福島県立美術館ブログ

紅葉まっさかり!

朝晩だいぶ冷え込む日も多くなってきました。
出遅れていた紅葉も、ちょうど見頃となっています。

美術館の庭にはカエデやけやきなどの落葉樹も多く、散策する人の目を楽しませています。


ドウダンツツジも色鮮やか。





紅葉が散ってくると、いよいよ冬支度ですね。(HY)

広重ビビッド開幕!

いよいよ待望の浮世絵展、「原安三郎コレクション 広重ビビッド」展がはじまりました!

東京、大阪などでも話題となった、浮世絵風景版画珠玉のコレクション、東北初上陸です。
「初摺り(しょずり)」とよばれる美しい状態の版画が約250点(前後期あわせて)。
なかでも注目は、初公開となる<六十余州名所図会><江戸名所百景>の歌川広重最晩年のシリーズです。
前期(10/29〜11/20)、後期(11/22〜12/11)で、ほぼ総入れ替えの展示替えありますが、それでも展示室には約140点が展示されています。
これを見逃すと10年は見ることができないであろう美麗な名品の数々…。北斎、国芳の名作とあわせ、ぜひ実物にふれてみませんか?

くわしくは、こちらまで↓
展示替リストは、こちら。

ギャラリートーク 14:00〜15:00 ①11/11(金)、②12/3(土)

講演会 14:00〜15:30 「名所江戸百景の今と昔」市川信也氏(那珂川町馬頭広重美術館長)

などのイベントもあります。(HY)


〜実技講座〜 粘土で表現する「首像制作」2日目

彫塑用粘土をつかって人体モデルの頭部をつくる講座の2日目です。講師の先生は、いわき市の彫刻家、髙野正晃さんです。


常設展第Ⅲ期(10月15日㈯〜12月25日日)の展示にあわせ、エントランスホール2階に髙野さんの作品
『ずっとここで生きてゆく』2013(平成25)年の展示が始まりました。


今回の講座では、受講者の方々に髙野さん自ら作品について語って頂きました。
震災当時のこと、この作品をつくるきっかけ、そして作品についての思いなど。貴重なお時間を頂きました。


さて、制作です。
講座は全3日間。真ん中の2日目は各々のペースで制作が続きます。

改めてエスキースを描いたり......

かたちを探ったり....

「首から下、鎖骨の所までつくるということは、そこで終わりではなくその先の身体を意識して粘土の際まで力を入れてつくるということ。作品は、そうした空間をつくっていくこと。」と髙野さんから。


視点を変えてみましょう!モデルさんに台から降りてもらって、上からのぞき込みます。

なるほど。顔から肩にかけての凹凸がよくわかります。


こうして、2日目も黙々と充実した時間が流れました。
みなさんの首像もだいぶ形が見えてきました。次回はいよいよ最終回です!完成が楽しみですね。

常設展Ⅲオープンしました

常設展Ⅲがオープンしました。
今日はそのうち展示室Aの様子をご紹介します。

まずは酒井三良と小川芋銭の日本画。

代表作《雪に埋もれつつ正月はゆく》をはじめとして、三島町出身の日本画家・酒井三良(1897-1969)の作品がずらりとならびます。
注目は、新収蔵の《冬暖》! 猿の親子が可愛らしいです(写真右から2番目の作品)。

三良が師と仰いだのが小川芋銭(1868-1938)。
福島での旅をもとにした《細道絵日記》と、おならの大会の様子を描いた《於那羅合戦》を展示しています。

写真は《於那羅合戦》から。あまりの臭さに狐も鼻をつまんで逃げてゆきます。
三良と芋銭。ほのぼのとした、ふたりの競演をお楽しみください。

展示室を奥へ進んで行くと今度は洋画。
関根正二を中心に、岸田劉生や村山槐多など大正期の洋画を展示しています。

関根正二(1899-1919)については、1月からの企画展「Gallery f コレクション再発見」展でもご紹介予定ですので、こちらもお楽しみに。

最後に、今年没後10年となる村上善男の特集。

東北を拠点として活躍した美術家・村上義男(1933-2006)の《釘打ち》シリーズ作品を展示しています。

ほかの展示室の様子については次回以降、順次ご紹介していきたいと思います。

美術館のまわりでは木々が色づき始めました。
お散歩がてら、ぜひ美術館へもお立ち寄りください。

〜実技講座〜 粘土で表現する「首像制作」1日目

彫塑用粘土をつかって人体モデルの頭部をつくる講座が始まりました。彫塑の基礎からじっくり学べる三週連続(3回)の講座です。
講師の先生は、いわき市の彫刻家、髙野正晃さんです。髙野さんには、2年前の夏、当館展覧会「コレクションクッキング展」に作品を
ご出品頂きました。



講座の第1回目は、モデルさん(福島大学の学生さんにお願いしました)のクロッキーと彫塑の芯棒作り、そして粘土の粗付けです。





講座のはじめに、髙野さんから18歳当時制作された処女作のご紹介にあわせ、彫塑制作への心構えなどをご教授頂きました。



クロッキーは、みんな真剣。髙野さんの「モデルの(骨格や筋肉などの)情報を集める」という言葉を受けてみんな黙々とスケッチブックむかいます。





彫塑制作は、芯棒作りから始まっている!(髙野さん) 長野県上田市出身の彫刻家、石井鶴三の「こだわりの芯棒」を参照しながらの芯棒作り講義です。



しっかりとした芯棒ですね。
次は粘土の粗付けです。







髙野さんは、おひとりおひとり丁寧にご指導くださいます。



ユーモアを交えながらの・・・。



モデルさんを様々な角度からみてつくること。顔から首にかけて、自分で何処かに基準を定める。そこを手がかりに粘土の付け具合を調整する。



髙野さんのアドバイスで、皆さんだんだん形になってきましたね!
次回は、いよいよ作り込みです。週末が楽しみです。