カテゴリ:常設展
2020年度第Ⅱ期常設展 終了
当館は本日9月1日~2021年春頃まで、改修工事により約半年間休館となります。
ご利用のお客様にはご不便をおかけしますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。
さて、これに伴い展示の方も企画展・常設展ともに8月30日(日)に閉幕しました。
展示室も工事の手が入る予定なので、リニューアル後は展示室の雰囲気が少し変わったように見えるかもしれません。
改修前の展示室でのラスト展示となったので、作品撤去作業を終えたときはどこか寂しさを感じました。
以下、直近まで開催していた常設展Ⅱ期(7/1~8/30)について展示風景を振り返ります。
まずは Aの部屋から
日本画のコーナーです。川端龍子《螢》や中島清之《胡瓜》など、夏らしい作品もあります。
中でも速水御舟の《女二題》は当館でも一推しの名品の一つですが、昨年ご寄贈頂いた下絵を初めて展示し、下絵と本画を見比べられるという面白さのある空間となりました。
部屋の奥は、没後10年となる伊砂利彦の特集展示コーナーです。
涼やかな画面に包み込まれると不思議な心地よさを覚えます。目の前に波の流れを感じられる素敵な展示空間でした。
続いては Bの部屋です。手前の片面では洋画を展示。
関根正二、岸田劉生、安井曾太郎など大正期の画家達の作品に始まり、丸山晩霞、石井柏亭らの水彩画、そして村井正誠、百瀬寿らの抽象絵画などを並べました。
時代が進むにつれて作品のサイズが大型になっていくのが分かります。
もう片面の壁では、現代の彫刻の特集展示を行いました。
工藤哲巳、橋本章、入江比呂らのミクストメディアによる作品や、安藤栄作、髙野正晃による生命感のある力強い木彫作品などを出品しました。
部屋の真ん中に鎮座するのは川島清の《Observation 42-地下の落下物》。特別な存在感を放ちます。
次は Cの部屋です。海外コレクションを展示しました。
フランス美術では、コロー、ピサロ、ルノワールを出品。いつ見ても心がぱっと晴れるような明るい印象の並びです。
アメリカ美術では、ベン・シャーンを2面に展示。
おなじみの《ラッキードラゴン》などのペインティングに加え、シャーンが撮影した写真の資料展示を行いました。
ほかの作家としては、ジョン・スローン、レジナルド・マーシュ、そしてワイエスの《松ぼっくり男爵》と《ガニング・ロックス》を出品。
表現の多様さを感じます。
最後は Dの部屋です。
左側では、福島を代表する版画家・斎藤清の1930~1950年代の初期作品を展示。
右壁面では、今期は福島の版画家達を特集しました。
長谷川雄一さん(写真左)、安部直人さん(写真右)、山中現さん(写真下)の作品を取り上げました。
技法や表現の差異から、それぞれの版との向き合い方の違いも感じられるようです。
次にオープンするのは約半年後となってしまいますが、その間当館の収蔵品を用いて、
小峰城歴史館で関根正二を中心としたコレクション展(9/12[土]~11/8[日])、喜多方市美術館で海外コレクション名作展(10/18[日]~11/17[火])
といった移動美術館展を開催しますのでそちらにも是非足をお運び下さい。
リニューアルオープンをお楽しみに!