2016年8月の記事一覧
ワークショップ絵本完成しました!
8月7日(日)に開催した、親と子の美術教室「みんなで絵本をつくろう!!」の絵本が印刷製本され、当館に届きました!
絵本のタイトルは「どんなこえでなくのかな?」
参加者のみなさんの作品が各4ページずつ入り、一冊の絵本になっています。
さらに、最後の方には、ワークショップ中の参加者の様子や集合写真などが入っています。
思い出に残る、素敵な絵本ができあがりました!
28日(日)まで、1階企画展示室ショップ付近にある「読書コーナー」に展示しています。
ご来館の際はぜひご覧ください。
親と子の美術教室「みんなで絵本をつくろう!!」
8月7日(日)、当館実習室にて、親と子の美術教室「みんなで絵本をつくろう!!」を開催しました。
講師は絵本作家の加藤志異さん。
アシスタントに西田伸昌さんをお迎えしました。
まずは加藤さんが文を書いている絵本のよみきかせ。不思議なおはなしにみんな興味津々です。
次に参加者とスタッフみんなで自己紹介。加藤さんから「お名前と、好きな妖怪をひとつ言って下さい。」とお題が出されます。和気あいあいと自己紹介が進みました。
さて、今回のワークショップで加藤さんからだされたテーマは、
「どんなこえでなくのかな?」
参加者のみなさんに自由に動物やおばけ、ロボットなどを描いてもらい、どんな風に鳴くのかを考えてもらいます。例えば、巨大な怪獣が「ギャパギャパギャパ!!」と鳴いたり、河童が「ヤーポーヤーポー」と鳴いたり・・・。
テーマに合わせ、子ども達はお母さんやお父さんに相談しながら、好きな動物やオリジナルのキャラクターなどを描き、鳴き声を考えます。
下描きができたら、加藤さんからアドバイスをもらい、今度は本番の紙に描きます!
色鉛筆などを使ってきれいに絵を完成させていきました。
描き終えて、時間のある参加者の方々は企画展示室へ。今回のワークショップは、企画展「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展に合わせたものでした。
ゴーリーの絵本は、絵だけではなくテキストも魅力的です。彼は「絵をやる前にテキストが全部できていないとだめだ」とインタビューでも語っているほど、ことばへのこだわりを持ち、遊び心を作品の随所に含ませています。
みなさんが戻ってきたら、発表会。ひとりひとり自分が描いたページを見せながら、発表します。
子ども達の手によって生みだされたキャラクターたちが、様々な鳴き声で現れます。
発表会が終わると、加藤さんによる絵本のよみきかせ。子ども達は真剣におはなしに聞き入ります。
最後に、加藤さんから「みなさんの夢を書いてください」と紙を渡され、ひとりひとり自分の夢を書きました。
その紙を元に、加藤さんによる「夢の演説」が繰り広げられ、大盛り上がりの中、ワークショップは終了しました。
みなさんが描いた絵本は、後日印刷製本され、参加者の方々に送り届けられます。完成した絵本を見るのが楽しみです!
加藤さん、西田さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
ゴーリー展ギャラリートークを開催しました!
猛暑となった8月6日(土)、濱中利信さんによるギャラリートークを開催しました!
濱中さんは、日本におけるゴーリー研究とコレクションの第一人者であり、今回の「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展にご出品いただいています。
展示室をめぐりながら、ゴーリー作品の特徴やポイントとなるキャラクター、コレクションにいたる裏話まで・・・と幅広くお話しいただきました。
ゴーリーの代表作のひとつである『うろんな客』。そこに登場する鼻の長い謎のいきもののぬいぐるみ。これは濱中さんのコレクションのひとつです。
このぬいぐるみは、ファンが勝手に制作し、箱までつくったもの。しかし完成後心配になり、ゴーリーに確認したところ、販売を認め、その上サインまでしてくれたそうです。
50体ほどあり、マフラーの裏にそのシリアルナンバーとゴーリーのサインが入っています。(展示ではマフラーの裏を見ることができません)
作品から怖い人というイメージを抱かれることが多いゴーリーですが、実際は気さくな方だったようです。
また、ゴーリー作品によく現れるものについても濱中さんからご紹介がありました。顔の長い人、コートを着た人、ブラックドール・・・。
「ブラックドールとはなにか?というのを考えるのも面白いかもしれません。私のなかでは、映画監督ヒッチコックの“マクガフィン”のようなものではないかと考えています。なんでもないけど、ちょっと気になるもの、注意をそちらに引かせるもの。そういうものではないでしょうか?」
ゴーリーの世界に引き込まれていくのも、このような仕掛けが様々なところに散りばめてあるからなのかもしれません。
『キャッテゴーリー』は、1~50までの数字と一緒にほのぼのとした猫たちの姿が描かれています。濱中さんはその中の4点の原画をお持ちです。No.19、26、34、52。52番?
「実は50枚じゃなかったらしいんです。最初の計画だと100枚つくる予定だったみたいですね。どういう訳か頓挫してしまい、50枚分だけで出版されたようです。」
51番を持っているコレクターの方もいるとのこと。これから別の番号の猫たちが見つかるかも・・・?
これもゴーリーの謎のひとつになるのかもしれません。
濱中さんが今回の展示の中で「個人的に一番の目玉」とお話していたのは絵封筒。
展示している絵封筒は、ゴーリーが母親に宛てたもの。
濱中さんは、これをもらった人はうれしいとしつつも、中には「これをお母さんに送ったら心配しちゃいますよね?」というものも・・・。
お客様からも笑い声があがります。
他にも海外のコレクター仲間との交流や、これから手に入れたいものなど、コレクターの濱中さんならではのお話をたっぷりと伺い、約1時間、ゴーリーの魅力にじっくりと浸ることができました。
ギャラリートーク終了後には、濱中さんのサインと、今は発売されていないゴーリーのスタンプを押していただく時間が設けられました。
午前・午後と2回にわたりお話しいただいた濱中さま、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
コレクション展Ⅱ エルンスト『博物誌』
常設展示室の最後の部屋では、清宮質文の版画の正面に、マックス・エルンストの『博物誌』を展示しています。
全34点のうち、現在13点を展示しています。
様々なものの表面をこすりだすことによって生まれた偶然の模様から、幻想的なイメージが広がっています。
1階の企画展では「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展(~28日まで)を開催していますが、エルンストは、1972年にアメリカのゴサム・ブックマート・ギャラリーでゴーリーの作品を見て、非常に興味を示し、熱狂的な賞讃を与えました。また、ゴーリーは、「マックス・エルンストのコラージュ作品は素晴らしい」とインタビューで話しています。
常設展、企画展とぜひ両方をお楽しみください。
わんぱくミュージアム「ものの表面採集をして、描いてみよう」
7月31日(日)の10:00~15:00、当館エントランスホールにて、わんぱくミュージアム「ものの表面採集をして、描いてみよう」を開催しました!
講師は多摩美術大学教授、美術家の海老塚耕一先生。
小学生から高校生まで幅広く参加者が集まりました。
まずは海老塚先生から、「フロッタージュ」という技法について簡単な説明がありました。参加者のみなさんは「フロッタージュ」という言葉は聞いたことがないようでしたが、「コインの模様とか鉛筆でこすりとったことない?」と聞かれると、ピンときた子もいたようでした。
その「フロッタージュ」を使っている作品を見に行こう!ということで、2階の常設展示室へ。4つに分かれた展示室の最後に、その作品は展示されています。
マックス・エルンスト(1891~1976)の『博物誌』(1926年)。現在34点のうち、13点が展示されています。そこで当館学芸員から作品について説明を聞き、作品をじっくり鑑賞しました。
「この作品はどんなものをこすっているか分かる?」という問いかけには、参加者のみなさんから「木」「布」「葉っぱ」などと、作品から思い浮かぶものが出されます。さらに、エルンストの作品は、タイトルもおもしろい。《予防接種を受けたパン》というタイトルに子ども達から「え~!」という声が上がります。
鑑賞が終わったら、いよいよ表面採集!まずはみんなで大きな紙にエントランスホールの床のでこぼこをうつしとります。小学生から高校生、そしてスタッフが入り交じり、大きな紙がエントランスホールの床の表面で埋められていきます。
次は自分で探してみよう!表面採集図鑑と鉛筆、クレヨンを手に、美術館の外や中でエントランスのスロープのデコボコ、傘立て、庭にある岩、木、石畳、壁・・・いろいろなものの表面を採集していきます。
お昼をはさみ、午後からは表面採集したものを元に、ひとりひとりの作品づくり。
紙に描きたいものの輪郭線を描き、中をフロッタージュで埋めていき、色とりどりの作品ができあがりました!
最後に完成した作品をみんなで囲み、最後に鑑賞会。
普段何気なくみているものも、少し視点を変えてみてみると、作品づくりのおもしろい素材になる。そんなわくわくした一日になりました!
今回の企画は、たくさんの方々にご協力をいただきました。
講師をしてくださった海老塚先生、一般社団法人CWAJのみなさま、多摩美術大学のみなさま参加して下さったみなさま、ありがとうございました!
今回のワークショップでつくった作品は、「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展の会期中、エントランスホールにて展示しています。ぜひ会場に来て、みなさんの作品をご覧下さい!