会期:2017年4月22日-7月2日
本展では、東京・上野の国立西洋美術館のコレクションから、女性にまつわる西洋美術の名品を8つのテーマに沿って展示した。ルネサンスから印象派を経て20世紀に至るまで約500年の西洋絵画(40点)、彫刻(6点)、版画(47点)に加え、貴重な指輪作品(10点)も出品された。
福島県ではあまり見る機会の少ない西洋美術(特に印象派以前)に焦点を当てた展覧会として、有意義な機会となった。なお、本展は平成29年度国立美術館巡回展として、その後秋田県立近代美術館に巡回した。
会期:2017年7月22日-9月10日
ジャック=アンリ・ラルティーグは、1894年生まれのフランスの写真家。8歳で写真と出会い、アマチュア写真家として幸せな時間を記録し続けた。裕福な家庭に育ち、20世紀初頭のベル・エポックとよばれた時代の最先端の風俗、自動車レース、飛行機、テニス、海辺のヴァカンス、最新モード女性などが生き生きと捉えられた作品からは、郷愁と臨場感が伝わってくる。
フランス、ラルティーグ財団所蔵の幼少期から晩年までの代表作品に加え、日本初公開を含むカラー写真作品など、写真約160点、資料45点を展示し、ラルティーグが終生追い求めた幸福の姿を紹介した。また、関連展示として、同時代の福島を中心とした芸術写真家たちの当館コレクション作品も展示し、写真愛好の広がりを展観した。
会期:2017年10月7日-12月10日
福島県会津坂下町出身の版画家・斎藤清の生誕110年、没後20年を記念して、10年ぶりの展覧会を開催した。展覧会は2部構成とし、第1部では「斎藤清の造形」として代表作を年代ごとにその表現に着目、第2部では「斎藤清と会津」として、会津を主題とした作品、特に1970年からの《会津の冬》シリーズ全115点を展示した。木版画、コラグラフ、ドライポイント、墨画、スケッチなど作品231点のほか、版木などの資料も展示し、斎藤の生涯にわたる造形表現の変化を追った。初期の装幀や挿絵の仕事や、斎藤の作品が県内で親しまれるようになった背景について、県内における支援の有り様などを紹介した。
展覧会はやないづ町立斎藤清美術館と同時期に開催し、斎藤清画伯顕彰協議会の協力も得て、多くの人に斎藤清の芸術についてあらためて知ってもらう機会となった。
会期:2018年2月3日-3月4日
「Gallery f」とは、当館のコレクションの中から、今まで紹介できなかった作品や新収蔵・寄託作品を取り上げ、あるいはテーマを絞って掘り下げる小さな展覧会を意味する。今年度は3つの「Gallery F」を開催した。
[1]は会津若松出身の水彩画家・渡部菊二生誕110年を記念した展覧会。戦前、菊二と共に若松で切磋琢磨した若き水彩画家たちの活動も含めて紹介した。
[2]では、大正期に福島を訪れた京都の画家・小川千甕と千甕を招いた福島の歌人・門間春雄の作品や資料を紹介し、福島の文芸と美術の交流を振り返った。
[3]は、今年度から活用が開始された鑑賞用補助教材「福島県立美術館アートカード」を使って、桜の聖母学院小学校5年生28名が考えた「みて、かんじて、あじわう展覧会」を開催した。
■=休館日