2011年12月の記事一覧

明日28日から年末年始休館です。

2011年も残すところわずかとなりました。今年は辛く悲しい出来事が起きてしまいましたが、その一方で多くの人との繋がりを強く感じた一年だったように思います。


明日2011年12月28日(水)~2012年1月4日(水)の間、当館は年末年始の休館となります。

2012年1月5日(木)~31日(火)は常設展III期を、版画作品など一部展示替えをしてご覧いただけます。
そして1月12日(木)~31日(火)は当館エントランスホールで新春恒例の小・中学生の展覧会「美術館への年賀状展」を開催します。

詳しくはこちら↓
http://www.art-museum.fks.ed.jp/activity/nengajo.html




ただいま小・中学生のみなさんが作った手作りの年賀状を募集しています。
新しい年への願い、目標などを1枚のハガキに込めた作品を美術館に展示してみませんか?
みなさんの力作をお待ちしています。(直接お持ちいただける方は美術館の裏手「通用口」へお渡し下さい。)

2012年が幸せな一年になりますよう願いを込めて…。

(橋)

イチハラヒロコ コトバアートカレンダー2012、絶賛発売中!

みなさん、来年のカレンダーはもうお求めになりましたか?
当館では、鋭いコトバで本音をたたき出すコトバ・アーティスト、イチハラヒロコさんのカレンダーを販売しています。
定価630円。卓上カレンダーとして、みなさんのお机にひとついかがでしょうか?


↑表紙。う~む。いきなり・・・。


↑1月。一年の最初から責められてます。


↑さわやかな5月。そうだったのか・・・。


↑暑い7月。そうですよね。ホントに。


↑9月。こういうヒトいますよね。


↑12月。最後はコレですよね!


ということで、福島県立美術館ブックショップで絶賛発売中!(630円)
ピリリときいたイチハラさんのコトバで毎日ニヤリとしてくださいね。

(吉)

遅まきながら震災レポート3書庫篇

当館には学芸員のための書庫があります。
1階の学芸員室のお隣に1ヶ所。2階に1ヶ所。
画集、展覧会図録、美術雑誌など、美術に関連する実に様々な図書資料が置かれており、本棚が林立しています。
震災の際は当然その書庫も、本は床に崩れ落ち、本棚はねじ曲がったり、変形したりと、ひどい状態でした。


↑1階の書庫。なんだかもうグダグダ・・・。


↑同じく1階の書庫。いやはや。「いらかの波」ならぬ「本の波」です。


↑二階の書庫。
巨大なスチール製の本棚が平行四辺形に変形しています。
向かって右側の壁にボルトでがっちりと留めてあったのですが、ボルトが地震の揺れで抜けてこの惨状。


↑同じく二階の書庫。
前の本棚の奥にある小さめの(といっても幅90cm、高さ170cmほど)本棚です。
本の重みと地震の揺れの板挟みで、スチール製の本棚がゆがみ、倒れかかっています。

(吉)

遅まきながら震災レポート2彫刻篇

さて、本日は震災レポート第2弾彫刻篇です。

彫刻は大きな被害を受けた作品がありました。
エミリオ・グレコの《スケートをする女》です。
腰に手をあてて、身をねじった女性像だったので、その不安定なポーズがわざわいしたのでしょうか。


↑完全に倒れてしまいました。

 
↑ブロンズ(青銅)の下部と石の台座を留めていたボルトがねじ切れてしまったのです。すさまじい破壊力・・・。


マリソルの《ママと私》も敷き板から作品が飛び上がって移動。
女の子がさしていたパラソルもズドンと落下して女の子の頭に激突しています。


↑敷き板もずれていますね。普段は6、7人がかりでもなかなか動かないシロモノなのに!


↑アイタタタ・・・。女の子の頭に傷がついてしまいました。生きてる女の子だったら即死ですよ~。


佐藤忠良の《若い女》は・・・ビクともしませんでした!
もし、この重量級のブロンズ像がひっくりかえっていたら、二階のガラスの手すりを突き破り、一階へ落下。
大変な惨事になっていたことでしょう。

↑この美しいバランスのおかげか・・・さすが忠良先生!

(吉)

遅まきながら震災被害レポート

震災の時、玄関のひさしが落ちてきたり、彫刻が倒れて傷ついたりと、県立美術館もかなりの被害を受けました。
いろいろな会議や報告会でその状況はご報告させていただいているのですが、このブログでもその一端をレポートしますね。

地震の揺れはすさまじく、当館の頑健な建物が巨人の両手でもって揺らされているかのように、揺れました。
お客さまを誘導しに展示室へ向かったのですが、歩けないほど、いや、立っていられないほどの揺れで、しばし壁にしがみついていました。
エントランスホールは吹き抜けなので、丈高いガラス窓や天井のガラス窓からガラスが降り注いでくるのではないかと怖かったです。
しかし、奇跡的にもお客様は全員怪我もなく、無事でした。
本当によかったです。
正面玄関から避難していただこうとしたら、「玄関の屋根が落ちてる!」という声が聞こえました。
玄関のひさし部分が落ちて、こんな状態になっていたのです。


↑ひさしの内側が落ちて、自動ドアを突き破っています。


↑アップで。すさまじいですね。


結局お客さまには裏口から避難していただきました。
その間も余震がひっきりなし。
正面の庭園に回って、お客さまや監視員さんたちと状況を見守っていると、余震のたびに地鳴りがし、お隣の県立図書館の軒先がものすごい音を立てて崩落しはじめました。
お客さまの間からも悲鳴があがり、あまりのすさまじさに呆然としました。


震災後、当館はいち早く応急修理をしていただき、玄関も一見元通り。


↑きれいになってます。


↑きれいなんだけど、ベニヤ板・・・(笑)。
あまりにきれいに応急修理してくれたので、「『このままでいいんじゃないですか』とか言われて、ずっとベニヤ板のままだったらどうしよう~」と某学芸員が怯えていました(笑)。

玄関に出たついでにもういっちょ。
福島県内施設では珍しくない情景となりました。
館内放射線量測定値の掲示です。


↑エントランスホール 0.11
 一階企画展示室 0.05~0.07
 二階常設展示室 0.09~0.10
 

福島のみなさん、プチ避難にも県立美術館をご利用くださいね。
常設展は高校生以下無料です!(一般・大学生の方の常設展料金は260円)

(吉)

夜のクリスマスオーナメント

お待たせしました!
夜のクリスマスリース画像です。


↑エントランスホール正面中央突き当たりの明かり取り窓。なにやら劇的です。


↑このリースは手作りではなく、既製品です。
そうは見えないでしょうが、巨大なんですよ~。


この劇的なクリスマスリースを見るには、夕方暗くなりかけてからのご来館をおすすめします。
そうですねぇ。4時ちょっと前くらいからでしょうか?
お待ちしています!

(吉)

美術館のクリスマス

そろそろクリスマスも近づいてきましたね。
当館も、クリスマスの飾り付けいたしました!


↑エントランスホールの列柱と正面中央の明かり取り窓にリースを。
右に見えますのは、マリノ・マリーニの彫刻「騎手」です。

 
↑ずらっと。


↑あら。空が明るく、逆光になってしまって見にくいですね。
明かり取りの窓は、夜間は下から照明が当たってきれいなので、後ほどアップします!


↑列柱のリースをアップでどうぞ。


列柱のリースは、今から思い起こせば14年前(遠い目・・・)、「ムーミンと白夜の国の子供たち」展を開催した時、展覧会の副担当だった増渕学芸員が何も飾り付けのしていないリースを買ってきて、リボンやら、信夫山(福島市のシンボル!当館の裏山です)で拾ってきた松ぼっくりやらで、美しく飾り付けしてくれたものです。(展覧会の主担当だった私もちょこっとお手伝い・・・)
それ以来幾星霜、クリスマスになると引っ張り出され、美術館のエントランスホールをにぎわせています。
もしお時間ありましたら、ぜひ福島県立美術館のクリスマスリースをのぞきに来て下さいね。

(吉)

ベン・シャーン作品、神奈川県立近代美術館・葉山へ!

美術館が持っている数多くの作品は、他館に貸し出されることもしばしばです。
当館のコレクションの中でも、特に際だっているもののひとつがアメリカの画家、ベン・シャーンの作品群です。
このたび、それらベン・シャーン作品のうち27点の絵画、ポスター作品、9点の資料を、神奈川県立近代美術館・葉山でオープンした「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト -写真、絵画、グラフィック・アート-」展にお貸し出ししました。

今回は、その作品貸出の模様を密着レポート!


↑作品は、状態点検を済ませた後、「うすよう」と呼ばれる柔らかな紙で丁寧に包んでいきます。
左側は荒木学芸員。右側は日本通運の美術品輸送専門の作業員さんです。


↑大きな作品も、こんな感じで。そっと、そっと、丁寧に。


↑よっしゃ、一丁あがり!(?)荒木学芸員、作品の箱に貼るネームタグを一心不乱に捜索中。


↑一番大きな「恐怖の夜の町」という作品は、こんな大きな木箱に入れられて輸送されます。
見守る荒木学芸員の顔にも疲労の色が・・・。
この箱、倉庫から引っ張り出してくるの、ホントに大変だったんですよ~!


というわけで、11月18日にこのように梱包されて、11月19日に葉山に向かって出発した当館のベン・シャーン作品。
12月3日にオープンした「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト」展に無事展示されています。

展覧会のHPは以下の通りです。
ぜひ、チェックしてみて下さいね。
http://benshahn2011-12exh.info/information/ex-composition.html *リンクは終了しました

(吉)

ルーマニアの子供たちから

現在、福島県立美術館エントランスホールには、ルーマニアの子供たちからのプレゼントが展示されています。
今回の震災の報道を見てびっくりしたルーマニアの子供たちが、日本の子供たちに宛てて送ってくれた絵やメッセージ、お手紙、合わせて600点以上!
その中から選りすぐった255点の作品をエントランスホールに展示しています。

 

8月に博物館実習の実習生たちと展示してからというもの、ご好評にお応えしてロングラン中。
今回は、その中からいくつか作品をご紹介しましょう。

 
↑きれいな鳥たちですよね。華やかな色遣いに独特の個性を感じます。
 ちなみに鳥の絵がとても多かったのですが、これは「鳥と共に不幸が飛び去っていく」というルーマニアの(?)諺から来ているようです。優しい気持ちが伝わってきますね。


↑うまいっ!日本地図も上手に描けています。地図好きの私としては嬉しいですねぇ。


↑こんなのも。ルーマニアの国旗と日本の国旗がハートマークの中で仲良しこよしです。


↑こんなきれいなお花も。心が和みますねぇ。


↑アンパンマン登場!日本のアニメはルーマニアでも大人気だそうですよ。


この展示、年明け1月11日まで続行中です。
もしお時間あれば見に来て下さいね。
エントランスホールに展示してあるので、なんといってもタダ!です。
何時間でも(笑)じっくりと!
ぜひご覧下さいませ。

(吉)

何もない展示室

企画展示「ギッター・コレクション展」も終了し、一階の企画展示室は、作品や展示ケースがすっかり片付けられ、ひっそりとしています。
私たち学芸員は1日に2回、警備員さんと一緒に展示室を巡回し、異常がないかどうか点検して回ります。
そんな時、こんな企画展示室に入ると、「いや~。こんなに広かったんだ」と実感します。(^_^;)


↑作品も展示ケースも、な~んにもありません。この部屋は4室ある企画展示室のうちの第1展示室です。

企画展示室だけで1,800m2もあるんですから、このだだっ広さは当然ですよね。
企画展の展示をすると、時に「アレ?こんなに狭かったっけ?展示スペースが足りない~!」となることもあるのが不思議なくらいです。
(私が切実に感じたのは、2000年の「棟方志功と斎藤清」展の時。はりきって作品集め過ぎちゃったんですよね(笑)。おかげさまで大変充実した展示になり、20,000人のお客様にご来場頂きました。m(_ _)m )


↑第2展示室。画面右手に暗く見えているのは第3展示室です。

真っ暗な展示室を警備員さんの懐中電灯に照らされて歩くのもオツなものですよ。(^_^)/

(吉)