福島県立美術館ブログ

福島県立美術館移動美術館「フランス美術名品展」あしたまでです!

10月25日(火)から会津若松市文化センターではじまった当館の移動美術館「フランス美術名品展」、いよいよ明日11月6日(日)が最終日となりました!
会津若松市文化センターの4室を使い、コローの「ヴィル・ダヴレー」、モネの「ジヴェルニーの草原」、ルノワールの「帽子を被る女」をはじめ、ルオー、ピカソ、シャガール、レジェの版画集を展示したこの展覧会。毎日、多くのお客様に来ていただき(先週の土曜日は420人のお客様に来ていただきました!)、絶賛開催中です。
当館の常設展示室でも人気のトップ争いをするスター選手が勢揃いしたこの移動美術館、ご都合がよろしければ、ぜひお立ち寄り下さいね。

 

ちなみに、先週の土曜日、10月29日には、ギャラリートークと当館の新兵器「アート・キューブ」を使ったこども向けワークショップも開催されました。
ギャラリートークは黒山の人だかりの大盛況!


↑黒山の人だかり証拠写真

「アート・キューブ」を使ったこども向けワークショップもにぎわいました。


↑絵画キューブで、油彩画の手触り体験中。


↑カラーキューブで、作品の雰囲気変えてみよう!「おおっ!鋭いご指摘!」


↑プレイキューブで「う~ん、う~ん・・・」。橋本学芸員と見つめ合って、言葉を探し中。

引っ込み思案ちゃんも最後はにっこり。
終了後「もっとやりた~い!」と言ってくれた男の子がいて、嬉しかったです。また参加してね!

(吉)

コレクション展IIIもはじまりました。

今年度3回目の常設展示、「コレクション展III」、はじまっています。
昨日、そのなかの特集「河野保雄コレクション」はご紹介しました。
ほかの展示をご紹介しましょう。

まず、テーマ1「日本美術院」。明治時代に岡倉天心が創設、現在まで巨大な存在感を保っている美術団体です。
横山大観、下村観山、今村紫紅、速水御舟ら巨匠の作品と、福島出身の酒井三良らの作品を展示しています。

 



この佐藤朝山(玄々)の作品も、横井美恵子さんのコレクションを
寄託していただいているものです。

テーマ2「大正の洋画」
白河市出身の関根正二を中心に、木村荘八、安井曾太郎らの大正時代の作品。
おすすめは関根の「一本杉の風景」。景色が真っ赤に見える関根に、今こそ共感。




テーマ3「海外の名作」
アンドリュー・ワイエスの「そよ風」など。
シャガールの版画集「死せる魂」は、モノクロに抑えられた詩情がなんとも。




テーマ4「斎藤清の会津」
「会津の冬」シリーズから14点、会津の風景7点。
全部実景ですが、たまに登場する人影は、実際より小さく描かれています。
雪のかたまり感にどきどきする名品。




(増)

移動美術館「フランス美術名品展」開催中です。

移動美術館は年一回、県内の美術館・博物館等施設に当館コレクションの一部を展示するものです。
今年は会津若松市文化センターで、モネ『ジヴェルニーの草原』、新収蔵のコロー『ヴィル・ダヴレー』とルノワール『帽子を被る女』のフランス近代絵画の名品3点、そしてピカソ、シャガール、ルオー、レジェら20世紀のフランスが誇る芸術家たちの版画55点を展示しています。

「福島県立美術館移動美術館 フランス美術名品展」
●日時:2011年10月25日(火)~11月6日(日)
●会場:会津若松市文化センター(会津若松市城東町14-52 電話0242-26-6661)
●開館時間:9時~17時(最終入館16時30分)
●休館日:10月31日(月)
●観覧料:無料

会津の素晴らしい「秋」とあわせて是非お楽しみ下さい。


明日10月29日(土)は、13時~14時「県立美術館学芸員によるギャラリートーク」、15時~16時「アートキューブによる子供向けワークショップ」を開催します。詳しくは、会津若松市文化センターHPをご覧下さい。

http://www.aizu-bunka.jp/zisyu-index.htm#biten *リンクは終了しました

「アートキューブ」は、子供達が作品を見る時に使う7cm角の立方体型のサポート・ツールです。




この春、新「アートキューブ」3種類を加え12種類にバージョンアップ。
そしてビックサイズの「アートキューブ☆メガ」も完成しました。

先ほど車に積み込み完了。明日が館外デビューになります。




「アートキューブ」で、もっと美術作品に親しんでみませんか?

(橋)

「特集・河野保雄コレクション展」開催しています。

常設展示室では、「特集・河野保雄コレクション展」を開催中です。



去年から当館では、河野保雄さんから、なんと234点の作品を寄託していただきました。
その中から、52点を展示しています。

福島市内でビル業を営み、音楽評論家でもある河野さんは、日本を代表する洋画コレクターの一人です。
昭和30年代からずっと、個性的で、バラエティ豊かな作品を蒐集されてきました。

青木繁、岸田劉生、関根正二、長谷川利行など、どちらかというとアウトサイダーな作家をいちはやく評価したのが河野さんです。

 

宝石箱のようなガラス絵や、竹久夢二、初山滋の挿絵原画なども、思わず「こんなの自分も欲しい!」。
これまでの当館にはなかった、いとおしさです。

 



河野さんが平成2年から18年まで福島市内に開いた「百点美術館」。
ちょっとそれを思い出させる、サロンのような空間になりました。

このように、寄託作品(個人の方などからお預かりしているもの)も収蔵品に準じた作品として、常設展示室で活躍しているんですよ。

(増)

アーティストinスクール第2回目、行ってきました。

アーティストinスクール《光で遊ぶ~メディアアート》の第2回目は、安達郡大玉村立大玉中学校で開催。美術部員と有志の16名が、講師考案の「光の箱」を制作しました。

美術と聞くと《絵の具》で描いたり、《粘土》で作ったりする事を連想しがちですが…今回のワークショップは《光》を素材に作ります。

はじめに、講師の松村さんの作品「光の彫刻」を鑑賞します。黒い縦長のボックスの中心の支柱がモーターで回転すると「赤」「青」「緑」…光の三原色の影が現れます。回転速度が変化するようにプログラミングされていて、見える形も速度にあわせて変化します。

 

いよいよ「光の箱」の制作。
「ハサミで切る」「セロテープでとめる」など、身近な用具で、初めてでも無理なく作ることができます。工程を一つ一つ追いながら制作が進んでいきます。

 



時間が経つにつれ、だんだんと箱の中は銀色のフィルムミラーの「筒」で埋まっていきました。この「筒」の中で《光》が乱反射し、様々な表情を生み出します。制作途中の作品を蛍光灯にかざしたり、後ろからライトを当てて具合をみます。



全体のバランスがとれたら、赤・青・黄・緑の帯状のカラーセロハンを作品の背面に、自由に組み合わせて貼ります。



 

自然と制作に夢中になって、いつの間にか教室内はセロテープを使う音しか聞こえなくなっていました。校長先生が様子を見にいらして「みんな、いい顔になってるなぁ。」とおっしゃっていました。

最後に完成した作品を積み重ねて…教室の電気を消し、作品の背面からスポットライトをあてて鑑賞会。職員室にいらした先生達も駆けつけてくれました。





作品の中を通過する光が「筒」の中で乱反射し、色同士が溶け合って、鮮やかな煌めきとなり、歓声と拍手がわき起こりました。みんなの目もキラキラと輝いて、驚きと発見にあふれたワークショップになりました。


講師:松村泰三さんのブログにも記事が掲載されています。

http://taizoinfolog.seesaa.net/article/232308384.html

(橋)