2014年1月の記事一覧
除染レポート
こんにちは。
一年で一番寒い季節を迎えましたが、美術館の除線作業は、雪のちらつく日も着々と進められています。今朝の作業のようすをレポートしましょう。
今、進められているのは植え込みの除染です。
まずは、植栽のまわりの落ち葉を掃き出し、土を丁寧に掻き出す作業です。
木々を傷めないように、一つ一つ丁寧に作業が進められています。
作業の後は、こんなにきれいになります。
そうして集められた土や葉を、小型のショベルカーを使って黒い袋の中に入れていきます。
その袋は一旦、周辺にまとめて置きます。
それらは美術館駐車場に移動。現在、それが日々増えつつあります。
いずれ、美術館の庭に設置されているレジェの《歩く花》の前に、大きな穴を掘り埋められることになります。
ここはまだ除染されていないところ。大きな木の下をはう蔦は、もうすぐきれいにはがされていくでしょう。
寒い中の作業。たくさんの方々の手で順調に進んでいます。
A.Y.
今年も始まりました!「美術館への年賀状展2014」
新春恒例の展覧会「美術館への年賀状展」、今年は771通もの多数のご応募をいただき、質・量ともに充実した展覧会になりました。この展覧会は『生活習慣と美術の関わりを知り、美術により親しんでもらう機会とする事』や『子供の自由な発想と多様な表現の発表の場をつくる事』などを目的に、開かれた美術館づくりの一環として1984年の開館時より開催してきました。
絵柄は干支の「午」のキャラクターをモチーフにした作品の割合が高いですが、表現・技法はさまざまで、水彩絵の具・色鉛筆・ペンなど色々な描画材を使用した作品、折り紙や色画用紙などを貼り込んだ貼り絵作品などバラエティーに富んでいます。
さらに、モチーフの「馬」の姿もリアルに描かれたものから愛嬌のあるかわいい姿に描かれたものまで様々あり、個性豊かな描写力に優れた作品が揃いました。
ご応募頂いたみなさま、本当にありがとうございました。
展覧会は、1月31日(金)まで開催しております。(休館日は14日、20日、27日)
企画展示室「スタンプで創ろう!大きな絵」作品展(~1月26日(日))とあわせて是非ご覧下さい。
2014年 みなさまに たくさんのいいえがおが おとづれますよう こころより
お祈り申し上げます。
(くに)
明けましておめでとうございます
新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、1月5日に開館いたしました。
現在ご覧いただけるのは、年末にご紹介をした福島藝術計画の事業、学校連携共同ワークショップで制作された子供達の作品。それから新年に展示替えをした常設展示です。
今日は、常設展をご紹介しましょう。
第一室は、ダイナミックな展示になりました。
現代日本画を代表する一人、田渕俊夫の《惶I》《惶II》。いずれも10mという大作です。
震災を挟んで制作された作品で、一昨年当館で開催された個展に出品された後、ご寄贈いただいた新収蔵作品です。
その向かいに並ぶのは、戦後の日本画の切り開いた横山操の3点。いずれも重量級。3点そろい踏みというのは、かなり久しぶりの展示だと思います。田渕の白と横山の黒、日本画の二つの表現が好対照をなす、面白い展示になりました。
第二室の最初は、池袋モンパルナスと福島の作家たちの特集です。
昭和前期、東京、池袋界隈には芸術家たちが集まったアトリエ村がありました。吉井忠、鎌田正蔵、若松光一郎、春日部たすく、長沢節など福島の作家たちも多く集まっていました。新収蔵作品も含め、ご紹介しています。
隣には、吉井忠の《広津先生》。
福島の松川事件の被告支援者の一人、作家・広津和郎の肖像画を吉井が描いた作品です。
社会派の吉井は、冤罪事件として被告人支援運動が起こった松川事件にも当然関心を抱いていました。長年、この支援運動に携わってきた所蔵者から昨年度寄贈を受けた新収蔵作品です。
さらに隣には、戦後の具象彫刻が並び、その向こうに関根正二と大正期の洋画が並びます。
第三室に移動しましょう。
アンドリュー・ワイエスの《ガニングロックス》《冬の水車小屋》《農場にて》。
隣にはベン・シャーンが並びます。
今回は、《ラッキードラゴン》、そして『久保山とラッキードラゴン伝説』という本をご覧いただきながら、3月1日にビキニ環礁で被曝をした第五福竜丸の事件にシャーンがどのように関わったのかをご紹介しています。
第四室には、ベン・シャーンのリルケ『マルテの手記』をテーマにした最晩年の版画集も展示しています。
そして、斎藤清の《会津の冬》から11点。
最後に、しっとりと会津の雪景色をご堪能下さい。
A.Y.