福島県立美術館ブログ

常設展「コレクション展 IV」が始まりました

2015年1月6日 18時48分
常設展

みなさま新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

美術館は1月6日に開館し、常設展示室では「コレクション展 IV」が始まりました。
さっそくその中身をご紹介しましょう。

まず第1室に入ると巨大な日本画がまず目に飛び込んできます。ガラスケースに並んでいるのが、須賀川出身で昨年没後50年を迎えた須田■中(すだ・きょうちゅう)[■:王へんに共]の作品です。
『渓の葉月』では、川のせせらぎが聞こえて来そうなほど生き生きとした描写が目を奪います。夏が恋しくなる一品。隣の『篝火』は鵜飼の様子を描いたもの。燃え盛る炎と鵜の群れが闇夜に浮かび上がっています。静と動がドラマチックに対比された須田の代表作です。


向かいの壁では、須田と同時期に活動していた日本画家・星茂、常盤大空(ときわ・たいくう)、福王寺法林(ふくおうじ・ほうりん)の作品をご紹介しています。
奥には、昨年生誕100年を迎えた二本松ゆかりの画家野地正記の作品が続きます。巨大な『スダマティ(死んでしまった) 』の精緻な筆遣いをご堪能ください。
 

第2室では「100年前の関根正二」と題して、わずか20歳でこの世を去った関根とその友人たちの作品をできるかぎり時間軸に沿って展示しています。関根の書簡をはじめ、現在行方の分からない絶筆「慰められつゝ悩む」の絵葉書など貴重な資料もあわせて展示しています。


続いて、河野保雄氏のコレクションから絵画と彫刻作品をご紹介しています。絵画では吉井忠、麻生三郎、鶴岡政男の洋画とともに、川西英、谷内六郎、初山滋などかわいらしい小品も並んでいます。
 

第3室には、アメリカとフランスの名画が並んでいます。
ワイエスの『ガニング・ロックス』に描かれた男の肌には、陽の光を浴びてキラキラ輝く髭までしっかり描かれています。質感まで伝わってくるその表現描写から、おもわずこの男の生き様まで想像できてしまいそうです。
つづいてベン・シャーンの『ドレフュス事件』、『リルケ『マルテの手記』より:一行の詩のためには…』シリーズから数点、また『ラッキードラゴン』などをご紹介しています。
そしてフランスからはジョルジュ・ルオーの『超人』と版画集『ミセレーレ』から4点が並びます。ふっくらしたほっぺた、分厚い唇につぶらな瞳の『超人』はなんとも憎めません。
 

最後の第4室には齋藤清とフランスのマックス・エルンストの版画が並んでいます。
 

1月はほかにも「美術館への年賀状展 2015年」や「円空展」など、様々な展覧会がもりだくさんです。「学校連携共同ワークショップ・参加校作品展」も1月12日まで開催中です。皆様おさそいあわせのうえ、ぜひ美術館に遊びに来てください!

学校連携共同ワークショップ・参加校作品展 始まりました!

2014年12月18日 11時12分
教育普及

今年度のワークショップは『不思議な世界の入口』をテーマに、まったく違う材料を組み合わせ新たな世界を創り上げるイラストレーター・グラフィックデザイナーの酒井賢司氏と東北芸術工科大学美術科准教授で画家の鴻崎正武氏をお招きし開催してきました。
参加校は県内全域より12 校(幼稚園3、小学校2、中学校3、高校4[養護学校高等部1含]で参加者総数約531 名です。
本展覧会では、ワークショップで作られた全ての作品を展示いたします。子ども達の思いやときめきがギッシリ詰まった素敵な作品をぜひご堪能ください!

会期■2014年12月9日(火)~2015年1月12日(月・祝)
会場■福島県立美術館 企画展示室A-1
開館時間■9:30~17:00 最終入館は16:30
休館日■12月15日(月)、22日(月)、24日(水)、年末年始休館12月28日~1月5日
入場無料





 



(くに)

美術館への年賀状展 作品大募集!!

2014年12月17日 15時03分
教育普及

福島県内の小・中学生からイラストや版画などで描いた手づくりの年賀状を募集します。
新年の目標や願いを1枚に込めて楽しい作品に仕上げて送って下さい。
賞の授与はいたしませんが、届いた年賀状はすべて展示します。

◆ 募集内容
はがきサイズ(14.8×10cm)の用紙に、年賀状のために制作した作品1人1点。技法や画面の縦横は自由。あて名面に「郵便番号」「住所」「氏名」「学校名」「学年」を明記の上、下記のあて先まで送って下さい。
学校・学年・クラスなどでまとめて送付いただいてもかまいません。
なお、応募対象は福島県内の小・中学生に限らせて頂きます。

【応募〆切】
 2015年1月4日[日]まで必着

【あて先とお問合せ】
 〒960-8003 福島市森合字西養山1
 福島県立美術館「美術館への年賀状展」係 
 Tel. 024-531-5511




(くに)

今年は冬の「アートなおはなしかい」

2014年12月17日 14時55分
教育普及

図書館では「よみきかせ」美術館では「アートの鑑賞会」を楽しみます!
テーマは「人と形」です。どんな体験がまっているかな?ワクワクドキドキのプログラムです!
みんな、あそびにきてね!




(くに)

「前衛美術会とその周辺」ギャラリートーク

2014年12月13日 17時57分
特集展示

本日、特集展示「前衛美術会とその周辺-川妻さち子コレクションから」のギャラリートークが開催されました。
 

今回は、学芸員による通常の解説に加えて、画家・伊藤和子氏とアートギャラリー環の川妻さち子氏をお迎えしてお話をお聞きしました。


伊藤氏は1958年に常磐炭鉱を訪れ、それを題材に作品を残されました。本展には《ボタ山への道》、《第二縦坑と選炭やぐら》と下絵数点が出品されています。
伊藤氏は、当時の炭坑の様子をお話しいただきました。巨大な選炭やぐらを見たときの感動が生き生きと伝わってくるお話でした。


アートギャラリー環の川妻さち子氏は、本展出品作品のほとんどを当館にご寄贈下さった方で、氏なくしては、本展の開催はなかったといっても過言ではありません。
前衛美術会の力強い作品の数々は、川妻さんがおっしゃるとおり、「あの時代が描かせたもの」だったと思います。そんな作品に対する川妻さんの深い愛情が伝わってくるお話でした。

特集展示「前衛美術会とその周辺-川妻さち子コレクションから」は、12月27日まで開催いたします。皆様ぜひ足をお運びください。

S.A.

特集展示「前衛美術会とその周辺展」がオープンしました。

2014年12月6日 12時00分
特集展示



外は雪交じりの今日、企画展示室の1室を使って、
コレクションをメインにした小企画「前衛美術会とその周辺展」がオープンしました。


これは、2012年にアートギャラリー環を主宰する川妻さち子氏からご寄贈いただいた高山良策、尾藤豊、桂川寛、中村宏、鏑木昌弥など前衛美術会やその周辺の作家たちの作品をご紹介する展覧会です。
 

戦後間もない1947年、前衛美術会は誕生しました。
1920年代のフランスで始まった、人間の無意識を表面化しようとするシュールレアリズムの表現方法は、日本でも、画家の福沢一郎を中心として戦前の前衛的な美術家たちによって取り入れられました。
戦中、この動きは一旦中断しますが、戦後の展開を担ったのが前衛美術会でした。
 

彼らは、芸術の前衛と政治の前衛をどのように融合させるか、という新たな課題に正面から向き合いました。社会主義リアリズムに異議を唱え、一方で当時、アメリカから流入してきた抽象絵画の奔流にも飲み込まれることなく、社会や政治と芸術の関わりを考え続け、人間を見つめ続けてきた美術家たちの集団です。前衛美術会は、76年に齣展に改組し、現在も活動を続けています。
 

本展では、石井茂雄、池田龍雄、尾藤豊、伊藤和子、高山良策、山下菊二、志賀丈二、入江比呂、桂川寛、中村宏、鏑木昌弥、11名の作家の91点を展示しています。
 

12月13日(土)午後2時から、ギャラリートークも行いますので、是非みなさま足をお運び下さい。

荒木

千甕展ギャラリートーク2回目開催&明日は友の会バザー!

2014年11月15日 16時33分
企画展

本日、現在開催中の「小川千甕展」のギャラリートークを行いました。

おかげさまでたくさんの方にお越しいただき、担当学芸員も力が入ります。
見どころ、千甕の生涯について、あつく語りました。





この展覧会は、この後、東京、京都へも巡回しますが、作品のなかには福島展のみ展示のものもあります。
こちらの漫画絵巻は、福島県の檜原湖・猪苗代湖の旅の様子を描いたもの。
千甕さんの愉快な人柄が伝わってきて、ついくすくすと笑ってしまいます。
福島展のみの展示ですのでお見逃しなく!

明日は友の会によるバザーも開催されます。

美術に関する書籍や図録、グッズ、骨董まで、興味引かれるさまざまなものが並びます。
ぜひ皆様お誘いあわせのうえ、ご来館ください!

K.T.

常設展の版画の展示替を行いました。

2014年11月15日 10時52分
常設展

すっかり寒くなった今日この頃、美術館まわりの紅葉も見頃を迎えています。

昨日閉館後、常設展の版画の展示替えを行いました。

まずは常設展示室Cのドーミエ。
今度は『当世代議士鑑』の立法議会シリーズです。



また、常設展示室Dの斎藤清は外国シリーズになりました。
メキシコ、フランス、アメリカと、一緒に旅する気分です。



反対側の壁は、日和崎尊夫と柄澤齊の木口木版です。
木口木版による緻密な表現に魅了されます。

 

企画展「小川千甕展」も今月24日までとなりました。
ぜひ美術館にお出かけください。

K.T.

千甕展グッズ、入荷しました

2014年11月2日 16時43分
企画展

千甕展グッズがかわいいのでご紹介します。



入荷が遅れていたグッズが出そろいました。お待たせしました。
 

マグネット、エコバッグ、一筆せん、クリアファイルに絵はがき。


おしゃれなはずです、千甕は若い頃、陶磁器デザイナーだったのです。



ひそかに私は千甕作品の魅力の一端は「女子力の高さ」だと思っています。
(千甕自身はクールな紳士だったのですけれども)

グッズ売り場だけでもご利用いただけます。

図録も絶賛販売中です。今回は求龍堂から書籍として出版しましたので、
遠方の方は書店でも入手できます。

M.K

小川千甕展は11月7日まで、高校生以下無料です!

2014年11月2日 16時29分
企画展

ふくしま教育週間(11/1-7)は、高校生以下が無料となります。

それ以降も小川千甕展会期中は、授業などで利用する場合は、高校生以下無料になります。




紅葉の美しい県立美術館、散歩がてらお越しください。

M.K