カテゴリ:教育普及
「親子で作ろう! シルバーアクセサリー」開催!
様々な宝飾作品が展示されることにちなんで開催いたしました。
竹田さんからは、純銀粘土のこと・制作の流れと注意・作品例などについて説明を頂きました。
全体のザックリとした流れは、デザインを考える→粘土成形→乾燥→研磨→焼成→研磨で完成です。
デザイン考え中。指輪にするか?ネックレスにするか?
でも粘土は意外に扱いが難しいのです。(慣れるまでは)受講された皆さん、悪戦苦闘です。
今回は、特別にアシスタントの方が4人も来て下さいました。(心強い)
成形が終わり乾燥(約20分)の後は研磨の作業に入ります。
粘土は乾燥の後はカチカチになりますが、力を入れて握るとパリンと割れてしまうので、
慎重に研磨しなくてはなりません。
繊細な作業が続きます・・・でも皆さん楽しそうです。
次は焼成です。本日は美術館の七宝焼き用の電気炉を使います。
800度〜840度ぐらいで、約20分から30分ぐらい焼きます。
焼くと1割2割小さくなるので、それを見込んで粘土を成形するのがこつだそうです。
焼成されると、粘土は純銀(金属)になります。(不思議ですねぇ)
後はひたすらヤスリがけ。スポンジ研磨剤→磨きベラ→シルバークロスで磨きます。
磨くと磨くだけ輝きだします!(「おおっ!」と皆さんから歓声があがります)
そしていよいよ完成です!
羽の形をしたネックレス。
模様をあしらった指輪。
かわいい猫と鳥のアクセサリー。
羽の形をしたキーホルダーに、おしゃれな指輪。
ばらの花の指輪などなど。
キラキラ輝く素敵な作品が完成して・・・。
みなさんの笑顔もキラキラ輝きました!
GWの素敵な思い出をお持ち帰りです。
おしまい。
美術館では年間を通じて、大人の方、お子さん、ご家族の方々が気軽に参加頂ける
楽しい創作プログラムをたくさん実施しております。
情報は、当ホームページ、美術館ニュース、展覧会チラシまたはポスターなどをご覧ください。
ご応募は、美術館総合受付、電話、ホームページで受付しております。
ぜひ、展覧会とあわせて美術館創作プログラムをお楽しみください!
皆さまのお越しをお待ちしております!
「コラージュでつくるブックカバー」開催しました
3月12日(日)、当館実習室にて「コラージュでつくるブックカバー」を開催しました。
講師は、キャッサバコラージュデザインの佐藤洋美さんです。
ハンドメイドの時計である「Time lag」の制作、HPやチラシなどのグラフィックデザインなど様々なお仕事をされています。
今回は、紙の表情を知りながら、包装紙や古い雑誌を使ってブックカバーをつくります。
まずは台紙となる紙が一人1枚ずつ配られます。
参加者のみなさんには事前にブックカバーをかけたい本を持参してもらっていました。
持ってきた本のサイズに合わせて、紙を折ります。折り目を外側にすると、しおりを収納できるポケットにもなります。
次に洋美さんが準備してくださった様々な種類の紙から、ブックカバーに使いたい紙を自由に選びます。
みなさん使いたい紙の質感や色の感じ、模様などの組み合わせを考えながら選んでいました。
紙を選び終えると、洋美さんからのアドバイスを受けながら、はさみで切り抜いたり、折ったり、くしゃくしゃにしてみたり、破ってみたり・・・と、質感を楽しみながら配置を考えました。
組み合わせができたら、のりで丁寧に台紙に貼っていきます。
完成後、みなさんの作品をひとつのテーブルにのせ、お互いの作品を楽しみました。
紙を折って立体的にしたり
ブックカバーの内側にしおりを収納するポケットを作ってみたり・・・
みなさん様々な工夫を凝らして制作に取り組んでいました。
今回のワークショップには、「色んな肌触りを楽しめるブックカバーで、読書の時間がより心地よいものになりますように。」という洋美さんの想いが込められています。
参加者のみなさんそれぞれにとって、読書をする度にあたたかい気持ちになるようなブックカバーが完成したのではないかと思います。
洋美さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
館長講座「みちのくの美-その源流を巡る旅」第6回 福島編
3月11日(土)、当館講義室にて館長講座を開催しました。
今年度は、「みちのくの美-その源流を巡る旅」というテーマで、青森から福島に至る東北地方の近代美術を中心にご紹介しています。最終回は「福島編」です。
福島県では、美術の分野でどのような作家が活躍し、どのような作品が生み出されたのか、各作家とその作品について画像を映しながらお話しました。
今回は、広い福島県を6つの地域に分けて、それぞれの地域でどのような作家が活躍したのかお話しました。まずは中通り。県北地域は、東北にゆかりのある画家の高橋由一、福島市出身の吉井忠、桑折町と霊山にゆかりのある橋本章、そして二本松市出身の大山忠作を紹介しました。
県中地域は、郡山市と三春町ゆかりの鎌田正蔵、郡山出身の彫刻家、三木宗策、佐藤静司、ガラス工芸作家として知られる佐藤潤四郎。須賀川市は亜欧堂田善、須田珙中。棚倉町の勝田蕉琴。
県南地域は白河市出身の画家、関根正二を紹介しました。
続いて浜通り。相双地域からは、彫刻家の佐藤玄々(朝山)と画家の太田正弘。
いわき地域からは、画家の若松光一郎と田口安男。彫刻家の北郷悟を紹介しました。
最後は会津地域。三島町出身の画家である酒井三良。水彩画家として活躍した渡部菊二、春日部たすく。そして会津の冬シリーズで知られる版画家の斎藤清を取り上げました。
今回は、21名の福島出身・ゆかりの作家と、その作品44点を紹介しました。
今年度の館長講座は最終回となりました。
1年にわたりご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
次回は5月からとなります。
29年度のテーマは、
「~パリの異邦人~エコール・ド・パリの画家たち」
29年度は、隔月第2土曜日の開催となります。
第1回は5月13日(土)10:30~12:00です。
現在、受講申し込みを受け付けております。
こちらもどうぞよろしくお願いいたします。
館長講座 第5回 宮城編と次回日程変更のお知らせ
1月21日(土)、当館講義室にて館長講座を開催しました。
今年度は、「みちのくの美-その源流を巡る旅」ということで、青森から福島に至る東北地方の近代美術を中心にご紹介しています。
第5回は「宮城編」です。
宮城県では、美術の分野でどのような作家が活躍し、どのような作品が生み出されたのか、各作家とその作品について画像を映し出しながらお話しました。
今回は、画家の太田聴雨、荘司福、高橋由一、佐々木正芳。
そして彫刻家の高橋英吉、佐藤忠良、昆野恒・・・計7名の作家を取り上げました。
最後に、仙台市で24年かけて取り組まれた“彫刻のある街づくり”についても紹介しました。
次回は今年度最終回の「福島編」です。
開催日が変更になりました。
3月18日(土)→3月11日(土)
時間は10:30~12:00まで、場所は講義室で変更ありません。
すでに予定を立てられていた皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、
何卒ご理解とご協力をお願いいたします。
「美術館への年賀状展」開催中!
1月12日(木)より、当館エントランスホールにて「美術館への年賀状展」を開催しています。
1984年の開館以来、休館をはさみ30回目の開催となりました。
県内の子ども達から届いた手作り年賀状を全て展示しています。
2017年の干支である「酉」をモチーフにしたもの、富士山(初日の出)やお正月ならではのコマや鏡餅などを描いたものや、新年の抱負を書いたものなど、多彩な年賀状をいただきました。
送ってくださったみなさま、ありがとうございました!
1月31日(火)まで展示しています。ぜひご覧ください!
2016学校連携共同ワークショップ参加校作品展開催中
学校連携共同ワークショップ参加校作品展2016
(年末年始休館2016年12月26日〜2017年1月6日)
2017年1月7日㈯〜1月15日㈰
会場:福島県立美術館(企画展示室B)
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
観覧無料
2016年度参加校
1983年 福島市出身。
佐藤 香 氏(土絵作家)
展示室に入ると、三人の不思議キャラがお出迎え(フライデースクリーン:若松二中作品)
ここからは、フライデースクリーンのワークショップ作品が見渡せます。正面の机には、
若松一中と若松二中の生徒さんが集めた「音」を聞くことが出来るパッドが三つ並びます。
(なんの音か当ててみてね)
入って左の壁には太古の壁画を思わせるプリミティブな作品たち!
佐藤香さんワークショップは、「土」から絵の具を作り、土絵を描きました。
三春中学校 2年生120名が描いた迫力の土絵!3m×3mの作品が4枚並びます。
迫力の三春中と向き合うのは、これまた負けず劣らず迫力のある渋川小学校5年生の作品!(フライデースクリーン)
映し出された映像はゴジラではありません。これは渋川小に立つ大きな二本の桜の木。
葉のある季節は大きな恐竜に見えることから「シブカワザウルス」と呼ばれ、子ども達に親しまれています。
今回のワークショップは、シブカワザウルスの「鳴き声」を想像してダンボールで作りました!
不思議な鳴き声たちが、光りと影の中で交錯します。
ボリューム満点の作品に挟まれた空間には、金谷川幼稚園の園児たちが作った「海の音色」を響かせる
かわいい楽器たちが浮遊しています。(フライデースクリーン)
触れると「カラカラカラッ」と静かに音色を奏でます。
最後は、建築家アサノコウタさんによるワークショップ(ウチをつくる)作品です。
一見、ダンボールの山のように見えますが、良く観ると様々な「おもちゃ」たちが住んでいるようです。
そう!ここは、福島東高校美術部の生徒さんたちが、園児たちの作った「おもちゃの住むウチ」を
親と子の美術教室「クリスマスを彩るどうぶつライトをつくろう!」
2016年、12月11日(日)、当館実習室にて、「クリスマスを彩るどうぶつライトをつくろう!」を開催しました。
講師は、光のアトリエPAPERMOON主宰の冬野朋子先生です。
今回は、好きな動物のかたちのフットライト(足下灯)を親子で一緒に作ります。
先生から自己紹介などのあと、まずはどんな動物にするか決めます。
今回は事前の準備として、子ども達につくりたい動物のイラストを描いてきてもらいました。丸い形にした針金を基本形として、冬野先生と相談しながら、あかりにする動物のかたちを決めていきます。
次に、イラストを描いた紙に合わせて、針金を切ったり、曲げていきました。これは少し力がいる作業です。ハンダづけするためののりしろも考えつつ、ペンチやパイプを使いながら、みなさん丁寧に曲げていました。
針金ができたらいよいよ接着!
まず冬野先生からハンダごての使い方や、扱うときの注意点について説明がありました。
針金をつける手順を、実際にやってみせてもらいます。
次は自分たちで挑戦!お母さんやお父さんと協力しながら、針金をハンダづけしていきます。みんな先生の説明をしっかり聞いていたので、上手にできました。
針金の枠をたくさん入れる子もいて、少し大変そうでしたが、みんな集中して一生懸命取り組み、それぞれ自分が考えた動物形の針金の枠が完成しました。
できた枠をきれいに洗い、今度は和紙を貼る作業です。
まず、白い和紙をくしゃくしゃにして広げます。
次に針金の枠の片面にボンドを塗り、先ほどの白い和紙を貼り付けました。
ボンドが乾いたら、はさみで針金より少し大きめに和紙を切っていきます。
切り終わると、こんどはその上に自由にカラフルな和紙を貼り付けていきます。
色ごとに並べられた和紙の山から、自分の好きな和紙をいくつか選びました。
選んだ和紙を、自分がつくりたいイメージに合わせてちぎりながら白い和紙の上に貼り付けていきます。
子ども達はどのような感じに透けて見えるのか、色が重なるのかを見るために、前に置いてあるライトにかざして何度も確認していました。
黄色一色でも、同じ色の和紙を使うのではなく、濃い黄色やオレンジに近い黄色など、様々な黄色を組み合わせて重ねることによって、光を通して美しいグラデーションが生まれます。
世界にひとつだけのフットライトが完成しました!
最後は点灯式。部屋を暗くして、ひとりひとりの作品をライトに付け、みんなで楽しみます。
寒い冬を彩る、あたたかく素敵なフットライトが完成しました。
おうちであかりを灯すたびに、一緒につくった時のことを思いだしてもらえたらいいなと思います。
冬野先生、参加してくださったみなさま、ありがとうございました!!
「アートなおはなしかい」開催しました!
12月3日(土)、おとなりの図書館さんと一緒に「アートなおはなしかい」を開催しました。
今回のテーマは、来年の干支である「とり」です。
まずは図書館の研修室で、「とり」に関連する素敵な絵本のよみきかせをしてもらいました。
1、『にわとりとたまご』 作: イエラ・マリ エンゾ・マリ
にわとりとたまごが変化していく様子が絵だけで表現された、美しい絵本でした。
2、『ロージーのおさんぽ』 作:パット・ハッチンス 訳:渡辺茂男
ある日、めんどりのロージーがおさんぽに出かけます。背後にはロージーを狙う動物がいますが…?黄色や赤、だいだいなどの同系色でまとめられ、黒く細い線で描きこまれた絵にひきこまれます。
3、『十二支のはじまり』 作:岩崎京子 絵:二俣英五郎
「ね、うし、とら、う、たつ、み…」みんなが知っている十二支。
この動物達の順番はどの様に決められたのか知ることができる絵本です。
4、『でんごんでーす』 文:マック・バーネット 絵:ジェン・カラーチー 訳:林木林
お母さん鳥が、小さなピーターへ伝言を送ります。いろんな種類の鳥たちが次々と伝言していきます。果たしてピーターにお母さんからのメッセージはきちんと伝わるのでしょうか?鳥たちによる愉快な伝言ゲームが描かれた、楽しい作品でした。
5、『しまふくろうのみずうみ』 作・絵: 手島圭三郎
ある湖のほとりにすむ、しまふくろうの親子のお話。大きく翼をひろげて魚をつかまえるシーンは、とても迫力があります。
さて、おはなしかいの後は秘密の抜け道(連絡通路)を通って美術館へ。
美術館では、2階の常設展示室で作品を一緒に鑑賞していきました。
まずは展示室入口すぐの作品、《雪に埋もれつつ正月はゆく》(1919年)
作者は三島町出身の画家、酒井三良(1897‐1969)。この作品では、囲炉裏を囲む家族の様子が描かれています。画面上部には会津の小正月行事のひとつである「だんごさし」が描かれており、「学校でやったことがある」と話してくれた子もいました。
みんなで作品の真ん中に集まり、低い姿勢から作品をみてみます。そうしてみると、あたたかい囲炉裏を囲んでいる家族の一員になったような、そんな気持ちにもなってきます。
次に紹介したのは、佐藤忠良(1912-2011)作、《ジャコビン》(1977年)。
これは絵ではなく、立体の作品です。ケースのまわりをぐるりと1周してみます。
ジャコビンとは鳩の一種で、首の周りがふわふわとしています。今期の展示作品の中で唯一はっきりと「鳥」がモチーフになっている作品でした。
最後に紹介したのは、河野コレクションのひとつである高橋忠弥(1912-2001)の作品です。
まずはタイトルを言わず、なにが描かれているように見えるか聞いてみました。
はっきりとはなにが描かれているのか分からない絵に、みんな困り顔です。
この作品には《花・鳥・ランプ》(1950年)というタイトルがついています。
子どもたちと「どこの部分が鳥に見えるかな?」と絵をもう一度みて考えてみます。
「右側の大きな丸いところが目に見える」
「ここが胴体で、ここが羽に見える」などと、絵を指さしながら、お話してくれました。
現在の展示が始まってから、子どもたちや大人の方と、何度か≪花・鳥・ランプ≫を一緒に見る機会がありましたが、みんなそれぞれ異なる部分に鳥の姿を見つけるので、毎回色々な発見があります。
少し急ぎ気味に展示室をまわってしまいましたが、「これなに?」「これ不思議」などと、子どもたちは展示されている作品に対して、様々な反応をしてくれました。またゆっくりと作品に会いに来てほしいです。
最後は工作の時間です。図書館の研修室に戻り、ステンシルでカラフルな鳥を描いていきます。
まずははがきサイズの紙にやってみよう!
自分の気に入った鳥の型をひとつ選び、紙の上に置きます。マスキングテープでずれないようにしっかりととめます。
スポンジに絵の具をつけて、トントンと紙に色をのせていきます。
ふちの方までしっかりと。何色か重ねてカラフルな鳥をつくっている子もいました。
ステンシルが終わったら、今度は文字や絵を描きこんでみよう!背景に山や空を描いたり、枝や卵を描いてみたり…。
みんな一枚一枚丁寧に描き、素敵なはがきが完成しました。はがきサイズなので、年賀状にも使うことができます。
今度はもっと大きなステンシルに挑戦!ロール紙を準備しました。
真ん中には「HAPPY NEW YEAR!! 2017」
その周りに、カラフルな鳥をどんどんステンシルで写していきました。
みんな手を絵の具だらけにしながら、制作に取り組んでくれました。(作品は展示の時にご紹介したいと思います。)
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
美術館では、毎年「美術館への年賀状」展を開催しています。小学生から高校生による手づくりの年賀状を募集し、届いた年賀状全てを展示しています。
今回大きな紙にみんなでつくった作品は、2017年の年賀状展会期中、エントランスホールに展示します。
会期は2017年1月12日(木)~1月31日(火)までです。
子ども達の作品を見に、ぜひ遊びにいらしてください。
わんぱくミュージアム「キラキラつやつや七宝焼きバッジに挑戦!!」
11/13(日)の午前と午後、2回にわたり、
今回は小学1年生~6年生まで、23名の子ども達が参加してくれました。
七宝焼きとは、簡単にいうと金属の土台(銅板)に、
まずは丸か楕円のかたちの土台を選び、どんなバッジにしたいか、
あまり細かい模様は難しいですが、
どんどんアイディアが浮かぶのか、もう一枚描く!
スケッチが終わったら、お気に入りのひとつを選びます。
いよいよ一番難しい作業へ。考えた絵柄に沿って、ガラス絵の具を選び、
子ども達は、透明色(すける色)、不透明色(はっきりした色)を使い分けながら、丁寧に土台の上にのせていました。
のせている時の表情はみんな真剣!細かい模様にした子も、慎重にホセを動かしながらガラス絵の具をのせていました。
完成すると、スタッフが800度に熱した電気がまで焼きます。
かまの小さな窓から、ガラスが溶ける様子を見てもらいました。
焼き上がった熱々のバッジ。焼きたては絵の具の状態と全く色が異なります。
子ども達はどきどきしながら作品が焼き上がるのを待っていました。
バッジが冷めたら縁をやすりで削り、後ろにピンをつけます。
キラキラでつやつやの、世界にひとつだけのバッジが完成しました!
参加して下さったみなさま、お手伝いいただいたみなさま、ありがとうございました!
「触って、話して、見て楽しむ美術鑑賞ワークショップ」開催
福島県立美術館では、2012年から毎年1回、視覚障がい者の方々とコレクション作品を鑑賞する「視覚障がい者のための美術鑑賞ワークショップ」を開催してきました。回を重ねるごとに、「今度はこういうのをやってみたらどうだろう?」というようなアイディアも出てきて、今年は見えない人と見える人一緒に作品を鑑賞するワークショップに挑戦することになりました。タイトルは「触って、話して、見て楽しむ美術鑑賞ワークショップ」。
新しい試みでしたので、いろいろな方々にご協力をいただき、打ち合わせを重ねました。2012年の初回から講師をして下さっている真下弥生さん、半田こづえさん、そして福島県点字図書館の方に加え、県内の視覚障がい者の方、福島市内で活動されている「てつがくカフェ@ふくしま」の世話人の方々。その中で、昨年度新収蔵のロダンの彫刻《影の頭部》《髪をすく女》を鑑賞作品として選び、ワークショップの進め方を話し合ってきました。
11月3日(木・祝)ワークショップの当日。
午前と午後二回開催されたワークショップには、見えない方、見える方合わせて22人の方がご参加下さいました。
その様子をご紹介しましょう。
場所は常設展示室。
彫刻を触察するので、まずは手を洗い、時計やアクセサリーを外し準備をととのえてロダンの彫刻が展示してあるところに集合。
スタッフも大勢いましたし、いろいろな人たちが集まっていたので、まずは自己紹介から始まりました。多分、みんな緊張していたと思います。なんせ初めてのことですから。まずは緊張をほぐしウォーミングアップ。
そして講師の真下弥生さんがこれから鑑賞する作品の制作者、彫刻家のオーギュスト・ロダンについて、いつの時代のどこの作家なのか、どんな作品を作った人なのかをお話しして下さいました。
これから鑑賞する《影の頭部》という作品は、頭部だけなのですが、実はロダンの代表作である巨大な《地獄の門》のてっぺんに置かれた3人の男性の全身像《三つの影》に由来するものだということも紹介されました。
いよいよ鑑賞です。見えない人2人、見える人2人がチームになります。3チームで以下の3つの作品を鑑賞していきました。
ロダンの《影の頭部》と《髪をすく女》。
いずれもブロンズでできています。彫刻ってどうやって作るんだろう、ということを少しわかっていただくために、今回はいわきの彫刻家、髙野正晃さんにご協力をいただき、制作途中の粘土の人物頭部を拝借し、それも触察していただきました。
見えない人から鑑賞が始まります。触りながら、「これは何?」「ここはどうなっているの?」など、見える人と会話をしながら鑑賞を進めました。もちろん見える人も触ってみます。
《影の頭部》では、「目は開いてるの?」「あれっ、閉じてるのかしら?」お互いに対話をすることで、気がつかなかったいろいろなことが見えてきたようです。
鑑賞が終わったところで、「てつがくカフェ@ふくしま」の渡部純さん、小野原雅夫さんがファシリテーターとなり、それぞれが感じたことを共有し、深める場を持ちました。
午前中の「てつがくカフェ」では、どんな話しが出たかご紹介しましょう。
触ることと見ること
見える人:(見えない人から)、このところどうなっているのかと質問されましたが、それは触れるからこそ出てきた質問だと思いました。あらためて自分で触ってみて、彫刻って触ってみると一番いいところが見えるという思いがしました。(視覚障がい者の方は)いつも触っていらっしゃるので感覚が研ぎ澄まされているのだということが伝わってきました。
見えない人:《髪をすく女》は女だということはわかりましたが、果たして髪の毛がどこにあるかわからなかったです。前か後ろかもわからなかった。触ってみて、胸がある、お腹も出てるとかわかりました。手や足を触って、こうなってるから髪は前にあるんだとわかりました。Tさん(見える人)から前にあるんだよ、と聞かなければイメージできなかったと思う。
見える人:鑑賞の最初は、あまりヒントを与えないでいました。全体を触った後にだんだん細かいところをこういう風に触るとわかるわよと。
一緒に鑑賞しながら、見える者が無視しているものがあることがわかりました。例えば継ぎ目。それは鑑賞している時には全く目に入っていませんでした。今回、細かいところも一緒に触って、初めてこういうところもあるんだと逆に教えていただきました。
《影の頭部》の表情について
見える人:口のところがへの字に曲がっているようでした。苦悩というか、恍惚感と言ったらいいか。目のところには安堵感のようなものも感じられましたが、全体として、希望がない、諦念のような世界が表現されていると思いました。
見える人:そういう感じ方と、技巧的にこういう風になっているのだと感じることとは違うのですね。世界観を感じるためにもう一度触ってみたいです。
見える人:普段は眼鏡をかけています。今日は眼鏡を外して目を閉じて触ったのですが、触っての感想は、表情もへったくれもなかったです。《髪をすく女》はそもそも何のことかよくわからない。視覚をシャットアウトして触ってみて、最低限の情報が得られただけだったという感想でした。
伝えるということについて
見える人:障がい者の方は、支援する者の説明を受けながら鑑賞するわけですが、支援する側の資質、感性が非常に重要な位置にあることを感じました。どういう意図を持って感じてもらうのか、大変な課題です。責任重大だというのを感じました。うっかりすると自分の押しつけになってしまうのではないかと。
作品を鑑賞することとは
見えない人:ロダンの彫刻という先入観を持つことで、僕らは何かを感じ取らなければならないと感じてしまいます。私自身は絵や彫刻に対する知識もありませんから、最初からロダンは凄い彫刻家なんだという思いで触る。そうすると、首をかしげていることは何かを意味しているのか、ということばかり考えてしまいます。何でこれを世の中の人が評価するのか、私にはまずわからない。私自身はこれのどこがいいのかなって思う。見えている人は逆にそれがわかるのかな、という思いがあります。街中にある彫刻は通り過ぎてしまうのに、美術館に来た時だけ一生懸命触るというのは何なのでしょう。美術鑑賞するってどういうことなのかな、と思いました。
見えない人:この前モネ展に行ってきました。私も、モネの睡蓮は学校で習うので知っています。でもよくわからなかった。モネの描いた睡蓮だから、みんなお金を出してでも見に行くということがもしかするとあるのかな。
てつカフェ:見えているからちゃんと鑑賞できているのでしょうか。ただ単にモネとかロダンという名前の権威に照らされて、有り難く見ているだけかもしれないし、逆にそういうところから切り離された人の方が言い当ててくれるのかもしれない、という気がします。
美術館への要望
見えない人:作品保存のためなどいろいろな問題で、どうして美術館って暗いのだろうという素朴な疑問があります。段差もあるし、美術館は怖いです。保存などの理由があるのはわかります。わかりますが、でも明るいところで見たいです。それが私の希望です。
見える人:それは私たちも同じです。歳のせいもありますが、暗いですね。
午後の部の様子は、「てつがくカフェ@ふくしま」さんがブログにまとめて下さいました。是非チェックして下さい。
http://blog.goo.ne.jp/fukushimacafe
みなさんと作品鑑賞し、お話しをする中で、見える人、見えない人それぞれに発見があったと思います。そして最後の対話の部分では、鑑賞の本質的な部分にも話しが及びました。また美術館への要望も出ました。どれもすぐに解決できることではありません。答えはありません。これからもまた一緒に考えていきたいと思っています。
皆さま、本当に有り難うございました。