福島県立美術館ブログ

「エアドームで信夫山を作ろう」ワークショップを開催しました。

2024年6月2日(日)、講師に塩川岳さん(アートコミュニケーター)をお招きして、創作プログラム「エアドームで信夫山を作ろう」を開催しました。5才~小学生7組の親子14名が参加して巨大エアドームづくりに挑戦しました。

はじめに塩川さんとごあいさつ。

 

子どもたちの多くは、これからエアドームを作って膨らませることをわかっていて楽しみに来ていました。

まずはカラーのポリ袋(45L)を60枚ほどを縦に切り開きます。

切る時のコツは袋を片方を持ってもらい、ハサミをちょきちょきとは動かさずにスーッと奥に向かって切り裂いていきます。

コツをつかむとどんどん切っていきます。

 

袋を切ったら、切り開いた袋を2枚ずつ、長辺をテープで貼っていきます。

袋はふわふわと静電気で動いてしまうので、テープを貼るのはちょっと難しく、一人に押さえてもらいながらもう一人がテープを貼っていきました。

すべて貼り付けたら、今度は縦に5枚分つなぎます。これを2班に分かれて3セットずつ、合計6セット作りました。

 

 

縦に5枚貼ったものを、今度は横をすべて貼り付けていき、一枚の大きなビニールにしていきます。

すべてくっつけたら巨大なビニールができました。

できた巨大ビニールの大きさを測り、ほぼ同じ大きさになるようにホワイトシートロールで今度は床面を作ります。

一旦、巨大ビニールを動かして、ホワイトシートロールを同じ大きさになるように広げて切り、こちらもテープでくっつけていきます。

巨大ビニールと同じ大きさのホワイトシートロールができたら、巨大ビニールを上に重ねます。

2枚重ねたビニールの上で、ひもを用いて中心からコンパスのように大きな円を描きます。

描いた円の線に沿ってビニールを2枚重ねたまま切っていきます。(ここは大人がやりました)

切り終わったら2枚重ねたビニールをテープで貼り合わせていきます。

ここは大事なところなので丁寧に貼っていきます。

貼り終わったらエアドームが半分できました。

ここでお昼休憩を取り、午後に再開です。

午後は、先ほど作ったエアドームと、さらに同じものがもう一つ出てきました。

実は前日に塩川さんと一緒に作って用意していたものです。

2つ分のエアドームに自由に絵を描いてきます。

とても大きいエアドームに、体より大きい絵を親子でどんどん描いていきます。

信夫山にあるものを描く子、福島市のももりんや桑折町のご当地キャラを描く子など、郷土愛も込められています。

当日飛び入り参加で描いた子もいました。

絵を描き終わったらいよいよ完成です。

エアドームをふくらませます。

この日はすぐに膨らむように、ダクトと大きな送風機を使いました。(特設展示中はサーキュレーターを使いました)

どんどん膨らんでいくエアドームと、そこに描かれている絵を見るので子どたちは大喜びです。

エアドームが膨らんだら塩川さんが入口を空けて中に入り、

二つのエアドームにトンネルの穴をあけてテープで貼ってつないでいきます。

トンネルが繋がったら完成です。

いよいよ中に入ります。

中ではミラーボールが天井を照らしています。

子どもたちは絵を見たり寝転がったり思い思いに楽しみました。

自分たちで一から作るエアドームはとても大変でしたが、みんなで作ったものに入ってみんなで遊べるのはとても楽しい経験になりました。

 

エアドームはワークショップ終了後も美術館のエントランスに2週間ほど設置して来館者にも自由に入ってもらえるようにしました。

また夏休みにも設置予定です。

ぜひ子どもたちが作ったエアドームに入って遊んでみてください。

「日本画でお部屋を彩るミニ屏風」づくり

4月20日に日本画家で東北芸術工科大学教授の末永敏明さんを講師にお招きして、和紙で蝶番(ちょうつがい)を作り、日本画で絵を描き、部屋に飾れるミニ屏風を作る「日本画でお部屋を彩るミニ屏風」という講座を行いました。同じく東北芸術工科大学副手の土田翔さんが一緒に指導してくれました。

当日は小学生から大人まで16名の方が参加しました。

まずは日本の伝統的な技術である和紙での蝶番づくりです。木の板に和紙を組み合わせて貼ることで両開きの蝶番を作れるなんてびっくりです。

  

 

板の側面に切り込みを入れて、和紙を交互に貼ることで蝶番を作ります。

貼り付ける面が大切なので、間違わないように気を付けながら作業します。

蝶番ができたら板の表面に和紙、裏面にふすま紙を貼っていきます。側面には製本テープを貼って美しい屏風に仕立てていきます。

 

 ミニ屛風が完成したら、和紙の面に用意した下絵をもとに日本画の画材で絵を描いていきます。

一色ずつ顔料を指で練って溶いて絵の具を作って描いていきます。時には墨や金箔も使います。

 

 

金箔や銀箔を散らす と一気に雰囲気が出ますね。

七夕の歌の「金銀砂子」の砂子は箔を散らすために砕かれた細かい箔のことをいうそうです。勉強になります。

 

作品が完成したら全員で鑑賞会を行いました。

盛りだくさんの内容でしたが、一日で蝶番から本格的な日本画制作まで行う満足の内容でした。

完成した作品はいつでもどこでも立ててすぐに飾れるのがいいですね。

末永さん、土田さん、ご参加の皆さまありがとうございました。

 

学校連携共同ワークショップ参加校作品展を開催しました

2023年度の学校連携共同ワークショップの参加校作品展「おとなりアーティスト」を2月10日(土)~25日(日)企画展示室Bにて開催しました。

「おとなりアーティスト」は県内の学校に福島県ゆかりのアーティストが出向き、子どもたちと一緒に造形活動を行うアートプログラムです。今年度はFRIDAY SCREEN、よしもとみかを講師に招き、10ヵ所の学校等で実施し、のべ248名の子どもたちが参加しました。

参加校作品展は、ワークショップに参加したすべての子どもたちの作品を展示するものです。

 

アートユニットFRIDAY SCREENさんのワークショップには、須賀川市立岩瀬中学校、郡山ザベリオ学園小学校、福島市のふれあい教室、郡山市立日和田中学校、郡山市立御舘中学校、会津美里町本郷生涯学習センターが参加しました。

FRIDAY SCREENのワークショップでは「文字」をテーマに、子どもたち一人ひとりがデザイナーとなって取り組みました。

 

 

アトリエみず文庫のよしもとみかさんのワークショップには、福島県立いわき支援学校くぼた校、小野町立小野小学校、福島県立富岡支援学校、福島県立伊達高等学校が参加しました。

よしもとさんのワークショップは子どもたちの「いま」を色と形であらわすワークショップです。

申込校の生徒の年齢や人数などに合わせてたわーショップ内容で、紙やパネルやプチプチの緩衝材等の素材に、絵の具やパステル、ペンなど様々な画材で表現しました。

 

ご参加いただいた学校、ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

また来年度のご参加もお待ちしております。

創作プログラム「叩き鑿を五感で味わおう」を開催しました

2月17日(土)に、彫刻家の佐藤忠博さんを講師に招き、叩き鑿のワークショップを行いました。

会場であるエントランスホールには大きな丸太が並んでおり、丸太の前に集合してスタートです。

佐藤さんに叩き鑿のデモンストレーションをしてもらいます。

 

 

やり方がわかったところで、スタートです。

様々な形状の鑿から、鑿と木槌を選び、1本の丸太に1~2人ずつつき、鑿を叩いて鑿跡を入れていきます。

丸太は、杉、ケヤキ、楠などいくつかの種類がありますので、叩き鑿に慣れる練習をかねて一定の時間がたったら隣の丸太に移動していきます。

叩き心地や感触も木材によって異なります。木目の流れやきの硬さ・柔らかさ、叩いて感じるにおいなどを味わっていきます。

適宜鑿も交換し、鑿の種類ごとの特徴も感じていきます。

  

鑿を使ってひたすら木を叩いていく行為は 普段使わない筋肉も使うので、疲れも感じます。

一方で、木を感じながら無心で手を動かしていく行為に夢中になっていく感覚もあります。

お昼休憩をはさみ、午後も叩いていきます。

目標は、丸太の表面に一通り鑿跡が入るまでです。

美術館のエントランスホールに木の香りが立ち込め、鑿音が響き渡ります。

小学校1年生の参加者も、一日の作業に疲れてしまうかと心配しましたが、休憩したり、庭を走って元気をチャージして、さいごまでパワフルに取り組みました。仲良くなって協力し合いながら彫り進める姿も見られました。

 

丸太に彫り足りたいところがないかを確認し、完成となりました。

さいごに、振り返りで今日の感想を一言ずつ述べていきます。

日常では味わえない、貴重な一日となりました。

佐藤さん、参加者の皆さん、ありがとうございました。

「美術館への年賀状展2024」を開催しました

1月12日~31日までの期間、毎年恒例となる「美術館への年賀状展2024」を開催いたしました。

今年は県内外の小・中・高等学校・特別支援学校から188通の応募をいただきました。

今年は辰年ということで、龍の絵が多くありました。

色鉛筆やマーカーなどで描かれている絵の他に切り絵や版画、CGなど、気合の入った力作が多く寄せられました。

たくさんの子どもたちの作品は厳冬期の美術館を明るく華やかにしてくれます。

美術館に子どもたちの作品を一挙に展示する年に1回の機会です。来年もたくさんのご応募をお待ちしております。