2011年11月の記事一覧

アーティストinスクール最終回。

アーティストinスクール~光で遊ぶ メディア・アートの第3回目は、会津若松市にある福島県立会津学鳳中学校・高等学校にお邪魔しました。今回は同じ町にある会津若松市立一箕中学校の生徒さんも一緒に、22名で「光の箱」を作りました。

 

原広司氏設計の校舎は2007年に完成したばかり…斬新で美しい建築です。

最初は「光」についてのレクチャーからスタート。
色彩の三原色(赤青黄)は混色すると黒に近づくけれど、光の三原色(赤青緑)は混色すると白になる。角度を少しずらした3色の光源を使って影絵遊びをしながら体感します。



同じ原理を応用した松村さんの作品「光の彫刻」を鑑賞しました。



「今日は絵の具で描いたり、木を彫ったりするのではなく、《光》を使って作品を作ってみよう。」…「光の箱」の制作をスタートします。



前面と背面が切り抜かれた白い枠を組み立て、その中に丸・三角・四角・ハート・しずく・雲・星などの形の筒状に加工したフィルムミラーを並べ、組み合わせたりして造形していきました。この「筒」の中に入った《光》が乱反射して、様々な表情を生み出す仕組みです。



さすがは美術部…それぞれが作品全体のイメージを持ちつつ、一つ一つの工程を丁寧にすすめていました。

 

箱の中が筒で埋まってくると…少しずつ個性的な表情が見えてきました。



制作途中の作品を蛍光灯にかざして確認、調整を繰り返していきました。制作する生徒さん達も、次第にこだわりの表情になっていました。



「筒」を詰め終わったところで、作品背面に4色(赤・青・黄・緑)の帯状のカラーセロハンを自由に組み合わせて貼ります。色同士を重ねたり、筒にテープがかかる割合を調整することで、様々な色彩が生まれます。

 



同じ材料、同じ時間で作っても、本当に様々な表情の作品ができあがるものです。

最後に作品を合体させて、スポットライト、蛍光灯、間接照明、自然光…さまざまな光を楽しみます。思わず見とれてしまうほどの美しさ…。



最後に生徒を代表して会津学鳳高美術部の部長さんが、お礼の言葉をくれました。



「光を使って作るなんて初めての経験でしたが、とても綺麗な作品ができました。松村先生、素晴らしい時間をありがとうございました。」




今回のワークショップの作品は、しばらく自宅や学校で飾って楽しんでもらった後、1月に福島県立美術館でお借りして展示させてもらう予定です。(詳しくは、また改めて…。)


講師:松村泰三先生のブログでもWSの様子を紹介しています。

http://taizoinfolog.seesaa.net/article/236988297.html

(橋)

美術館への年賀状展 2012 ~作品を募集しています~

新春恒例の「美術館への年賀状展」を開催します。(ちょっと気がはやいのですけれど…。)

福島県内の小・中学生のみなさん!
版画やイラスト、はり絵などでみなさんが作った手作りの年賀状を福島県立美術館に展示してみませんか?
新年の目標や願い、メッセージも1枚に込めて、楽しい作品を送ってください。




《作品募集》
●作品
 市販のハガキまたは同サイズ(14.8×10cm)の用紙に年賀状のために本人が制作した作品1人1点。表現技法、画面の縦横は自由です。
●送付方法
 宛名面に「郵便番号」「住所」「氏名」「学校名」「学年」を明記の上、下記の宛先まで送付して下さい。学校・グループ単位でまとめて届けていただいても結構です。
●宛先とお問い合わせ
 〒960-8003 福島市森合字西養山1番地 福島県立美術館「美術館への年賀状展」係
 電話: 024-531-5511
●募集〆切:2012年1月4日(水)まで必着


↑2011年の展示会場


↑2011年の作品

《作品展示》
●2012年1月12日(木)~31日(火) 福島県立美術館エントランスホール 観覧無料

2012年、新しく迎える年が平和な良い年になりますように…。

(橋)

会津若松市での移動美術館、終了しました!

11月6日(日)、会津若松市文化センターでの「福島県立美術館移動美術館 フランス美術名品展」無事終了いたしました!
観覧者総数は、なんとっ!2,818人!
12日間でこの数字はスゴイと思います。
会津のみなさま、お忙しいところ足をお運びいただき、ありがとうございました!

アンケートもとらせていただいたのですが、みなさまのご意見、ご感想、しかと拝見しましたよ。




★「若松で年1回やって欲しい」
そうか~。(>_<)
移動美術館は各方部順番に回っているので、毎年はむつかしいかも。
でも、こんなに楽しみにして下さっているとは、感激です。

★「カミーユ・コローさんの絵はとてもリアルできれいだし、ピカソさんの絵はすごく不思議で興味深かったです」
「カミーユ・コローの絵がとてもすごかった。見に来てよかったです」
会津若松の10代女性、南相馬の30代女性のご感想でした。
ありがとうございます~!(*^_^*)
見る目ありますねぇ。
私もうちのコローは完成度の高い作品だと思っています。
ピカソの連作版画も、二人の裸婦の姿が刻々と変化していく様子が手に取るように分かって面白いですよね。

★「ルオーのミセレーレの数々、現実、福島の今日に至った人間の愚かさを見せられた気がした」
会津若松の60代女性の感想です。
ルオーの《ミセレーレ》は本当に深い表現で、私も、当館の収蔵作品の中でも最もすばらしいもののひとつではないかと思っています。
現実世界の姿が、醜いところも、美しいところも表され、普遍的な表現となっていますよね。
制作に6年が費やされた傑作です。名作は一日してならず・・・。

★「作品が少ない」
58点、少なかったですか。(T_T) 
メジャー選手を惜しげなく投入したつもりだったんですが。
(どのくらいメジャー選手かというと、58作品の合計評価額は343,468,100円・・・!)
ご意見、今後の参考にさせていただきます。

★「モネが1点しか出ていなかった」
★「ルノワールが1点しか出ていなかった」
う~ん。すいません・・・。m(_ _)m 
モネもルノワールも当館には1点ずつしかないんです~。
お財布逆さにして振って、あるったけ持ってきたんですが、満足させられず、申し訳ない!
モネかルノワール、寄贈して下さる富豪の方、求む。

あと、「入場無料」というのは、おそろしく好評でした・・・。(^_^;)
ともかく、みなさま、ありがとうございました。

(吉)

「アートなおはなしかい」開催しました!

11月3日(木)、お隣の県立図書館との共同ワークショップ「アートなおはなしかい」を開催しました!
2006年から毎年1回開催しており、今年で6回目です。
美術館と図書館がお隣あっているからこそできるこのワークショップ。実は日本初、いや、世界初か?!

今回は「変わる」がテーマ。
まずは、「変わる」がテーマになっている絵本の数々を、図書館で読み聞かせ。
リサイクルでお洋服が「変わる」、卵がいろんなお料理に「変わる」など、いろんな「変わる」があるものです・・・。大人もついつい聞き入ってしまう面白さ。


↑吉田司書、演技力抜群です!


↑安齋司書の癒し系の読み聞かせに、こどもたちうっとり・・・。


その後は美術館に移動。
おトイレ休憩をはさんで、あの秘密兵器「アート・キューブ」を使ってのワークショップです!

「素材キューブ」を使って、「彫刻」の素材を当てっこした後で、「型どりキューブ」登場!
シリコンの型に石膏を流し込み、人生初の彫刻制作に挑戦です。
かわいい白ワンコが作れて、しかも、おみやげに持って帰れるとあって、みんな真剣そのもの。


↑型に石膏を流し込み中。

石膏を流し込んだ後は、キューブを回してまんべんなく石膏を型に行き渡らせます。
大体固まってきたら、20分くらい待つのだぞ!
その間、展示室で「感覚キューブ」、「絵画キューブ」、「おみくじキューブ」を使って、いろんな絵を見ます。


↑ふかふかの「感覚キューブ」を投げて、出た目に書かれたミッション遂行!


↑「絵画キューブ」で、「日本画ってどんな手触り~?」


↑「おみくじキューブ」で、おみくじに書かれた言葉にぴったりの作品を見つけます。
実は、毎回人気ナンバーワンのキューブなんです。

さて、最後に「型どりキューブ」のところに戻ってきて・・・、型を開けますよ~!
上手くできてるかな?


↑おおお!大成功!


実は失敗しちゃった子もいたんですが、「もう1回やる~!」とリベンジ。
二度目は見事に成功させました。
粘り強いところ感心しました。ハナマルです~。

そして、「無事終了」といきたかったんですが、今回はなんと!
「おみくじキューブ、もっとやる~」と、おみくじキューブを奪い取って展示室に駆け出すこどもたち。
学芸員は置いてけぼり・・・。(笑)
唖然としましたが、嬉しかったです~!
また、来てね!

(吉)

福島県立美術館移動美術館「フランス美術名品展」あしたまでです!

10月25日(火)から会津若松市文化センターではじまった当館の移動美術館「フランス美術名品展」、いよいよ明日11月6日(日)が最終日となりました!
会津若松市文化センターの4室を使い、コローの「ヴィル・ダヴレー」、モネの「ジヴェルニーの草原」、ルノワールの「帽子を被る女」をはじめ、ルオー、ピカソ、シャガール、レジェの版画集を展示したこの展覧会。毎日、多くのお客様に来ていただき(先週の土曜日は420人のお客様に来ていただきました!)、絶賛開催中です。
当館の常設展示室でも人気のトップ争いをするスター選手が勢揃いしたこの移動美術館、ご都合がよろしければ、ぜひお立ち寄り下さいね。

 

ちなみに、先週の土曜日、10月29日には、ギャラリートークと当館の新兵器「アート・キューブ」を使ったこども向けワークショップも開催されました。
ギャラリートークは黒山の人だかりの大盛況!


↑黒山の人だかり証拠写真

「アート・キューブ」を使ったこども向けワークショップもにぎわいました。


↑絵画キューブで、油彩画の手触り体験中。


↑カラーキューブで、作品の雰囲気変えてみよう!「おおっ!鋭いご指摘!」


↑プレイキューブで「う~ん、う~ん・・・」。橋本学芸員と見つめ合って、言葉を探し中。

引っ込み思案ちゃんも最後はにっこり。
終了後「もっとやりた~い!」と言ってくれた男の子がいて、嬉しかったです。また参加してね!

(吉)