福島県立美術館ブログ

創作プログラム「土に触れる こころに触れる」開催しました

10月7日(日)、当館実習室にて創作プログラム「土に触れる こころに触れる」開催しました。

 

前日に引き続き、講師は陶芸家の安藤郁子先生です。

まずは参加者全員で自己紹介。

順にひとりひとりお名前と、なぜこのワークショップへの参加を決めたのかなどお話しいただきました。

 

参加者同士について知り合ったところで、次は粘土板の上にテニスボールくらいのサイズの粘土のかたまりをいくつか準備します。

準備が出来たら、安藤さんからひとりひとりにアイマスクが配られました。

 

目隠しをして見えなくなったところで、参加者ひとりひとりにあるものが手渡されました。

これを、手でじっくり触りながら(時には匂いをかぎながら)、つくっていきます。

そのままそっくりにつくるというのではなく、ものの特徴や、ものから受けた印象、そこから広げたイメージなどをかたちにしていきます。

 

だいたい手が止まったところで、安藤先生から声がかかります。

アイマスクをとり、自分がつくったかたちを見てみます。

それぞれ、さわったものからどんなことを感じたのか、どのように表そうとしたのかを聞きます。

 

次に、聞こえてくる音からイメージを膨らませ、かたちにしていきます。

これも、アイマスクをつけてつくっていきました。

 安藤先生が受講者のまわりを巡りながら、音を出していきました。

2つ目のテーマについても、みなさんに一言ずつお話ししていただきます。

 

ここで、アイマスクを完全にはずします。

今度は、先生から渡された5つの言葉から、粘土でかたちを生み出していきます。

 言葉は「怒り、平穏、希望、孤独、喜び」

自分が取り組みやすい言葉から、つくっていきます。

みなさん黙々と粘土に向き合っていきます。

 

この5つの言葉以外にも、「自由課題」があったため、それは自由に考えてつくっていきました。

 

みなさんの手がだいたい止まったところで、先生から声がかかります。

また、それぞれ自分が生み出したかたちについてお話をしていただきます。

 

自分自身の心とゆっくり向き合いながら、土とじっくり対話をする。

そんな時間になったのではないかと思います。

 

最後に、安藤先生に焼成していただく作品をそれぞれ選びました。

焼き上がると、また違った魅力が生まれてきそうです。

 

前日の子ども達向け、そしておとな向けと講師をしていただいた安藤郁子先生、参加者のみなさま、ありがとうございました!

 

創作プログラム「土とあそぼう!」開催しました

10月6日(土)、創作プログラム「土とあそぼう!」開催しました。

講師は、陶芸家の安藤郁子先生です。

会場は当館実習室。床いっぱいにひかれたブルーシートの上にはたくさんの粘土。

来た子から順に、裸足になってもらい早速粘土にさわります。

まずは粘土をうすくして、地面をつくろう!

安藤先生のよびかけで、粘土のかたまりを移動し、足で踏みながら地面をつくっていきます。

どんどん地面が拡がっていきます。

地面ができたら、塔をつくろう!

どこまで高くできるか挑戦します。

 

どんな風につくっていくといいか、試行錯誤しながらそれぞれ土を積んでいきます。

 

 

だんだん大きくなっていき、別々につくっていた塔が一緒になっていきます。

ついに身長をこえました!手を伸ばさないと届かない高さに!

高くなると、バランスを取るのが難しくなってきます。

少し離れて確認し、協力しながら斜めになっているのを直したり、弱い部分に粘土を足していきます。

反対側では、もうひとつの塔が積み上げられていきます。

同じくらいの大きさに丸めた粘土が、バランスを保ちながら積み重なっていきます。

途中で倒れそうになるのを、支えながら、補強しながらどんどん積み上げていきました。

だいぶ高くなり、面白いかたちの塔ができてきました。

 

最後はつくった塔と一緒に記念撮影!

みんな手も足も粘土だらけです。

身体全体をつかって粘土とふれあう時間になりました。

今回はこのワークショップのために、大量の粘土を持ってきていただきました。

安藤先生、そして参加いただいたみなさんありがとうございました!

 

ワークショップマート開催しました!

9月17日(月・祝)、当館の庭園にてワークショップマート開催しました!

今年で2回目、たくさんのお客様にご来館いただきました。

雨が降ることもなく、予定どおり屋外での開催となりました。

今年のワークショップも、当館の収蔵作品をテーマに考えていただきました。

どのようなものがあったのか簡単にご紹介します。

 

◆FRIDAY SCREEN

「静物画とハンカチーフ」

ハンカチにプリントされた額の中に、果物や花瓶のスタンプを押し、自分だけの静物画を作りました。

作品は、恩地孝四朗《静物(レモン)》1920年

 

◆bel*fonte(ベルフォンテ)

「横顔へんてこブローチ・マグネットを作ろう」

 

 コルクボードを横顔の型で切り抜き、尾瀬で駆除された鹿の革や会津木綿を貼りつけ、横顔ブローチを作りました。

作品は、柚木沙弥郎の《人びと》1984年

 

◆Decca*chi(デッカチ)

「とったどー!大漁だぞー♪モビール」

魚の形になっている革に、カラフルな革のハギレを貼ったり自由に描いたりしてモビールを作りました。

作品は池田遙邨《大漁》1932年

 

◆木幡メリヤス

「自分にささげるアイスクリーム」

ニットに使われているカラフルな糸をほぐして、オリジナルのアイスクリームを作りました。

作品は、伊砂利彦《海に逝きし人々にささげる鎮魂歌》1992年

 

◆et craft (エトクラフト) 

「何が出るかな?漆をみがき出してみよう!」

金色の下に作品をモチーフにした絵が漆で描かれています。

模様を出しながら、漆をつるつるぴかぴかにみがきました。 

作品は田淵安一《花林朱径》1985年

 

◆佐藤恭子

「サシェを作ろう。~鼻で絵を見たことがありますか?~」

育てた綿花から織った布で作った袋に、綿花の種やハーブを摘めてサシェを作りました。

今までとはちょっと違った、目だけではなく鼻でみる絵画で、美術館を楽しみます。

選ばれた作家は、斎藤清、アンドリュー・ワイエス

 

◆MOTO COFFEE

「取り戻した朝の一杯のために」

冒険の後の朝に飲むコーヒーはどんなコーヒーでしょう?

そんな想像をしながらコーヒー豆のブレンドをするワークショップ。 

作品はヤノベケンジ《ラッキードラゴン構想模型》2008年*寄託

 

◆cafe&gin mono

「クラフトジンの素を作ろう」

プレゼントしたい人や自分の好みを考えながら、たくさんあるスパイスや植物の中からぴったりの組み合わせを選びました。

作品は、村上善男《卍町に釘打ち(四)》1983年

 

◆tenonaka(テノナカ)

「並ぶ石けん」

石けんを3つ選び、型抜きしてガーランドを作りました。

作品は田淵安一《花林朱径》

 

◆佐賀建

「Stone Painting」

石を選んで観察し、マスキングテープを貼って色を塗りました。

選んだ作家は、アンドリュー・ワイエス

 

 

今年の開催日は敬老の日。

この日は常設展示室が無料でした。

ご参加いただいた、たくさんの方々が常設展をご覧になりました。

ワークショップのテーマになっていた作品も全て展示されています。

 

 

参加いただいたみなさま、ワークショップ、フード出店をしていただいたみなさま、ありがとうございました!

そして、今回も企画をしてくださったFRIDAY SCREENの坂内さん、鈴木さん、ありがとうございました!!

企画展「土に挑む―走泥社の作家たち―」展はじまりました!

15日(土)より、1階企画展示室にて「土に挑む―走泥社の作家たち―」展が開幕しました。

この展覧会では、戦後、日本陶芸界に新風を巻き起こした前衛陶芸家集団、「走泥社(そうでいしゃ)」の作家作品を紹介しています。

走泥社は、1948年に京都の若手陶芸家たちによって結成されました。

今回取り上げているのは、結成時のメンバーであり中心として活躍した、八木一夫(1918-1979)、山田光(1923-2001)、鈴木治(1926-2001)の3名。

 

三者はそれぞれ陶芸家やろくろ職人の父のもとで、やきものにかかわりの深い環境に育ちました。

戦後、美術界の動きや海外の作品などに影響を受けた彼らは、やきものによる新しい表現を模索し、やがて器としての機能を持たない作品をつくりだすようになります。

この展覧会では、40点の作品により、彼らの多彩な創作活動の一端をご覧いただきます。

 八木一夫

 

山田光

 

鈴木治

 

今回は、当館所蔵作品の他、個人蔵の作品と、多治見市にある岐阜県現代陶芸美術館さんから作品をお借りしました。

当館で開催するやきものの企画展は、約10年ぶりとなります。

彼らのエネルギーに満ちた作品をぜひご覧ください。

 

館長講座第3回目

9月15日(土)、館長講座「古典に帰れ ─西洋美術の巨匠たち─」の第3回目が行われました。

今回は、ルネサンスの三人の巨匠、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロについてお話ししました。

あまりにも有名な作品ばかりなので、説明していると時間があっという間に過ぎていきます。

 

雨であいにくのお天気だったにも関わらず、今回も講義室が埋まるほど大勢の方にご参加して頂けました。皆様ありがとうございました!

 

次回(11月)の第4回目の講座では、ジョルジョーネ、ティツィアーノ、ティントレット、デューラーについて取り上げます。

日時の詳細は以下の通りです。

日にち:11月17日(土)

時間:10:30~12:00

場所:美術館講義室(聴講無料)

*各回の進行具合で内容が変更になる可能性もございます。

*本年度は事前申込を不要としていますので、聴講ご希望の方は直接会場までお越しください。

 

皆様のご参加をお待ちしております!

美術館でみつけた「いい感じ!」を描こう。開催しました!

8月4日(土)、創作プログラム「美術館で見つけた『いい感じ!』を描こう。」を開催しました。

講師はイラストレーターでありエッセイストの浅生ハルミンさんです!

最初にハルミンさんから、今日の活動の流れについてお話を聞きました。

今日は、美術館の周辺や、実習室の中をじろじろ見て、「いい感じ!」と思ったものを、よく観察しながら絵に描いてみます。

 

次に、当館の簡単なマップを見ながら、活動範囲や注意が必要な場所を確認します。

水を飲み、暑さ対策をし、虫除けスプレーをかけ、準備万端!

美術館の庭園に「いい感じ!」を探しにでかけます。

普段はこんなに下をじろじろ見ることはないので、色々な発見があります。

 

 

ひととおり探し終えたら実習室に戻り、絵を描きます。

水彩絵具や色鉛筆、クーピーなど画材を自由に選び、画用紙に「いい感じ!」と思った物をじっくりと観察しながら描いていきます。

 

 

 

途中ハルミンさんからコメントなどもいただきながら、どんどん描き進めていきます。

 

お昼休憩をはさみ、午後は発表会の準備です。

それぞれが見つけてきた「いい感じ!」と思った物を、布の上に並べていきます。

カラフルな葉っぱや沢山のどんぐり、羽や松ぼっくり、蝉の抜け殻や竹の皮など、様々なものが並べられていきます。

実習室にある小さなおもちゃを見つけてくれた人もいました。

最後は1人ずつ、作品について発表してもらいました。

まずは見つけたものを紹介しながら、大きなマップにどこで拾ったのか印をつけます。

そして、描いた絵について、どんな部分を描こうと思ったのか、難しかったところなどをお話してもらいました。

 

 

みなさんが見つけたたくさんの「いい感じ!」が込められた作品が完成しました!

ハルミンさん、そして参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

今年も開催!ワークショップマート

昨年の秋に開催して好評を博した、ワークショップマートを今年も開催いたします!

美術館前の庭園に、様々なキッチンカーやワークショップのお店が並びます。ひとつひとつのワークショップは、現在の第Ⅱ期常設展で展示中のコレクションがテーマになっています。

 

去年の様子

        

ブローチ、ハンカチ作りやサシェ作り、オリジナル石けんや自分だけのブレンドコーヒーなども作れちゃいます。どれもこれもワクワクする内容ばかりです。

対象はお子様から大人の方まで幅広い年代の方々にお楽しみ頂けます。

 

日時は以下の通りです。

日 付:2018年9月17日(月)敬老の日

会 場:福島県立美術館庭園エリア

対 象:子どもから大人まで

材料費:各店¥500〜1,000

入 場:無 料(申込み不要)

問合せ:024-531-5511(福島県立美術館)

※雨天時、美術館内エントランスホールで開催

 

この日はなんと常設展が無料です!(*企画展は要観覧券)

ワークショップにご参加の後は、モチーフとなった本物の作品を是非、展示室でご覧下さい。

アートなおはなしかい開催しました!

7月21日(土)、おとなりの図書館さんと一緒に、アートなおはなしかいを開催しました!

今回は当館で開催中の企画展「イラストレーター安西水丸」に合わせた内容です。

 

テーマは「がたんごとん で でかけよう」

水丸さんが作った『がたんごとん がたんごとん』の絵本を元に、図書館さんではよみきかせを、美術館では展示室の作品をみた後、みんなで工作をしました。

 

まずは図書館さんでの活動です。

はじめに『がたんごとん がたんごとん』、『がたんごとん がたんごとん ざぶんざぶん』を読んでいただきました。

今回は鉄道に関する本が中心です!

こんなに大きなサイズの絵本も!これは『しゅっぱつしんこう!』という絵本です。

 他にも、運転席から見る景色を知ることができる本や、カードづくりの本など、楽しい本をたくさん紹介していただきました!

 

よみきかせのあとは、ちょっと暗い通路(連絡通路)を通り美術館へ。

エントランスに到着すると、子ども達から「天井たかーい!」という声も聞こえました。

初めて美術館に来る子も多かったようです。

エントランスホールで簡単なクイズをした後、みんなで展示室へ。

展示室で、先ほど図書館さんで読んでもらった絵本『がたん ごとん がたん ごとん ざぶん ざぶん』の原画と出会います。

絵に近づいてよーくみてみると・・・水丸さんがどうやって絵本の絵をつくっていたのか分かります。予想外の作り方に子ども達もびっくり!

(まだご覧になっていない方は、ぜひ会場でご覧ください)

 

 

さらに、展示されているラフと、実際に絵本になった絵の原画を見比べてみます。

「あ、◯◯がいない」「◯◯◯はいるよ」などと、色んな発見があります。

ふだん見ている絵本も、原画を見ることでまた違った楽しみ方をすることができます。

 

次は工作。実習室に行き、オリジナルの「がたんごとんカード」を作ります!

まずは、汽車に乗ってどこへ行きたいかな?

汽車が走っている場所を想像してみます。

場所を決めたら画用紙を切ってカードの台紙に貼っていきます。

列車が走る地面ができたら、その上に汽車をのせて貼ります。

(今回は汽車は切ったものを準備しました)

「この汽車、何か足りない感じがしない?」

スタッフからの問いかけに、「顔!」とすぐに答えがでてきます。

目の大きさや形、眉毛の角度や口の形で、顔から受ける印象が異なります。

うれしい、おこっている、かなしい・・・ちょっとした違いで、いろいろな表情を描くことができます。

まずは、汽車に顔をかいてあげよう!

白いペンを使って、顔を描いてあげます。

 ここまでできたら、汽車に乗るお友だちを作ります!

だれを乗せてあげようかな?

みんなそれぞれ乗せたいお友だちを考え、画用紙を切り抜いていきます。

ハサミを使うのが苦手な子は、スタッフが切って準備していた動物やくだものに顔をつけ、乗せてあげます。

汽車はぽけっとのようになっているので、お友だちの乗り降りが可能です。

好きな動物や、好きな食べ物など、思い思いに作り列車に乗せていきます。

地面に桜が散る中を走ったり、お花が咲いている横を通ったり、海の上を進んだり・・・

みんなそれぞれ工夫をこらした、楽しいがたんごとんカードが完成しました!

絵本の中の汽車が、いろいろな場所を、たくさんのお友だちと旅するカードになりました。

参加いただいたみなさま、図書館スタッフのみなさま、ありがとうございました!

10日(金)、やなぎみわ氏のレクチャーを開催します

来週8月10日(金)、現代美術家のやなぎみわ氏によるレクチャー「芸術の森 〜囁き声と呼び声〜」を開催いたします。

 

一度見たら忘れられない印象的な美術作品と演劇の制作を積極的に手がける作家が、現在の考えをお話し下さいます。

メインの聴講対象は、福島の高校生(及び若者)ですが、高校生以外の一般の方でも聴講可能です。日時は以下の通りです。

開催日:8月10日(金)
時間:10:30~11:30
会場:当館講堂
*聴講無料、事前申込不要

概要はこちらのチラシをご覧下さい。やなぎみわレクチャー・チラシ.pdf

 

第一線で活躍するアーティストの声を聞ける貴重な機会となっております。

皆様のご来場をお待ちしております。

館長講座第2回目

7月21日(土)、本年度の館長講座第2回目が行われました。

今年と来年のテーマは「古典に帰れ ─西洋美術の巨匠たち─」。2年間かけて、初期ルネサンスからロマン派までの西洋美術史の流れを辿ります。

 

第2回目では、ピエロ・デラ・フランチェスカ、マンテーニャ、ボッティチェリ、レオナルド・ダ・ヴィンチを取り上げました。

 

 

各作家の代表作品をスライドに映して、描かれた場面の意味や、描き方に関してどこが革新的な点なのか、分かりやすくお話ししていきます。

近代以降の絵画とは異なり、古典作品は内容を理解するのに知識を必要としますが、それだけに「意味を読み解く」楽しさがありますね。

 

次回の講座もルネサンス期を扱い、ラファエロ、ミケランジェロ、ティツィアーノ等について解説します。

日時の詳細は以下の通りです。

日にち:9月15日(土)

時間:10:30~12:00

場所:美術館講義室(定員約40名、聴講無料)

 

*本年度は事前申込を不要としていますので、聴講ご希望の方は直接会場までお越しください。

 

みなさまのご参加をお待ちしております!