カテゴリ:教育普及
〜実技講座〜 粘土で表現する「首像制作」2日目
常設展第Ⅲ期(10月15日㈯〜12月25日日)の展示にあわせ、エントランスホール2階に髙野さんの作品
『ずっとここで生きてゆく』2013(平成25)年の展示が始まりました。
今回の講座では、受講者の方々に髙野さん自ら作品について語って頂きました。
震災当時のこと、この作品をつくるきっかけ、そして作品についての思いなど。貴重なお時間を頂きました。
さて、制作です。
講座は全3日間。真ん中の2日目は各々のペースで制作が続きます。
改めてエスキースを描いたり......
かたちを探ったり....
「首から下、鎖骨の所までつくるということは、そこで終わりではなくその先の身体を意識して粘土の際まで力を入れてつくるということ。作品は、そうした空間をつくっていくこと。」と髙野さんから。
視点を変えてみましょう!モデルさんに台から降りてもらって、上からのぞき込みます。
なるほど。顔から肩にかけての凹凸がよくわかります。
こうして、2日目も黙々と充実した時間が流れました。
みなさんの首像もだいぶ形が見えてきました。次回はいよいよ最終回です!完成が楽しみですね。
〜実技講座〜 粘土で表現する「首像制作」1日目
彫塑用粘土をつかって人体モデルの頭部をつくる講座が始まりました。彫塑の基礎からじっくり学べる三週連続(3回)の講座です。
講師の先生は、いわき市の彫刻家、髙野正晃さんです。髙野さんには、2年前の夏、当館展覧会「コレクションクッキング展」に作品を
ご出品頂きました。
講座のはじめに、髙野さんから18歳当時制作された処女作のご紹介にあわせ、彫塑制作への心構えなどをご教授頂きました。
クロッキーは、みんな真剣。髙野さんの「モデルの(骨格や筋肉などの)情報を集める」という言葉を受けてみんな黙々とスケッチブックむかいます。
彫塑制作は、芯棒作りから始まっている!(髙野さん) 長野県上田市出身の彫刻家、石井鶴三の「こだわりの芯棒」を参照しながらの芯棒作り講義です。
しっかりとした芯棒ですね。
次は粘土の粗付けです。
髙野さんは、おひとりおひとり丁寧にご指導くださいます。
ユーモアを交えながらの・・・。
モデルさんを様々な角度からみてつくること。顔から首にかけて、自分で何処かに基準を定める。そこを手がかりに粘土の付け具合を調整する。
髙野さんのアドバイスで、皆さんだんだん形になってきましたね!
次回は、いよいよ作り込みです。週末が楽しみです。
常設展にて鑑賞会!
10月7日(金)、二本松市立東和小学校の3、4年生73名が来館しました。
美術館に来るのは今回がはじめてという子ども達。まずは美術館ではどのようなものを飾っているのか、そして、美術館でのやくそくごとなどをお話しました。
いよいよ鑑賞会。4つのグループに分かれ、それぞれのグループと当館のスタッフが一緒に鑑賞します。
今回取り上げた作品は、マリノ・マリーニ《騎手》、荻生天泉《霊夢》、玉川信一《樹のある風景》、ジョン・スローン《ジェファーソン・マーケットナイト》です。
スタッフと一緒にそれぞれの作品の前に集まり、4、5人の小さな班に分かれて、作品をじっくりみます。
今回は、作品から想像をふくらませて物語を考えました。
「ここに〇〇があるからきっと季節は□□だよ」
「ここにある△△はなんだろう?」
・・・作品をじっと見つめながら、なにが描かれているのか、どのような印象なのか、気づいたことなどを話しながら、子ども達は物語をふくらませていきました。
それぞれの班で物語が完成すると、今度は発表会。自分たちの班で考えた物語をみんなに紹介します。同じ作品をみていても、班によってできる物語はひとつひとつ異なり、どれも作品を細かいところまでよくみて、自由に物語を考えていました。
全てのグループの発表が終わると、今度はスタッフから、作者や作品が生まれた背景などについてお話しました。作品によって、悲しい時代背景があったり、不思議なできごとが画題になっていたりします。作者が作品に込めた想いや、作者がどのような人物だったのか?子ども達は真剣に耳を傾けてくれました。
ここで、東和小学校の子ども達に特に注目してほしい作家を紹介。
それは、子ども達が暮らしている東和町出身の画家、荻生天泉です。
第Ⅱ期の常設展示室では、没後60年ということで特集展示をしていました。
東和町生まれの画家だということを紹介すると、子ども達は「えー!」「すごい!」「本当?」「上手!」などと、つぶやいていました。
今回はちょうど来館のタイミングで、子ども達の大先輩である天泉を紹介することができました。常設展示といっても、当館では年に4回展示替えがあるため、いつも同じ作品をみることができるわけではありません。その時、その作品に出会うというのは、巡り合わせともいえるかもしれません。
さて、残りの時間は自分の好きな作品を1点選び、物語を考えたりしながら、自由に常設展示室と1階の企画展示室を巡りました。
はじめての美術館。子ども達の心の中にどのような思い出が残ったのでしょうか・・・。
館長講座「みちのくの美-その源流を巡る旅」第3回 岩手編
本日、当館講義室にて、館長講座を開催しました。
青森から福島に至る東北地方の近代美術を中心にご紹介しています。
第3回となった今回は「岩手編」。
はじめに、岩手山や北上川、浄土ヶ浜。盛岡さんさ踊りやチャグチャグ馬コ、中尊寺。
さらに岩手で生まれた石川啄木、宮沢賢治らの写真を見ながら、さまざまな視点から岩手県のイメージをふくらませていきました。
では、岩手県で美術の分野ではどのような作家が活躍し、どのような作品が生み出されたのか。
各作家とその作品について画像を映し出しながら紹介しました。
近代塑像の礎を築いたといわれる彫刻家、長沼守敬(ながぬま もりよし)。
強烈な色彩と、大胆な筆致による作品で知られる画家、萬鉄五郎 (よろず てつごろう)。
岩手に美術教育を根付かせ、自ら美術館を創設した画家、橋本八百二(はしもと やおじ)。
社会や時代を深く見つめ、詩情溢れる絵を描き続けた画家、松本竣介(まつもと しゅんすけ)。
そして清らかな女性像や、カトリック信仰を題材にした作品で知られる彫刻家の舟越保武(ふなこし やすたけ)。
5名の芸術家たちの魅力についてじっくりと語りました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
次回、「山形編」は、11月19日(土)、10:30~12:00まで開催いたします。
みなさまのご参加をお待ちしております。
一日創作教室「絵封筒をつくろう!」
「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展最終日の8月28日(日)、当館エントランスホールにて、「絵封筒をつくろう!」ワークショップを開催しました。
ゴーリーは若い頃、母親に宛てて手紙を送っています。その封筒には絵が描きこまれ、不思議な世界が広がっています。絵本などの原画とはまた違った魅力があり、今回の出品作のなかでも、人気のあるもののひとつでした。
今回のワークショップでは、封筒という小さな画面に絵を描いたり、コラージュをしたりして、オリジナルの絵封筒づくりをしました。
午前中は、博物館実習に来ていた学生さんにも、お手伝いをしていただきました。
4種類ある洋封筒の中からひとつ好きな形のものを選び、画材を考えます。ゴーリー風に細い黒ペンで描きこむ。和紙などを切り、きれいに貼り付ける。水彩色鉛筆を用いて優しい風合いに仕上げる・・・
他の郵便物を汚したり、傷つけないものにすること。そして宛名や住所などを書く部分を残しておくことなどに気をつけながら、みなさん様々な方法で制作に取り組んでいました。
参加者の方に、作った絵封筒を誰に送るのかお聞きしたところ、「孫に」、「お母さんに」、「先生に」・・・などと、ひとりひとり誰かを想って作り出していました。
作るのも楽しいですが、送った相手の方に楽んでいただくのも、絵封筒の魅力のひとつかもしれません。
もちろん、送らないで記念に手元に残しておくという方もいらっしゃいました。素敵なものができると、誰に送るか悩んでしまいます。
今回のワークショップは、展覧会最終日ということもあり、小さなお子さんから大人の方まで幅広く、たくさんの方々にご参加いただきました。
参加して下さったみなさま、お手伝いしてくれた実習生のみなさんありがとうございました!