カテゴリ:常設展

コレクション展III、マイナーチェンジしました。

2012年、今日から開館です。コレクション展IIIは年末から引き続きですが、
版画など少しだけ展示替をしました。



新しく出た作品の中からご紹介します。森田恒友《日本風景版画第二集会津之部》の「檜原湖畔」。
恒友が大正5年に会津を訪れて取材したものです。



シャガール《死せる魂》(1923-25年)。祖国ロシアの作家、ゴーゴリの小説を版画にしたもの。
亡命したシャガールの、故郷への思いが込められています。



斎藤清の《会津の冬》(1970-96)は「交通標識」「洗濯物」が描かれているもの特集です。
生活感あるモティーフでも、斎藤さんの手にかかるとモダンに変身。ちょっと今日の美術館の景色みたいです。

 

「河野保雄コレクション展」でも、竹久夢二、武井武雄の版画、ガラス絵などを展示替しました。
比べてご覧いただきたいのが二羽の鳥。佐藤玄々(朝山)の圧倒的技術を見せつける《青鳩》(1930年)と、
画家・鶴岡政男の手びねりのような《鳥》(1951年)。



 

1月31日まで開催しています。

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コレクション展IIIもはじまりました。

今年度3回目の常設展示、「コレクション展III」、はじまっています。
昨日、そのなかの特集「河野保雄コレクション」はご紹介しました。
ほかの展示をご紹介しましょう。

まず、テーマ1「日本美術院」。明治時代に岡倉天心が創設、現在まで巨大な存在感を保っている美術団体です。
横山大観、下村観山、今村紫紅、速水御舟ら巨匠の作品と、福島出身の酒井三良らの作品を展示しています。

 



この佐藤朝山(玄々)の作品も、横井美恵子さんのコレクションを
寄託していただいているものです。

テーマ2「大正の洋画」
白河市出身の関根正二を中心に、木村荘八、安井曾太郎らの大正時代の作品。
おすすめは関根の「一本杉の風景」。景色が真っ赤に見える関根に、今こそ共感。




テーマ3「海外の名作」
アンドリュー・ワイエスの「そよ風」など。
シャガールの版画集「死せる魂」は、モノクロに抑えられた詩情がなんとも。




テーマ4「斎藤清の会津」
「会津の冬」シリーズから14点、会津の風景7点。
全部実景ですが、たまに登場する人影は、実際より小さく描かれています。
雪のかたまり感にどきどきする名品。




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「特集・河野保雄コレクション展」開催しています。

常設展示室では、「特集・河野保雄コレクション展」を開催中です。



去年から当館では、河野保雄さんから、なんと234点の作品を寄託していただきました。
その中から、52点を展示しています。

福島市内でビル業を営み、音楽評論家でもある河野さんは、日本を代表する洋画コレクターの一人です。
昭和30年代からずっと、個性的で、バラエティ豊かな作品を蒐集されてきました。

青木繁、岸田劉生、関根正二、長谷川利行など、どちらかというとアウトサイダーな作家をいちはやく評価したのが河野さんです。

 

宝石箱のようなガラス絵や、竹久夢二、初山滋の挿絵原画なども、思わず「こんなの自分も欲しい!」。
これまでの当館にはなかった、いとおしさです。

 



河野さんが平成2年から18年まで福島市内に開いた「百点美術館」。
ちょっとそれを思い出させる、サロンのような空間になりました。

このように、寄託作品(個人の方などからお預かりしているもの)も収蔵品に準じた作品として、常設展示室で活躍しているんですよ。

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