企画展 出品作品から①
2017年4月30日 15時47分ただいま福島県立美術館では
「国立西洋美術館所蔵 ミューズ:まなざしの先の女性たち」展を開催しています。
東京・上野の国立西洋美術館は、フランスの建築家ル・コルビュジエが
建物の一部を設計し、昨年世界遺産に登録されたことで話題になりましたね。
この展覧会は、女性たちのを描いた作品をテーマごとに展示したものです。
その中から今日は一点ご紹介したいと思います。
カミーユ・ピサロ《立ち話》1881年頃 国立西洋美術館所蔵
カミ―ユ・ピサロは印象派を代表するフランスの画家です。
当館には《エラニーの菜園》が所蔵されているので、
ご存知の方も多いかと思います。
《立ち話》は、家事の合間におしゃべりをする二人の女性が描かれています。
彼女たちは何を話しているのでしょうか。
左の女性はどこか疲れているようで「旦那が休みの日には、
昼ごはんもつくらなくちゃいけないから、やんなっちゃうわ」と
愚痴をこぼしているのかもしれません。いろいろと想像が膨らみます。
この作品は点を重ねて描かれています。これは「点描」という技法です。
作品を近くで見ると、点の密度が異なることに気がつくと思います。
たとえば、左の女性の顔は細かな点で構成されています。
右の女性の下半身は粗い点で描かれ、足がどこにあるのかさえよくわかりません。
ピサロは点描の密度を変えることによって、
スナップショット写真のような効果を追求し、画面に臨場感を与えているのです。
是非実際の作品を前にして、その効果を体感してみてください。