カテゴリ:常設展

令和4年度 第Ⅱ期コレクション展

当館では、7月16日(土)から10月16日(日)まで、2階常設展示室にて「第Ⅱ期コレクション展示」を開催しております。
今回はその展示の様子をご紹介します。

【展示室A】

  
入って最初のコーナーでは、『特集展示 みんな大好き!福島ねこづくし展』(7月23日~8月21日)に関連して、「動物づくし」を展示しています。
この展示は当館の収蔵作品から、佐藤玄々(朝山)や斎藤清などの、動物をモチーフにした愛らしい彫刻や絵画の数々を紹介しています。


その奥では、「関根正二と大正期の洋画」を展示しています。
関根正二は福島県白河市に生まれ、1915年には二科展に初入選するも、1919年に20歳という若さでこの世を去った夭逝の画家です。
ここでは関根正二を始めとし、岸田劉生や石井柏亭、飛田昭喬など、大正期から昭和期にかけて活躍した画家たちの油彩画を展示しています。

【展示室B】

展示室Bでは、『生誕100年 朝倉摂展』(9月3日~10月16日)に関連して、「戦後社会とリアリズム」の展示をおこなっています。


戦後間もない時期、日本では多くの社会問題が噴出していました。
そうじた時代の中で美術家たちは、1940年代に起こったリアリズム論争を出発点とし、単なる自然の再現に留まらない「現実」の描写を社会の中に求めていきました。
安部公房は社会事象を記録して伝えるルポルタージュの手法を唱え、それに触発された高山良策など前衛美術会の画家たちはシュルレアリスムに通じた手法で政治や社会によって歪曲された心象を描き出しました。
また、画家が社会に身を置いて切実な実感のもとに対象を描き出すべきだと主張した美術評論家の針生一郎に影響を受け、朝倉摂や佐藤忠良、中谷泰、吉井忠らは研究会を立ち上げ、漁村や工場に取材して具象表現による絵画を追究しました。
とりわけ福島県いわきの常磐炭田には多くの美術家たちが訪れ、上記に挙げた人物たちの他、宮崎進や伊藤和子らがズリ山や炭坑長屋の風景を描いています。
さらに、こうした社会にまなざしを向けたリアリズムの美術は、洋画のみならず、横山操や渡辺学といった日本画家たちにも波及しています。

【展示室C】

展示室Cでは、アメリカの美術とヨーロッパの美術を展示しています。

ジョン・スローンや清水登之、野田英夫といったアメリカン・シーンの画家たちの他、アンドリュー・ワイエス《農場にて》、ベン・シャーンのポスターや《ラッキードラゴン》など、アメリカのリアリズム絵画を展示しています。
また、ヨーロッパの美術ではカミーユ・コローの作品を展示しています。

【展示室D】

最後の部屋では、「斎藤清の版画」「現代の版画」を展示しています。

斎藤清の版画では「霊峰」シリーズを中心に1980年代の作品を公開しています。
その向かい側で、加納光於と百瀬寿による、主に1980年代から1990年代にかけての版画作品を展示しています。
構成的な手法を凝らした斎藤清後年の作品と、色彩による実験を試みている加納光於と百瀬寿の作品をぜひ見比べてみてください。


「第Ⅱ期コレクション展示」は10月16日(日)までとなっております。

一般・大学生 280円(団体220円)
高校生以下 無料

企画展と関連した展示が目白押しですので、ご来館の際には併せてご覧ください。

ぜひお誘いあわせの上、ご来館をお待ちしております。

令和4年度 第Ⅰ期コレクション展

当館では、3月23日から7月10日まで常設展示室にて「令和4年度第Ⅰ期コレクション展」を開催しております。
今回はその展示の様子をご紹介します。

【展示室A】

最初の部屋では、入ってすぐそばのケース内で「ブロンズ小品の魅力~石原コレクションから」を展示しています。
横浜市の会社経営者であった石原巖氏は、彫刻やパブリックアートの設置に関わる事業に参画する中で、彫刻や油彩画、版画、素描など多彩な作品を蒐集していきました。
今回は、石原氏が築き上げたコレクションの一部から、オーギュスト・ロダンや佐藤忠良、船越保武などによる11点のブロンズ彫刻を紹介しています。


その向かい側では、「春の日本画」として、尾竹越堂、安田靫彦、星茂の作品を展示しています。


奥のスペースでは、関根正二を中心に、岸田劉生や恩地孝四郎、長谷川利行、松本竣介などによる大正期から昭和初期にかけて描かれた洋画を紹介した「関根正二と近代の洋画」を展示しています。


【展示室B】

展示室Bでは「特集展示:東北が育んだ作家たち」と題して、東北地方にゆかりある作家の作品を展示しています。

見どころは酒井三良の《帰樵》《雨はれ》《そばの秋》《雪暮》(それぞれ1930年)です。三良が1924年に日本美術院の同人に推挙されてから院展の中心作家として活躍し始める時期の、代表作とも呼べるような逸品です。
その他にも、三良が師事した小川芋銭の作品を併せて展示しています。
また、そのそばには斎藤清の版画や、福田豊四郎の日本画を展示しています。


奥側の壁面では、新たな表現を目指した東北地方ゆかりの作家の作品を紹介しています。
吉井忠の描く安達太良山は大胆な色面で構成されています。
また、コンセプチュアル・アートや環境芸術といった同時代の潮流を独自に捉えた村上善男や、具象と抽象の間を往来する表現を試みた田口安男、針生鎮郎が並びます。
その他にも、福島県の前衛芸術をけん引した鎌田正蔵や橋本章の作品を展示しています。


【展示室C】

展示室Cでは「海外の名品選」を展示しています。

ベン・シャーンやアンドリュー・ワイエスといったアメリカのリアリズム絵画をはじめとし、クロード・モネ、カミーユ・ピサロといった印象派の巨匠らによる油彩画、フェルナン・レジェやパブロ・ピカソの版画、ヘンリー・ムーアの彫刻など、当館所蔵の海外作家作品の中から選りすぐりのものを紹介しています。
とりわけ、パブロ・ピカソによる版画の連作『二人の裸婦』(1945~46年)は新古典主義とキュビスムを往来する作家の作風の変遷がうかがえる内容となっています。


【展示室D】

最後の部屋では、当館の所蔵作品の中から、明治の終わりから昭和の初めにかけて隆盛した創作版画運動を担った作家を紹介する「創作版画の世界」を展示しています。
現在出品している前川千帆の『版芸術(合本B)』(1932~33年)所収の版画は、初夏の風物を描いたこれからの季節にぴったりの作品です。
また、その対面では、平塚運一や深沢索一、武藤六郎などのモダンな都会風景を展示しています。


「第Ⅰ期コレクション展」は7月10日(日)までとなっております。

一般・大学生 280円

高校生以下  無料

ぜひお誘いあわせの上、ご来館をお待ちしています。

2021年度常設展Ⅰ期はじまりました

当館は、昨年9月から施設の改修工事により休館しておりましたが、工事完了にともない5月22日(土)より再オープンいたしました!

 

改修工事では、屋根の減災化工事や、企画展示室壁面と企画・常設展示室の床面の全面貼り替え、照明のLED器具への更新が主なものでした。

照明器具の更新により、展示室内の明るさが格段にアップし、作品の見栄えもよりはっきりと鮮明に感じられるようになりました。

 

再オープン後最初の常設展ということで、第一期では当館コレクションの選りすぐりの名品を展示します。

会期は5月22日(土)~9月5日(日)まで。料金280円でご覧頂けます。(高校生以下無料)

 

展示の様子をここで少しご紹介します。

 

【第一室め:日本画の名品】

最初の部屋では、近代日本美術を代表する巨匠や福島ゆかりの日本画家たちによる逸品を展示しています。

 

掛け軸では、平福百穂、小杉放庵、横山大観、酒井三良など。自然や農村風景を主題にしており、心が和む描写です。

屏風では、勝田蕉琴と福田豊四郎を展示しています。

 

向かい側の壁では、人物を描いた作品が並びます。

橋本関雪、速水御舟、安田靫彦ら院展で活躍した巨匠の優品や、会津出身の日本画家・猪巻清明の《はさみ将棋》を展示しています。

いずれも完璧な構図と高い完成度で見入ってしまいます。

 

展示室奥のほうでは、松本榮、大山忠作、室井東志生を出品しました。全員福島出身で、人物画を得意とした画家です。

 

そのほか福王寺法林、山本丘人の大作や小川芋銭が来県した際に描いた《細道絵日記》の絵巻も展示しています。

*《細道絵日記》は前期展示での出品。後期展示では、酒井三良の《水郷の一日》を出品します。

 

 

【第二室め:アメリカの美術、フランス美術の名品】

続く第二室は、当館の海外コレクションの選りすぐり作品がまとめて展示されています。

アメリカ美術では、ジョン・スローンやレジナルド・マーシュの大型作品を久々に出品しました。

また、当館のアメリカ美術コレクションを代表する画家ベン・シャーンとアンドリュー・ワイエスももちろん展示しています。

第五福竜丸事件を主題にしたシャーンの《ラッキードラゴン》、そしてワイエスの作品で特に人気の高い《松ぼっくり男爵》《そよ風》を一度に観覧でき、見応えがあります。

   

フランス美術のコーナーでは、バルビゾン派のコローや印象派の代表的作家モネとルノワールの作品を展示しています。モネは今回久しぶりの出品です。

また、ゴーゴリの小説にシャガールが挿絵を寄せた版画集《死せる魂》シリーズも一部展示しています。こちらは会期中展示替えを行います。

 

 

 

【第三室め:関根正二と近代の洋画】

三番目の部屋では、白河出身で大正期に活躍した夭折の天才画家・関根正二と、大正~昭和にかけて活動した洋画家たちの作品を展示しています。

関根の作品では、《姉弟》《神の祈り》などコレクションの代表作のほか、今回なんと、新発見のデッサンを特別出品させて頂いております(個人蔵)。

貴重なタイミングですので、ご来場の際はお見逃しなく。

 

関根以外の作家では、青木繁、岸田劉生、安井曾太郎、村山槐多、松本竣介ら近代洋画の代表作家や、吉井忠、鎌田正蔵など昭和に活躍した福島出身画家の作品を展示しています。

   

洋画では照明器具更新の効果が特に感じられるように思います。厚塗りされた絵具の色味が以前より鮮やかに見えるようになりました。

 

 

【第四室め:斎藤清の版画、銅版画の魅力(*前期)】

最後の部屋です。片方の壁面では、福島を代表する版画家・斎藤清の作品を10点展示しています。初期から後半にかけての画業を追える出品内容です。
構図と色彩の効果が際立つ、斎藤さん特有のモダンなセンスによって表された作品群は、いま見ても非常に新しく感じます。

 

向かい側の壁では、前期展示では「銅版画の魅力」と題して、長谷川潔、駒井哲郎、浜田知明、浜口陽三の作品を展示しています。
いずれも日本の近代版画を代表する作家です。メゾチントによる奥深い漆黒の表現やエッチングで表された繊細な作品世界をお楽しみください。

後期展示では、明治後期から展開された創作版画運動について、山本鼎をはじめとする作家たちの作品を取り上げます。

 

これからの梅雨の時期と夏の暑い季節、休日の予定も天候に左右されることが多くなりそうですが、美術館内は年間通して快適な環境です。

リニューアルされた館内で皆様のご来場をお待ちしております。

 

2020年度第Ⅱ期常設展 終了

当館は本日9月1日~2021年春頃まで、改修工事により約半年間休館となります。

ご利用のお客様にはご不便をおかけしますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。

 

さて、これに伴い展示の方も企画展・常設展ともに8月30日(日)に閉幕しました。

展示室も工事の手が入る予定なので、リニューアル後は展示室の雰囲気が少し変わったように見えるかもしれません。

改修前の展示室でのラスト展示となったので、作品撤去作業を終えたときはどこか寂しさを感じました。

 

以下、直近まで開催していた常設展Ⅱ期(7/1~8/30)について展示風景を振り返ります。

 

まずは Aの部屋から

 

  

日本画のコーナーです。川端龍子《螢》や中島清之《胡瓜》など、夏らしい作品もあります。

中でも速水御舟の《女二題》は当館でも一推しの名品の一つですが、昨年ご寄贈頂いた下絵を初めて展示し、下絵と本画を見比べられるという面白さのある空間となりました。

 

部屋の奥は、没後10年となる伊砂利彦の特集展示コーナーです。

涼やかな画面に包み込まれると不思議な心地よさを覚えます。目の前に波の流れを感じられる素敵な展示空間でした。

 

続いては Bの部屋です。手前の片面では洋画を展示。

関根正二、岸田劉生、安井曾太郎など大正期の画家達の作品に始まり、丸山晩霞、石井柏亭らの水彩画、そして村井正誠、百瀬寿らの抽象絵画などを並べました。

時代が進むにつれて作品のサイズが大型になっていくのが分かります。

  

 

もう片面の壁では、現代の彫刻の特集展示を行いました。

  

工藤哲巳、橋本章、入江比呂らのミクストメディアによる作品や、安藤栄作、髙野正晃による生命感のある力強い木彫作品などを出品しました。

部屋の真ん中に鎮座するのは川島清の《Observation 42-地下の落下物》。特別な存在感を放ちます。

 

次は Cの部屋です。海外コレクションを展示しました。

フランス美術では、コロー、ピサロ、ルノワールを出品。いつ見ても心がぱっと晴れるような明るい印象の並びです。

 

 

アメリカ美術では、ベン・シャーンを2面に展示。

おなじみの《ラッキードラゴン》などのペインティングに加え、シャーンが撮影した写真の資料展示を行いました。

  

ほかの作家としては、ジョン・スローン、レジナルド・マーシュ、そしてワイエスの《松ぼっくり男爵》と《ガニング・ロックス》を出品。

表現の多様さを感じます。

 

最後は Dの部屋です。

左側では、福島を代表する版画家・斎藤清の1930~1950年代の初期作品を展示。

 

右壁面では、今期は福島の版画家達を特集しました。

  

 長谷川雄一さん(写真左)、安部直人さん(写真右)、山中現さん(写真下)の作品を取り上げました。

 技法や表現の差異から、それぞれの版との向き合い方の違いも感じられるようです。

 

次にオープンするのは約半年後となってしまいますが、その間当館の収蔵品を用いて、

小峰城歴史館で関根正二を中心としたコレクション展(9/12[土]~11/8[日])、喜多方市美術館で海外コレクション名作展(10/18[日]~11/17[火])

といった移動美術館展を開催しますのでそちらにも是非足をお運び下さい。

 

リニューアルオープンをお楽しみに!

ベッツィ・ワイエス夫人を偲んで

アメリカの画家アンドリュー・ワイエス(1917-2009)のベッツィ夫人が4月22日に98歳で亡くなられました。

ワイエスは当館のコレクションにとって、とても重要な画家の一人です。常設展示室の三番目の落ち着いた部屋の中央に掛けられた《松ぼっくり男爵》を、一度はご覧になった方も多いのではないかと思います。

親愛なる家族や親しい友人たち、そしていつも目にする日常の風景をとても大事に描き続きたワイエスにとって、ベッツィ夫人はインスピレーションの源であり、よき理解者であり、いつもそばにいる最愛の人でした。すでに天国に召されたワイエスの傍らで、おそらく微笑んでおられることでしょう。

 

ワイエスの孫娘、ビクトリアさんが制作した祖父母への追悼のビデオをご紹介いたします。

皆さまと共に、アンドリューとベッツィ夫妻の人生を振り返り、ご冥福をお祈りしたいと思います。

https://vimeo.com/410013185

 

ただいま、コロナウィルス感染防止のため休館をしておりますが、開館した折には、またワイエスの作品を見に来ていただければ嬉しいです。

 

 

トークイベント「宮崎進(みやざきしん)の作品を語る」を開催します

トークイベント「宮崎進の作品を語る」

2月9日(日)14:00~ 常設展示室B

講師:宮崎とみゑ氏(作家遺族)

   赤松祐樹氏(多摩美術大学美術学部非常勤講師)

   黒川創氏(作家)

司会:荒木康子(当館学芸員)

 

現在、常設展示室Bに宮崎進(1922-2018)の作品17点を展示しています。

 

展示をして間もなく、いい画家さんだけれど今まで知らなかった、という声を聞きました。

まずは宮崎進について簡単にご紹介しましょう。

 

宮崎進は、山口県徳山市に生まれました。13歳の頃、絵の手ほどきをしてくれた画家・前田米蔵と共に、芝居小屋の一座の巡業に同行しながら舞台美術を手伝う経験をしました。1939年に上京し、日本美術学校油絵科で学びます。42年に応召。45年の終戦を満州で迎え、その後4年間シベリアに抑留されました。

49年に帰国後、東京での生活の合間に北陸、東北、北海道などを放浪し、絵を描き続けます。67年《見世物芸人》(東京国立近代美術館蔵)で第10回安井曾太郎記念賞を受賞。その頃、旅芸人や祭りの作品を多く描いています。76年からは多摩美術大学で教鞭をとりました。

80年代に入ると、画面から具象的要素はだんだんと消え去ります。シベリアで馴染みのあったドンゴロス(麻布)が直接張り付けられ、画面は抽象的な方向に向かいました。

94-95年の「宮崎進展」(下関、笠間他を巡回)で、50年代に描いたシベリアをテーマにした作品を初めて発表します。やがて宮崎の中で拭いされないシベリアがより一層力強く表現されるようになっていきました。

2004年には第26回サンパウロビエンナーレ日本代表として出品。「シベリアの声」というタイトルで展示をしました。

亡くなるまで、描く意味を問い続けた美術家でした。

 

当館は、作家の遺志に基づき、2018年度、東北、福島の風景、旅芸人や祭りを描いた作品19点をご遺族からご寄贈いただきました。今回の展示は、それらを初めてご紹介する機会となります。

 

 

この展示と関連して、2月9日日曜日トークイベントを開催します。

 

お三方にお話しいただきます。

ご遺族の宮崎とみゑさんは、間近で宮崎の姿を見つめてこられました。

赤松祐樹さん(多摩美術大学非常勤講師)は、山口県の周南市美術博物館学芸員時代に「宮崎進展 生きる意味を求めて」展を担当したご経験があり、また現在も資料整理に携わっておられます。

黒川創さんは、晩年の宮崎とも親交があり、宮崎をモデルにした人物も登場する小説を2月に刊行予定だそうです。2019年度大佛次郎賞を『鶴見俊輔伝』で受賞された作家です。

 

1時間程度ですが、宮崎進にとって東北とは何だったのか、そしてシベリアとはなど、いろいろお話をお聞きしたいと思います。

常設展観覧券をお求めの上、展示室Bまでお出で下さい。

皆様のお越しをお待ちしております。

「美のおもちゃ箱―河野保雄コレクション展」ギャラリートーク

6月30日(日)、2階常設展示室にて「美のおもちゃ箱―河野保雄コレクション展」ギャラリートークを開催しました。

はじめに河野氏の生い立ちや、コレクションを始めたきっかけなどについてお話ししました。

 

展示室を巡りながら、いくつかの作品について、河野氏がどのような経緯で収集したのか。

そして、作品についてどのような話をしていたのかなどのエピソードを交えながらご紹介しました。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

常設展特集「美のおもちゃ箱―河野保雄コレクション展」は9月1日(日)まで開催しています。

河野氏が集めた作品の数々を、ぜひじっくりお楽しみください。

 

常設第Ⅱ期 特集「美のおもちゃ箱―河野保雄コレクション展」がはじまりました

6月29日(土)より当館2階常設展示室にて、特集「美のおもちゃ箱―河野保雄コレクション展」がはじまりました。

 

福島市出身の実業家、河野保雄氏(1936-2013)は、音楽評論家であるとともに近代美術の収集家として知られています。

今回の特集展示では、河野氏より2013年度に当館に寄贈された作品・資料288点の全てをご紹介しています。

*会期中に展示替えがあります

 

~展示室A~

青木繁や岸田劉生、長谷川利行らの作品が並びます。

長谷川利行は、福島の洋画家である吉井忠から話を聞いたことで興味を持ち、収集に力を入れていました。

他にも野田英夫の《少女》や鳥海青児の《けし》、高橋忠彌作品などが並びます。

資料として、河野氏が描いた油絵も紹介しています。

 

~展示室B~

井上長三郎、山中春雄、麻生三郎、小山田二郎、そして鶴岡政男の作品が並びます。

鶴岡政男もまた、河野氏が好み、力を入れて収集していた画家の一人です。

今回は奥の壁一面を鶴岡作品でまとめました。

中央には佐藤玄々(朝山)の《青鳩》、梅原龍三郎の小さな彫刻などを展示しています。

 鶴岡政男や桂ゆきの彫刻。そしてこけしやだるま、獅子頭など・・・

ジャンルにとらわれない幅広さと自由さは、河野コレクションの魅力のひとつです。

 

 ~展示室C~

谷内六郎や中原淳一、竹久夢二や小村雪岱。

そして河野氏が少年期に魅了され、「宝石のような輝き」を感じたというガラス絵が並びます。

きらめく小さなガラス絵の数々はとても美しいです。

ぜひじっくりご覧ください。

 

~展示室D~

最後の部屋では、初山滋や武井武雄などの愛らしい作品や、藤森静雄、田中恭吉、川西英、谷中安規らの木版画。

そして長谷川潔や浜田知明らの銅版画を展示しています。

最後には吉井忠が描いた河野保雄氏の姿も。

前期は全部で261点の作品が並んでいます。

展示替えで少し作品をかえ、7月17日から後期展示です。

河野氏の「美のおもちゃ箱」の中から、お気に入りを探すような気持ちで、作品をお楽しみいただければ幸いです。

会期は9月1日(日)まで。

入場料は一般・大学生270円、高校生以下は無料です。

*企画展「やなぎみわ展」(7/6~9/1)観覧券で、常設展示もご覧いただけます。

 

7月28日(日)14時からは、特別講演会「生きている河野保雄コレクション」を開催します。

講師:早川博明(当館館長)

会場:当館講堂

申し込みは不要です。ぜひご来館ください。

2019年度常設展第Ⅰ期

3月26日(火)より企画展で伊藤若冲展が開幕しましたが、同日より常設展も2019年度第Ⅰ期展示が始まりました!
早速ご紹介していきます。

 

まず第1室目では、当館自慢の日本画の名品を展示しております。若冲展では水墨の作品が比較的多いですが、こちらでは鮮やかな着色の画面をお楽しみ頂けます。展示期間の季節とあわせ、春や初夏のさわやかな空気が感じられる作品が多いです。

小茂田青樹『薫房』や山口華楊『畑』、池田遙邨『大漁』など、見ているだけで自然の生き生きとしたエネルギーを感じられます。

  

また、風景画の他、人物画も展示されています。橋本関雪の『倪雲林』はかなり巨大です。速水御舟『女二題』、安田靫彦『茶室』、根上富治『笛』など、しっとりとした美しさには息を呑んでしまいます。

  

 

続いて第2室では、「生誕100年 橋本章特集展示」を行っております。
橋本章(1919-2003)は、第二次世界大戦後の福島を舞台に、鮮烈な活動を展開した造形作家です。橋本は、妻の故郷である福島県伊達地方で教師の職を得ながら、創作活動を展開し、地元の画家や人々を巻き込んでさまざまな美術運動を展開しました。
画家の生誕100年にあたる本年、橋本作品を所蔵する美術館・ギャラリーが、同時多発で展覧会を開催することになり、当館での展示もその連携事業の中の一つとして位置づけられています。
素描から特大サイズのタブロー、オブジェなど、多岐にわたる作家の創作活動をご紹介しております。

   

   

 

次の第3室目は、海外作品のコレクション展示です。
印象派をはじめとするフランス美術の名品紹介では、コロー、モネ、ピサロやルノワールを展示しています。印象派のきらめく風景作品はこの季節に相応しく感じますね。また、彼らの他、サーカスを題材としたルオーの多色刷りの版画もご覧頂けます。

  

 

そして、アメリカ美術の紹介では、当館の目玉作家であるベン・シャーンとアンドリュー・ワイエスを展示しています。
《ラッキードラゴン》をはじめ、シャーンの作品には作家の強い意志が込められています。
ワイエスでは、人気の《松ぼっくり男爵》が今期は出品されています。緻密な水彩表現の極地をご堪能頂きたいです。

  

 


最後の部屋は、版画のコーナーです。
まず左壁面にあるのは、福島県を代表する版画家の斎藤清の木版作品です。眼光鋭い猫ちゃんや妙に迫力のある赤ん坊、霊峰とその麓に集う牛達などユニークな作品が並びます。

  

 もう片方の壁では、追悼展示として、昨年ご逝去なさいました浜田知明と秀島由己男の版画を並べています。小さな画面の中に深遠な世界が広がっています。


現在開催中の常設展第Ⅰ期は6月23日(日)まで!
若冲展チケットの半券でもご鑑賞頂けますので、是非ともご鑑賞ください。

2018コレクション展第Ⅳ期

美術館では年明け1月8日より、常設展第Ⅳ期を開催しております。本年度最後の常設展です。

 

一室目は、現代の日本画にフォーカスを当てた内容です。ガラスケースの中には、福田豊四郎、仲山計介、佐藤多持の屏風が並びます。豊かな色彩や幾何学的な構図の面白さを感じられるでしょう。

 

 

向かい合う壁では、朝倉摂の作品を素描も含めて展示しています。スケッチだけ見ていても、画力の高さが充分に分かります。

   

 

奥に進むと、神秘的な世界を描いた星野眞吾、そして上野泰郎の大作が2点あります。人体のスケッチも併せて展示していますので、そちらもご覧下さい。

  

 

そして、この部屋で一番大きいのが横山操の作品。圧倒的な存在感を放っています。

 

 

続いて二室目では、近代の洋画を展示しています。

大正期の作品では、万鉄五郎、岸田劉生、恩地孝四郎、関根正二、木村荘八など。 

 

 

昭和に入ると大型の作品が増えてきます。元永定正、山口長男など具体の作品、杉全直、脇田和が一面に並びます。

 

 

そのほか、福島にゆかりのある作家として、鎌田正蔵、土橋醇、若松光一郎、田口安男の力作を展示しています。

 

広い空間で一望すると、作品が持っている美しさをとてもよく感じられますね。

 

三室目は、海外の作品展示です。アメリカ美術では、ベン・シャーンとジョン・スローンを展示しています。

 

今期のベン・シャーンは、19世紀末にフランスで起きたドレフュス事件を題材にしたシリーズとポスター画をご覧頂けます。

 

 

フランス美術では、ドーミエの風刺画が一面に並びます。人の特徴を的確かつユーモラスに表現する手腕には驚きです。

  

 

 そのほか、石原コレクションからロダンの彫刻を3品展示しています。ロダン独特の人体表現ですが、生命感溢れる美しさが感じられます。

 

 

最後の部屋は、斎藤清の木版画と日和崎尊夫の木口木版を展示しています。

今期の斎藤清の内容は、季節に合わせて「会津の冬」シリーズです。描かれているのは豪雪の様子ですが、画面からはどこか温かみが伝わってきます。

 

 

もう一方では、木口木版の魅力をテーマに、日和崎尊夫と柄澤齊(後期展示)を取り上げました。

木口木版とは、ハンコなどの印材に用いるつげや椿などの硬い木の木口(木を輪切りにした面)を版材に用いる版画技法です。

前期展示の日和崎尊夫は、詩画集『卵』を展示しました。至近距離で見ても確認しきれないほどの細密な線で版が彫られています。詩と併せて鑑賞することで、作品の幻想的な世界に浸れます。

 

 

現在開催中の常設展Ⅳ期は3月10日まで。

温かい美術館の中で作品を見てほっと一息つくのも、素敵な冬の過ごし方でしょう。

みなさまのご来館をお待ちしております。

2018コレクション展第Ⅲ期 開催中

現在開催中の「佐藤玄々展」にあわせて、常設展では今年度第三期目を開催しています。

今回も中身の濃い展示です。

 

まず一室目。ここでは河野保雄コレクション、安齋勇雄コレクションの特集展示を行っております。二人は共に福島市に生まれ、福島商業高等学校で学んだ経済人であり、コレクターです。

劉生、村上華岳、青木繁、松本竣介などの優品もお持ちの方でした。

   

 

また、一方では荻原朔太郎による詩集『月に吠える』の挿絵(田中恭吉、恩地孝四郎)をまとめて展示しています。(安齋コレクション)

コレクターの作品を見る「眼」の確かさをご実感頂けると嬉しいです。

 

 

二室目は、大山忠作と室井東志生の特集展示、そして玄々展にちなんで福島の彫刻家の作品を並べています。

日本画はいずれも大作です。存在感に圧倒されてしまいます。そして、室井東志生の3作品『悠(柳家小さん像)』、『白煌(楊貴妃に扮する玉三郎像)』、『洸』は昨年度新たに収蔵されたものです!

     

 

もう一方の彫刻作品においても、今回は人物像を中心に出品しています。木の質感を大事にして彫り出しているのが、鑿の跡から感じられます。

 

 

続いて三室目は、海外の名品展示です。ワイエス、ベン・シャーン、そしてエルンストを多めに出しました。

ラッキードラゴンとヤノベさんのコラボレーションは今期も継続展示です。

   

 

フランス美術の壁面ではモネ、ピサロ、ゴーギャンが並びます。モネは巡回展から帰ってきて、久しぶりのお目見えです。

 

 

最後の四室目は、版画のコーナーです。今期は片側が斎藤清のパリシリーズ、もう一方が秀島由己男、そして今年亡くなられた浜田知明氏を追悼しての特集展示です。小型ながらじっと見ていると作品の深い世界に吸い込まれそうです。

    

 

   

 

今期の常設展は12月24日(月・祝)まで!お見逃しないよう是非お越し下さい。

2018コレクション展Ⅱ 開催中

いよいよ夏がやって参りました。暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

美術館では、先週ポーラ美術館展が終了し、来週末からは安西水丸展が始まります。

その合間の先日、常設展の展示替えをしました。 展示を簡単にご紹介いたしましょう。

 

展示室に入ると、その涼しさ、また夏の日本画の美しさにほっとします。

池田遙邨《大漁》、酒井三良《水郷の一日》、速水御舟《女二題》、安田靫彦《茶室》などを展示しています。

暑さに参っていた心がすうっと静まります。

 

奥には伊砂利彦と柚木沙弥郎の型絵染。

伊砂利彦の作品からは自然の音や音楽がきこえてくるようです。柚木沙弥郎の作品からもリズムを感じます。

 

展示室Bでは、今年亡くなられた保田春彦氏を追悼して《季節の残像》シリーズを展示しています。

まるで家々の間を散歩するように巡りながらご覧いただけます。

洋画は、田渕安一、針生鎮郎、橋本章、深沢軍司、村上善男、高橋幸之、高橋克之、玉川信一、佐藤幸代など。

 また、いつもの関根正二も展示しています。今回は《神の祈り》など。

 

展示室Cはベン・シャーンとヤノベケンジのコラボレーション。

第五福竜丸事件に取材したベン・シャーンの《ラッキードラゴン》と、ヤノベケンジの《ラッキードラゴン構想模型》。

舟の上では、東日本大震災後の2011年8月に開催したワークショップ「トらやんの空飛ぶ方舟大作戦」の映像が流れます。

今回はさらに一般財団法人ふくしま自然エネルギー基金より《サンチャイルド1/10模型》をお借りし展示しています。

サンチャイルドはベン・シャーンのラッキードラゴンのほうを向きつつ、上を向いて未来を見つめています。

 

東日本大震災に際し、ヤノベさんからは大きな力をいただきました。今度はヤノベさんの地元大阪へ福島からエールを送ります。

大阪北部地震で被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

最後の展示室Dは版画の展示。

斎藤清は1950年前後の女性像。《凝視(花)》に至る試行錯誤をみてとることができます。

 

前川千帆は《野外小品》より。勢いよく彫刻刀でかたちを彫りだしていきます。

 

コレクション展Ⅱは10月14日まで。途中一部展示替えを行います。

ぜひご覧ください。

コレクション展Ⅳオープンしました!

新年あけましておめでとうございます。
美術館もあらたにコレクション展Ⅳがオープンしました。

まず第一室目。酒井三良と日本画の名品を展示しています。


また、あらたにご寄贈いただいた朝倉摂の日本画を展示しています。本画とともにスケッチもご覧いただけます。


第2室は、いわきの洋画として、若松光一郎と田口安男の絵画をご紹介しています。

田口安男はこのたびご寄贈いただいたスケッチや作品をまとめて展示しています。

第3室はワイエスとベン・シャーン。ベン・シャーンは《ラッキー・ドラゴン》や《リルケ「マルテの手記」より》などを展示しています。

そのほかモネやルノアールも展示しています。

第4室は、「それぞれの黒あるいは闇」と題して、鏑木昌弥、秀島由己男、平野充の作品を展示しています。
技法はそれぞれまったく異なるのですが、黒のなかにあらわれるさまざまな表現に新鮮な驚きがあります。


ホールでは年賀状展も始まっています!
本年も美術館をどうぞよろしくお願いいたします。

常設展示第III期が始まりました!

朝晩はすっかり冷え込み、いよいよ秋が深ってきました。

さて、美術館では9月30日から常設展示第III期が始まりました。
この季節にぴったりの作品をご用意しました。



左は、紅葉深まる会津の風景を描いた斎藤清の《秋の只見》
この作品では水面にくっきりと映し出された山並みが目を引きます。
まるで湖のよう、ゆったりとした只見川の流れを思い出しますね。

そのほかにも《磐梯山》やヒマラヤ山脈を描いた《バドガオンの月》など、
ちょっとした山特集になっています。


第一室 

次の部屋に行ってみましょう!

こちらの部屋では当館が誇る関根正二と大正時代の洋画を集めてみました。
昨年新たに発見された関根の作品《茅葺屋根の農家のある風景(仮題)》もありますよ。
当館所蔵・寄託の関根の油彩画を(ほぼ)一挙公開です。



右から二番目の作品は関根の《姉弟》。
おねえちゃんにおんぶしてもらう幼児の顔が何ともかわいらしい作品。
童謡の「あかとんぼ」を思わず口ずさみたくなる、ノスタルジックな作品ですね。




向いの壁にはフランス絵画を展示しています。
モネとピサロの作品が並ぶのは、実に1年ぶりです。


第二室

次の部屋は故・河野保雄(こうの・やすお)氏からご寄贈いただた作品を展示しています。
ここには、素朴な味わいのガラス絵が勢ぞろいしています。

 


最後の部屋は、大正から昭和にかけて創作版画運動の旗手として活躍した恩地孝四郎(おんち・こうしろう)の作品を展示しています。
恩地は、会津の版画家・斎藤清とも親交がありました。




そうそう、今月7日(土)にはこの秋イチオシの企画展「斎藤清からのメッセージ」展が始まります。ただいま展示作業の真っ最中です。

秋のレジャーは県立美術館へ。皆さんのご来館を心よりお待ちしております。

常設展第Ⅱ期紹介②

前回に引き続き、現在開催中の常設展をご紹介します!

〈三室目〉
お待たせしました。ベン・シャーンとアンドリュー・ワイエス、人気の両作家が今期では展示されています!

ベン・シャーンはポスターや油彩作品などを展示しています。一番大きい作品は《ラッキードラゴン》です。

ここに描かれているのは、第五福竜丸事件(1954年)で被爆された久保山愛吉さんです。作者の思い、久保山さんのこと、「死の灰」・・・いろいろなことに思いを馳せずにはいられない作品です。
この他、アメリカの街と人々を撮影したシャーンの写真も展示しています。(オリジナルはハーバード大学附属フォッグ美術館所蔵です)

ワイエス作品は、壁一面に5点!並べて展示しています。ワイエスの世界を堪能できます。


両作家以外にも、モネ《ジヴェルニーの草原》、ルノワール《帽子を被る女》、コロー《ヴィル・ダヴレー》など展示しています。

〈四室目〉
最後の部屋にたどり着きました。今回、片方では斎藤清、もう片方では小関庄太郎を特集として組みました。

斎藤清は、〈霊峰〉シリーズを展示しています。富士山の描かれ方と前景のモチーフの形が呼応しているのが分かります。お越しになったら、牛が何頭いるのか是非、数えてみてください。


反対側には小関庄太郎の写真が展示されています。1階で開催中のラルティーグ展と絡めての展示です。琴線に触れるような、郷愁を誘う作品群です。


盛りだくさんな常設展Ⅱ期の会期は9月24日まで、ラルティーグ展は9月10日までの開催です。お見逃しなく!

常設展第Ⅱ期紹介①

現在、常設展示の第Ⅱ期が開催中です!
展示内容の一部をご紹介します。

〈一室目〉
今期の日本画は、夏を感じさせる作品を展示しております。横山大観、酒井三良などなんとも涼しげです。


圧巻なのは、池田遙邨の《大漁》でしょう。まるで自分も海の中にいるような気がしてきます。



現代の日本画では、上野泰郎、内田あぐり、津田一江の作品を展示しています。



屏風の反対側を振り向くと、佐藤朝山(玄々)の彫刻が5点あります。
相馬市出身の彫刻家です。日本橋・三越本店の天女像で有名ですね。
ウサギさんのつぶらな瞳がかわいらしいです。

でも是非後ろ側にもまわってみてください。

この丸み!とてもホワホワしてそう・・・!

突き当たりのコーナーにきました。安井曾太郎、岸田劉生等から脇田和、田淵安一までの近代洋画を展示しております。

関根正二は《姉弟》の他、水彩やインクによる小作品も出品しています。



〈二室目〉
今期は、抽象絵画のコレクションを公開しています。
田中敦子の丸い作品がお出迎えしてくれます。


壁面の裏にまわると、、、

菅井汲の箱型作品が現れます。

絵画の方も山口長男、堂本尚郎などなどスケールが大きい作品が並びます。

迫力のある展示室です。

ぜひ、確かめにいらしてください!
以上、一室・二室の紹介でした。残る三室・四室の様子も随時アップしていきます!


常設展Ⅰ期ご紹介②

6月もそろそろ終わりですね。
4月から始まった常設展Ⅰ期も同じく終わりに近づいてまいりました。
今回は展示室B・Cの様子を紹介します。

展示室Bでは洋画を展示しています。「あなたが生まれた時代の絵」をキーワードに、作品が制作された時代の社会的出来事もキャプションで併せて紹介しています。

左から、関根正二
『井上郁像』、清水登之『十四番街の地下鉄駅』、宮川教助『逍遙』、石井柏亭『果樹園の午後』


左:橋本章『国鉄新幹線』、右:針生鎮郎『王と妃・面ーM』

展示室Cでは海外作品を展示しています。

左から、ゴーギャン『ブルターニュの子供』、モネ『ジヴェルニーの草原』、コロー『ヴィル・ダヴレー 林をぬけてコロー家へ向かう池沿いの道』
そのほか、ピカソの版画やロダンの彫刻なども展示しております。モネ、コロー、ロダンなどは、1Fのミューズ展にも出品されている作家です。常設展に出ている作品と比較してみると、違いや発見などが感じられるかと思います。

常設展Ⅰ期は7月9日まで、ミューズ展は7月2日までです。
まだご覧になっていない方は、ぜひお越し下さい!

常設展Ⅰご紹介

現在、福島県立美術館では、ミューズ展の他に今年度Ⅰ期目の常設展を開催中です。
今日はその展示風景の一部をご紹介いたします。

展示室を入ってすぐの様子です。

両側に並んでいるのは工芸作品です。福島にゆかりのある作家達の手によるもので、大小さまざまな作品を展示しています。工芸作品を展示するのは久しぶりなので、この機会に是非ご覧になっていただきたいです。

また、昨日展示替えをおこない、最後の部屋がすべて後期展示になりました。今期は、谷中安規と斎藤清の版画を扱っています。

谷中作品は、ご覧の通り小さいですが、幻想的な雰囲気で満ちており、作品の世界はとても広大です。

常設展Ⅰ期は、7月9日(日)までです。
みなさまのお越しをお待ちしております!

コレクション展Ⅳ

新年あけましておめでとうございます。
美術館では本日より2階常設展示室にてコレクション展Ⅳが始まりました。
その内容について、各展示室ごとに簡単にご紹介いたします。

まずは展示室Aから。今回は現代の日本画を展示しています。



重厚で力強い作品たちです。

展示室Bでは抽象絵画を展示しています。


また、新収蔵作品についてもご紹介しています。


展示室Cは海外の作品。
ベン・シャーンのポスターや、ラッキードラゴンなど。その発する問いかけに考えさせられます。


また、いつもお問い合わせをたくさんいただくワイエスの作品も。


ルオーの作品も展示しています。


最後の展示室Dでは版画を展示しています。
斎藤清は外国シリーズ。


山中現は《時の器》シリーズ全作品を展示しています。

版画は半期で展示替えを行い、後期は安部直人の作品を展示予定です。

1階企画展示室では、学校連携共同ワークショップ参加校作品展を開催中です。
また、12日からはホールにて毎年恒例の年賀状展が始まります。

本年も美術館をどうぞよろしくお願いいたします。

コレクション展Ⅲご紹介 その3

現在開催中のコレクション展ついて、今日は河野保雄コレクションと石原コレクションをご紹介します。

まずは河野保雄コレクション。

福島市の実業家・故河野保雄氏が蒐集されたコレクションから、洋画を中心に展示しています。
小ぶりながらどれも宝石のようなきらめきを放つ作品たちです。

石原コレクションはⅡ期から内容を変えて展示しています。

ロダンなどの彫刻のほか、小磯良平の版画や佐藤忠良の素描など。

1階の企画展示室で開催中の広重ビビッド展は今週から後期展示が始まり、2階常設展の版画も先週展示替えをしました。
あらたな魅力を発見に、ぜひご来館くださいませ。