2012年11月の記事一覧
荒井経さんのワークショップをご報告します
17,18日は、日本画家・荒井経さんに「金箔地に彩色で楓を描く」
というワークショップをお願いしました。
荒井さんは、東京藝術大学大学院・保存修復日本画の先生もされています。
最先端の文化財研究による、日本画の技術を教えていただきます。
そこで、お手本にするのは京都・智積院の長谷川等伯「楓図」。
無理?いやいや、目標は高いほどいいです。
和紙を貼ったパネルにまず紅葉の型で、自由に描いていきます。
皆さん上手です。
金箔を貼ってしまうと絵具がつきにくいので、色を塗る楓や水の部分をマスキング(防染)します。
和紙を絵柄にそって切り抜いて、ふのりで貼り付けます。
和紙でマスキングする伝統的な方法を、「えんぶた」というそうです。
尾形光琳「杜若図」ではこの手法が使われています。
膠をひいて、金箔を貼ります・・・・薄い薄い金箔は、息がかかっただけでふわり!
これは難しい。あちこちで悲鳴が・・・
きれいに貼れました?
「そういえば、田渕俊夫さんの絵にもぼろぼろの銀箔、貼ってあるよね~」
・・・それはわざとですから、わざと。
そして「えんぶた」をはがすと、きれいな楓が抜けています。
さて、岩絵具を皿で膠とときます。日本画の醍醐味ですね。
朱、緑青で彩色していきます。
木の枝と、水も塗ります。
最後は、銀泥で水に細い線を入れます。さすが先生、超絶技巧!!
一気に画面がしまって、びっくり。
完成。気分は国宝!
とても楽しかったです。がんばったみんなで記念写真を撮りました。
荒井先生、密度の濃い講座をありがとうございました。
(増)