福島県立美術館ブログ

触って、話して、見て楽しむ美術鑑賞ワークショップ「神話と機械を見聞きする」

「やなぎみわ展 神話機械」関連事業として、触って、話して、見て楽しむ美術館賞ワークショップを開催します。

毎年1回開催している、見える人、見えない人一緒に作品鑑賞をするワークショップです。

今年は「やなぎみわ展」で行います。

福島県立福島工業高校も協働して制作された本展のための新作《神話機械》を鑑賞します。近年やなぎさんの創作は、視覚だけでなく五感を使う方向に向かっているように思います。作品鑑賞も見るだけでなくて、いろいろな方法がチャレンジできるのではないでしょうか。

普段は入れないマシンエリアに入って、マシンを触ったりしながら鑑賞。そして言葉や音を使って機械とコラボレーションし、五感で作品を体験します。

見える人も、いつもと少し違った鑑賞をしてみませんか。是非ご参加ください。

〇日時:9月1日(日) ①10:30~ ②14:00~ 同じ内容なので、どちらかお選びください。
〇会場:美術館企画展示室など
〇講師:やなぎみわ氏、当館学芸員
〇協力:半田こづえ氏(明治学院大学非常勤講師)
    真下弥生氏(ルーテル学院大学非常勤講師)
〇費用:無料
〇対象:各回中学生以上の視覚障がい者5名程度、晴眼者5名程度
〇要申込 総合受付、電話024-531-5511、美術館HPより

「美のおもちゃ箱―河野保雄コレクション展」ギャラリートーク

6月30日(日)、2階常設展示室にて「美のおもちゃ箱―河野保雄コレクション展」ギャラリートークを開催しました。

はじめに河野氏の生い立ちや、コレクションを始めたきっかけなどについてお話ししました。

 

展示室を巡りながら、いくつかの作品について、河野氏がどのような経緯で収集したのか。

そして、作品についてどのような話をしていたのかなどのエピソードを交えながらご紹介しました。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

常設展特集「美のおもちゃ箱―河野保雄コレクション展」は9月1日(日)まで開催しています。

河野氏が集めた作品の数々を、ぜひじっくりお楽しみください。

 

常設第Ⅱ期 特集「美のおもちゃ箱―河野保雄コレクション展」がはじまりました

6月29日(土)より当館2階常設展示室にて、特集「美のおもちゃ箱―河野保雄コレクション展」がはじまりました。

 

福島市出身の実業家、河野保雄氏(1936-2013)は、音楽評論家であるとともに近代美術の収集家として知られています。

今回の特集展示では、河野氏より2013年度に当館に寄贈された作品・資料288点の全てをご紹介しています。

*会期中に展示替えがあります

 

~展示室A~

青木繁や岸田劉生、長谷川利行らの作品が並びます。

長谷川利行は、福島の洋画家である吉井忠から話を聞いたことで興味を持ち、収集に力を入れていました。

他にも野田英夫の《少女》や鳥海青児の《けし》、高橋忠彌作品などが並びます。

資料として、河野氏が描いた油絵も紹介しています。

 

~展示室B~

井上長三郎、山中春雄、麻生三郎、小山田二郎、そして鶴岡政男の作品が並びます。

鶴岡政男もまた、河野氏が好み、力を入れて収集していた画家の一人です。

今回は奥の壁一面を鶴岡作品でまとめました。

中央には佐藤玄々(朝山)の《青鳩》、梅原龍三郎の小さな彫刻などを展示しています。

 鶴岡政男や桂ゆきの彫刻。そしてこけしやだるま、獅子頭など・・・

ジャンルにとらわれない幅広さと自由さは、河野コレクションの魅力のひとつです。

 

 ~展示室C~

谷内六郎や中原淳一、竹久夢二や小村雪岱。

そして河野氏が少年期に魅了され、「宝石のような輝き」を感じたというガラス絵が並びます。

きらめく小さなガラス絵の数々はとても美しいです。

ぜひじっくりご覧ください。

 

~展示室D~

最後の部屋では、初山滋や武井武雄などの愛らしい作品や、藤森静雄、田中恭吉、川西英、谷中安規らの木版画。

そして長谷川潔や浜田知明らの銅版画を展示しています。

最後には吉井忠が描いた河野保雄氏の姿も。

前期は全部で261点の作品が並んでいます。

展示替えで少し作品をかえ、7月17日から後期展示です。

河野氏の「美のおもちゃ箱」の中から、お気に入りを探すような気持ちで、作品をお楽しみいただければ幸いです。

会期は9月1日(日)まで。

入場料は一般・大学生270円、高校生以下は無料です。

*企画展「やなぎみわ展」(7/6~9/1)観覧券で、常設展示もご覧いただけます。

 

7月28日(日)14時からは、特別講演会「生きている河野保雄コレクション」を開催します。

講師:早川博明(当館館長)

会場:当館講堂

申し込みは不要です。ぜひご来館ください。

創作プログラム「橋本章的カオスとベタ塗り」③

◆◆◆3日目:タブロー制作(後半)カオスペインティング◆◆◆

6月8日(土)、講座最終日

いよいよ最終回です!

前回の続きを進めていきます。

2階の常設展示室に全員で行き、 橋本章作品にある幾何学的なかたちや、ベタ塗りの部分に着目してもう一度作品を見てみました。

 

作品には積み木のブロックのようなかたちや星などが描き入れられています。

また、大きく塗りつぶすことによって「強調と省略」をしています。

 

実習室に戻り、制作に入ります。

前回まではアクリル絵具を用いていましたが、今回からは油絵の具を使います。

文字など主役脇役のシルエット以外のスペースを塗りつぶしたり、グラデーションを作ってみたり・・・

 

 

 完成した後は、作品にサインを書き入れます。

 そして、タイトルを考えました。

橋本章作品のタイトルには《ぴーひゃらこ》や《なまけもの》などというものもあり、ユニークです。

大町さんからは「橋本章さんが”むむむ!”と唸るような言葉で命名しましょう!」とアドバイスがありました。

ここまでできたら、最後は鑑賞会。

参加者がお互いに作品を鑑賞し合い、作品の隣にコメントを記入したふせんを貼っていきます。

 

大町さんによる生演奏会もしていただきました!

 

橋本章作品の魅力に触れながら作品を制作する、濃い3日間となりました!

大町亨さん、参加者のみなさま、ありがとうございました! 

 

創作プログラム「橋本章的カオスとベタ塗り」②

◆◆◆2日目:タブロー制作(前半)カオスペインティング◆◆◆

まずは前回の振り返り。

カオスドローイングの続きを終えた後、当館以外の会場の「橋本章展」展示風景をスライドでご紹介いただきました。

当館以外の会場でも、たくさんの橋本章作品を展示しています。

 

いよいよキャンバスへ描く活動に入っていきます!

まずはF10号のキャンバスにアクリル絵具で描いていきます。

 

使っていいのは面相筆のみ。模様、文字、数字、記号などですきまを埋めていきます。

 

途中で、手描き以外の要素も加えていきます。

まずは大町さんにやり方を実演していただきました。

油絵具と水の反発作用を活用してコラージュ用のパーツを作ったり、ペトロールを画面にまいて油絵具をたらしてみたり・・・。

手描きとはまた違った、面白い模様が画面にあらわれてきます。

今回の活動はここまで。

描いた部分を次回まで乾燥させておきます。

 

創作プログラム「橋本章的カオスとベタ塗り」開催しました

6月1日(土)、2日(日)、8日(土)の3日間、当館実習室にて「橋本章的カオスとベタ塗り」を開催しました!

講師は美術家の大町亨さんです。

このプログラムは、当館常設展で開催中の特集展示「生誕100年記念 橋本章展」に合わせたものです。

橋本章の展示は、当館の他にも伊達市梁川美術館、あだたら高原美術館 青-ao-、

川俣町羽山の森美術館、ギャラリー伊達の5会場で開催しています。

(開館時間や会期は異なりますので、それぞれご確認ください)

 

◆◆◆ 1日目:橋本章をめぐる話とドローイング ◆◆◆

 

実習室で3日間の活動の流れについて説明の後、橋本章作品が展示されている常設展示室に移動しました。

まずはじっくり作品をみてみます。

一通りみた後で、大町さんからお話を伺いました。

今回講師をお願いした大町さんは、美術教師であった橋本章に中学生の頃に教わっています。

教師として、画家として、橋本章がどのような人物であったのか、どのような人々に影響を与えたのか・・・。

思い出深いエピソードとともに紹介していただきました。

 

実習室に戻り、早速実習に入ります。

今回のプログラムは、「混沌をつくりだすこと」、「強調と省略」がポイントです。

まずは鉛筆によるドローイングです。

一つ目のテーマは「線の集積」

鉛筆を画面から離さずに“線”をひたすら描き続けます。

鉛筆を3本まとめて持って描いてみたり、ぐるぐると円を描くようにしてみたり・・・

みなさん黙々と鉛筆を動かしていきます。

最後に好きなバランスを感じるところを見つけ、四角に切り抜かれたマットを使い周りを消していきます。

 2つ目のドローイングのテーマは「記号の力」

文字や数字、記号などを主役にして描いていきます。

文字や数字、記号を枠いっぱいに大きく描き、輪郭に肉付けをしたり、トーンを変えてみたりしてみます。

文字や記号に性格や力を与える!という気持ちでと大町さんからのアドバイスを受けながら制作を進めました。

1日目はここで終了。

次回からはタブロー制作に入ります。

 

「イメージの手がかり~おもしろ紙コップを作る~」開催しました。

5月26日(日)創作プログラム「イメージの手がかり~おもしろ紙コップを作る~」を開催しました。

講師はベニヤ板造形作家の横山信人さんです。

日々の生活の中で無意識に使っているものには、使う人のことを考えた見えない工夫が隠れています。

今日は、その工夫を見つけながら紙皿でポンプを作って、紙コップを飛ばします!

 

はじめに紙コップを飛ばすためのポンプを作ります。

 

カッターナイフやハサミを使って切り込みを入れ、空気がもれないようにセロハンテープを丁寧に貼ります。

紙皿のふちの形、厚みや凹凸「なぜ?」がたくさんつまっています。

 

ポンプができたら、子どもたちがアイディアを発揮します。描いたり、つけたり、創ること、工夫することを楽しみます。

 

完成した作品、うまく飛びました!

 

楽しいだけでなく、普段当たり前だと思っていることに「なぜ?」を見つける大切さを確認する貴重な時間になりました。

 

ワークショップ終了後、横山さんの作品を視るだけでなく、特別に触らせていただきました。

みんな興味津津です。この好奇心が子どもたちの大きな成長につながります。

横山信人さん、参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

 

来館記念スタンプが新しくなりました!

 

当館入口付近に設けているスタンプコーナー。

本日から新しく2つのスタンプが登場しました!

  

3番と4番が新しくできたスタンプです。

イラストは、郡山市在住のイラストレーターであるコーチはじめさんによるものです。

2017年度から教育機関への貸出をしているアートカードセット『ぽけっとアート』でもコーチさんにイラストをお願いしました。

 ←ぽけっとアート

2種類ともとっても可愛いスタンプです!

サイズが大きめなので、押すときは四隅を指で押しながらの方がうまくいくかと思います。

全部で4種類のスタンプがあります。

ご来館の際には、ぜひ記念に押していってください。

 

館長講座開催しました

5月18日(土)、当館講義室にて今年度初回の館長講座を開催しました。

2019年度も、昨年度に引き続き「古典に帰れ-西洋美術の巨匠たち」をテーマとしています。

 

第1回は「バロック(3)プッサン、ロラン、ラ・トゥール」

それぞれの作家や作品について、どのような時代背景で描かれたのか、込められた意図などについて交えながらご紹介しました。

参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

今年度の予定は下記のとおりです。


第2回 7月20日(土) ロココ(1)ヴァトー、ブーシェ、フラゴナール
第3回 9月21日(土)    ロココ(2)ホガーズ、レイノルズ、カナレットなど
第4回 11月23日(土)   新古典派とロマン派(アングル、ドラクロワなど)
第5回 1月18日(土) 英独西の近代巨匠(ターナー、フリードリヒ、ゴヤ)
第6回 3月21日(土) 19世紀写実派(ミレー、コロー、クールベ)

 

10時半~12時頃まで講義室にて開講します(聴講無料)

事前申し込みは不要ですので、当日、直接会場にお越し下さい。

みなさまのご参加をお待ちしております。

若冲ぬりえに挑戦!

3月26日から開幕した「東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展」は、5月6日に終了しました。

たくさんのご来館、ありがとうございました!

 

会期中、エントランスホールでは「若冲ぬりえ」のコーナーを設けていました。

ぬりえは下記の3作品を元にしていました。

《百犬図》(部分) 個人蔵

《果蔬涅槃図》(部分) 京都国立博物館蔵

《伏見人形七布袋図》国立歴史民俗博物館蔵

 

小さなお子さんから大人の方まで、連日たくさんの方々にぬりえのコーナーで楽しんでいただきました。

ぬりえをすることで、作品をもう一度じっくり見たり、描き方に注目したり…。

若冲作品の魅力を改めて感じる機会になればと思います。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!