カテゴリ:企画展

飯坂小学校、田渕展に来てくれました。

昨日の飯坂小学校見学の様子です。
田渕俊夫展も、とても熱心に見て、スケッチしてくれました。

 



ひとりの女の子。「これ、誰が描いたの?」
「田渕俊夫さんだよ。(さっき説明したんですが・・)」
「ひとりで!?」

・・・・たしかに、この1800平米の展示室を埋め尽くす作品をすべて、
一人で描いているという事実に、あらためて愕然としました。
すごいです。この女の子に教えられました。



ただ埋めているだけではありません。作品のもつ静かな迫力によって、
展示室の空気が満たされている、という感じです。

担当だから言うのではありませんが、日本画興味ない、という方も、
この展覧会は見ておいた方がいいですよ。おすすめです。

田渕展、残りあと5日になりました。
どうぞお見逃しなく!

(増)

荒井経さんのワークショップをご報告します

17,18日は、日本画家・荒井経さんに「金箔地に彩色で楓を描く」
というワークショップをお願いしました。
荒井さんは、東京藝術大学大学院・保存修復日本画の先生もされています。

最先端の文化財研究による、日本画の技術を教えていただきます。



そこで、お手本にするのは京都・智積院の長谷川等伯「楓図」。
無理?いやいや、目標は高いほどいいです。

和紙を貼ったパネルにまず紅葉の型で、自由に描いていきます。
皆さん上手です。



金箔を貼ってしまうと絵具がつきにくいので、色を塗る楓や水の部分をマスキング(防染)します。
和紙を絵柄にそって切り抜いて、ふのりで貼り付けます。
和紙でマスキングする伝統的な方法を、「えんぶた」というそうです。
尾形光琳「杜若図」ではこの手法が使われています。



膠をひいて、金箔を貼ります・・・・薄い薄い金箔は、息がかかっただけでふわり!
これは難しい。あちこちで悲鳴が・・・
きれいに貼れました?

 



「そういえば、田渕俊夫さんの絵にもぼろぼろの銀箔、貼ってあるよね~」
・・・それはわざとですから、わざと。

そして「えんぶた」をはがすと、きれいな楓が抜けています。



さて、岩絵具を皿で膠とときます。日本画の醍醐味ですね。



朱、緑青で彩色していきます。
木の枝と、水も塗ります。

 

最後は、銀泥で水に細い線を入れます。さすが先生、超絶技巧!!
一気に画面がしまって、びっくり。

 

完成。気分は国宝!




とても楽しかったです。がんばったみんなで記念写真を撮りました。



荒井先生、密度の濃い講座をありがとうございました。

(増)

田渕展、県立福島工業高校生が見学に!

11/1-7の「ふくしま教育週間」には、企画展の入館料が高校生以下無料になります。
その一週間毎日、県立福島工業高校の生徒さんが美術の授業で来てくれました!
通称「県工」は美術館と同じ森合にあります。



太田先生が、手作りのワークシートに沿って、作品を読み解いていきます。



「二つの作品の同じところは?」
「どんな色がつかってある?」

わたしも思わず「なるほど~。」

このクラスはちなみに、三瀬夏之介さんの「学校連携ワークショップ」
(こちらは水墨で漫画に挑戦)
にも参加してくれています。
同じ日本画でも、ずいぶん表現が違いますよね。興味津々の様子でした。



よく書けたワークシートを、後日太田先生が送ってくださるそうです。
楽しみです。

(増)

田渕俊夫展ギャラリートーク

今日は2回目のギャラリートークでした。
多くの方に集まっていただきました。



みなさん熱心に耳を傾けてくださって、ありがたいです。

中には1回目のギャラリートークにこられた方も!!
すみません、今回もだいたい同じ話です・・・
これではいけませんね。旅館では、2泊目には違う料理が出てくるというのに。

 

今、美術館の庭園は紅葉まっさかり。
どうぞお散歩にいらしてください。

(増)

田渕俊夫展 好評です。

田渕展、少しずつ、お客様が増えています。

 

アンケートから。
「圧倒された。色づかい、意外にポップなものもあり楽しい」(栃木県の方)
「伝統の中の新しさに加え、画題が美しく、とても心が落ち着きました。」(福島市の方)



エントランスホールのふとん山は今日も盛況。
左側の田渕展は・・・あれれ、閉まっている?



・・わけではないのです。
子供たちの声が展示室にもれないように、扉を閉めたところです。
ちゃんと入れますので。

田渕展のお客様、常設展のお客様、
賑やかな声が、展示室に多少届いてしまうこともあるのですが、
お許しいただいて本当にありがとうございます。

おかげさまで、こどもたち、
本当によろこんでくれています。



田渕さんの作品のつづきのようですが、
これは休憩室からの眺め。
今日もいい天気です。

(増)

いのちの煌めき 田渕俊夫展

すみません、遅くなりました。
「いのちの煌めき 田渕俊夫展」、はじまりました。




田渕さんは院展で活躍する日本画家です。
これは開会式の様子。
東北でははじめての展覧会ですが、たくさんの方が集まってくださいました。




細い、シャープな描線で、すすきや朝顔を丹念に描き出します。



一瞬の煌めきの中に封じ込められた、永遠の時間。



使われるのは天然の絵具、和紙、墨、金銀箔、木。自然素材です。
目に美しいだけでなく、展示室が木の香りやひんやりした水辺の空気で満たされているような感覚に襲われます。
理屈でなく、日本画って気持ちいい、と思うひとときです。




最近の田渕さんは、永平寺や智積院の障壁画を手がけるようになり、
水墨の大画面の上で、あらたな挑戦をされています。


これは、震災後、この展覧会のために制作された作品、「惶(こう)I」「惶II」。全長20メートルの大作です。

自然の力への畏れ、再生の希望が託されています。






田渕さんの45年間の画業を、52点で振り返ります。

是非、美術館に爽やかな風を感じにいらしてください。

(M)

和合亮一さんとベン・シャーンを楽しもう!ワークショップ参加者募集

福島県立美術館では7月7日(土)(たなばたですね!)に、詩人・和合亮一氏のワークショップを開催します。

ワークショップ2
「ここにいること、ここにあること。ベン・シャーンと言葉を探そう。」

 7月7日(土) 11:00~15:30
 講師:和合亮一氏(詩人)
 場所:福島県立美術館講義室・展示室
 対象:小学生から大人まで30名程度、小学生低学年の場合はご父兄同伴
 申し込み締め切り:6月27日(水)

和合さんは震災後、福島からツイッターで、ストレートな言葉をたくさん発してこられ、多くの方の共感を得てきました。
ベン・シャーンにとっても言葉はとても重要でした。何より私たち自身も、ベン・シャーンの絵の前に立つと何か言葉を探そうとしていることにふと気づきます。
詩人・和合亮一はどのような言葉をベン・シャーンの中に見つけるのでしょう。和合さんと一緒に、ひと味違った絵の鑑賞をこころみてみませんか?

参加ご希望の方は、美術館の総合受付で直接お申し込みいただくか、美術館までお電話下さい。

たくさんの方々のご参加をお待ちしております。

A.Y.

触図で楽しむベン・シャーン

福島県立美術館では、6月17日(日)に「視覚障がい者のための鑑賞ワークショップ」を開催しました。講師の真下弥生さんには、ワークショップに参加できなかった方々にも作品鑑賞ができるように、解説や触図で構成された冊子等を制作していただきました。

22日(土)からベン・シャーン展の展示室内に置いておりますので、視覚に障がい者のある方をはじめ皆様で手にとっていただければと思います。視覚障がい者の方でご利用になってみたい方は、美術館の企画展示室入り口でお声がけ下さい。



ワークショップでは2点鑑賞しましたが、この冊子ではそれらを含めて6点を紹介しています。
(ワークショップの様子は http://benshahn2011-12exh.info/cat17 *リンクは終了しました
準備しているのは、触図6点を含んだポートフォリオ。そこには本展覧会、作家ベン・シャーン、言葉と文字、第五福竜丸事件とベン・シャーン、リルケの『マルテの手記』についてのテーマ解説もあります(拡大文字、点字)。6点の作品を言葉で叙述した文章は拡大文字版と点訳版がそれぞれ用意されています。ポートフォリオとは別冊になっていますので、叙述をゆっくり読みながら触図に触れていただくこともできます。すべての解説・叙述を録音したICレコーダーも準備しました。


ポートフォリオ


ポートフォリオの中、右が触図


右が拡大文字版で左が点訳版の作品叙述冊子

これらの鑑賞用冊子等の制作には福島県点字図書館にもご協力をいただきました。同じものを、福島県点字図書館にもおいていただきましたので、そちらでの鑑賞も可能です。
http://park22.wakwak.com/~fukushimatenji

是非、多くの方々に楽しんでいただきたいと思います。
最後に、制作者である真下弥生さん、ご協力をいただきました福島県点字図書館の数又幸市さんには心から感謝申し上げます。

A.Y.

「ベン・シャーン」展、開催中です!

6月3日から、企画展「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト」を開催しています。

ベン・シャーン(1898-1969)は、20世紀という激しく揺れ動いた時代をアメリカという場所から見つめ続けた画家でした。
本展は、日本で約20年ぶりの回顧展となります。



アメリカのリアリズムの流れをコレクションの柱としてきた福島県立美術館にとって、ベン・シャーンは大切な画家です。開館以来、50点の作品を収蔵してきました。
回顧展も今回が2回目。小企画、常設展示を通じて、幾度となくご紹介してきた作家です。



本展は国内3会場を巡回して、福島が最終会場となります。

展覧会ホームページで展覧会の見どころや、出品リスト、関連事業などを是非チェックして下さい。
http://benshahn2011-12exh.info *リンクは終了しました

福島会場では毎週、関連事業を開催しています。
すでに山田太一氏の講演会、沼辺信一氏による講演会が終了しました。
そのようすは、ブログでご紹介していますので、こちらもチェックして下さい。
http://benshahn2011-12exh.info/cat17 *リンクは終了しました

6月17日(日)には、「視覚障がい者のための鑑賞ワークショップ」を開催します。
こちらも終了後にアップする予定。お楽しみに。

一般・大学生は600円、高校生以下無料です。
是非皆様でお出かけ下さい。お待ちしております!

A.Y.

「五味太郎作品展 絵本の時間」オープンしました

子供が大好き、大人も大好きな絵本作家、五味太郎さんの展覧会がはじまりました。



「みんなうんち」「みんながおしえてくれました」「ことわざ絵本」「がいこつさん」「かかかかか」「ねえ おはなししてよ」「ぽぽぽぽぽぽ」「あそぼうよ」「ももたろう」「まどから おくりもの」の10種類の絵本原画、175点が展示されています。
どれか読んだこと、ありませんか?



初日の講演会+サイン会には、五味さんがかけつけてくださいました。雨でしたが、多くの方が整理券のために並んでくださいました。



会場内には、絵本がゆっくり読めるコーナーや、「らくがき絵本」を体験できるコーナーなどもあります。
 

書籍販売、グッズコーナーも充実しています。手前に見えるのは「さる・るるる」のぬいぐるみです。



会期中、穂積保氏(こどもの本WAVE代表)によるギャラリートーク、県立図書館司書によるおはなしかい、内田由紀子氏(製本家)のワークショップ「親子で絵本をつくろう!」が開催されます。どうぞご参加ください。

(増)