福島県立美術館ブログ

色で遊ぼう!マグネットづくりワークショップ

7月9日(日)に、マグネット作りのワークショップを行いました。

今回は色のにじみを楽しんで、気に入った部分を切り取ってマグネットにしました。

 

まずは油性ペンで自由に色を置いて・・・

そこにアルコールを数滴垂らすと・・・

どんどんどんどん滲んでいきます!

どんな色でもどんな滲み方でも、かっこよく、きれいな模様になりました。

模様ができたら円形カッターで切り取ります。

切り取ったらスタッフがマグネットにしていきます。

 

きれいな模様がたくさんできて、一枚の紙の模様からから2つのマグネットを作ったり、たくさんマグネットを作る人もいました。

小さなお子さんから大人の方まで、親子での参加やお友達、ご夫婦と様々な方に参加してもらいました。

お子様はもちろん、大人の方にもおもしろい、と喜んでもらえたことが印象的です。

たくさんのご参加ありがとうございました!

 

次回は8月5日(土)14:30~16:30に行います。

申込は不要です。当館エントランスにお越しください。マグネットを1つ作るにあたり材料費が100円かかります。

 

夏休みの思い出作りにいかがでしょうか。

ぜひご参加ください。

 

 

中学生の職場体験を実施しました

7月4日(火)~7月6日(木)の3日間で中学生の職場体験を実施しました。

新型コロナの影響でここ数年は行われなかったため、令和元年以来の久しぶりの実施となりました。

初日は美術館見学と鑑賞体験ワークショップを実施。

まずはアートカードを使って使って自分を表すカードを選び、理由とともに自己紹介をしました。

 

自己紹介後は美術館内の見学です。展示室やエントランスなど開かれている場所や、事務室や収蔵庫(の前)など裏側をまわり、また美術館に関わる様々な仕事についての説明を受けながら館内を見学しました。

下の写真は、現在の企画展「ブルターニュの光と風」を見学している様子です。ギュダンの「ベル=イル沿岸の暴風雨」の絵の中にウサギと羊がいると聞き、探しているところです。

 

午後は展示室で作品を鑑賞するワークショップを行いました。

おみくじキューブで出てきた形容詞に自分が当てはまると思う作品を選んび、その理由とともに発表しました。

今回は「こわい」というワードが出てきて、それぞれ選んだ作品がまさかのかぶりで3人ずつ2作品を選んだ結果となりました。同じ作品を選んでも、自分で感じたことを言葉にするとそれぞれ異なる発表になりました。同じ作品でもいろんな感想を聞くことができるのが複数人で鑑賞する楽しさです。

そのあとは2班に分かれて作品当てクイズを行いました。

1班は作者の情報からどの作品か当てるクイズ。

2班はジェスチャーからどの作品か当てるクイズ。

時間が限られた中でしたが、問題にする作品を選び、回答者が分かるようにヒントを考えてクイズを行っていました。

2日目は館内の清掃体験と、子ども用作品解説シートの作成を行いました。

子ども用作品解説シートを作って発表することが今回の職場体験の目玉となるため、当館のコレクションから作品を一つ選び、レイアウトや解説シートの内容を考えました。

 

3日目はいよいよ作成した子ども用解説シートを使ってのギャラリートークです。ぎりぎりまで解説シートを作成していたこともあり、とても緊張して発表を迎えました。

それぞれが工夫して作成した解説シートをもとに、立派に発表しました。

3日間お疲れさまでした。

この時に発表した解説シートは現在常設展示室内に展示しております。

お立ち寄りの際にはご覧ください。

 

「アートなおはなしかい」開催しました!

6月17日(土)、おとなりの図書館さんと「アートなおはなしかい」を開催しました。
今回は美術館のエントランスホールからスタート!

まずは図書館さんによる絵本のよみきかせです。 

『まほうのえのぐ』林明子
主人公の女の子と様々な生き物たちが絵具を使って絵を描く様子が楽しい絵本です。

『びじゅつかんへいこう』絵:ピーター・レイノルズ、文:スーザン・ベルデ、訳:なかがわちひろ
美術館で作品と出会うことによって生まれる心の変化を描いており、美術館に行ってみたり、絵を描いてみたくなるような絵本でした。

ここからは展示室へ行き、作品を鑑賞しつつ、関連する絵本などを紹介してもらいます。
まずは2階の常設展示室へ。
最初にみたのは、佐藤玄々(朝山)《蜥蜴》1940年代作。

何の生き物かな?
「トカゲ!」「カナチョロ?」「イモリとかヤモリとか…」
この作品は、《蜥蜴》とタイトルが付いていますが、尻尾の長さなどからカナヘビだと考えられます。
(余談ですが、カナヘビのことを県北出身の美術館スタッフも“カナチョロ”と呼んでいます。)

カナヘビは何をしているところなのかな?
「獲物を見てる」「川に流されているんじゃないかな?」
作品をみながら自由に思ったことをお話します。

カナヘビがどんな生き物なのか、知ることができると、もっと色々な想像が膨らむかもしれません。
図書館さんから『かなへび』文:竹中践、絵:石森愛彦 を紹介してもらいました。
絵本の中には、作品とそっくりの体勢で木の上でひなたぼっこしているカナヘビがいました。
作品を見ながら、何をしているところなのかな?と想像してみるのもおもしろいですね。

ここでクイズ!この作品はどうやってできているでしょうか?
「粘土」「下は竹で、上が木でできてる」「プラスチック」…。
子ども達はもう一度作品をじっくり見ながら予想します。
ヒントになる隣の作品を見てみました。

 
佐藤玄々(朝山)《巣鶏》1920年頃作。
「木だ!」と子ども達から声があがりました。
《蜥蜴》と《巣鶏》は作者が同じであること、実際に木を彫っている様子の写真などを紹介しました。

今日は特別!展示ケースを外し、普段は見られない作品の裏側をみんなでみます。

 

《巣鶏》はにわとりと2羽のひよこ、それぞれの足が彫られ、色が塗られています。
玄々の作品は、裏側まで彫ってある作品がいくつかあります。

ここで、図書館さんからにわとりの親子をテーマにした絵本をよみきかせしてもらいました。

『ロージーのひよこはどこ?』作:パット・ハッチンス、訳:こみやゆう
めんどりのロージーがひよこを探して歩き回るおはなしです。鮮やかな色彩がとても可愛らしい絵本でした。

次は絵を見てみましょう。
山口華楊《畑》1925年

何が見えるかな?
「スイカ」「ナス」「豆」「スズメ」「判子」…。
作品には様々な種類の野菜が描かれています。
作者が押した印に気づいてくれた子もいました。
ナスや豆は普段目にしているものとはちょっと種類が違うかも?
京都の野菜が描かれているようです。
描いてある野菜をよーく見てみると、スイカの模様やナスのヘタのとげなど細かい部分まで描かれていることが分かります。

ここで、畑をテーマにした絵本を紹介してもらいました。

『はたけうた』作:田島征三
畑で育つ野菜たちが生き生きと、力強く描かれています。
ヨイショ、ドッコイショ、チョイトナーなどと合いの手が散りばめられ、聞いていて楽しい絵本でした。

 1階の特集展「眼にうつる詩」の展示室へ。
美術作品と文学をテーマにした当館所蔵作品のテーマ展示です。

まずはみんなで休憩室へ入り、山中現『きたのまち』をよみきかせしてもらいました。

「山のむこうに山が見える」そんな一文からはじまる本は、優しい色合いが魅力的です。
作者の山中さんは喜多方市出身の作家で、『きたのまち』は故郷をイメージして作られたそうです。
展示室へ移動し、今回展示している山中さんの《水の庭》2003年刊をみます。

作品を見ると、子ども達から「切り絵かな?」などと作り方に関心を寄せる言葉がありました。
この作品は木版画であること、よーく見るとインクがきらきらしていることなどをお話しました。

最後はとっても小さな作品をみんなで見ました。

タイトルを隠し、何が描いてあるか、みんなでお話しながら見ていきます。
「キツネ」「アジサイ?」「池?」
「隣の作品と似てるからブドウ!」など、鋭い意見も飛び出しました。
この作品には実は元になっている物語があることを伝え、図書館さんに本を紹介してもらいました。

『キツネとブドウ』文:蜂飼耳、絵:さこももみ
キツネが必死でブドウを取ろうとする様子がユーモラスに描かれた絵本です。

ということで、この小さな作品は桂ゆき《ブドウとキツネ》制作年不詳。
この作品は、紙やキャンバスではなく、透明なガラスに描かれていることをお話しました。

最後は実習室での工作です!
今回は《ブドウとキツネ》をテーマに、ガラス絵風の絵をつくりました。

危ないのでガラスではなく、透明な下敷きを使います。
短時間で仕上げるため、2枚の下敷きで絵具を挟む方法で実施しました。
1枚目にキツネと自分のイニシャル、丸いスタンプを押していきます。

ここまでできたら2枚目。
紙パレットの片側に、自分の好きな色を出していきます。
二つに折って手で絵具をのばし、紙パレットを開くと、不思議な模様の出来上がり!

 
絵具を挟むようにして、2枚をぴったり重ねます。

 

作品が完成!
スタッフが窓に貼り付けていきました。
光にかざすと絵具がよりきれいに見えます。

 

最後にみんなで記念撮影。
ご参加いただいたみなさま、図書館スタッフのみなさま、ありがとうございました!

創作プログラム「音の風景~心象表現を楽しもう~」開催しました!

5月13日(土)、創作プログラム「音の風景~心象表現を楽しもう~」を開催しました。
講師は作家の福田美里さんです。

宮城県を拠点に制作活動をされていて、当館では、2021年、22年に開催した庭園活用イベント、
「Art meets cookies」でも、作家のひとりとしてご協力いただきました。
今回の創作プログラムでは、美術館周辺の音を観察し、言葉や絵で表現していきます。

はじめに、福田さんから自己紹介と、プログラムの流れについてお話がありました。
美術館の庭園を散歩して、“気づき”を採集。その後実習室に戻って制作をします。

前半は参加者全員で一緒に歩きながら、どのようなことを感じたのか、それぞれワークシートに言葉や絵でメモしていきます。 
外に出ると、さっそく鳥のさえずりが聞こえてきました。
池の水面には様々な模様が見えます。

芝生の上に座ってみると、ザッザッと葉っぱのこすれる音や、手触りを感じられます。
寝転がってみると…太陽の光が!

「まぶしい!」と参加者の方から声が聞こえると、「その感覚もぜひメモしてください」と福田さんから声がかかります。
みなさん感じたことや気づいたことをメモしていきます。

次は美術館の正面入り口へ。


このあたりは石が敷かれていて、芝生とは足の裏に感じる硬さも異なります。
「自分が鳴らす音にも注目してみてください」と福田さん。
遠くからは電車の音も聞こえてきます。

大きな彫刻《歩く花》(フェルナン・レジェ、1952-53年※寄託)の前へ。
彫刻を触ってみると、金属の質感や表面にあるデコボコなどが感じられました。 

奥に進んでいくと、今度は砂利道に変わります。
梅の木を見上げると実がなっていました。
落ちている実を拾ってみると、ふわふわとしたさわり心地。
この季節ならではの光景です。
砂利道から少しはずれると、落ち葉がいっぱい積もっています。
踏んでみると、ガサガサッと気持ちのよい音がしました。

あづまやに集合し、前半は終了。

後半は一人ひとり好きなところをめぐっていきます。 
庭園の一番奥にある水路のはじまりは小さな滝のよう。
「こんなところに滝があるんだ!」と驚きの声も聞こえました。

 

大きな枝を見つけました!

 

実習室に戻り、みんなで“気づき”を共有します。

 

・鳥のさえずり

・人工的なものと自然物の音の違い

・いつもは無意識に感じていることを意識する時間になり、自分の視点が変わる、意識が変わる感覚があった

・歩いている時間にしあわせを感じた

・大きな枝を見つけた

・風に吹かれるユキヤナギの揺れ方の違い

などなど…。みなさんたくさんの“気づき”を紹介してくださいました。 

次は制作です!
庭園の散歩で感じたことや気づきを、表現していきます。

 

今回は、B5サイズのボードとはがきサイズの画用紙に、アクリル絵具で描きます。
制作の前に、福田さんが今回のワークショップのために作った参考作品などを見せていただきました。

自身が感じたことの中の1つに着目して、それを全面に描く一場面型や、
感じたことを1枚の絵の中にたくさん描いていく地図型などがあり、描き方は自由とお話がありました。
また、表現のヒントになるよう、デカルコマニーやドリッピングなどの技法を紹介してくれました。

ここからは自由に制作していきます。
 

 

  

ローラーを使ったり、筆に水をたくさん含ませて描いたり、コラージュをしたり…
みなさん思い思いに表現していきます。
作品が完成しました!

最後はみんなで作品を並べて鑑賞会です。

自分が作った作品や、今日の活動についての感想をお話していただきました。
 

受講者からの感想(一部)です。

・普段感じることのないことを感じて、絵を描くということが大変おもしろかった

・自分が感じたことを表現するプロセスがすごく楽しかった。

・小さいころにもどったようなゆったりとした時間を過ごせたのがよかった。

・自由さが心地よかった。

・静かな環境の祖と庭を散歩して目、耳、感覚などを働かせる。

・時間が足りなかった。


普段何気なく見たり聞いたり、感じたりしていることを、改めて意識してゆっくりと全身で感じとる。
自分自身ともじっくり向き合う時間になったように思います。

福田さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

「美をつくし」展マグネット作りワークショップ

4月29日(土)と、5月14日(日)に、「美をつくし」展と関連したマグネット作りのワークショップを開催しました。

 

 

 

葛飾北斎の『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』、尾形光琳の『円形図案集』、原在中の『百鬼夜行絵巻』を原画としたぬり絵から好きな作品を選び、色鉛筆で色を塗っていきました。

 

ぬり絵が完成したら、スタッフが缶マグネットに仕立てました。

 

同じぬり絵で制作しても、参加者の方たちが創意工夫をたくさん発揮してくれて、一つとして同じものがない多彩な作品が生まれました。

参加者の作品の一部をご紹介します。

 

 

 

たくさんのご参加ありがとうございました。

また、今後も企画展を中心にこのようなワークショップを開催していきます。

詳細が決まりましたら当館HP等でもお知らせしていきますので、ぜひご参加ください。