高村光太郎展
高村光太郎(1883-1956)は、明治末から昭和期にかけて、美術や文学、芸術評論などの幅広い分野で活躍し、美術界に大きな足跡を残した近代彫刻家である。
ロダン芸術の紹介、芸術評論「緑色の太陽」などの文筆活動、詩集「道程」「智恵子抄」の詩人として多彩な生涯を送った光太郎は、一個の自立した人間、芸術家、彫刻家の意識に目覚め、「手」「裸婦座像」「黒田清輝像」などの日本近代彫刻を代表する作品を生み出した。
本展では、光太郎の彫刻活動を跡付けるため、父光雲の木彫や智恵子の紙絵を加え、ブロンズ、油彩、木彫、素描、その他資料など約140点により、光太郎が求めた近代美の視点を様々な面から紹介した。
アート オブ スター・ウォーズ展 EPISODE IV・V・VI
1977年の公開以来、現在までシリーズ5作品が発表されている映画「スター・ウォーズ」。最新テクノロジーを駆使した斬新な映像表現と、魅力的なキャラクターによって展開される物語は、今なお世代を超えた熱狂的な支持を集めている。
本展はルーカスフィルムの全面的な協力のもと、福島県立博物館(会津若松市)と同時開催により、スター・ウォーズ・サーガの全貌を紹介する東北初の展覧会となった。2会場のうち、美術館では、クラシック3部作と呼ばれる「エピソードIV:新たなる希望」(1977年全米公開)、「エピソードV:帝国の逆襲」(1980年公開)、「エピソードVI:ジェダイの復讐」(1983年公開)にスポットを当て、コンセプト・デザインをはじめ、実際に撮影に用いられた模型、小道具、衣裳など、200点あまりの資料を一堂に展示した。さらに、「エピソードI:ファントム・メナス」(1999年公開)に登場した、全長10mを超えるポッドレーサーの実物大模型の特別展示を行った。
ダース・ベイダー、ミレニアム・ファルコン号など映画を彩ったキャラクター、メカニックのほか、ストーリーボードやマット・ペインティングなどの展示を通じて、映画制作のプロセスを知る楽しみも付加することで、幅広い観客層にアピールする展覧会を企図した。
開館20周年記念 田園の夢 -帰りなんいざ、田園まさに荒れなんとす-
新緑の中の田植え、黄金色にゆれる収穫期の稲、あるいは豊かに稔る野菜たち。わたしたち日本人は、古来四季折々の田園風景に美を見いだし、それを画題として様々なかたちであらわしてきた。
平安時代からの月次絵には田植や収穫の場面が描かれ、室町時代に中国からもたらされた耕作図や蔬菜図は、田園で働く人々や野菜を画題にするものであった。また、江戸時代には久隈守景に代表されるように、様々な画家が田園をテーマに魅力的な絵画を描いてきた。
本展では、田園とのかかわりの中から生まれた日本絵画を、室町時代から近現代に至る重要文化財を含む名品75点により展観した。
玉川信一展 再生する記憶
福島県会津坂下町に生まれ、福島市とその近郊で少年期を過ごした玉川信一(1954-)は、東京教育大学で油彩画を学び、二紀展を主な舞台に活躍する洋画家である。
1977年、23歳の時に二紀賞を受賞、1985年、31歳の時に安井賞展で佳作賞を受賞するなど、早くから高い評価を得、堅牢な絵肌と力強い画面構成によって、現代に生きる人間像を真摯に表現し続けてきた。さらに近年では、鉛板や布地を画面に取り込んで大胆なコラージュを行ったり、植物的なモティーフを前面に押し出したりと、さらなる表現の展開を試みて注目されている。
この展覧会では、新作3点を含む代表作76点によって、玉川信一の初期から現在にいたるまでの芸術の世界を紹介した。
ポール・デルヴォー展 その生涯と人物像
ポール・デルヴォー(1897-1994)は、ベルギーのシュールレアリスムを代表する画家である。白昼夢を見るかのような実在感のない裸婦たち、古代の建築物や列車。神秘的なモチーフが織りなす数々の作品は、私たちを夢と幻想の世界へ誘う。
デルヴォーは家族、友人、知人たちなど身近な人々の肖像画やデッサンも数多く残している。対象の本質をとらえる鋭敏な観察力と繊細で的確な描写力で描き出された人物たちは、私たちの心を惹きつける不思議な魅力を備えている。画家はこうした日常的なイメージをインスピレーションの源として、どこかにありそうで決して存在しない静寂に包まれた世界を創出したのである。
デルヴォー財団の協力のもとに開催された本展は、人物像に焦点をあてた80点の油彩画と素描を展観し、画家の創造の本質に迫った。
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