2016年6月の記事一覧

技法講座 オオカミを杉板に描こう!開催しました。

5月29日㈰、「よみがえるオオカミ」展の関連事業として技法講座「オオカミを
杉板に描こう!」を開催しました。


講師は、この度の山津見神社天井絵復元プロジェクトにおいて、オオカミ絵の復元
制作をご指導し、自らもオオカミ絵を描かれた東京藝術大学大学院准教授であり
日本画家でもある荒井経先生です。



またこの日は、荒井先生のご指導の下、同じくオオカミ絵を描かれた学生の向井さん
と松原さんにアシスタントとしてお手伝いいただきました。

 
 
  
講座は小学3年生から大人まで幅広い年齢層の方々にご参加いただきました。





受講された方は、筆の使い方や顔料(絵の具)の塗り方など、日本画の特殊な技法
(復元プロジェクトと同様の技法)を学びながら、熱心に杉板へオオカミ絵を描き
ました。









オオカミ展開催期間中、エントランスホールに受講者された方々の作品を展示して
おります。どの作品もオオカミが生き生きと描かれた力作揃いです。
ぜひご鑑賞ください!
 

オオカミ天井絵をめぐるフォーラム

初日午後はフォーラム「山津見神社のオオカミ天井絵をめぐって」を開催しました。

こちらもたくさんの方が参加してくださいました。


加藤久美氏、サイモン・ワーン氏には、「山の神のみえない力」として
オオカミの絶滅とその信仰についてご紹介いただき、
山津見神社の旧天井絵を撮影した状況や、
この復元プロジェクトに至る経緯をお話いただきました。


荒井経氏には、「オオカミ絵の復元から継承へ」として、
具体的な復元のプロセスと方法、技法、
文化財保存の観点から、どのような復元を意図したかをご説明いただきました。
また、会場に同席された、復元を担当された20名の方々をご紹介いただきました。


石黒伸一朗氏には、「山津見神社と南東北のオオカミ信仰」として、
山津見神社の由緒や旧天井について詳しくご報告いただき、さらに
福島県や宮城県のオオカミのお札や石碑などをご紹介いただきました。


佐藤俊雄氏には、「飯舘の山の神様」として、まず飯舘村の現況をご説明いただき、
新しく発見された江戸期の飯舘村の地誌などをもとに、
地域の山の神、オオカミ信仰についてお話いただきました。







飯舘の山津見神社をめぐる信仰や文化がどのようなものであったのか、
あらためて掘り起こすとともに、
それを今後どのように継承していくのか、
様々な視点からの、心のこもった提示がありました。

すばらしいフォーラムでした。

ご登壇くださった先生方、また当日ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

よみがえるオオカミ展スタート!

焼失してしまった、飯舘村山津見神社のオオカミ天井絵が、このほど復元されました。
この展覧会で全242枚をお披露目いたします。

28日初日には、開会式が行われました。飯舘村の方はじめ、多くの方に来ていただきました。



和歌山大学の加藤久美氏と、サイモン・ワーン氏が天井絵を一枚一枚、撮影記録していました。
2013年4月の火災の数ヶ月前のことでした。

加藤氏、ワーン氏が復元プロジェクトが立ち上げ、飯舘の支援にかかわるNPOふくしま再生の会などが協力しました。

復元事業を受託したのが、東京藝術大学大学院の荒井経氏と保存修復日本画研究室でした。
以前当館でワークショップをやっていただいた、荒井先生です。

多くの関係者の尽力で完成にこぎつけました。

開会式には、復元を担当した東京藝術大学大学院の皆さんもかけつけてくださいました。


展示室では、焼失してしまった天井絵を、写真によって一部再現しました。




展覧会終了後、天井絵は山津見神社の拝殿に設置されます。