程度、晴眼者5名程度
〇要申込 総合受付、電話024-531-5511、美術館HPより