福島県立美術館ブログ
遅まきながら震災被害レポート
震災の時、玄関のひさしが落ちてきたり、彫刻が倒れて傷ついたりと、県立美術館もかなりの被害を受けました。
いろいろな会議や報告会でその状況はご報告させていただいているのですが、このブログでもその一端をレポートしますね。
地震の揺れはすさまじく、当館の頑健な建物が巨人の両手でもって揺らされているかのように、揺れました。
お客さまを誘導しに展示室へ向かったのですが、歩けないほど、いや、立っていられないほどの揺れで、しばし壁にしがみついていました。
エントランスホールは吹き抜けなので、丈高いガラス窓や天井のガラス窓からガラスが降り注いでくるのではないかと怖かったです。
しかし、奇跡的にもお客様は全員怪我もなく、無事でした。
本当によかったです。
正面玄関から避難していただこうとしたら、「玄関の屋根が落ちてる!」という声が聞こえました。
玄関のひさし部分が落ちて、こんな状態になっていたのです。
↑ひさしの内側が落ちて、自動ドアを突き破っています。
↑アップで。すさまじいですね。
結局お客さまには裏口から避難していただきました。
その間も余震がひっきりなし。
正面の庭園に回って、お客さまや監視員さんたちと状況を見守っていると、余震のたびに地鳴りがし、お隣の県立図書館の軒先がものすごい音を立てて崩落しはじめました。
お客さまの間からも悲鳴があがり、あまりのすさまじさに呆然としました。
震災後、当館はいち早く応急修理をしていただき、玄関も一見元通り。
↑きれいになってます。
↑きれいなんだけど、ベニヤ板・・・(笑)。
あまりにきれいに応急修理してくれたので、「『このままでいいんじゃないですか』とか言われて、ずっとベニヤ板のままだったらどうしよう~」と某学芸員が怯えていました(笑)。
玄関に出たついでにもういっちょ。
福島県内施設では珍しくない情景となりました。
館内放射線量測定値の掲示です。
↑エントランスホール 0.11
一階企画展示室 0.05~0.07
二階常設展示室 0.09~0.10
福島のみなさん、プチ避難にも県立美術館をご利用くださいね。
常設展は高校生以下無料です!(一般・大学生の方の常設展料金は260円)
(吉)
夜のクリスマスオーナメント
お待たせしました!
夜のクリスマスリース画像です。
↑エントランスホール正面中央突き当たりの明かり取り窓。なにやら劇的です。
↑このリースは手作りではなく、既製品です。
そうは見えないでしょうが、巨大なんですよ~。
この劇的なクリスマスリースを見るには、夕方暗くなりかけてからのご来館をおすすめします。
そうですねぇ。4時ちょっと前くらいからでしょうか?
お待ちしています!
(吉)
美術館のクリスマス
そろそろクリスマスも近づいてきましたね。
当館も、クリスマスの飾り付けいたしました!
↑エントランスホールの列柱と正面中央の明かり取り窓にリースを。
右に見えますのは、マリノ・マリーニの彫刻「騎手」です。
↑ずらっと。
↑あら。空が明るく、逆光になってしまって見にくいですね。
明かり取りの窓は、夜間は下から照明が当たってきれいなので、後ほどアップします!
↑列柱のリースをアップでどうぞ。
列柱のリースは、今から思い起こせば14年前(遠い目・・・)、「ムーミンと白夜の国の子供たち」展を開催した時、展覧会の副担当だった増渕学芸員が何も飾り付けのしていないリースを買ってきて、リボンやら、信夫山(福島市のシンボル!当館の裏山です)で拾ってきた松ぼっくりやらで、美しく飾り付けしてくれたものです。(展覧会の主担当だった私もちょこっとお手伝い・・・)
それ以来幾星霜、クリスマスになると引っ張り出され、美術館のエントランスホールをにぎわせています。
もしお時間ありましたら、ぜひ福島県立美術館のクリスマスリースをのぞきに来て下さいね。
(吉)
ベン・シャーン作品、神奈川県立近代美術館・葉山へ!
美術館が持っている数多くの作品は、他館に貸し出されることもしばしばです。
当館のコレクションの中でも、特に際だっているもののひとつがアメリカの画家、ベン・シャーンの作品群です。
このたび、それらベン・シャーン作品のうち27点の絵画、ポスター作品、9点の資料を、神奈川県立近代美術館・葉山でオープンした「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト -写真、絵画、グラフィック・アート-」展にお貸し出ししました。
今回は、その作品貸出の模様を密着レポート!
↑作品は、状態点検を済ませた後、「うすよう」と呼ばれる柔らかな紙で丁寧に包んでいきます。
左側は荒木学芸員。右側は日本通運の美術品輸送専門の作業員さんです。
↑大きな作品も、こんな感じで。そっと、そっと、丁寧に。
↑よっしゃ、一丁あがり!(?)荒木学芸員、作品の箱に貼るネームタグを一心不乱に捜索中。
↑一番大きな「恐怖の夜の町」という作品は、こんな大きな木箱に入れられて輸送されます。
見守る荒木学芸員の顔にも疲労の色が・・・。
この箱、倉庫から引っ張り出してくるの、ホントに大変だったんですよ~!
というわけで、11月18日にこのように梱包されて、11月19日に葉山に向かって出発した当館のベン・シャーン作品。
12月3日にオープンした「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト」展に無事展示されています。
展覧会のHPは以下の通りです。
ぜひ、チェックしてみて下さいね。
http://benshahn2011-12exh.info/information/ex-composition.html *リンクは終了しました
(吉)
ルーマニアの子供たちから
現在、福島県立美術館エントランスホールには、ルーマニアの子供たちからのプレゼントが展示されています。
今回の震災の報道を見てびっくりしたルーマニアの子供たちが、日本の子供たちに宛てて送ってくれた絵やメッセージ、お手紙、合わせて600点以上!
その中から選りすぐった255点の作品をエントランスホールに展示しています。
8月に博物館実習の実習生たちと展示してからというもの、ご好評にお応えしてロングラン中。
今回は、その中からいくつか作品をご紹介しましょう。
↑きれいな鳥たちですよね。華やかな色遣いに独特の個性を感じます。
ちなみに鳥の絵がとても多かったのですが、これは「鳥と共に不幸が飛び去っていく」というルーマニアの(?)諺から来ているようです。優しい気持ちが伝わってきますね。
↑うまいっ!日本地図も上手に描けています。地図好きの私としては嬉しいですねぇ。
↑こんなのも。ルーマニアの国旗と日本の国旗がハートマークの中で仲良しこよしです。
↑こんなきれいなお花も。心が和みますねぇ。
↑アンパンマン登場!日本のアニメはルーマニアでも大人気だそうですよ。
この展示、年明け1月11日まで続行中です。
もしお時間あれば見に来て下さいね。
エントランスホールに展示してあるので、なんといってもタダ!です。
何時間でも(笑)じっくりと!
ぜひご覧下さいませ。
(吉)