2023年3月の記事一覧

創作プログラム「ピンホールカメラを作って撮影してみよう」開催しました

2月4日(土)、当館実習室にて創作プログラム「ピンホールカメラを作って撮影してみよう」を開催しました。
講師は須賀川市出身の写真家、村越としやさんです。

村越さんには、3月5日まで開催されていた「福島アートアニュアル2023」にご出品いただいていました。

箱にあけた小さな針穴から入る光によって外の像を写し取る「ピンホールカメラ」。
今回の講座では、ピンホールカメラを手作りし、風景や人物などを撮影し、最後に暗室で現像をしました。

午前中はカメラづくりです。
村越さんが準備した型紙を元に、黒い厚紙をカッターで切り抜いていきます。

 

切り抜くのは全部で3枚。
切り抜いた紙に切り込みや折り目を入れ組み立てると、3つの小さな箱ができあがりました。

この3つの箱を組み合わせて、光が入り込まない暗箱が完成。
箱ができたところでピンホールづくりへ。
小さく切ったアルミ板を、紙ヤスリで薄く削っていきました。

ここで一番大事な穴あけの作業。
まち針を使ってアルミ板にピンホールをあけます。
きれいに穴があいているか、ライトボックスの光を当てて確認します。

ピンホールがあいたアルミ板を、箱に切り抜いた穴に貼り付けます。
最後にピンホールの上にパーマセルテープを貼ってシャッターを作り、カメラの完成です! 
午前中はここまで。

 

午後からは撮影・現像作業をしました。
まずは撮影の流れについて村越さんから説明をしていただきました。
それぞれ作ったカメラのピンホール面から印画紙面の長さと、ピンホールの大きさを元に、F値(絞り値)を計算します。
撮影場所の明るさから露出時間(シャッターを開けている時間)を決め、撮影へ。

部屋を真っ暗にして、印画紙を箱の中にセットし、最初の1枚は試し撮りです。
ピンホールカメラを持って、全員で屋外に出て撮影します。


試し撮りが終わると、部屋を真っ暗にして現像作業を行います。
デジタルではないので、現像するまでどのように撮れているのか分からないわくわく感があります。

カメラの中から印画紙を取り出し、現像液→停止液→定着液→水洗という流れで浸していきます。
現像液の中で真っ白な印画紙に像が浮かび上がる様子はとても面白いです。
現像した写真(ネガ)を見ながら、箱に隙間があいていないか、露出時間は適当かなどを村越さんに相談します。

ここからはそれぞれの作業へ。

1、暗室で印画紙を箱の中にセットする

2、外に出て自由に撮影をする

3、暗室に戻って印画紙を取り出す

4、現像作業

これを時間がある限り繰り返していきました。


講座の日は曇ったり急に晴れてきたりと、天気が変わりやすかったため、露出時間を調整しながら撮影していました。

現像したネガの中から気に入ったものを、引き伸ばし機を使ってネガからポジに反転する作業をします。
時間いっぱいまで、みなさん撮影と現像に取り組んでいました。
現像した写真をお互いに見せあいながら、
「どこを撮ったの?」
「この写真おもしろいね!」
などと、楽しそうにお話されていました。

 

今はデジタルカメラやスマートフォンで気軽に写真を撮ることができ、写真を撮る仕組みについて意識することはなかなかありません。
今回の講座は写真の原理を体感する貴重な機会となりました。

受講者の方からいただいた感想(一部)です。

・カメラのことをもっと深く知れて、体感できてよかったです。
・カメラを手作りして実際に写真が撮れるなんて驚きです!
・写真のしくみや成り立ちを理解でき、写真ができてくるのが”出会い”みたいでおもしろかったです。

村越さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!