福島県立美術館ブログ
和合亮一さんとベン・シャーンを楽しもう!ワークショップ参加者募集
ワークショップ2
「ここにいること、ここにあること。ベン・シャーンと言葉を探そう。」
7月7日(土) 11:00~15:30
講師:和合亮一氏(詩人)
場所:福島県立美術館講義室・展示室
対象:小学生から大人まで30名程度、小学生低学年の場合はご父兄同伴
申し込み締め切り:6月27日(水)
和合さんは震災後、福島からツイッターで、ストレートな言葉をたくさん発してこられ、多くの方の共感を得てきました。
ベン・シャーンにとっても言葉はとても重要でした。何より私たち自身も、ベン・シャーンの絵の前に立つと何か言葉を探そうとしていることにふと気づきます。
詩人・和合亮一はどのような言葉をベン・シャーンの中に見つけるのでしょう。和合さんと一緒に、ひと味違った絵の鑑賞をこころみてみませんか?
参加ご希望の方は、美術館の総合受付で直接お申し込みいただくか、美術館までお電話下さい。
たくさんの方々のご参加をお待ちしております。
A.Y.
触図で楽しむベン・シャーン
福島県立美術館では、6月17日(日)に「視覚障がい者のための鑑賞ワークショップ」を開催しました。講師の真下弥生さんには、ワークショップに参加できなかった方々にも作品鑑賞ができるように、解説や触図で構成された冊子等を制作していただきました。
22日(土)からベン・シャーン展の展示室内に置いておりますので、視覚に障がい者のある方をはじめ皆様で手にとっていただければと思います。視覚障がい者の方でご利用になってみたい方は、美術館の企画展示室入り口でお声がけ下さい。
ワークショップでは2点鑑賞しましたが、この冊子ではそれらを含めて6点を紹介しています。
(ワークショップの様子は http://benshahn2011-12exh.info/cat17 *リンクは終了しました)
準備しているのは、触図6点を含んだポートフォリオ。そこには本展覧会、作家ベン・シャーン、言葉と文字、第五福竜丸事件とベン・シャーン、リルケの『マルテの手記』についてのテーマ解説もあります(拡大文字、点字)。6点の作品を言葉で叙述した文章は拡大文字版と点訳版がそれぞれ用意されています。ポートフォリオとは別冊になっていますので、叙述をゆっくり読みながら触図に触れていただくこともできます。すべての解説・叙述を録音したICレコーダーも準備しました。
ポートフォリオ
ポートフォリオの中、右が触図
右が拡大文字版で左が点訳版の作品叙述冊子
これらの鑑賞用冊子等の制作には福島県点字図書館にもご協力をいただきました。同じものを、福島県点字図書館にもおいていただきましたので、そちらでの鑑賞も可能です。
http://park22.wakwak.com/~fukushimatenji
是非、多くの方々に楽しんでいただきたいと思います。
最後に、制作者である真下弥生さん、ご協力をいただきました福島県点字図書館の数又幸市さんには心から感謝申し上げます。
A.Y.
実技講習会「シャーンと立つ私の姿」報告
「ベン・シャーン展」開催に併せて、6月9日(土)から現代美術家タノタイガ氏の実技講座「シャーンと立つ私の姿」が行われています。6月の週末を使った計6回連続の講座は、量質ともにかなりのボリュームです。
タノタイガ氏の現在の活動は、地域に潜む社会問題や出来事を自身の作品や制作過程の中で表現しようとするもの。また一方で、東日本大震災以来、独自の取り組み方で被災地のボランティア活動を行うなど、アーティストという枠を越えた幅広い活動を手がけられております。
講座は、べイマツ 【米松】の杙(くい)の先端に自分の胸像を彫り、美術館の庭に立てて鑑賞するもの。行程はいたってシンプルですが、タノ氏曰く「ベン・シャーンがその当時の社会と向き合う作品づくりをしていたように、参加者のみなさんが、震災を経た今の福島や日本、自分を取り巻く環境とどう向き合う自分自身がいるか、その姿をこの作品制作に投影してもらえたら・・・。」ということ。とても深いテーマが込められている講座になっているのです。
参加して頂いた方々は、タノ氏のアドバイスに熱心に耳を傾け、作業は真剣そのもの。さすが6回連続の講座に参加されるだけあって気合いも十分です。
四角い杙の先端に、だんだん人の姿が現れはじめました。木彫は「マイナスの作業」。削るだけの作業で作品づくりを進めます。間違って削ってしまえば、後戻りは出来ません。実習室には緊張感が漂います。
来週は、いよいよ完成へ向けて仕上げに入ります。そして鑑賞。
(くに)
「ベン・シャーン」展、開催中です!
6月3日から、企画展「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト」を開催しています。
ベン・シャーン(1898-1969)は、20世紀という激しく揺れ動いた時代をアメリカという場所から見つめ続けた画家でした。
本展は、日本で約20年ぶりの回顧展となります。
アメリカのリアリズムの流れをコレクションの柱としてきた福島県立美術館にとって、ベン・シャーンは大切な画家です。開館以来、50点の作品を収蔵してきました。
回顧展も今回が2回目。小企画、常設展示を通じて、幾度となくご紹介してきた作家です。
本展は国内3会場を巡回して、福島が最終会場となります。
展覧会ホームページで展覧会の見どころや、出品リスト、関連事業などを是非チェックして下さい。
http://benshahn2011-12exh.info *リンクは終了しました
福島会場では毎週、関連事業を開催しています。
すでに山田太一氏の講演会、沼辺信一氏による講演会が終了しました。
そのようすは、ブログでご紹介していますので、こちらもチェックして下さい。
http://benshahn2011-12exh.info/cat17 *リンクは終了しました
6月17日(日)には、「視覚障がい者のための鑑賞ワークショップ」を開催します。
こちらも終了後にアップする予定。お楽しみに。
一般・大学生は600円、高校生以下無料です。
是非皆様でお出かけ下さい。お待ちしております!
A.Y.
「鯉アートのぼり」展示はじまりました
27日から、美術館庭園で「鯉アートのぼり」の展示をしています。
福島在住の作家・渡邊晃一氏と福島大学の「芸術による地域創造研究所」によるプロジェクトです。
震災後、全国から、世界中から寄せられた手作りの鯉のぼり240匹が泳ぎます。
一匹一匹に、福島へのメッセージが込められています。
26日の展示作業風景です。池の上のインスタレーションはもしかすると初めてのことです。
安全を考えて大がかりな設営になりました。
昨年の夏休み、「あそVIVA☆びじゅつかん」の展示室にも鯉のぼりが登場しましたが、今回は庭園の除染をしましたので、外で展示することになりました。
やっぱり、鯉のぼりは空が似合います。
水に映る鯉のぼり。
吾妻小富士と鯉のぼり。
「五味太郎展」鑑賞のため、小学生が連日団体で来てくれています。
鯉のぼりは5月20日まで展示しています。庭園ですので、自由にご覧ください。
(この鯉のぼり展は、福島県立博物館、郡山市立美術館などでも同時に開催されています。)
(増)
「五味太郎作品展 絵本の時間」オープンしました
子供が大好き、大人も大好きな絵本作家、五味太郎さんの展覧会がはじまりました。
「みんなうんち」「みんながおしえてくれました」「ことわざ絵本」「がいこつさん」「かかかかか」「ねえ おはなししてよ」「ぽぽぽぽぽぽ」「あそぼうよ」「ももたろう」「まどから おくりもの」の10種類の絵本原画、175点が展示されています。
どれか読んだこと、ありませんか?
初日の講演会+サイン会には、五味さんがかけつけてくださいました。雨でしたが、多くの方が整理券のために並んでくださいました。
会場内には、絵本がゆっくり読めるコーナーや、「らくがき絵本」を体験できるコーナーなどもあります。
書籍販売、グッズコーナーも充実しています。手前に見えるのは「さる・るるる」のぬいぐるみです。
会期中、穂積保氏(こどもの本WAVE代表)によるギャラリートーク、県立図書館司書によるおはなしかい、内田由紀子氏(製本家)のワークショップ「親子で絵本をつくろう!」が開催されます。どうぞご参加ください。
(増)
美術館、再オープンしました!
皆様、お久しぶりです。
美術館は無事に建物の復旧工事と庭の除染作業を終え、4月7日土曜日、ほぼ2ヶ月ぶりに再オープンいたしました。
2012年度第1期のコレクション展の見所をご紹介しましょう。
まずは小川芋銭の《鍾馗図》。
入り口で仁王立ちになったごっつい表情の鍾馗さまが邪気を払ってくれます。
新学期に胸をはずませている福島の子供たちが、どうか元気で過ごせるように祈りをこめて。
2室目に移りましょう。
6月3日から開催される「ベン・シャーン」展に向けて、当館で収蔵しているアメリカの美術をご紹介しています。
ベン・シャーンが学んだアート・ステューデンツ・リーグで教鞭をとっていたジョン・スローン。
1930年代、ニューヨークの熱気を描き出したレジナルド・マーシュ。
アメリカの田舎の生活を取り上げたトーマス・ハートベントン。
アメリカで活躍していた国吉康雄、清水登之や石垣栄太郎など日本の画家たち。
そこにアンドリュー・ワイエスが加わります。
シャーンの芸術を育んだアメリカ・リアリズムの流れをご覧いただきます。
3室目は版画です。
「斎藤清 木版画の魅力 木目を生かす、版木をひっかく」と題して、技法の側面から斎藤清の木版画をご紹介します。
あわせて版木も展示していますので、是非ご覧ください。
ところで、彫刻はどこかとっつきにくいと思っている方はいらっしゃいませんか?
4室目では、石原コレクションの中から彫刻5点を展示しています。
これらの小彫刻たちは、作家の手が一つ一つの形を愛おしむように生み出していることを示しています。
落ち着いた雰囲気の中で、彫刻とのあらたな出会いを体験していただければ幸いです。
コレクション展は装いもあらたに、皆様のご来館をお待ちしております。
A.Y.
あっ!もうナイ!・・・除染作業続いてます。
美術館にとって年度末を象徴する重要な委員会があったり、かの有名な(そんなでもない?)美術鑑賞サポートツール「アート・キューブ」のガイドブックやチラシの発送作業に追われてブログ更新もちょっと途切れておりました。
今日、発送作業が一段落したので、除染の模様を確認しに行ったら、
「あっ!もうナイ!」
↑つい先日までうず高く積み上げられ、ブルーシートをかぶせられていた汚染芝が姿を消しています!
↑と、視線を右に移すと・・・。そう。先日掘削していた大穴に、すでに埋め立てられているのです。
後方では汚染芝をすくい上げ、ダンプカーに載せていくブルドーザーの姿が・・・。
↑大穴は汚染芝でマンタン状態。
↑ブルドーザーがせっせと汚染芝をすくい上げています。
↑ダンプカーは、例の大穴に汚染芝を放り込んでいます。
↑それにしても、この台形に盛られた土は何でしょう。不思議。
上に雪が積もり、不謹慎ながら、砂糖がけしたチョコレートケーキにも見えます。シュールな情景です。
もしかして、あの台形に盛られた土は、穴を埋めるフタの役割をする土なのでしょうか?
かぶせる土の放射線量は十分に低いということです。
(吉)
今日はマスクOK!
除染レポート、三日連続でさすがに気がひけてまいりました。
もしご不満の方あらば(「うんざりしたからやめて~」とか「もう分かったよ!」とか・・・)、当館までご連絡下さいませ・・・。
さて、今日はほとんどの芝を削り取り終わり、かき集めてブルーシートをかぶせていました。
↑「よっと!」。作業員さんたち、重しとなる土嚢を放り投げています。
土嚢でブルーシートの各所を押さえて固定。
今日はマスクをしていらっしゃる方、多いようです。OK!
↑その前景には、古代遺跡のように台形に盛り上げた土(気になる・・・。なにこれ?)と、汚染芝を埋め立てるための巨大な穴が・・・。
↑ブルーシートをかぶせられ、土嚢で固定された汚染芝。
後ろのトラックと比較すると、巨大な盛り土ならぬ、盛り汚染芝であることが分かります。
↑さっぱりきれいに。くどいようですが、芝を取り除いて0.3μSV/時。
(吉)
着々進行中・・・除染のことですが。
当館前庭の除染工事ですが、着々進行中です。
本日は池の脇、正面部分の芝生はがし作業が行われています。
↑ほとんどはがされました。小さく見える人影は荒木学芸員。
インフルエンザから復帰第1日目に、放射線量測定。
気になる値は約0.3μSV/時とのことです。以前の1/6~1/7に激減しました。
↑これなんだと思いますか?はがされた芝です。ものすごい量です。
↑近くで見るとさらに迫力です。
↑こちらでは、穴掘り続行中。
↑穴の隣には、土が台形に積み上げられて、まるで古代遺跡のようです・・・。
今日はマスクをしていらっしゃる作業員さんもいましたが、していらっしゃらない方も。
総務課長が、作業員さんにマスクをするよう言ってくれるとのことでしたので、少し安心しました。
作業員さん、マスクをしてください~。
(吉)