2023年2月の記事一覧
今年も、おとなりアーティスト・学校連携共同ワークショップ参加校作品展がはじまりました!
当館では、県内の子どもたちを対象とした「学校連携共同ワークショップ」を2003年より行っております。福島県ゆかりのアーティストを講師に招き各学校等でワークショップを開催しています。今年度は、FRIDAY SCREENのお二人、よしもとみかさんを講師としてお招きしました。参加した子どもたちによる成果展が2月4日からはじまりました。
FRIDAY SCREENのワークショップのテーマは「もりもりもじ!」です。私たちの周りに溢れている「文字」をテーマにしたワークショップです。
福島市教育委員会教育研修課(ふれあい教室)
ふれあい教室のテーマは、「空間に自分の好きな言葉を植えよう」です。自分の好きな言葉を「植物のような」デザインにし、その言葉が地面から生えているように立体を作りました。
展示室に足を踏み入れると、まるで植えられたような「文字」が迎え入れてくれます。「ぐーん」は展示室の天井を突き抜けるくらいの大きさです。
重い「あ」、軽い「あ」、喜んでいる「あ」など、いろんな「あ」を描きました。
郡山市緑ヶ丘中学校・郡山第一中学校(美術部)
こちらのテーマは、「君×(駆ける) kimi-kakeru」です。友達の走る姿に音をつけて音をデザインしました。漫画でよく見かける効果音を、友達の走る姿にぴったりの音とデザインで表現しました。「ペムッペムッペムッ」「すっっすっ」「ドウタッ」。それぞれの個性が光ります。
よしもとみかさんのワークショップのテーマは、「私のいまを色と形で表現してみよう」です。よしもとさんと学校の先生が、子どもたちに合う素材や画材を選び、それぞれの学校で違う内容のプログラムをつくりました。
会津坂下町立坂下中学校(文化部)
10メートルのキャンバスに、全身を使ってダイナミックに描きました。躍動感ある作品です。
会津若松市立第二中学校(美術部)
プラスチックの板に紙を貼り、オイルパステルで色を塗りました。やわらかな色合い、個性的な形が独特な存在感を放っています。
いわき市立小名浜第三小学校(2年生)
よしもとさんが鳴らすピアノの音から、色や形のイメージを膨らませ、赤・青・黄の絵の具だけを使って描き、色々な形に切りました。子どもたちの小さな手から次々と楽しい作品が生まれていきました。
小野町立小野小学校(5年生)
正方形の紙に数字を書いて画面を分割し、オイルパステルで色を塗りました。割りばしで引っかいたり、オイルで溶かして制作しました。小さな画面に数字が楽しげに描かれています。
西郷村立米小学校(1・2年生)
赤・青・黄3色の色水を大きな画用紙に垂らします。紙の端を友達ともって、画面上で色水を動かします。3色が混ざり合うことで複雑な色調が生まれ、幻想的な作品です。
子どもたちに「つくる喜び」を与えてくださったFRIDAY SCREENのお二人、よしもとみかさん、当事業にご協力くださった多くの方々に心より感謝いたします。
おとなりアーティスト・学校連携共同ワークショップ参加校作品展は、2月26日(日)まで開催しています。子どもたちの充実した活動の足跡がダイレクトに感じられます。みなさまのご来場をお待ちしております。
会場:当館企画展示室B
入場:無料
開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日:6日(月)、13日(月)、20日(月)、24日(金)
創作プログラム「シルクスクリーンでオリジナルTシャツを作ろう!」を開催しました
1月15日(日)に当館実習室にて創作プログラム「シルクスクリーンでオリジナルTシャツを作ろう!」を開催しました。講師は、版画家の大河原健太さんです。
大河原さん着用のTシャツは大河原さんがデザインしたもの。大河原さんは人気ブランドのデザインの仕事もされています。
「シルクスクリーンはどんな版画?」「木版みたいに反転しないの?」の受講者の質問に、大河原さんは実演開始。下準備が済んだ版に白いインクをのせてスクィジーでのばすと・・・
黒い画用紙に大河原さんが描いた絵が現れました!実際の工程を見て、みなさん納得。
仕組みがわかったところで、作業に入ります。
まずは、下絵の準備です。下絵をあらかじめ準備されていた方も多くて、木枠のついたA4サイズの版と下絵のサイズ調整を行いました。木枠の内側2㎝ほど余白をつくると、印刷しやすくなるので、そのサイズに収まるようにします。
下絵を版にトレースします。版を浮かせて、ペンタイプの描画材を使って下絵をなぞります。
面の部分は、面相筆に描画剤をつけて塗っていきます。
絵を版に写し終わったら、版を裏にしてスクィジーで乳剤をのばして、目止めをします。
乳剤をドライヤーで乾かし乾燥させます。
洗い油を版に塗り、筆を使って描画剤を溶かします。その後、版を水で洗い、乾燥させます。
洗い油で描画剤を溶かすと、トレースした線や面部分の細かな目にインクが通る状態になります。
午前はここまでです。
午後からいよいよ印刷していきます。初めに、多色刷りとグラデーションの色付けの仕方をレクチャーしてもらいました。
シルクスクリーン用の絵具やアクリル絵具から自分の使いたい色を選びます。アクリル絵具を使う場合はメディウムを混ぜて、水飴くらいの固さに調整していきます。また、色に透明感を出していきたい場合はメディウムを足すと効果的です。
さあ、印刷開始です。
版上の使わない絵はマスキングテープで目止めをしておき、インクを絵の横に多めに置きます。
スクィジーを斜め45度の角度で引きます。
絵が写りました!
刷り終わったら、版を水洗いし、乾かします。版を何度も使うことができるので、持参のトートバッグやTシャツなどにどんどん印刷していきました。
こだわりの作品が次々と出来上がりました!
受講者の方からです。
・とても楽しかった。シルクスクリーンについてよく理解できた。
・自分の絵がプリントされてうれしい!
・反転など考えなくてもそのまま版にできるなど簡単で大変楽しめた。
みなさん、ご自分のこだわりがつまった作品をつくりあげていて、どの作品も素敵でした。困っている時にはすぐにアドバイスをして、細やかに指導してくださった大河原さん、ありがとうございました!