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ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ
3月24日より開幕した企画展「ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」。
5月10日までの開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月19日から5月6日まで急遽臨時休館となりました。
観に行く予定だったけれども行けなかったという方もいらっしゃるかと思います。web上ではありますが本展についてこれから何回かにわたりご紹介していきたいと思います!
まずは、素晴らしい作品群をお貸出し頂いた「ブダペスト国立工芸美術館」についてご説明します。
同館の創設は1872年に遡ります。1896年に建築家エデン・レヒネルの設計によって建物が生まれ変わり、ハンガリアン・アールヌーヴォーを代表する記念碑的建築となりました。まさに建物自体が作品です。(ちなみに美術館の屋根には、ジョルナイ陶磁器製造所製のタイルが使われているんですよ!)
そして当時の館長イエネー・ラディシッチ氏の下で、若い世代の芸術家達を刺激するような名品・優品群が収集され、また同時に彼ら現代作家の作品も多く購入されました。その結果、国際的に名高い第一級のアール・ヌーヴォーコレクションが形成されるに至ったのです。
会場展示室にて ブダペスト国立工芸美術館の外観・内観写真紹介コーナー
本展のテーマは「ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」。
同館から本展には、日本趣味、いわゆるジャポニスムの影響が感じられる作品群がセレクトされ出品されています。
19世紀半ばに開国した日本から多くの文物が西洋に渡り、欧米では日本ブームが巻き起こりました。新しい表現を開拓したいと模索していた芸術家達にとって、目新しい日本の文物や美術作品はまさに天からの啓示のようなものでした。
浮世絵が印象派やゴッホなどのポスト印象派に影響を与えたことは広く知られているかと思いますが、このように日本の品々が欧米に影響を与えた文化現象のことを「ジャポニスム」というんですね。
ジャポニスムが瞬く間にもてはやされた後、19世紀末に流行を見せるのが「アール・ヌーヴォー」様式です。
アール・ヌーヴォーは表現としては、有機的な植物モチーフや流線的な表現が特徴です。その根底には、自然そのものの造形美に目を向け、芸術品に取り入れる日本美術の考え方・姿勢が影響源のひとつとして表れています。
本展に出品されている作品も、日本美術の造形的特徴やモチーフを率直に反映させたものから、さらに一歩踏み込み、作者のオリジナル性溢れる表現へと昇華させたものまで様々な形で日本美術のエッセンスが表現されています。
ジャポニスムからアール・ヌーヴォー期の宝石のように美しい工芸品を通して、西洋から見た日本、また私たちが考える「日本らしさ」「西洋らしさ」に思いを馳せることができる展覧会です。
次回からは、展示風景をご紹介していきます!
「ジャポニスム展」作品についてご紹介いただきました
「ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへー日本を夢見たヨーロッパ工芸」
中止となったゲストトーク(4月18日)と創作プログラム(4月19日)の講師、ガラス作家の近岡令さんより、作品についてご紹介いただきました!
「アートカード★チャレンジ」展終了しました
掲載が遅くなりましたが、3月8日(日)「コレクション再発見2020」で開催していた「アートカード★チャレンジ」展が終了しました。
今回展示を考えてくれたのは、福島市立野田中学校の3年生117名の生徒さん達でした。
2月29日(土)に予定されていた代表生徒によるギャラリートークが中止となりました。
また、会期中に、3年生全員で展覧会を観覧する予定でしたが、臨時休校となりみんなで一緒にご覧いただくことができませんでした。
少しではありますが会場写真を掲載し、来場者の方々からいただいたメッセージを紹介したいと思います。
展覧会会場前の看板 「アートカード★チャレンジ」展入り口
今回の活動は、第3学年の生徒、4クラス117名の美術科の授業で実施されました。
はじめにアートカードを用いたゲームで当館の収蔵作品に親しみました。その後、クラスごとに展示のテーマを考え、下記の4つのテーマが決まりました。
1組…「孤独」 2組…「Face」
3組…「Let’s think !」 4組…「Sky Sea」
最後に、各クラス4,5名で6つのグループに分かれ、テーマに合うと思う作品を1点ずつ選び、作品に対して感じたことや考えたことなどをまとめました。
それぞれのクラスの展示をご紹介します。(順番は会場内の順路、太字は生徒からのコメントなど)
2組「Face」
人の顔はそれぞれ個性をもっていて、表情の表現の仕方も違ってくるから、いろいろな顔があるという気持ちからこのテーマにしました。
選ばれた作品は、右から
ベン・シャーン《ラッキードラゴン》、国吉 康雄《婦人と子供》、脇田 和《窓》、
斎藤 清《凝視(花)》、玉川 信一《樹のある風景》、ピエール=オーギュスト・ルノワール《帽子を被る女》
ルノワール《帽子を被る女》には、生徒さんからこのようなコメントがありました。
「この顔を選んだ理由は、人物の顔の印象は優しいイメージを持っていますが、
背景は彼女の心情を表したかのような、薄暗い感じの色使いから、悲しさを連想させると思ったからです。」
4組「Sky Sea」
同じ青でも、空と海で違っていて、その違いや空の広さ、海の深さ、
自然の壮大さを数々の絵画で表現しているところを伝えたいと思い、「Sky Sea」というテーマにしました。
選ばれた作品は、右から
鎌田 正蔵 《小家族(A)》、カミーユ・コロー《ヴィル・ダブレー―林を抜けてコロー家へ向かう池沿いの道》、百瀬 寿《NE.Blue,Blue,Blue and Blue》
クロード・モネ《ジヴェルニーの草原》、福王寺 法林《バドガオンの月》、伊砂 利彦《瀬》
カミーユ・コロー《ヴィル・ダブレー》には、生徒さんからこのようなコメントがありました。
「この絵は、地面にある土や、暗い色などと対比させることによって、空の青さをとても強調しています。
全体的に黒が多いので、夜に近づいていることがわかります。
木々はいろいろな色を使ってあり、本物のように今にも動きそうな感じがします。」
1組「孤独」
人間関係の残酷さ、一筋の光に求めるもの、旅立ちの寂しさに、何か訴えかけるものを感じました。
その中に「孤独」というものが共通していたので、「孤独」というテーマにしました。
選ばれた作品は、右から
マックス・エルンスト『博物誌』《光の輪》、斎藤 清《会津の冬(51)》、野田 哲也 《日記1976年8月19日》、
アンドリュー・ワイエス《ガニング・ロックス》、山中 現 《第三夜》、速水 御舟《晩冬の桜》
速水 御舟《晩冬の桜》について、生徒さんからこのようなコメントがありました。
「みなさんの桜に対するイメージは何ですか?きっと春の満開の桜の様子を頭に浮かべると思います。
しかし、この絵のタイトルを読んでみてください。《晩冬の桜》と書かれています。
なぜ作者は冬の桜を描いたのでしょうか?
その桜は、すっかり葉が落ちていて、見どころがありません。背景も何一つ描かれていません。
でも、描いた理由があるはずです。
私たちは、この桜の心情を考えて描いたのでは、と推測しました。
春とは違って、人が寄り付かないことへの寂しさ、「孤独」さがあふれていると思います。
1組のテーマは「孤独」。この絵のイメージも「孤独」だと思います。」
3組「Let's think !」
このテーマにした理由は、いろいろな捉え方の出来る作品をあえて選択し、その作品について深く考えてほしいと思ったからです。
「Let's think (考えてみよう)」ということで、作品に思いを馳せてみてください。
また、私たちのキャプションも参考に、自分の捉え方を創作してみてください。
選ばれた作品は、右から
若松 光一郎《COMPOSITION・30.8.82》、橋本 章《武装する都市》、小林 浩《星辰軌道》、
マルク・シャガール《少年時代の思い出》、オノサト・トシノブ 《シルクNo.10》、吉井 忠《赤い風景》
若松 光一郎《COMPOSITION・30.8.82》について、生徒さんからはこのようなコメントがありました。
「音楽や楽器がたくさんあることで、この絵から何か音が聞こえそうだと感じました。
どんな音楽が聞こえてくるのか考えさせられる作品だと思います。また、夢の中のようにも思えます。
さまざまな向きでバラバラの文字のようなものが散りばめられていて、作者は何を伝えたいのか、見る人によって考えさせられる作品です。」
他にも、 展示室で生徒さんたちの活動の様子をパネルで紹介しました。
1:20の展示室模型に作品を並べてみながら、展示を考えました。
来場者からの感想やメッセージを一部ご紹介します。
~メッセージカードから~
- 皆さんが「チャレンジ」したと知り、私自身もこれらの絵を見たらどう感じるだろう、ということを意識して鑑賞しました。ただなんとなく眺めるよりも作品に一層興味がわき、あれこれ思いめぐらせながら皆さんの考察を読むひとときがとても楽しく感じました。たまたま立ち寄った美術館でのすてきな出会い、ありがとうございました。
- 中学3年生という多感な時期に、みなさんが絵をどう感じていらっしゃるのか、とても新鮮な気持ちで見せていただきました。これまで何度か見た作品もみなさんの解説のおかげで新しい視点をもつことができました。
- 紹介のところにあったみなさんの写真にうつる顔がいきいきしていて、みていてとても楽しかったです。テーマにそって絵を選び、思いを語る。そんな授業私も受けてみたかったな~。素敵な時間をありがとうございました。先生のご指導も素晴らしいですね。
- どのクラスも作品の選び方がとてもステキで、自分では考えつかないような発想が多く、面白く見ることができました。「この作品の意図は?作家の気持ちは?」と考えてみることの楽しさを改めて感じることができました。とってもステキな展示、ありがとうございました!
- とても面白かったです。まずどうしてこの絵を選んだか、それが興味をひきました。そしてずっとながめているうちにメッセージ又は自分なりに伝わってくる事を感じ、それを文章にきちんとまとめられていてステキです。こういう見方もあるのか!ととても参考になりました。一人で鑑賞しましたが、皆さんたちと一緒にお話しながら、“ああ観える!こう観える!”と多角的に作品を見られたと思います。楽しかったです。ありがとうございました。
- みなさんのコメントがどんな批評よりもシンプルな言葉でしかも、深い。新鮮。いつもみている作品に別の見方があるよとみなさんに教えてもらいました。ありがとう!
- 皆さんがどきどきしながら、わくわくしながら話し合って選んだ姿が浮かびます。発表をお聞きしたかったです。しかし、芸術の深さや美しさを感じ取る心の授業に参加できて、皆さんはラッキーと思いますヨ。きっと何かが残るでしょう。3年生の皆さん、先生方、美術館の皆様に感謝致します。(保護者より)
- アートカードチャレンジおつかれさまでした。あなた達の視点による作品の展示はとても新鮮なものにうつりました。あなた達のギャラリートークがあると知り、どのような話が聞けるのか、楽しみでした。中止となりとても残念です。でも、よい展示でした。ありがとう。
- とても素晴らしい展示でした。テーマを決め、その作品から感じたコメントも付いていて、とてもみごたえがありました。学芸員さんとはまた違った視点がとても面白かったです。私も一緒にアートについて語り合いたいと思えるほどでした。ありがとうございました。
- いろいろな絵を見て、考え、他の人たちにもどう伝えるか、良い経験をされたと思います。共通の絵を大人数で見ることにより、自分には感じなかったことも、聞くことにより共感するという機会もあったのではないでしょうか。きっと一人で見るより楽しい経験となり、後々豊かな鑑賞への足がかりになったことと思います。それがこちらにも伝わるような絵画展でした。ありがとうございました。
- 通常の展示とちがい、題に対するイメージ、そこからつながる絵。そしてさらにそれに対するイメージと、とても楽しませていただきました。私はもうみなさんのおばあちゃんの歳なので感じ方、考え方がとても新鮮でした。ありがとう!
- 知っている作品の気づかなかった魅力に気づいたり、知らない作品を知るきっかけをいただきました。選んだ作品や、選ばれなかったけれど気になった作品の背景にみなさんが興味を持って調べる手がかりになるとよいなと願っています。
~アンケートから~
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アートカードチャレンジはとてもおもしろい。同じ中学生が考えたと思うと、わたしも参加したいと思った。(郡山市・14才・女性)
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観ていておもしろかった。野田中の生徒達による説明も良かった。中学生としての捉え方が良いと思う。(福島市・44才・女性)
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中学生の絵に対する思いがわかり楽しかった。中学生にいろんな絵を見て、芸術に興味をもってもらえたらうれしいです。心の栄養になりますように。(伊達市・66才・男性)
野田中学校3年生のみなさん、ギャラリートークで発表予定だった4名の代表生徒さん、ありがとうございました!
今回は展示を全員でご覧いただくことができず、発表の機会もなくなってしまい、本当に残念でした。
美術科の中條先生、木島先生、約1年間にわたりお世話になりました。ありがとうございました!
そしてご来館いただいたみなさま、ありがとうございました!
触って、話して、見て楽しむ美術鑑賞ワークショップ「神話と機械を見聞きする」
「やなぎみわ展 神話機械」関連事業として、触って、話して、見て楽しむ美術館賞ワークショップを開催します。
毎年1回開催している、見える人、見えない人一緒に作品鑑賞をするワークショップです。
今年は「やなぎみわ展」で行います。
福島県立福島工業高校も協働して制作された本展のための新作《神話機械》を鑑賞します。近年やなぎさんの創作は、視覚だけでなく五感を使う方向に向かっているように思います。作品鑑賞も見るだけでなくて、いろいろな方法がチャレンジできるのではないでしょうか。
普段は入れないマシンエリアに入って、マシンを触ったりしながら鑑賞。そして言葉や音を使って機械とコラボレーションし、五感で作品を体験します。
見える人も、いつもと少し違った鑑賞をしてみませんか。是非ご参加ください。
〇日時:9月1日(日) ①10:30~ ②14:00~ 同じ内容なので、どちらかお選びください。
〇会場:美術館企画展示室など
〇講師:やなぎみわ氏、当館学芸員
〇協力:半田こづえ氏(明治学院大学非常勤講師)
真下弥生氏(ルーテル学院大学非常勤講師)
〇費用:無料
〇対象:各回中学生以上の視覚障がい者5名程度、晴眼者5名程度
〇要申込 総合受付、電話024-531-5511、美術館HPより
「アートカード★チャレンジ」展 ギャラリートーク開催しました
2月24日(日)、当館企画展示室「アートカード★チャレンジ」展会場でギャラリートークを開催しました。
今年で3回目の開催となった展覧会。
テーマや作品、展示の順番などを福島県立福島東高校の生徒さんたちに考えてもらいました。
展覧会タイトルは「愛のかたちと家族のかたち」。
今回は、活動の中心となってくれていた美術部の生徒さん達によるギャラリートークを開催しました。
まずはじめに、今回の展覧会が完成するまでにどのような活動を行ったのか、順を追ってパネルの前で説明しました。
今回の活動では、はじめに美術の授業を選択している2年生の生徒43名がアートカードを使いながら、それぞれ展覧会のテーマを考えました。
その後、美術部の生徒5名が、提出された43名分の展覧会のテーマを整理、検討しひとつのテーマ「家族」に絞りました。
決定したテーマに沿い、アートカードになっている作品以外の所蔵品にも選択の範囲を広げ、作品選定をしました。
多くの人に楽しんでほしいという想いから、
「母のぬくもり子の想い」「楽しかった思い出」「忘れられない風景」「色いろな家族」、4つの小テーマ(セクション)を考えました。
各セクションの内容を説明し、いくつかの作品について、自身が作品から感じとったことや、観覧者に特に注目してほしい部分を紹介しました。
描かれている人物の表情や視線の先、描かれた時代などにも着目しながら、作品についてお話しします。
最後に、来場者の方から感想をお聞きしました。
ここで高校生への質問もいただきました。
今回の展覧会で、自分が感じたことや考えたこと、普段の制作についてなどしっかり答えていました。
美術部のみなさん、顧問の真柴先生、ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました!
展覧会は3月10日(日)まで。
観覧料は無料です、ぜひご来館ください。
「アートカード★チャレンジ」観覧に東高の生徒さんが来てくれました
2月22日(金)、午前と午後の二回に分かれて、福島東高校の生徒さん達が来館しました。
現在開催中の「ギャラリーF 2019 コレクション再発見展」のひとつ「アートカード★チャレンジ」は、福島東高校のみなさんに展示のアイデアを出してもらいました。
今日来館してくれた、美術を選択している2年生のみなさんは、アートカードを使いながら、1人ずつ展覧会の企画書を考えました。
43名分の企画書の中から美術部の生徒さん達に選ばれたテーマは「家族」。
46点の作品が4つのテーマに分かれて展示されています。
みなさんじっくり一点一点を見ていました。
24日(日)は、今回中心になって活動した東高校の美術部の生徒さん達によるギャラリートークを開催します。
展覧会を考えていくまでの流れや、生徒さん達自身が作品からどのようなことを感じとったのかなどを、作品を前にお話しします。
1階の企画展示室にて14:00から。
事前の申し込みは不要です。参加をご希望の方は展示室入口にお集まりください。
「福陽美術会100年」ギャラリートークを開催しました
現在当館では1階企画展示室で「Gallery F 2019 コレクション再発見」展を開催中です。
2月10日(土)は「福陽美術会100年」展について、担当学芸員によるギャラリートークを開催しました!
会場をめぐりながら、福陽美術会結成の経緯や活動内容、そして所属していた作家たちについて紹介しました。
それぞれの作家の画風や、魅力などに触れながら、約1時間来場者のみなさまと福島の日本画100年をたどっていきました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
次回の「福陽美術会100年」関連イベントは下記のとおりです。
ギャラリー対談
「東北の日本画家群像-秋田と福島を中心に-」
・日時:3月2日(土)14:00~15:30
・会場:企画展示室(申し込み不要、聴講無料)
・講師:山本丈志氏(秋田県文化振興課学芸員)×堀宜雄(当館学芸員)
また、もうひとつの企画「アートカード★チャレンジ」では、下記の関連イベントを開催します。
福島東高校生徒によるギャラリートーク
・日時:2月24日(日)14:00~
・会場:企画展示室 (申し込み不要、聴講無料)
ぜひご来館ください!
「Gallery F 2019 コレクション再発見」展はじまりました!
本日より、1階企画展示室にて「Gallery F 2019 コレクション再発見」展がはじまりました。
当館のコレクションを様々な角度から紹介するこの企画は、今回で3回目を迎えました。
今回は「アートカード★チャレンジ」、「福陽美術会100年」ふたつの企画を開催しています。
それぞれ簡単にご紹介します。
◆◆◆◆◆
まず、入ってすぐの部屋の「アートカード★チャレンジ」展。
当館では2017年度からアートカード『ぽけっとアート』の貸出をはじめました。
この展覧会では、福島県立福島東高等学校の生徒達が、アートカードを使って考えたテーマと作品を元に、それを実際に当館のコレクションを並べて再現しています。
テーマは「愛のかたちと家族のかたち」
このテーマを、さらに4つのセクションに分けて作品を選びました。
展示する順番や位置も、模型を使って考えました。
今回はアートカードの作品だけでなく、他のコレクションにも範囲を広げて選んでいます。
展示されている作品は全部で46点。
高校生たちはどのようなセクションを設け、どのような作品を選んだのでしょうか?
それぞれのセクションにつけられた、美術部の生徒さんのコメントもご覧いただきながら、ぜひお楽しみください。
会場内では、生徒たちが展覧会を考えるまでの活動風景もパネルで紹介しています。
エントランスホールには、『ぽけっとアート』体験コーナーもあります。
2月24日(日)は、福島東高校美術部の生徒さん達によるギャラリートークを開催します。
ぜひご来場ください!
◆◆◆◆◆
通路を通って先に進むと、「福陽美術会100年」の会場に入ります。
この展覧会では、福島県出身の日本画家によって結成された美術団体である「福陽美術会」の活動を振り返ります。
1919年4月に東京で結成された福陽美術会。
福陽美術会創設の先頭に立ち、自ら会長となった勝田蕉琴(かつたしょうきん・棚倉町生まれ)。
荻生天泉(おぎゅうてんせん・二本松市生まれ)や太田秋民(福島市生まれ)。
坂内青嵐(ばんないせいらん・会津美里町生まれ)や湯田玉水(南会津町生まれ)。
酒井三良(三島町生まれ)や角田磐谷(つのだばんこく・石川町生まれ)、大山忠作(二本松市生まれ)・・・など
官展系の作家を中心に、大正新南画など会派を越えて福島県の作家が結集しました。
会場では寄せ書きや資料なども展示しています。
展示点数は資料を含め約70点。
福島の日本画100年を振り返ることができる展覧会です。
10日(日)、14時からは会場内で「福陽美術会100年」のギャラリートークを開催します。
申し込みは不要です。
ご希望の方は企画展示室会場入り口にお集まりください。
◆◆◆◆◆
「Gallery F 2019 コレクション再発見」展は、3月10日(日)まで開催しています。
観覧料は無料です。ぜひご来館ください。
企画展「土に挑む―走泥社の作家たち―」展はじまりました!
15日(土)より、1階企画展示室にて「土に挑む―走泥社の作家たち―」展が開幕しました。
この展覧会では、戦後、日本陶芸界に新風を巻き起こした前衛陶芸家集団、「走泥社(そうでいしゃ)」の作家作品を紹介しています。
走泥社は、1948年に京都の若手陶芸家たちによって結成されました。
今回取り上げているのは、結成時のメンバーであり中心として活躍した、八木一夫(1918-1979)、山田光(1923-2001)、鈴木治(1926-2001)の3名。
三者はそれぞれ陶芸家やろくろ職人の父のもとで、やきものにかかわりの深い環境に育ちました。
戦後、美術界の動きや海外の作品などに影響を受けた彼らは、やきものによる新しい表現を模索し、やがて器としての機能を持たない作品をつくりだすようになります。
この展覧会では、40点の作品により、彼らの多彩な創作活動の一端をご覧いただきます。
八木一夫
山田光
鈴木治
今回は、当館所蔵作品の他、個人蔵の作品と、多治見市にある岐阜県現代陶芸美術館さんから作品をお借りしました。
当館で開催するやきものの企画展は、約10年ぶりとなります。
彼らのエネルギーに満ちた作品をぜひご覧ください。
14日講演会「安西水丸さんのこと」について
明日14日(土)14:00~15:30、嵐山光三郎氏と南伸坊氏による講演会「安西水丸さんのこと」を福島県立美術館講堂で開催します。
開場は13:00です。お電話で予約された方は、講堂前の受付にてお名前を仰っていただきますようお願い申し上げます。
おかげさまで満席となり、当日は混雑が予想されます。なるべくはやくに受付のうえ、講演会が始まる15分前には会場へお入りくださいますようご協力をお願い申し上げます。
また、駐車場には限りがございます。できるだけ公共交通機関をご利用くださいますようお願い申し上げます。
なお、申し込みの受付は終了し、当日のキャンセル待ちの受付もございません。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。