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創作プログラム「リトグラフで描こう」開催しました


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17日(土)・18()、当館実習室にて「リトグラフで描こう」を開催しました!

講師は、版画家として活躍している宮崎文子さんです。



今回の「ミューズ」展示作品にも用いられている版画技法のひとつである“リトグラフ(石版画)”。
1798年、アイロス・ゼネフェルダーがインク台(石灰石)に書いた何気ない覚え書きがきっかけとなり、発明されたそうです。
彫ったり削ったりせずに描く事だけで製版できる手軽さから、その後またたく間にヨーロッパで広がりました。

 

1日目は版づくりです。

まずは宮崎さんからリトグラフの技法について説明がありました。
言葉だけで聞くとなかなかリトグラフの技法は分かりづらいため、今回宮崎さんは手づくりの図を使って説明してくださいました。

さらに、ご自身の作品を例に、制作に使っている画材と、刷った後にどのような絵になるかということをお話いただきました。



説明の後は版づくりです。日本では石が取れないため、代わりにアルミ板が使われています。

みなさん事前に考えてきた下絵をもとに様々な画材を使ってアルミ板に描画しました。



ダーマトグラフやカーボンが入っている鉛筆。

柔らかい感じを出したいときには解き墨。

細かい描写をしたり、シャープな線を出したいときには油性ボールペン・・・などと、

脂肪分が強いもので描くことによって版をつくることができます。

それぞれ描きたいイメージに合わせて画材を選び、みなさん集中して制作に取り組んでいました。



1日目の最後は刷りのデモンストレーション。2日目にやる刷りの流れを確認しました。

 

 
◆◆◆◆◆

講座2日目。まずは午前中に1日目に描画したアルミ板をもとに製版の作業を行いました。


製版は使用する液体や手順が多いので、みなさん慎重に確認しながら進めていました。


 



午後からはいよいよ刷りの作業です。

水を含ませたスポンジで版面を湿らせながらローラーでインクを盛ります。

版が乾かないように注意しながらプレス機の上に置き、紙をのせて刷ります。



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人3~5枚程度色を変えたりしながら刷ることができました。

最後にそれぞれ1枚ずつ作品を貼りだし、全員で作品を鑑賞し合いました。



一枚一枚、想いの込められた作品が完成しました。

宮崎文子さん、ご参加いただいたみなさまありがとうございました!