カテゴリ:企画展

横尾忠則ポスター展 無事に終了しました

4月20日[土]にオープンした「横尾忠則ポスター展」は、本日無事に終了いたしました。今日は、最終日ということもあり、いつもより多くのお客様が来て下さいました。



この展覧会では、横尾さんをはじめ、ヨコオズ・サーカス、国立国際美術館、横尾忠則現代美術館、富山県立近代美術館のご協力をいただき、400点という数の作品を会場一杯に展示することができました。本当に有り難うございました。横尾作品のエネルギーをたっぷりと浴び、満足してお帰りになる方が多かったように思います。



アンケートからいくつかご紹介しましょう。
「点数が多く、横尾さんのエネルギー(世界)が感じられた。」(60代女性)
「作品の多さに驚きました。青春時代を思い出し楽しかった。」(60代女性)
「すごく衝撃を受けました。」(20代女性)
「作品を見てスゴイなと思いました。」(高校生)
「未経験な絵だった。よかった。」(高校生)
「福島でこんなにたくさんの横尾さんの作品を見ることができて嬉しいです。」(10代女性)

横尾さんと世代が近くて、作品を見ながら自分の若かりし時代を思い出された方も多かったのですが、若い方は若い方で今までにない刺激を受けたようです。



横尾さんからたくさんのエネルギーをいただき、展覧会は幕を閉じました。
あらためて、展覧会にご協力をいただきました多くの方々に心からお礼申し上げます。

A.Y.

「横尾忠則ポスター展」第二回ギャラリートーク終了

先週土曜日、6月8日、ギャラリートークの二回目が行われました。
僭越ながら、私が担当させていただきました。
今回は、私がお話しをするというよりも、いろいろな方に「私の気になる横尾ポスター」というようなテーマでお話しをしていただきました。

まずは私から簡単に展覧会の概要をお話ししたところで、1番バッターは展示室で監視員のお仕事をして下さっている荒川さん。
今、美術館には16名の監視員が展示室で作品を見守って下さっています。彼女たちは、実は私たち学芸員よりもずっと長い時間、作品を眺めているわけです。彼女たちの意見、感想も聞きたいと思って協力してもらいました。



荒川さんが選んでくれたのは《西高祭》。高校生時代の、いわゆる横尾スタイルになる前の作品ですが、ピュアな感性が感じられて、今見るとちょっとレトロな感じが気に入っているとのことでした。荒川さんは若い頃から横尾さんの作品を見ていて、その時代を思い出しながら、絵について話してくれました。



2番目は、この前のワークショップで講師をして下さったグラフィック・デザイナーの中山千尋さん。彼女の1点は《京都労音B 春日八郎艶歌を歌う》。デザイナーの目から見れば、やはりこれは画期的。3色という限られた色で、これほど目を引くインパクトのある作品ができるということに、驚きを感じたとおっしゃっていました。本当にそうです。ミスマッチなのに不快ではなく、何故か惹かれる。そこが横尾マジックなのではないでしょうか。



3番目は、監視員の佐瀬さん。彼女は天井桟敷のポスターを選んでくれました。《天井桟敷 定期会員募集》の輪切りのレモンを持った女の子がなんだか好き。そういうの、よくわかりますね。何かうまく言葉にできないけれども、気になる。佐瀬さんにいわれるまで、この女の子のことをあまり気に留めなかったのですが、そういわれたらやたら気になり始めました。



ワークショップにも参加してくれた大学院生の舟木君が選んだのは《新宿泥棒日記》。つい先日、福島フォーラムでの上映会で映画も見てくれたそうです。学生時代から横尾さんの作品についていろいろと考えて来た舟木君は、最近、横尾さんを理解するのに演劇や映画などを見ていかなくてはならないのではないかと考え始めているそうです。

今回展覧会を担当している國島学芸員が選んだのは《衝撃のUFO》。実は國島さんは学生時代、来福した横尾さんを隣の飯野町にあるUFOふれあい館にお連れしたことがあったそうです。そこは頻繁にUFOが現れるというミステリースポット。ふれあい館の館長さんとその友人、横尾さんでUFO談義が盛り上がり、近くの千貫森にみんなで登ったけれども残念ながらUFOには会えなかったということ(この前お聞きしたら、横尾さんはそのことはすっかり忘れておられました)。しかし、こうして思いもかけず、美術館で横尾さんと再会できた運命の不思議。まさに人生ミステリー。そんなエピソードを話してくれました。

絵を見る経験は人それぞれですが、どこかで自分の記憶、思い出と交差させていたりします。「なんか好き」「気になる」ということの奥にも、きっと理由があるはずで、それを探っていくと何かに出会えるのかもしれません。
特に横尾さんのポスターは、その時代、そしてそこに生きていた自分というものを重ね合わせ思い起こさせてくれるのだ、ということをあらためて感じました。

ご協力いただいたみなさま有り難うございました。楽しいギャラリートークになりました。

さて、展覧会も残すところあと4日。どうぞお見逃しなく。ご来館をお待ちしております。
ショップも楽しいですよ!






A.Y.

映画「新宿泥棒日記」の上映会、お見逃しなく!

「横尾忠則ポスター展」関連企画として、福島市内の映画館フォーラム福島で横尾忠則主演の「新宿泥棒日記」(1969年/創造社)を上映いたします。
もちろんポスターも横尾忠則制作。こちらは展覧会に出品されています。


《新宿泥棒日記(創造社)1968年》©TADANORI YOKOO

監督は、今年1月15日に80歳で亡くなった大島渚。撮影当時は大島監督も横尾さんもまだ30代。若き作家たちの熱いエネルギーがぶつかり合って生まれた映画です。

『横尾忠則自伝』を読むと、映画にまつわる面白いエピソードが語られているので、いくつかご紹介しましょう。

「・・・ぼくを使って成功するかどうかということになると、とても自信はなかった。こんな気持ちを監督に話すと、『それはぼくにまかして下さい、絶対心配ないです。大丈夫です』という言葉が返ってきたが、やっぱり不安であった」
・・・
(女優の横山リエと横尾さんが性心理学者・高橋鐵にカウンセリングを受けるシーンの撮影)「高橋先生にはあらかじめカウンセリングの内容が伝えられていたが、われわれ二人は何も聞かされていなかった。その上ぼくは信じられないことだが台本を全く読まないまま初日の撮影に入ってしまった。だからそのシーンの前後の話が全くわからなかったので、自分が演っていることの意味がさっぱり理解できず、不安のどん底で演っていた。まさか台本を読んでいないと監督にいうわけにはいかなかったので、このことがバレはしまいかと撮影中は恐れ続けた」
・・・
「何かをしゃべらなければならないが、横尾忠則としてか、それとも役柄の岡ノ上鳥男としてしゃべるべきなのか、ぼくは完全にぼくの中でパニックを起こしてしまった。何がおこっているのかわからないままドキュメント風にカウンセリングは延々続いた。そして突然二人は高橋先生によって上半身裸にさせられてしまった」

これを読んでも、撮影現場はかなり凄まじいものであったのだろうと予想できます。

そして、
「ぼくの目には大島監督は映画を創っているのか壊しているのかよくわからなかったが、恐らくその両方であったのだろう。虚構の中でドキュメントやハプニング、それにぼくという実像と虚像の両方の観念の解体を試みようとしていたのではなかっただろうか」
と締めくくっています。どんな映画ができあがったのか見たくなりますね。

1960年代。従来の美的価値観や芸術概念が問い直され、権力や権威に縛られない自由な発想に基づいた新しい動向が芸術のいろいろな分野に芽吹いた時代。背景にそんな時代を感じさせる映画です。

展覧会を見て、そのチケットを持って、是非フォーラム福島へ。

「新宿泥棒日記」
 監督:大島渚
 出演:横尾忠則、横山リエ、渡辺文雄、唐十郎ほか
 1969年/創造社/本編1時間36分
 上映日:6月1日[土]-5日[水]
 上映時間:6月1日[土]-3日[月]12:30~、4日[火]、5日[水]19:00~
 観覧料金:横尾忠則展観覧券、案内葉書、福島県立美術館友の会会員証をご呈示いただければ700円になります。
 会場:フォーラム福島(024-533-1515)
 http://www.forum-movie.net/fukushima
 協力:福島県立美術館協力会

A.Y.

「横尾忠則ポスター展」関連ワークショップの作品を展示しました。

4月27日、5月11日と二日間にわたって、横尾忠則ポスター展関連ワークショップ「私自身のための広告ポスターを作ろう!」を開催しました。その模様はブログでご紹介しましたので、是非ご覧下さい。

5月11日に完成できなかった方もいらしたので、後日完成させて持ってきていただくことをお願いしておりましたが、20日、全員の作品が集まりました。早速、美術館エントランスホール奥に展示しております。



みなさん、四苦八苦していらっしゃるようでしたが楽しく制作できました。どれも力作ぞろいです。高校生8名(全員女子)もユニークな作品を出品してくれています。展覧会を見た後に、是非お立ち寄り下さい!

A.Y.

「横尾忠則ポスター展」ギャラリートーク開催

5月18日、土曜日、午後2時から「横尾忠則ポスター展」のギャラリートークが行われました。今回は久慈伸一学芸員が担当です。

20名くらいの方々が展示室入り口にお集まり下さいました。



第1室の初期作品から開始です。
京都勤労者音楽協議会に依頼されたコンサートポスターの数々は、やはりはずせません。
久慈が選んだのは坂本スミ子と雪村いづみのポスター、中尾ミエと東京キューバンボーイズのポスターなど。
懐かしい名前だと思う人はこのポスターを見て「にやり」とするでしょうし、初めて見る人は「いったいどんな人なのだろう」と興味をそそられるでしょう。
いずれにせよ、見る人の目を必ず留めさせるポスターであることに間違いはありません。



状況劇場や天井桟敷のポスターのコーナー。
《毛皮のマリー》のポスターの中に小さく書き込まれた文章に注目します。
「愛しの我がピエール・ボナール様 貴殿の御作品を犯した私の姦通の罪をお許し下さいませ 横尾忠子」。
イメージの借用を確信犯としてやってのけ、それをさらにブラックなユーモアで包んでしまうやり方は、ある意味演劇的といえるのではないか、と久慈学芸員。作品の細部に注目です!



第2室、1970年代のスピリチュアルな作品の背景には、ベトナム戦争時代のアメリカのヒッピー文化、あるいはビートルズのインドへの傾倒、ノストラダムスの大予言、日本沈没、超能力の流行などがあったことが紹介されました。

そして第3室の1980年代に入ったところで、地震!
みなさん一瞬、固まりました。あとから聞いたところでは、福島市内は震度4。久しぶりに少し大きな揺れでしたが、さすが福島の方々は慣れています。早々にトークは再開されました。
資生堂オイデルミンのポスターや、箱根駅伝のポスターなどを紹介しながら、最終展示室へ。



2010年に国立国際美術館で開催された「横尾忠則全ポスター展」のポスターを紹介。
唇や目、眉がピンクに塗り残された真っ黒い女性のプロフィールという、度肝を抜くようなイメージの作り方には驚かされます。



2012年に神戸市に開館した横尾忠則現代美術館のポスターに描かれる機関車のイメージ。横尾さんは機関車を随分使ってきていますが、もしかしたらこれは自画像的な意味があるのではないかと、久慈学芸員。

横尾さんの作品にはいろいろな解釈が可能なのでしょう。そしてつい見る私たちも解釈したくなってしまいます。必ずしもそれがうまくわけではありませんが、楽しかったりします。
細部に注目です。細かいところをよく見ると、いろいろな発見が必ずあります。その時代を知っていてもいなくても大丈夫。是非、皆さんも作品の前で妄想を膨らませて下さい。

途中でハプニングもありましたが、楽しくギャラリートークは終了いたしました。
次回は6月8日[土]午後2時です。

A.Y.

横尾忠則ポスター展、明日ギャラリートークです。

横尾忠則ポスター展も会期半ばとなりました。早いですね。

先週、詩人の和合亮一さん、グラフィック・デザイナーの中山千尋さんによるワークショップを行いましたが、引き続き明日は、当館学芸員・久慈伸一によるギャラリートークを開催いたします。

会場をまわりながら、作品にまつわるお話しをしていきます。作品を巡ってさまざまな角度から語られる言葉は、時に鑑賞の邪魔になることもありますが、新たな発見につながることもあります。面白さを引き出してくれることもあります。すでにご覧になった方にも、これから展覧会を楽しもうという方にも、鑑賞のガイドとなるような楽しいトークができればと、私たちも努力をしております。なかなか難しいのですが・・・。

5月18日[土]14:00~ チケットをご持参の上、企画展示室入り口にお集まり下さい。
ここです↓


皆様のご来館を心からお待ちしております。

A.Y.

ワークショップ「私自身のための広告ポスターを作ろう!」 5月11日

先週土曜日、5月11日に「横尾忠則ポスター展」関連ワークショップの二日目が開催されました。

4月27日の初日は、詩人の和合亮一さんとともに自分自身と向き合って言葉を探しました。その後二週間の間に、それぞれイメージを膨らませ、コラージュの技法でポスターを作るための材料集めをしてもらいました。さて、いよいよ制作です。

二日目の講師は、福島市でグラフィック・デザイナーの仕事をしていらっしゃる中山千尋さん。グラフィック・デザインには「クライアント」が必ず存在します。実際は、そのクライアントの意向や予算に合わせて仕事をしなくてはならない、と作例を見ながらお話しして下さいました。でも今回はクライアントも自分、そしてデザイナーも自分です。自分の表現したいものを、クライアントの目とデザイナーの目との二方向から見つめるという作業が必要だったといえるでしょう。



作業が始まると、皆さん真剣そのもの。しーんと静かな室内で、紙がこすれる音やハサミの音が響きました。



「他の人の作品も見てみましょう。」
「横尾展をもう一度見に行ってもいいですよ。」
時々頭の中を解きほぐしながら、制作が続きました。

三時過ぎ、和合さんが駆けつけて下さって、講評会です。



実は完成できなかった方もいらっしゃいましたが、それぞれがプレゼンテーションをし、中山さん、和合さんの講評をいただきました。どれもがそれぞれに自分と向き合って見つけた形、言葉、そしてポスターだということがよくわかりました。



未完成だった方は、一週間の間に完成品を提出していただき、最後には横尾さんから講評をいただくことになっています。そしてエントランスホールに展示もいたします。どうぞご期待下さい。

講師をして下さいました和合亮一さん、中山千尋さん、有り難うございました。
そして横尾先生、どうぞよろしくお願いいたします。

A.Y.

ワークショップ「私自身のための広告ポスターをつくろう」 4月27日

先週土曜日、4月27日に「横尾忠則ポスター展」ワークショップが開催されました。

詩人の和合亮一さん、グラフィック・デザイナーの中山千尋さんと一緒に、2日かけて「私自身のための広告ポスター」を作ります。ちょっと奇妙なタイトルのワークショップですね。

実は展覧会と大いに関係があるのです。横尾さん29歳の時、「ペルソナ展」というデザイン展に出品します。参加者は田中一光、福田繁雄、勝井三雄、宇野亜喜良、和田誠、永井一正、粟津潔、細田巌、木村恒久、片山利之と横尾さんの11人。まだ若き横尾さんにとって、蒼々たるグラフィック・デザイナーとともに出品できるまたとないチャンス。意気込んで自主制作にとりかかりました。

その時制作したのが、「誰もが考えながら誰もがやらなかった自分自身のための広告ポスター」(『横尾忠則自伝』より)でした。



旭を背景に、薔薇を手にした横尾さんが首つりをしています。そこに英文で「ぼくは29歳でついに頂点に達し、首を吊って死ぬ」という死亡宣言のコピーを書き加えました。
「このポスターには過去の自分を埋葬すると同時に未来の自分を再生させるという願いと意味があったが、同時にモダニズム・デザインへの決別宣言でもあった。」(『横尾忠則自伝』)と、横尾さんは書いています。

この作品はもちろん展覧会に出品されています。

私たちも「自分自身ための広告ポスター」に挑戦しようという、考えてみれば無謀なワークショップ。しかし事前に和合さん、中山さんと打ち合わせをましたが、なかなか奥が深い面白いテーマです。

初日は和合さんとことばのワークショップ。

まず、和合さんは横尾さんの作品との出会いからお話しを始められました。
高校の国語の先生になりたての20代。何か表現をしたい、でもどうしたらいいのかわからない、そんな悶々とした日々を送っていたときに横尾さんの画集と出会ったそうです。そして「死後の世界」を描くということからヒントを得ます。自分は一度死んでしまった。死の側から世界を見たらどうなるのか。



生きることと死ぬこと。創作の原点はそこにあるのではないかとおっしゃっていたのが印象的でした。

さて、では実際にどのように言葉を組み上げていったらいいのでしょう。
二つのキーワードがありました。一つは「無意識」。そしてもう一つが「コラージュ」。無意識の中から拾い上げてきた言葉を、ぶつけ、つなげ、つづける。そうしてひとつながりの文章に作り上げていく。







ワークシートを書きながら、横尾展で作品を見たときの言葉を書きとめながら、最後にそれぞれがいくつかのコピー(らしきもの)を作り、発表しました。かなり斬新なものもありましたよ。



ポスターに作り上げるのは二週間後の5月11日。ポスターも「コラージュ」の手法を使い、雑誌の切り抜きや写真やさまざまなイメージを貼り合わせて作っていきます。そのための素材集めが宿題となります。

最後に和合さんと中山さんからのアドヴァイス。言葉がイメージを規定することもあるけれど、イメージが言葉を引き出すこともある。素材集めをする中で言葉が変化することもあっていいのです。

さてさて、参加者のみなさん、どのようにイメージを膨らませていらっしゃるでしょう。楽しみにしています!

A.Y.

横尾忠則『少年マガジン』です

前回のブログに、横尾忠則ポスター展、オープニング対談のことをご報告しました。
そこで、横尾さんが1970年に描かれた『少年マガジン』9冊の表紙について触れたところ、早速横尾さんのツイッターですべての画像をアップして下さっています。
是非ご覧下さい!

http://www.tadanoriyokoo.com/vision/index.html

A.Y.

横尾忠則ポスター展オープン



今朝の美術館前庭。なんと雪が!昨日でなくて本当によかったです。

昨日、「横尾忠則ポスター展」がオープンしました!
この展覧会は実は3年前から企画していましたが、東日本大震災後、一時延期となり、今年ようやく実現しました。待ちに待ったオープンです。


《横尾忠則ポスター展(福島県立美術館)》2013年 ©TADANORI YOKOO

横尾忠則さんといえば、戦後日本を代表するグラフィック・デザイナーであり、美術家であり、作家でもあり、いろいろな顔を持つマルチな才人です。本展はポスターに焦点を絞り、約400点の作品をご紹介します。

横尾さんは1936年兵庫県生まれ。この6月で77歳とは思えぬエネルギッシュな創作活動を展開されています。「隠居宣言」をしたとはいえ、実は隠居とは忙しいのだそうです。自分のやりたいことをやるのが隠居。やりたいことがまだまだたくさんある、ポジティブな隠居生活を送っていらっしゃるとのこと。(すごい!)

そんなお話しが聞かれたのは、昨日行われたオープニング対談の中でした。
日本美術史家の山下裕二さんとの1時間半にわたる対談は、終始リラックスした雰囲気に包まれ、250席満席になった会場の笑いも絶えませんでした。


横尾忠則氏


山下裕二氏

「話しはどこに飛ぶかわからないよ。」と事前にお二人に言われていました。しかし「飛ぶ」というより、ほぼ『少年マガジン』の話しで終わりました。1970年に横尾さんは『少年マガジン』の表紙を9冊描いていらっしゃいます。その中の1冊は「横尾忠則特集」。実は山下さんがこの道に入られたのは、これら『少年マガジン』と出会ったからと言っても言い過ぎじゃない、とまでおっしゃる作品。それらをご紹介いただきながら、当時の横尾さんのグラフィックの仕事に大きな影響を与えた、様々な人たちとの交流が引き出されていきました。
唐十郎、寺山修司、澁澤龍彦、三島由紀夫や大島渚、ジョン・レノンやミック・ジャガー、そして当時の編集者たち。それから70年の大阪万博の話しも。



(ぶっ飛んでる)『少年マガジン』の表紙にしろ、中味にしろ、そういう時代の文化が背景にあったんだということがよくわかりました。残念ながら『少年マガジン』は本展に出品されていませんが、60年代のポスターはまさにこの中から生み出されたものなのです。

最後に横尾さんが話された印象深いひとこと。「いろいろなことがバラバラに存在しているみたいだけど、結局は根っこにある一つに繋がってるんだよね。」(う~む、なるほど。)

横尾さん、そして面白いお話しを引き出して下さった山下さん、本当に有り難うございました。

展覧会は6月16日まで開催。是非皆様、お出かけいただき、横尾ワールドをご堪能下さい。

(A.Y.)

飯坂小学校、田渕展に来てくれました。

昨日の飯坂小学校見学の様子です。
田渕俊夫展も、とても熱心に見て、スケッチしてくれました。

 



ひとりの女の子。「これ、誰が描いたの?」
「田渕俊夫さんだよ。(さっき説明したんですが・・)」
「ひとりで!?」

・・・・たしかに、この1800平米の展示室を埋め尽くす作品をすべて、
一人で描いているという事実に、あらためて愕然としました。
すごいです。この女の子に教えられました。



ただ埋めているだけではありません。作品のもつ静かな迫力によって、
展示室の空気が満たされている、という感じです。

担当だから言うのではありませんが、日本画興味ない、という方も、
この展覧会は見ておいた方がいいですよ。おすすめです。

田渕展、残りあと5日になりました。
どうぞお見逃しなく!

(増)

荒井経さんのワークショップをご報告します

17,18日は、日本画家・荒井経さんに「金箔地に彩色で楓を描く」
というワークショップをお願いしました。
荒井さんは、東京藝術大学大学院・保存修復日本画の先生もされています。

最先端の文化財研究による、日本画の技術を教えていただきます。



そこで、お手本にするのは京都・智積院の長谷川等伯「楓図」。
無理?いやいや、目標は高いほどいいです。

和紙を貼ったパネルにまず紅葉の型で、自由に描いていきます。
皆さん上手です。



金箔を貼ってしまうと絵具がつきにくいので、色を塗る楓や水の部分をマスキング(防染)します。
和紙を絵柄にそって切り抜いて、ふのりで貼り付けます。
和紙でマスキングする伝統的な方法を、「えんぶた」というそうです。
尾形光琳「杜若図」ではこの手法が使われています。



膠をひいて、金箔を貼ります・・・・薄い薄い金箔は、息がかかっただけでふわり!
これは難しい。あちこちで悲鳴が・・・
きれいに貼れました?

 



「そういえば、田渕俊夫さんの絵にもぼろぼろの銀箔、貼ってあるよね~」
・・・それはわざとですから、わざと。

そして「えんぶた」をはがすと、きれいな楓が抜けています。



さて、岩絵具を皿で膠とときます。日本画の醍醐味ですね。



朱、緑青で彩色していきます。
木の枝と、水も塗ります。

 

最後は、銀泥で水に細い線を入れます。さすが先生、超絶技巧!!
一気に画面がしまって、びっくり。

 

完成。気分は国宝!




とても楽しかったです。がんばったみんなで記念写真を撮りました。



荒井先生、密度の濃い講座をありがとうございました。

(増)

田渕展、県立福島工業高校生が見学に!

11/1-7の「ふくしま教育週間」には、企画展の入館料が高校生以下無料になります。
その一週間毎日、県立福島工業高校の生徒さんが美術の授業で来てくれました!
通称「県工」は美術館と同じ森合にあります。



太田先生が、手作りのワークシートに沿って、作品を読み解いていきます。



「二つの作品の同じところは?」
「どんな色がつかってある?」

わたしも思わず「なるほど~。」

このクラスはちなみに、三瀬夏之介さんの「学校連携ワークショップ」
(こちらは水墨で漫画に挑戦)
にも参加してくれています。
同じ日本画でも、ずいぶん表現が違いますよね。興味津々の様子でした。



よく書けたワークシートを、後日太田先生が送ってくださるそうです。
楽しみです。

(増)

田渕俊夫展ギャラリートーク

今日は2回目のギャラリートークでした。
多くの方に集まっていただきました。



みなさん熱心に耳を傾けてくださって、ありがたいです。

中には1回目のギャラリートークにこられた方も!!
すみません、今回もだいたい同じ話です・・・
これではいけませんね。旅館では、2泊目には違う料理が出てくるというのに。

 

今、美術館の庭園は紅葉まっさかり。
どうぞお散歩にいらしてください。

(増)

田渕俊夫展 好評です。

田渕展、少しずつ、お客様が増えています。

 

アンケートから。
「圧倒された。色づかい、意外にポップなものもあり楽しい」(栃木県の方)
「伝統の中の新しさに加え、画題が美しく、とても心が落ち着きました。」(福島市の方)



エントランスホールのふとん山は今日も盛況。
左側の田渕展は・・・あれれ、閉まっている?



・・わけではないのです。
子供たちの声が展示室にもれないように、扉を閉めたところです。
ちゃんと入れますので。

田渕展のお客様、常設展のお客様、
賑やかな声が、展示室に多少届いてしまうこともあるのですが、
お許しいただいて本当にありがとうございます。

おかげさまで、こどもたち、
本当によろこんでくれています。



田渕さんの作品のつづきのようですが、
これは休憩室からの眺め。
今日もいい天気です。

(増)

いのちの煌めき 田渕俊夫展

すみません、遅くなりました。
「いのちの煌めき 田渕俊夫展」、はじまりました。




田渕さんは院展で活躍する日本画家です。
これは開会式の様子。
東北でははじめての展覧会ですが、たくさんの方が集まってくださいました。




細い、シャープな描線で、すすきや朝顔を丹念に描き出します。



一瞬の煌めきの中に封じ込められた、永遠の時間。



使われるのは天然の絵具、和紙、墨、金銀箔、木。自然素材です。
目に美しいだけでなく、展示室が木の香りやひんやりした水辺の空気で満たされているような感覚に襲われます。
理屈でなく、日本画って気持ちいい、と思うひとときです。




最近の田渕さんは、永平寺や智積院の障壁画を手がけるようになり、
水墨の大画面の上で、あらたな挑戦をされています。


これは、震災後、この展覧会のために制作された作品、「惶(こう)I」「惶II」。全長20メートルの大作です。

自然の力への畏れ、再生の希望が託されています。






田渕さんの45年間の画業を、52点で振り返ります。

是非、美術館に爽やかな風を感じにいらしてください。

(M)

和合亮一さんとベン・シャーンを楽しもう!ワークショップ参加者募集

福島県立美術館では7月7日(土)(たなばたですね!)に、詩人・和合亮一氏のワークショップを開催します。

ワークショップ2
「ここにいること、ここにあること。ベン・シャーンと言葉を探そう。」

 7月7日(土) 11:00~15:30
 講師:和合亮一氏(詩人)
 場所:福島県立美術館講義室・展示室
 対象:小学生から大人まで30名程度、小学生低学年の場合はご父兄同伴
 申し込み締め切り:6月27日(水)

和合さんは震災後、福島からツイッターで、ストレートな言葉をたくさん発してこられ、多くの方の共感を得てきました。
ベン・シャーンにとっても言葉はとても重要でした。何より私たち自身も、ベン・シャーンの絵の前に立つと何か言葉を探そうとしていることにふと気づきます。
詩人・和合亮一はどのような言葉をベン・シャーンの中に見つけるのでしょう。和合さんと一緒に、ひと味違った絵の鑑賞をこころみてみませんか?

参加ご希望の方は、美術館の総合受付で直接お申し込みいただくか、美術館までお電話下さい。

たくさんの方々のご参加をお待ちしております。

A.Y.

触図で楽しむベン・シャーン

福島県立美術館では、6月17日(日)に「視覚障がい者のための鑑賞ワークショップ」を開催しました。講師の真下弥生さんには、ワークショップに参加できなかった方々にも作品鑑賞ができるように、解説や触図で構成された冊子等を制作していただきました。

22日(土)からベン・シャーン展の展示室内に置いておりますので、視覚に障がい者のある方をはじめ皆様で手にとっていただければと思います。視覚障がい者の方でご利用になってみたい方は、美術館の企画展示室入り口でお声がけ下さい。



ワークショップでは2点鑑賞しましたが、この冊子ではそれらを含めて6点を紹介しています。
(ワークショップの様子は http://benshahn2011-12exh.info/cat17 *リンクは終了しました
準備しているのは、触図6点を含んだポートフォリオ。そこには本展覧会、作家ベン・シャーン、言葉と文字、第五福竜丸事件とベン・シャーン、リルケの『マルテの手記』についてのテーマ解説もあります(拡大文字、点字)。6点の作品を言葉で叙述した文章は拡大文字版と点訳版がそれぞれ用意されています。ポートフォリオとは別冊になっていますので、叙述をゆっくり読みながら触図に触れていただくこともできます。すべての解説・叙述を録音したICレコーダーも準備しました。


ポートフォリオ


ポートフォリオの中、右が触図


右が拡大文字版で左が点訳版の作品叙述冊子

これらの鑑賞用冊子等の制作には福島県点字図書館にもご協力をいただきました。同じものを、福島県点字図書館にもおいていただきましたので、そちらでの鑑賞も可能です。
http://park22.wakwak.com/~fukushimatenji

是非、多くの方々に楽しんでいただきたいと思います。
最後に、制作者である真下弥生さん、ご協力をいただきました福島県点字図書館の数又幸市さんには心から感謝申し上げます。

A.Y.

「ベン・シャーン」展、開催中です!

6月3日から、企画展「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト」を開催しています。

ベン・シャーン(1898-1969)は、20世紀という激しく揺れ動いた時代をアメリカという場所から見つめ続けた画家でした。
本展は、日本で約20年ぶりの回顧展となります。



アメリカのリアリズムの流れをコレクションの柱としてきた福島県立美術館にとって、ベン・シャーンは大切な画家です。開館以来、50点の作品を収蔵してきました。
回顧展も今回が2回目。小企画、常設展示を通じて、幾度となくご紹介してきた作家です。



本展は国内3会場を巡回して、福島が最終会場となります。

展覧会ホームページで展覧会の見どころや、出品リスト、関連事業などを是非チェックして下さい。
http://benshahn2011-12exh.info *リンクは終了しました

福島会場では毎週、関連事業を開催しています。
すでに山田太一氏の講演会、沼辺信一氏による講演会が終了しました。
そのようすは、ブログでご紹介していますので、こちらもチェックして下さい。
http://benshahn2011-12exh.info/cat17 *リンクは終了しました

6月17日(日)には、「視覚障がい者のための鑑賞ワークショップ」を開催します。
こちらも終了後にアップする予定。お楽しみに。

一般・大学生は600円、高校生以下無料です。
是非皆様でお出かけ下さい。お待ちしております!

A.Y.

「五味太郎作品展 絵本の時間」オープンしました

子供が大好き、大人も大好きな絵本作家、五味太郎さんの展覧会がはじまりました。



「みんなうんち」「みんながおしえてくれました」「ことわざ絵本」「がいこつさん」「かかかかか」「ねえ おはなししてよ」「ぽぽぽぽぽぽ」「あそぼうよ」「ももたろう」「まどから おくりもの」の10種類の絵本原画、175点が展示されています。
どれか読んだこと、ありませんか?



初日の講演会+サイン会には、五味さんがかけつけてくださいました。雨でしたが、多くの方が整理券のために並んでくださいました。



会場内には、絵本がゆっくり読めるコーナーや、「らくがき絵本」を体験できるコーナーなどもあります。
 

書籍販売、グッズコーナーも充実しています。手前に見えるのは「さる・るるる」のぬいぐるみです。



会期中、穂積保氏(こどもの本WAVE代表)によるギャラリートーク、県立図書館司書によるおはなしかい、内田由紀子氏(製本家)のワークショップ「親子で絵本をつくろう!」が開催されます。どうぞご参加ください。

(増)

ベン・シャーン作品、神奈川県立近代美術館・葉山へ!

美術館が持っている数多くの作品は、他館に貸し出されることもしばしばです。
当館のコレクションの中でも、特に際だっているもののひとつがアメリカの画家、ベン・シャーンの作品群です。
このたび、それらベン・シャーン作品のうち27点の絵画、ポスター作品、9点の資料を、神奈川県立近代美術館・葉山でオープンした「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト -写真、絵画、グラフィック・アート-」展にお貸し出ししました。

今回は、その作品貸出の模様を密着レポート!


↑作品は、状態点検を済ませた後、「うすよう」と呼ばれる柔らかな紙で丁寧に包んでいきます。
左側は荒木学芸員。右側は日本通運の美術品輸送専門の作業員さんです。


↑大きな作品も、こんな感じで。そっと、そっと、丁寧に。


↑よっしゃ、一丁あがり!(?)荒木学芸員、作品の箱に貼るネームタグを一心不乱に捜索中。


↑一番大きな「恐怖の夜の町」という作品は、こんな大きな木箱に入れられて輸送されます。
見守る荒木学芸員の顔にも疲労の色が・・・。
この箱、倉庫から引っ張り出してくるの、ホントに大変だったんですよ~!


というわけで、11月18日にこのように梱包されて、11月19日に葉山に向かって出発した当館のベン・シャーン作品。
12月3日にオープンした「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト」展に無事展示されています。

展覧会のHPは以下の通りです。
ぜひ、チェックしてみて下さいね。
http://benshahn2011-12exh.info/information/ex-composition.html *リンクは終了しました

(吉)

『ふくしま総文 美術・工芸部門』 閉幕。

『ふくしま総文 美術・工芸部門』は、8月7日[日]で5日間の会期を無事終了することができました。総来場者数4,331名…大変多くの方々に脚を運んでいただきました。ご来場ありがとうございました。

震災、余震、放射能災害など…不安要素の多い中での開催となってしまいましたが、全国の高校生の作品から創造的なエネルギーを感じ、熱いパワーをもらえたように思います。

出品者はじめ、大会に関わってくださった全ての皆さん…本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。

今日から2日間で作品の搬出・撤収作業。
福島県内の高校生、高校教員、輸送・展示業者、学芸員で作業にあたっています。



今日は平面作品の搬出、立体作品の梱包作業を中心に。
明日は開館日…エントランスホールは通常の状態に復帰しました。



展示係の皆さん、タイトスケジュールですが…最後まで事故のないように気をつけてがんばりましょう!

(橋)

『ふくしま総文 美術・工芸部門』 開催中です。

今日の福島市は晴天…夏の空が戻ってきました。



暑い1日でしたが、富岡町やいわき市など甚大な震災に見舞われた地域の方々はじめ、福島県内外から多くの方に足を運んでいただきました。今日までの3日間で3,132名の来場者がありました。

会期も今日で折り返しです。
最終日8月7日[日]まで、残すところ2日となりました。

全国の高校生の若いエネルギーに満ちあふれた作品の数々…どうぞお見逃しのないように。
ご来場をお待ちしています。

(橋)

『ふくしま総文 美術・工芸部門』 本日開幕しました!



初日は全国から1,211名もの大勢の方々にご来場頂きました。
アーティストの原石たちの作品にじっくりと熱心にまなざしを向けていました。




今日のアンケートからいくつかご紹介します。

『様々な作品様式があり、見ていて楽しめるのは勿論のこと、どの作品からも作者の「力強さ」のようなものが感じられました。大会の参加者の一人として非常に良い刺激を貰えたと思います。』
◆埼玉県 男性 大会参加生徒

『全国のたくさんの作品が見れて、とてもおもしろかったです。とても良い作品ばかり集まっていて、人それぞれ発想や構図が違い、すごいなぁ…と思いました。』
◆三重県 女性 大会参加生徒

『みんな上手すぎて怖い。根性で描き上げたような作品が数多く見られ、自分ももっと頑張らなければ、と思った。一つ一つの作品に大変強い思いが込められているようで、密度の濃い展覧会だと思う。すごい刺激的でドキドキした。何回でも行きたいと思った。
 これだけの力のある作品がそろうと、少し自分に自信が持てなくなるが、逆に燃えてきたりもするので、良い破壊力があって素晴らしいと思う。
 福島は復興頑張って下さい!』
◆大阪府 女性 大会参加生徒

『高校生の皆さんのあふれるパワーに圧倒されました。自分にも力をもらえたような気がします。ありがとうございました。これからも、すばらしい作品づくりに励まれますよう、がんばって下さい。』
◆福島県 30代 男性

会期は8月7日[日]までの開催となります。ぜひご覧下さい。

(橋)

第35回全国高等学校総合文化祭 福島大会 美術・工芸部門、明日より開幕!

『ふくしま総文』美術・工芸部門いよいよ明日、開幕です。

全国から選抜された47都道府県の代表作品410点が福島県立美術館に集結!
7月29日未明の震度5弱の余震にも作品の破損などの被害はなく、本日すべての展示作業が完了しました。



初日8月3日[水]は19:00(最終入館は18:30)まで開館時間を延長して、みなさまのお越しをお待ちしています。



美術・工芸部門は、当館ともう1つの会場「福島市国体記念体育館」の2会場で開催します。
8月3日[水]「部門開会式」「アトラクション」箭内道彦氏による「作品講評&講演会」、8月4日[木]「交流会」などの大会行事とあわせて、8月3日[水]~8月5日[金]9:30~17:00(最終日13:00まで)の期間、「福島県高等学校美術選抜展」が同会場サブアリーナで開催されますので、福島県内の高校生の力作70点も、この機会にあわせてご覧ください。

(橋)

第35回全国高等学校総合文化祭美術・工芸部門の展示作業はじまる。

総文は「高校文化部のインターハイ」とも言われる全国大会で、昨年は宮崎県、一昨年は三重県というように年1回各都道府県を巡りながら開催されています。

今年は福島県開催。
東日本大震災、原発事故と悲劇が続き…開催自体が危ぶまれていましたが、47都道府県すべてから出品申し込みがありました。
全国から選抜された絵画・立体・彫刻・デザイン・映像部門の代表作品が集結…総数は、なんと410点!



余震、放射能災害のいまだ続くこの時期に「福島」に集結した作品なので、なおさら充実した展示にするべく1点1点を大切に、福島県内の高校生20名、高校教員7名、輸送・展示業者10名、学芸員3名が力をあわせて展示作業にあたっています。



本日は展示作業3日目。
平面作品は壁に掛けられ…立体作品は梱包が解かれて陳列まで完了しました。

早くも10代の熱い熱いエネルギーが展示室に渦巻いています!


開催は…
【期日】平成23年8月3日[水]-8月7日[日]
【時間】9:30~17:00[最終入館は閉館の30分前まで]
    ※8月3日[水]は~19:00まで延長開館します。
【場所】福島県立美術館1階企画展示室、エントランスホール
    ※会期中無休、入場無料です。

詳しくは…
http://www.fukushimasoubun.gr.fks.ed.jp *リンクは終了しました

しなやかな感性と創造力で時代をとらえた全国の高校生の作品を是非ご鑑賞ください。

(橋)