福島県立美術館ブログ

除染なう!

現在、福島県立美術館は庭園除染工事と災害復旧工事のため休館中です。
そこで、本日はこの除染工事の模様をレポートしたいと思います。
福島の方は「もう見飽きたよ・・・(-_-;)」とおっしゃる方もいるかもしれませんが、お許し下さい。
県外の方は、こんな情景、もちろん初めてですよねぇ。


↑ベロリとはがされた芝生之図。
当館の前庭の芝生は、ご多分に漏れず高く2μSV/時弱あります。
(雪が降り積もると、水の遮蔽効果で2~3割ほど低くなりますが)
そこで、「芝生をはがす」という除染工事が行われるわけなのです。


↑美しい芝生がはがされて、野球のグラウンドのようになっていきます。
はがした芝生がどうなるのかって?
当館の敷地内に広さ15×10m、深さ6mの巨大な穴を掘り、埋め立てられます。


↑埋め立てられた汚染芝は、中間貯蔵施設が決まるまでの間そのまま敷地内で保管します・・・。
中間貯蔵施設は一体いつ決まるんでしょうか?
まさかこのままずっと・・・なんてことないでしょうねぇ。
それにしても、桜井造園の作業員さん、マスクしてください~!

(吉)

館長講座最終日

2005年4月から続いてきた館長による美術鑑賞講座。略して「館長講座」。
テーマは「日本の近代美術」です。
月に1回、第三土曜日に、日本の近代美術について貴重な作品図版を使って時には力強く、時にはまったりと語る人気講座でした。
常連さんも数多く(意外にも?熟年男性にも根強い人気があったんですよ!)、夏の殺人的な暑さにもマケズ、冬の凍てつくような寒さにもマケズ、通ってくださいました。
感謝の念にたえません。

館長が今年度(今年3月)で退任すること、そして、当館が2~3月、前庭の除染作業と建物の災害復旧工事で休館することから、本日1月21日が最終講義でした。
雪が降りしきり、足元のお悪い中、みなさんお集まり下さいまして、ありがとうございました!


↑「館長、熱弁をふるう」之図


↑「館長、赤ちゃんもあやせます」之図
最終講義後、生まれたばかりの赤ちゃんを抱いて元事務補助の女性が訪ねてきてくれました。
その女性と赤ちゃん、館長講座を聴きにきて下さった福島市出身の画家佐藤幸代さん、福島県立美術館
友の会の丹治会長さん、荒木学芸員と共にパチリ!

(吉)

美術館の放射線量測定

今回は、当館で行っている放射線量測定の一端をご紹介します。
世界広しと言えども、定期的に放射線量測定を行っている美術館は福島県内の美術館、数館くらいでしょうか・・・。

まず、測定器(サーベイメーター)ですが、ちまたでよく売られている簡易型線量計とはちがって、日立アロカメディカル社製の本格派(と言っていいのかどうか・・・)
聞くところによるとお値段も簡易型線量計とは二桁くらい違う本格派。


↑「さっ!計測するわよ!」之図。


↑原子力環境センターや山梨管工業の文字が記された金属製ケース。
以前お借りした中には富山大学のサーベイメーターもありました。
日本全国からかき集められている感じがします。


↑左が、γ線計測に使用される、日立アロカメディカル社製シンチレーション式サーベイメーターTCS172。
右が、β線計測に使用される、同じく日立アロカメディカル社製GMサーベイメーターTGS146。
ものすごく重厚感が・・・。こんなものを使う日が来るとは夢にも思っていませんでした・・・。

(吉)

こちらも毎年恒例、学校連携ワークショップ!

こちらも毎年恒例の学校連携ワークショップ「アーティストinスクール」です。
エントランスホール2階に、昨年の学校連携ワークショップで中学生や高校生が制作した作品を展示しています。

昨年のお題は、「光で遊ぶ-メディアアート」。
講師は東北芸術工科大学准教授のメディアアーティスト松村泰三さんです!

まず、安達郡大玉村立大玉中学校、福島県立会津学鳳中学校・高等学校、会津若松市立一箕中学校のみなさんが参加してくれた、「光の箱」。
どんなんだと思うでしょう?


↑こんなんです。え?もっとよく見たい?ハイハイ。


↑幻想的でしょう。窓の外の雪景色とあいまって、この世のものとは思われぬ美しさです。


↑え?もっとアップで?しょうがないなぁ。


↑どうよ、どうよ。(エッヘン)


制作方法もパネルにてご紹介しています。ぜひ足をお運びくださいね。
さて、もうひとつの昨年のお題は「コマ撮りアニメーション」。
こちらは当館のご近所の福島県立工業高校情報電子科のみなさんが参加してくれました。
講師はやはり、松村泰三さんです!

アニメと言っても、セル画をたくさん描くのではなく、デジタルカメラの画像を利用したいわば「実写版アニメ」です。
これは実際にテレビ画面で見てもらわないと面白さが伝わってこないのですが、ちょっとご紹介。

 

人間サーフィンあり(どんな意味かって?あなたも見れば分かる!)、ジャッキー・チェンばりの(古い?)格闘技ありの楽しい映像作品に仕上がってます。
突っ込みどころもマンサイ!
テレビ画面にエンドレスで映し出していますので、どうぞ突っ込みながら見てくださいね!

「光の箱」も「コマ撮りアニメーション」も「美術館への年賀状展」と同じく今月末まで展示しています。ぜひ足をお運びください。

(吉)

年賀状展舞台裏

美術館への年賀状展舞台裏をちょこっとだけご紹介しましょう。

年明け早々から年賀状展の下準備に入ります。
担当学芸員は年賀状を整理して、色模造紙に貼り付けたり(なにせ700通以上あるのだからタイヘンです)、オーナメントを考えたり、頂いた年賀状全通にお返事を出したりと、休みを返上して大忙し。
1月11日、オープン前日の閉館後に展示にかかります。


↑学芸員総出です。写真なんて撮ってる場合か、みたいな。


↑満足感に浸るひととき・・・。

(吉)

2012 美術館への年賀状展、オープンしました!

福島県立美術館毎年恒例、「美術館への年賀状展」オープンしました!




↑橋本学芸員画伯力作。昇り龍の図。



小学校一年生から中学校三年生までのみなさんからいただいた734通が展示されています。
そのうちの何枚かをご紹介しましょう。


↑かわいいです。あけましておめでとう!


↑こっ、これは・・・。もしかして蛇じゃなくて、龍の胴体?


↑うぬぬ。ここにも同じアイデアを思いついてしまったお友だちが・・・。


↑愛嬌のある龍です。にこにこ顔がいいですね!


↑龍の胴体はビーズをくっつけて表現しています。キラキラ輝いてきれいですね。


↑震災への思いが綴られています。


↑大人っぽいモノトーンの画面です。影絵のように龍が表されています。


↑点字の年賀状も!


みなさん、ありがとう!今年はよい一年になりますように。

(吉)

福島市は雪模様!

今年初の開館日と思いきや、福島市はあいにくの雪模様となってしまいました。
増渕学芸員の常設展示室レポートにも当館の雪景色写真がアップされていましたが、本日の雪景色ぶりを幾枚かの写真でご紹介しましょう。


↑当館前庭。吹雪きまくってます・・・。フェルナン・レジェの彫刻《歩く花》も寒そう!


↑当館の裏庭と、当館の後ろにひかえる信夫山。《雪景図》とでも呼びたいような風景です。


↑これな~んだ?つららです。当館二階の中庭に面した軒先にびっしり。屋根からも雪がダダ崩れ。ヤレヤレ。


今現在小康状態となっていますが、また夕方から降り出すんでしょうかねぇ。
こんな悪天候の中でも、当館を訪れて下さるお客様はいらっしゃって、感謝の念にたえません。
13時45分現在10名も!(え?少ない?)
ありがとうございます!

(吉)

コレクション展III、マイナーチェンジしました。

2012年、今日から開館です。コレクション展IIIは年末から引き続きですが、
版画など少しだけ展示替をしました。



新しく出た作品の中からご紹介します。森田恒友《日本風景版画第二集会津之部》の「檜原湖畔」。
恒友が大正5年に会津を訪れて取材したものです。



シャガール《死せる魂》(1923-25年)。祖国ロシアの作家、ゴーゴリの小説を版画にしたもの。
亡命したシャガールの、故郷への思いが込められています。



斎藤清の《会津の冬》(1970-96)は「交通標識」「洗濯物」が描かれているもの特集です。
生活感あるモティーフでも、斎藤さんの手にかかるとモダンに変身。ちょっと今日の美術館の景色みたいです。

 

「河野保雄コレクション展」でも、竹久夢二、武井武雄の版画、ガラス絵などを展示替しました。
比べてご覧いただきたいのが二羽の鳥。佐藤玄々(朝山)の圧倒的技術を見せつける《青鳩》(1930年)と、
画家・鶴岡政男の手びねりのような《鳥》(1951年)。



 

1月31日まで開催しています。

(増)

あけましておめでとうございます!

あけましておめでとうございます!
昨年は大変な年でしたが、今年は少しでも進展が見られる年になってほしいと思います・・・。

今年は私宛のお年賀状に「ブログ見てるよ」と書いて下さった方が少なからずいて、びっくり!新年早々モチベーションが一気に高まりました(笑)。

さて、福島県立美術館スタッフはみな帰省先から戻ってきまして、本日4日より出勤。
無事常設展示室の展示替作業を行いました。

1月12日(木)から始まる「美術館への年賀状展」の準備も着々と進んでいます。
小中学生のみなさんからの年賀状の数々が続々到着していまして、嬉しい限り。
今年の特徴は中学生のみなさんからの年賀状が多かったことです。
数にして実に449枚!(2012年1月4日17時30分現在)
例年の実に数十倍という多さです。
部活や勉強で忙しいところ、力作を送ってくれてありがとう!
小学生のみなさんの年賀状も208枚。(2012年1月4日17時30分現在)
こちらは例年より少なめでしたが、かわいらしい年賀状をありがとう!


↑「合格祈願」の文字が目立つのは、泉崎中学校3年生のみなさんの年賀状。
受験がんばってくださいね。風邪なんかひかないようにね。


↑こちらは泉崎中学校2年生のみなさんの年賀状。むむむ。できる!


↑庭坂小学校1年生のみなさんの年賀状。
雪だるまや梅、羽根つきの羽根、龍が切り絵の手法で表されています。
色とりどりで華やか。お正月らしいですね。


この「美術館への年賀状展」は1月11日に展示作業。1月12日からみなさんにご覧いただけます。
エントランスホールに展示しますので無料です。(ココ重要なポイントですよね!)
お時間ありましたら、ぜひいらしてくださいね。

(吉)

明日28日から年末年始休館です。

2011年も残すところわずかとなりました。今年は辛く悲しい出来事が起きてしまいましたが、その一方で多くの人との繋がりを強く感じた一年だったように思います。


明日2011年12月28日(水)~2012年1月4日(水)の間、当館は年末年始の休館となります。

2012年1月5日(木)~31日(火)は常設展III期を、版画作品など一部展示替えをしてご覧いただけます。
そして1月12日(木)~31日(火)は当館エントランスホールで新春恒例の小・中学生の展覧会「美術館への年賀状展」を開催します。

詳しくはこちら↓
http://www.art-museum.fks.ed.jp/activity/nengajo.html




ただいま小・中学生のみなさんが作った手作りの年賀状を募集しています。
新しい年への願い、目標などを1枚のハガキに込めた作品を美術館に展示してみませんか?
みなさんの力作をお待ちしています。(直接お持ちいただける方は美術館の裏手「通用口」へお渡し下さい。)

2012年が幸せな一年になりますよう願いを込めて…。

(橋)

イチハラヒロコ コトバアートカレンダー2012、絶賛発売中!

みなさん、来年のカレンダーはもうお求めになりましたか?
当館では、鋭いコトバで本音をたたき出すコトバ・アーティスト、イチハラヒロコさんのカレンダーを販売しています。
定価630円。卓上カレンダーとして、みなさんのお机にひとついかがでしょうか?


↑表紙。う~む。いきなり・・・。


↑1月。一年の最初から責められてます。


↑さわやかな5月。そうだったのか・・・。


↑暑い7月。そうですよね。ホントに。


↑9月。こういうヒトいますよね。


↑12月。最後はコレですよね!


ということで、福島県立美術館ブックショップで絶賛発売中!(630円)
ピリリときいたイチハラさんのコトバで毎日ニヤリとしてくださいね。

(吉)

遅まきながら震災レポート3書庫篇

当館には学芸員のための書庫があります。
1階の学芸員室のお隣に1ヶ所。2階に1ヶ所。
画集、展覧会図録、美術雑誌など、美術に関連する実に様々な図書資料が置かれており、本棚が林立しています。
震災の際は当然その書庫も、本は床に崩れ落ち、本棚はねじ曲がったり、変形したりと、ひどい状態でした。


↑1階の書庫。なんだかもうグダグダ・・・。


↑同じく1階の書庫。いやはや。「いらかの波」ならぬ「本の波」です。


↑二階の書庫。
巨大なスチール製の本棚が平行四辺形に変形しています。
向かって右側の壁にボルトでがっちりと留めてあったのですが、ボルトが地震の揺れで抜けてこの惨状。


↑同じく二階の書庫。
前の本棚の奥にある小さめの(といっても幅90cm、高さ170cmほど)本棚です。
本の重みと地震の揺れの板挟みで、スチール製の本棚がゆがみ、倒れかかっています。

(吉)

遅まきながら震災レポート2彫刻篇

さて、本日は震災レポート第2弾彫刻篇です。

彫刻は大きな被害を受けた作品がありました。
エミリオ・グレコの《スケートをする女》です。
腰に手をあてて、身をねじった女性像だったので、その不安定なポーズがわざわいしたのでしょうか。


↑完全に倒れてしまいました。

 
↑ブロンズ(青銅)の下部と石の台座を留めていたボルトがねじ切れてしまったのです。すさまじい破壊力・・・。


マリソルの《ママと私》も敷き板から作品が飛び上がって移動。
女の子がさしていたパラソルもズドンと落下して女の子の頭に激突しています。


↑敷き板もずれていますね。普段は6、7人がかりでもなかなか動かないシロモノなのに!


↑アイタタタ・・・。女の子の頭に傷がついてしまいました。生きてる女の子だったら即死ですよ~。


佐藤忠良の《若い女》は・・・ビクともしませんでした!
もし、この重量級のブロンズ像がひっくりかえっていたら、二階のガラスの手すりを突き破り、一階へ落下。
大変な惨事になっていたことでしょう。

↑この美しいバランスのおかげか・・・さすが忠良先生!

(吉)

遅まきながら震災被害レポート

震災の時、玄関のひさしが落ちてきたり、彫刻が倒れて傷ついたりと、県立美術館もかなりの被害を受けました。
いろいろな会議や報告会でその状況はご報告させていただいているのですが、このブログでもその一端をレポートしますね。

地震の揺れはすさまじく、当館の頑健な建物が巨人の両手でもって揺らされているかのように、揺れました。
お客さまを誘導しに展示室へ向かったのですが、歩けないほど、いや、立っていられないほどの揺れで、しばし壁にしがみついていました。
エントランスホールは吹き抜けなので、丈高いガラス窓や天井のガラス窓からガラスが降り注いでくるのではないかと怖かったです。
しかし、奇跡的にもお客様は全員怪我もなく、無事でした。
本当によかったです。
正面玄関から避難していただこうとしたら、「玄関の屋根が落ちてる!」という声が聞こえました。
玄関のひさし部分が落ちて、こんな状態になっていたのです。


↑ひさしの内側が落ちて、自動ドアを突き破っています。


↑アップで。すさまじいですね。


結局お客さまには裏口から避難していただきました。
その間も余震がひっきりなし。
正面の庭園に回って、お客さまや監視員さんたちと状況を見守っていると、余震のたびに地鳴りがし、お隣の県立図書館の軒先がものすごい音を立てて崩落しはじめました。
お客さまの間からも悲鳴があがり、あまりのすさまじさに呆然としました。


震災後、当館はいち早く応急修理をしていただき、玄関も一見元通り。


↑きれいになってます。


↑きれいなんだけど、ベニヤ板・・・(笑)。
あまりにきれいに応急修理してくれたので、「『このままでいいんじゃないですか』とか言われて、ずっとベニヤ板のままだったらどうしよう~」と某学芸員が怯えていました(笑)。

玄関に出たついでにもういっちょ。
福島県内施設では珍しくない情景となりました。
館内放射線量測定値の掲示です。


↑エントランスホール 0.11
 一階企画展示室 0.05~0.07
 二階常設展示室 0.09~0.10
 

福島のみなさん、プチ避難にも県立美術館をご利用くださいね。
常設展は高校生以下無料です!(一般・大学生の方の常設展料金は260円)

(吉)

夜のクリスマスオーナメント

お待たせしました!
夜のクリスマスリース画像です。


↑エントランスホール正面中央突き当たりの明かり取り窓。なにやら劇的です。


↑このリースは手作りではなく、既製品です。
そうは見えないでしょうが、巨大なんですよ~。


この劇的なクリスマスリースを見るには、夕方暗くなりかけてからのご来館をおすすめします。
そうですねぇ。4時ちょっと前くらいからでしょうか?
お待ちしています!

(吉)

美術館のクリスマス

そろそろクリスマスも近づいてきましたね。
当館も、クリスマスの飾り付けいたしました!


↑エントランスホールの列柱と正面中央の明かり取り窓にリースを。
右に見えますのは、マリノ・マリーニの彫刻「騎手」です。

 
↑ずらっと。


↑あら。空が明るく、逆光になってしまって見にくいですね。
明かり取りの窓は、夜間は下から照明が当たってきれいなので、後ほどアップします!


↑列柱のリースをアップでどうぞ。


列柱のリースは、今から思い起こせば14年前(遠い目・・・)、「ムーミンと白夜の国の子供たち」展を開催した時、展覧会の副担当だった増渕学芸員が何も飾り付けのしていないリースを買ってきて、リボンやら、信夫山(福島市のシンボル!当館の裏山です)で拾ってきた松ぼっくりやらで、美しく飾り付けしてくれたものです。(展覧会の主担当だった私もちょこっとお手伝い・・・)
それ以来幾星霜、クリスマスになると引っ張り出され、美術館のエントランスホールをにぎわせています。
もしお時間ありましたら、ぜひ福島県立美術館のクリスマスリースをのぞきに来て下さいね。

(吉)

ベン・シャーン作品、神奈川県立近代美術館・葉山へ!

美術館が持っている数多くの作品は、他館に貸し出されることもしばしばです。
当館のコレクションの中でも、特に際だっているもののひとつがアメリカの画家、ベン・シャーンの作品群です。
このたび、それらベン・シャーン作品のうち27点の絵画、ポスター作品、9点の資料を、神奈川県立近代美術館・葉山でオープンした「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト -写真、絵画、グラフィック・アート-」展にお貸し出ししました。

今回は、その作品貸出の模様を密着レポート!


↑作品は、状態点検を済ませた後、「うすよう」と呼ばれる柔らかな紙で丁寧に包んでいきます。
左側は荒木学芸員。右側は日本通運の美術品輸送専門の作業員さんです。


↑大きな作品も、こんな感じで。そっと、そっと、丁寧に。


↑よっしゃ、一丁あがり!(?)荒木学芸員、作品の箱に貼るネームタグを一心不乱に捜索中。


↑一番大きな「恐怖の夜の町」という作品は、こんな大きな木箱に入れられて輸送されます。
見守る荒木学芸員の顔にも疲労の色が・・・。
この箱、倉庫から引っ張り出してくるの、ホントに大変だったんですよ~!


というわけで、11月18日にこのように梱包されて、11月19日に葉山に向かって出発した当館のベン・シャーン作品。
12月3日にオープンした「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト」展に無事展示されています。

展覧会のHPは以下の通りです。
ぜひ、チェックしてみて下さいね。
http://benshahn2011-12exh.info/information/ex-composition.html *リンクは終了しました

(吉)

ルーマニアの子供たちから

現在、福島県立美術館エントランスホールには、ルーマニアの子供たちからのプレゼントが展示されています。
今回の震災の報道を見てびっくりしたルーマニアの子供たちが、日本の子供たちに宛てて送ってくれた絵やメッセージ、お手紙、合わせて600点以上!
その中から選りすぐった255点の作品をエントランスホールに展示しています。

 

8月に博物館実習の実習生たちと展示してからというもの、ご好評にお応えしてロングラン中。
今回は、その中からいくつか作品をご紹介しましょう。

 
↑きれいな鳥たちですよね。華やかな色遣いに独特の個性を感じます。
 ちなみに鳥の絵がとても多かったのですが、これは「鳥と共に不幸が飛び去っていく」というルーマニアの(?)諺から来ているようです。優しい気持ちが伝わってきますね。


↑うまいっ!日本地図も上手に描けています。地図好きの私としては嬉しいですねぇ。


↑こんなのも。ルーマニアの国旗と日本の国旗がハートマークの中で仲良しこよしです。


↑こんなきれいなお花も。心が和みますねぇ。


↑アンパンマン登場!日本のアニメはルーマニアでも大人気だそうですよ。


この展示、年明け1月11日まで続行中です。
もしお時間あれば見に来て下さいね。
エントランスホールに展示してあるので、なんといってもタダ!です。
何時間でも(笑)じっくりと!
ぜひご覧下さいませ。

(吉)

何もない展示室

企画展示「ギッター・コレクション展」も終了し、一階の企画展示室は、作品や展示ケースがすっかり片付けられ、ひっそりとしています。
私たち学芸員は1日に2回、警備員さんと一緒に展示室を巡回し、異常がないかどうか点検して回ります。
そんな時、こんな企画展示室に入ると、「いや~。こんなに広かったんだ」と実感します。(^_^;)


↑作品も展示ケースも、な~んにもありません。この部屋は4室ある企画展示室のうちの第1展示室です。

企画展示室だけで1,800m2もあるんですから、このだだっ広さは当然ですよね。
企画展の展示をすると、時に「アレ?こんなに狭かったっけ?展示スペースが足りない~!」となることもあるのが不思議なくらいです。
(私が切実に感じたのは、2000年の「棟方志功と斎藤清」展の時。はりきって作品集め過ぎちゃったんですよね(笑)。おかげさまで大変充実した展示になり、20,000人のお客様にご来場頂きました。m(_ _)m )


↑第2展示室。画面右手に暗く見えているのは第3展示室です。

真っ暗な展示室を警備員さんの懐中電灯に照らされて歩くのもオツなものですよ。(^_^)/

(吉)

アート・キューブ☆メガ、郡山美術館へ!

みなさん、アート・キューブを覚えておいででしょうか?
会津若松市文化センターでの福島県立美術館移動美術館ワークショップで活躍した、あの「ヒミツ兵器」です。


↑コレ。

アート・キューブには、約30cm四方の手提げバッグサイズのケースに7cm四方のキューブが詰まった普通サイズの「アート・キューブ」と、約1mメートル四方の(死体の2つや3つ詰められるような)巨大なケースに約30cm四方のキューブが詰まった「アート・キューブ☆メガ」があります。
この「アート・キューブ☆メガ」2セットのうち1セットが、この「アート・キューブ」プロジェクトの偉大なパートナー、郡山市立美術館さんに引き取られていきました。


↑なんとか積み込み完了!もう、ぎゅうぎゅう詰めでございます。

ちょっとハイになっている郡山市立美術館の永山学芸員さんと杉原学芸員さんです。
「アート・キューブ」製作へのひとかたならぬご協力、本当にありがとうございました。

今後は、郡山市立美術館さんで子供たちを出迎えることでしょう。
郡山のお友だち、楽しみにしていてね!
あまりの迫力にびっくりすんなよ!

(吉)