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あそVIVA★びじゅつかん2012 ワークショップ開催のお知らせ!

10月20日(土)14時より、エントランスホールで開催中の作品「あなたが誰かを好きなように、誰もが誰かを好き」にてワークショップを行います!(小学生以下が対象です)真っ暗闇の布団山トンネル(洞窟)に絵を描く、ドキドキわくわくのワークショップです。無料・申し込み不要、当日参加でOKです。お誘い合わせの上、お気軽にご参加ください!(ただし準備物として、懐中電灯か頭につけるライトをご持参くださいませ。)




(くに)

ふとん山日誌 10月10日

この連休、ふとん山には多くの子供たちが遊びに来てくれました。ありがとう!
実は福島市内では福島稲荷神社の秋祭りがあって、午後から「お祭りに行ってきます」という子供たちもいました。お祭りは楽しいですよね。そういえば、キティちゃんの高級な風船を娘にせがまれ、買って帰ってきたら、あっという間に空の彼方。そんな悲しくて悔しい思い出がよみがえりました。

それはさておき、ですから、どちらかというと小さなお子さん達が多かったでしょうか。
彼らにとって、ふとん山はまずは目の前に聳える大きな存在。登るというのはかなりチャレンジングなことなのです。真剣な眼で、おそるおそる這い上がっていきます。



もうすぐポストだ。がんばれ!こどもの顔の口のところがポストなんです。



そしてなんとかポストにカードを投函し、いったいこの中どうなってるんだ?とひとしきり細い穴から中を覗いたあげく、ダメだ、見えなかったとあきらめたとたん、遊びのスイッチが入ります。

双子の彼らは、大はしゃぎで遊んでいきました。



この連休から、福島大学の学生さんたちがボランティアに来て下さっています。週末のふとん山の受付作業をお願いしています。これから大いに活躍してもらおうと思っていますので、よろしくお願いします。多くの方々に支えられているふとん山なのでした。

A.Y.

ふとん山ができました、5日目

やっと完成しました!

細々とした最後の作業をなんとかやり終えたところです。
今回の展示は、作家の小沢さんをはじめとして、多くの方々のご支援をいただいて実現しました。そう思うと、感慨もひとしおです。皆様、本当に有り難うございました。
しかし本番はこれから。完成して終わりじゃない。

いよいよ明日から、一般公開です。

子供たちが目を輝かせてふとん山を滑り降りてくる姿(猛スピードはちょっと困るのですが)を楽しみにしたいと思います。

これからも折に触れ、日々の様子をご紹介していきます。

今日は写真はなしです。ごめんなさい。
明日にご期待下さい。

A.Y.

ふとん山ができるまで、4日目

作家の小沢剛さんが、美術館に登場!

小沢さんとともに、いよいよ山に布団を敷きつめる作業が始まりました。布のベルトを山にビスで固定し、そこに布団を差し込み、折り返して山の表面に貼り付けていきます。小沢さんに指導を受け、ちょっと緊張しながらの作業です。



布団にまみれての作業はなんかくつろぐなぁ。



山の裾のから始まった布団設置作業は、意外に早く山の頂上まで達しました。膨大な布団を目の前に、呆然としながら、本当にこれ全部を一日で敷き詰められるのかと感じた昨日のことがうそのよう。何度も設営と撤去を繰り返し、そのたびに一つ一つの作業のコツが蓄積されて、効率よく運ぶように改善されてきたという感じです。
今度やる時はうまくもっとうまくいきそう!でも次は私たちが設営するわけじゃないもんな。



そして、山のてっぺんに白い大きな帽子がかぶせられました。子供たちが描いた絵を投函する大事なポストです。



そして手前には、サインボードが完成。美術館の倉庫にしまい込まれ、最近、久しく日の目を見ていなかった青いフェルトの展示台が、素敵なサインボードになりました。



子供たちがお絵かきをするかわいい顔の机もきれいに塗り直されていきます。




それにしても、布団が敷かれるとどこか空気が柔らかくなる。不思議なのです。大理石が張り込まれた教会のようなエントランスホールが、なんかいつも違う雰囲気。布団マジック、恐るべし。

これはブログでは伝えきれない。残念!

A.Y.

ふとん山ができるまで、3日目



今日は朝から、経師紙を貼る大工さんが来て、トンネル部分が白くお化粧されました。でもそれも午後早い時間で終わり。端の処理など細かなところが残っていた床の絨毯敷きの作業を私たち学芸員でやったくらいで、今日はあまり大きな進展はありませんでした。中休みというところ。ちょっと気が抜けて、写真をあまり撮ってません。すみません。

 

明日はいよいよ布団を設置する作業です。準備のために、夕方、布団をエントランスホールに運び上げましたが、これが今日の一番のハードワークでした。それにしてもすごい量の布団です。結果、ふとん山がもう一つのふとん山に埋もれかけています。130枚もの布団を、明日並べ終えることができるのか?お楽しみに。

おまけ。
さて、ここはどこでしょう?
こんな空間もできています。




ということで今日はここまで。

A.Y.

ふとん山ができるまで、2日目

今日は久しぶりにいいお天気。秋晴れのすがすがしい一日になりました。
さて、再びふとん山に向かいます。

昨日、下から2段目まで敷き終わった板を3段目、4段目と敷き詰めていきます。午前中には、ふとん山の骨格が完全に組み上がりました。離れて見るとベニヤの色がそれぞれ違って、まるでパッチワークの●●。



●●に、どんな言葉が入るでしょうか。私は昨日、「スカート」のようだと書いたのですが、「富士山」という人もいたり、「UFO」が美術館に不時着したという人もいました。そうだ、福島市の隣りの飯野町にはUFOふれあい館があったね。UFOが出るんだよね。昼休みはその話しで盛り上がる!



午後いちばん、ベニヤがささくれないように表面にヤスリをかけます。そしてベニヤの継ぎ目のところに養生テープを貼っていきました。これで表面はつるつるです。しかし、作業中に滑る人が続出。この山を駆け上がるのは結構大変。この角度、バカにしちゃいけません。これだけでもかなり楽しめる感じです。



実は今日はここまでが目標だったのですが、その後みんな頑張って、床の絨毯張りまで終了しました。



もうこれで土足では上がれません。少しずつ、最後の布団を迎え入れる準備が整いつつあります。

ということで今日はここまで。

A.Y.

ふとん山ができるまで、1日目

さあ、今日から小沢剛さんの「あなたが誰かを好きなように、誰もが誰かを好き」(通称ふとん山)の設営が始まりました。

まずはこんな四角いものが、エントランスホールに立ち上がりました。
何になるんでしょう。



上から見ると、どうやらトンネルのようですね。ホールを横切っています。かなり大きいですね。でも、頭にはかわいい丸い帽子が乗っています。



そのトンネルに柱が何本も立てかけられ、そこに、板がかぶせられていきます。



上から見ると、こんな感じ。まるでスカートのようですね。



一番下の段が敷き終わったら、その上の段を敷き詰めていきます。一人はスカートの中に入り、中の柱を少しずつ微調整しながらの作業。下の段ではそれほどでもなかったずれが、上に行くに従ってだんだんと大きくなっていき、ぴったりはまらない!何度かやり直しながらの作業。みんな総動員でとりかかります。
中段まで完成して、今日の作業は終了となりました。



夕方になってエントランスホールにライトが点灯し、ふとん山の全景が浮かび上がりました。まだ骨格部分のみですが、まるで羽を広げた鳥が天井に向かって飛び立とうとしているみたいで、美しい!




さぁて、明日はどんな姿に変わっていくでのでしょう。こうご期待!

A.Y.

今年も、「あそVIVA★びじゅつかん」がやってきます!

これは昨年の夏、福島の子供たちにもっと美術館を楽しんでもらおうと取り組んだ企画で、今年も引き続き開催することになりました。今年は、美術家・小沢剛さんの「あなたが誰かを好きなように、誰もが誰かを好き」という作品を展示します。


豊田市美術館での展示風景

一面に布団が敷き詰められた布団山。その山には子供達がのぼったり、すべったり、ねころんだりしてかまいません。その山の上にはポストがあります。それは、小さなカードに自分の好きな人の顔を描いて、世界の見知らぬ誰かに届けるためのポストです。子供達は、前の会場で投函された誰かの絵をプレゼントとして受け取り、そして自分の絵は次の会場の誰かに手渡るのです。遠くの誰かの思いを受け取り、自分の思いを知らない誰かに届ける、そんな心温まる作品です。

さあ、みんな美術館に集まれ!

 

明後日から、展示作業が始まりますが、その様子もアップしますので、メイキングもお楽しみに!

会期:2012年9月30日(日)~12月24日(祝・月)
場所:福島県立美術館エントランスホール
料金:入場無料
休館日:毎週月曜日(10月8日(祝)、12月24日(祝)は開館)、10月2日(火)、10月9日(火)
時間:9:30~17:00
主催:福島県立美術館、福島県立美術館協力会、小沢剛
協力:豊田市美術館、READYFOR?
助成:Japan Art Donation
*この展示は、クラウドファンディング READYFOR? を通じてご協力いただいた方々をはじめ、福島の子供たちにこの作品を楽しんでもらいたいという多くの方々からのご支援により実現しました。
皆様、本当に有り難うございました。

A.Y.

キックオフフォーラム「福島をつなぐ・つたえる」を開催しました。

6月30日、午前中の日比野克彦さんによるワークショップに続き、トークが開催されました。

パネラー:日比野克彦氏(アーティスト)
     大友良英氏(ミュージシャン)
     川延安直氏(福島県立博物館専門学芸員)
司会:森司氏(Art Support Tohoku-Tokyoプログラム・ディレクター)



まずは、日比野さんが今進めていらっしゃるマッチフラッグ・プロジェクトの活動と今回の福島のフレンドシップ・フラッグについてお話されました。
大友さんも、昨年のプロジェクト・FUKUSHIMAで作った「大風呂敷」を旗にリメイクし、今年のプロジェクトで会場をつないでいく一つのシンボルにするという企画を立てていらっしゃった。お二人の今年の福島での活動のキーワードが「フラッグ」。フラッグでつなぐ、つたえる。予言的で印象的でした。

そして壇上で、何か一緒にやろうよ、という話が盛り上がる。なんともスリリングな現場に、会場にいたみんなが立ち会ったわけです。もしかしたら、8月15日からのプロジェクトFUKUSHIMAで・・・。

日比野さんは、「種は船」プロジェクトで、それぞれの漁村の記憶を次の村へと伝え、つなげていくことを実践されています。このプロジェクトで一番難しいのは、前の村からその記憶を受け取る、その受容の作業だとおっしゃっていました。つなぐ・つたえるには、まずは受け取り消化することが大切だということなのです。

社会の中にはいくつものボーダーが存在します。見えるものもあれば、見えない、無意識のボーダーもある。そのボーダーにどうブリッジをかけていくのか。もともと福島には浜通り、中通り、会津というボーダーがあると川延さん。そして震災後、避難する人、しない人、危ない、大丈夫、さまざまな溝、ボーダーが新たにできてしまった。しかし、そのボーダーが機能する土俵とは違う土俵をアート、音楽あるいはスポーツが用意することで、ボーダーそのものを乗り越える可能性が開かれていくのではないか、と大友さん。
それとともに、大友さんの活動は、作り手、受け手、スタッフ、それぞれの間のボーダーを取り除く活動でもある。作り手が受け手にもなり、スタッフが作り手ともなる。その意味でもボーダーレスだとおっしゃいました。

昨年のプロジェクトFUKUSHIMAを振り返り、そうせざるを得ない今の福島における切実さに後押しされていると思うと大友さん。
日比野さんは続けて、人間の心にはいつも何かモヤモヤしたものがある。そのモヤモヤ感を外在化する。つまり心の中にあるものをアクションによって信号化する。そういうことを日常的にし続けることによって、何かが見え、聞こえ、形になっていく。後の時代からみたらそれがアートシーンというものなのだろう。
今、自分や大友さんたちが、ワークショップなどを通じてみんなの気持ちを紡ぎ、一つの空間に吐き出す作業をしてきているわけだけれど、それを継続することで、次の時代の新しい価値観、文化を創り出すことができるんじゃないかな。



フォーラムの中からいくつかの印象的なトピックを断片的に拾い出してみました。日比野さん、大友さんの言葉は、福島での「つなぐ・つたえる」活動に方向性を与えて下さる心強い言葉でした。
さて、これからの福島藝術計画の活動にどう生かしていくことができるでしょう。いよいよ始動です!

A.Y.

それぞれの思いをこめた福島のフラッグを、みんなで作りました!

福島県立美術館は、「福島藝術計画×Art Support Tohoku Tokyo(東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業)」に参加しています。これは、福島県、東京都、東京文化発信プロジェクト室の三者が共催し、地域の団体と共働してアートプログラムを実施する事業。

そのキックオフイベントが6月30日(土)に福島県立美術館で開催されました。

午前中のプログラムは美術家・日比野克彦さんによるワークショップ。日比野さんは、個人での作品制作のみならず、より多くの人とワークショップ形式で地域の特性を生かした創作活動を行ってきました。今回の福島藝術計画のフラッグシップ・アーティストでもあります。

午前10:30、このワークショップに、なんと80人の子供、大人たちが集まりました!主催者も正直びっくり。

みんなで福島のマークを作ろう!でもこんな大勢で、どうやって作るの?



まず、ひとりひとりが福島のマークをデザインします。住んでいる町のマークでもいいし、学校、家族、自分のマークでもいい。それぞれ違っていていいのです。紙に下書きをしたマークを、次に50㎝角の布に写します。そして、そのマークに3㎝角のはぎれを貼り付けながら色をつけていきました。できあがったら、形を切り抜いてパーツが完成です。



そこからが日比野さんのすご技。それぞれの想いが込められた小さなマークを、一人一人にその意味を聞きながら、大きな白い布の上に貼り付けていくのです。福島のくだものがあったり、鳥が飛んでいたり、笑顔があったり、音楽があったり。知らない人たちが一つの場所に集まり、それぞれの福島がつながって、一つの大きな福島の形が生まれました。達成感満点。日比野マジックです。



最後にみんなでフラッグを囲んで記念撮影。



このフラッグはこれから福島藝術計画とともに県内を歩きます。
9月下旬までは美術館エントランスホールで展示をしていますが、その後どこかでお会いするかもしれませんね。

A.Y.