カテゴリ:教育普及

「イメージの手がかり~おもしろ紙コップを作る~」開催しました。

5月26日(日)創作プログラム「イメージの手がかり~おもしろ紙コップを作る~」を開催しました。

講師はベニヤ板造形作家の横山信人さんです。

日々の生活の中で無意識に使っているものには、使う人のことを考えた見えない工夫が隠れています。

今日は、その工夫を見つけながら紙皿でポンプを作って、紙コップを飛ばします!

 

はじめに紙コップを飛ばすためのポンプを作ります。

 

カッターナイフやハサミを使って切り込みを入れ、空気がもれないようにセロハンテープを丁寧に貼ります。

紙皿のふちの形、厚みや凹凸「なぜ?」がたくさんつまっています。

 

ポンプができたら、子どもたちがアイディアを発揮します。描いたり、つけたり、創ること、工夫することを楽しみます。

 

完成した作品、うまく飛びました!

 

楽しいだけでなく、普段当たり前だと思っていることに「なぜ?」を見つける大切さを確認する貴重な時間になりました。

 

ワークショップ終了後、横山さんの作品を視るだけでなく、特別に触らせていただきました。

みんな興味津津です。この好奇心が子どもたちの大きな成長につながります。

横山信人さん、参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

 

若冲ぬりえに挑戦!

3月26日から開幕した「東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展」は、5月6日に終了しました。

たくさんのご来館、ありがとうございました!

 

会期中、エントランスホールでは「若冲ぬりえ」のコーナーを設けていました。

ぬりえは下記の3作品を元にしていました。

《百犬図》(部分) 個人蔵

《果蔬涅槃図》(部分) 京都国立博物館蔵

《伏見人形七布袋図》国立歴史民俗博物館蔵

 

小さなお子さんから大人の方まで、連日たくさんの方々にぬりえのコーナーで楽しんでいただきました。

ぬりえをすることで、作品をもう一度じっくり見たり、描き方に注目したり…。

若冲作品の魅力を改めて感じる機会になればと思います。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

「すきなもので自分の顔をかいてみよう!」開催しました

3月3日(日)創作プログラム「すきなもので自分の顔をかいてみよう!」を開催しました。

講師は画家であり女子美術大学助手の坂内直美さんです。

F10号のキャンバスに、好きな食べ物、好きな色など、自分の好きなものをかき集めて、色々な画材で自画像を描きます。

クレヨン、色鉛筆、油性ペン、木炭、アクリル絵の具、油絵の具など色々な画材があります。

スパンコール、モール、ビーズも今日は画材です。

 

坂内さんの参考作品です。抽象・具象問わず自分の描きたい方法で作品を制作します。

 

坂内さんのアドバイスを聞きながら構想を練ります。

 

色々な画材で、思い思いに作品を仕上げていきます。

 

色面と線描の対比が絶妙です!

 

わくわくする絵の具の使い方を教えてもらいました!

 

最後は全員の作品を並べて鑑賞会です。

どの作品も魅力的です!

 

自分の作品について一人一人発表をしていただきました。

坂内直美さん、参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

館長講座開催しました

1月19日(土)当館講義室にて、館長講座「古典に帰れ-西洋美術の巨匠たち-」を開講しました。

第5回目の今回のテーマは、「バロック(1)カラヴァッジオ、ルーベンス、ヴェラスケス」。

作品が描かれた背景や、描かれた人物のポーズや筋肉の表現、人物同士の関係性など・・・

様々な視点から、ひとつひとつの作品についてじっくりとお話しました。

 

次回は3月に開催します!

 

第6回 3月9日(土) バロック(2)レンブラント、フェルメール

※3月のみ臨時休館にともない第2週(3月9日)の開催となります。

時間:10:30~12:00

場所:美術館講義室(聴講無料)

*各回の進行具合で内容が変更になる可能性もございます。

*本年度は事前申込を不要としていますので、聴講ご希望の方は直接会場までお越しください。 

ご参加をお待ちしております!

 

「美術館への年賀状展2019」がはじまりました!

毎年恒例の「美術館への年賀状展2019」が、12日(土)より当館エントランスホールではじまりました!

県内の小・中・高校生から当館宛てにお送りいただいた年賀状をすべて展示しています。

今年は469通の年賀状をいただきました!

当館が開館した1984年より、休館の年を除き毎年開催しており、今回で32回目を迎えました。
毎年、小さな画面に書かれた子ども達の新年の抱負や願い、丁寧に描かれたイラストや切り絵などの力作を見ながら、新しい年へのパワーをもらっているように感じます。


●観覧料:無料
●開館時間:9:30~17:00(最終入館は16:30まで)
●休館日:15日(火)、21日(月)、28日(月)
年賀状展は1月31日まで展示しております。

企画展示室Bでは、学校連携共同ワークショップ参加校の作品展も開催中です。

子ども達の作品を楽しみに、ぜひご来館ください!

 

創作プログラム「自分だけの布をデザインしてプリントしよう」開催しました

12月16日(日)、当館実習室にて創作プログラム「自分だけの布をデザインしてプリントしよう」開催しました!

講師はテキスタイル作家であり、アートユニットFRIDAY SCREENとしても活躍されている坂内まゆ子さんです。

北欧では寒い冬、家の中で楽しく過ごすために明るくカラフルなデザインの布をインテリアに取り入れます。

福島もこれからどんどん寒さが増していく時期です。

今回はシルクスクリーンを簡易的にした技法で、親子で考えたデザインを布にプリントしていきます!

完成した布はそのまま飾ったり、小物用の生地として使うことができます!

 

まずは、坂内さんからシルクスクリーン版の作り方について説明。

木枠に張った目の細かい布(テトロン) に、自分がつくりたい形に切った紙を置き、版をつくっていきます。   

坂内さんの説明を聞いた後、デザインを親子で話し合いながら考えていきます。

紙にイメージを簡単にスケッチし、難しそうなところを坂内さんに相談します。

今回は基本的に2つの版をつくり、2色でデザインを考えてもらいました。

 

デザインができたら、今度は版をつくります。

カッターやハサミを使って、紙を切り抜いていきます。

版ができたら、今度は刷りの作業です!

イメージに合わせてインクの色を選びます。

坂内さんから刷りの流れやスキージの使い方などについて、説明をいただきました。

布の上で模様を刷りたい部分に紙を置き、その上に木枠を重ねます。

その上からスキージを使ってインクをのせていきます。

 

スキージの扱いに慣れてくると、みなさんどんどん刷っていきます。

一人が木枠をおさえ、もう一人がスキージで刷る。

この作業を繰り返しながら、親子で協力して刷っていきます。

 

 1版目が終わったら、今度は2版目。

全体のバランスを考えながら、刷っていきます。

 

インクが乾いたら、最後にアイロンをあてて定着させます。

熱を加えることによって、布を洗濯しても落ちなくなります。

 

部屋を彩る素敵な布が完成しました!

オリジナルの布はそのまま飾っても、バッグや小物入れ、クッションカバーをつくることもできます。

つくるのも楽しいですか、この後どのように使うか考えるのも楽しみです。

講師をつとめていただいた坂内まゆ子さん、参加いただいたみなさま、ありがとうございました!!

 

創作プログラム「木彫の鑑賞と制作~佐藤玄々の動物彫刻をたよりに~」④

創作プログラム「木彫の鑑賞と制作~佐藤玄々の動物彫刻をたよりに~」

11月25日(日)、全4回の講座も最終回を迎えました。

 

彫りが終わった方から着色と塗装に入っていきます。

午前中は、彫刻刀を使った細かい彫りの作業やヤスリがけなどをします。

 

みなさん黙々と制作を進めていました。

終わった方から、着色をしていきます。

今回は、オイルステインととのこを混ぜ(色が濃い場合はペイント薄め液で薄めて)、刷毛で塗っていきました。

着色されると、作品の雰囲気もだいぶ変わっていきます。

乾燥したら、ウエスにワックスをつけ作品にすりこんでいきます。

しっかりすりこんでいくと、徐々にツヤが出てきます。

 

みなさんの作品ができたところで、作品を持ち寄り、鑑賞会をしました。

 

ひとりひとり、どんなイメージで作ったのか、こだわった部分や難しかったところなど、自由にお話していただきました。

自分が木彫を作ってみたことで、玄々の作品の見え方が変わったとお話しになっていた方もいました。

 約一ヶ月の間、ほぼ毎週末一緒に制作してきたみなさん。

和やかな雰囲気で鑑賞会が進みました。

 

最後に、作品を持ち黒沼さんを囲んで集合写真!

約一ヶ月間講師をしていただいた黒沼さん、そしてご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

 

玄々展、会期終了まであと少しです。

12月16日までですので、ぜひご来館ください。

創作プログラム「木彫の鑑賞と制作~佐藤玄々の動物彫刻をたよりに~」②③

創作プログラム「木彫の鑑賞と制作~佐藤玄々の動物彫刻をたよりに~」

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2日目・・・11月11日(日)

前回の続きを進めていきます。

講座開始前にいらして、制作を始めている方もいました!

2回目、ということでみなさん鑿などの道具の扱いにも慣れ、どんどん彫っていきます。

 

途中、どのように進めたらよいか迷う部分や難しい部分について、黒沼さんからアドバイスをいただきました。

それぞれがつくる動物のイメージやかたちに合わせ、一人一人丁寧にアドバイスをいただきました。

だんだん顔や胴体、脚などのかたちが見えてきました!

 

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3日目・・・11月18日(日)

 いよいよ制作も後半に入りました!

みなさん協力し合いながら制作を進めています。

  

彫刻刀を使った細かい彫りに入る方も出てきました。

途中、黒沼さんがこの講座のために作ってくださった猿の作品を見ながら、制作過程についてお話を伺いました。

第1回から、講座の進度に合わせ、徐々に制作を進めてくださっていた猿も完成しました。

毛並みや表情、手の動きなどが繊細に表現されています。

次回はいよいよ最終回です!

創作プログラム「木彫の鑑賞と制作~佐藤玄々の動物彫刻をたよりに~」①

当館実習室にて、「木彫の鑑賞と制作~佐藤玄々の動物彫刻をたよりに~」を開催しました!

現在開催中の「佐藤玄々(朝山)展」に合わせた講座です。

講師は、彫刻家で現在郡山女子短期大学部で講師をされている黒沼令さんです。

 

 

11月4日、11日、18日、25日の4日間にわたる創作プログラムの様子をご紹介します。

 

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1日目・・・11月4日(日)

講座の大体の流れについてお話いただき、早速「佐藤玄々展」の会場へ。

展示会場をゆっくりめぐりながら、自身がつくるもののイメージをふくらませていきます。

 

実習室に戻り、自分がつくりたい動物のスケッチをします。

みなさん写真や本などの資料をもとに、進めていきます。

 

だいたい決まったら、正面と横から見たかたちを、木の面にうつしていきます。

今回使った木は、桂の木です。

ここまでかけたら、不要になる部分をのこぎりで落としていきます。

この作業で、みなさん「暑い!」と汗をかきながら進めていました。

切り落として消えてしまった線は、その都度書き足していきます。

だいたい落としたら、次は鑿でさらに削っていきます。

みなさん真剣に、それぞれ作品に向き合っていきます。

1日目が終了しました!

 

佐藤玄々展 触って、話して、見て楽しむ美術鑑賞ワークショップ開催

11月3日、「触って、話して、見て楽しむ美術鑑賞ワークショップ」を開催しました。

毎年1回、視覚障がい者の方々を中心に、視覚以外の様々な感覚や言葉を通じて作品を鑑賞するワークショップを開催しています。今年は現在開催中の「佐藤玄々展」に際して、玄々の作品を皆で鑑賞しました。その様子をご紹介します。

 

今年、講師をして下さったのは筑波大学助教授で彫刻を教えていらっしゃる宮坂慎司さん。宮坂さんは、彫刻家でもあり佐藤玄々の専門家、また視覚障がい者の方々との鑑賞ワークショップの経験も豊富にお持ちの先生です。

筑波大学宮坂研究室の伊藤奏太さん、中田ちひろさん、これまでも関わって下さってきた半田こづえさん(明治学院大学非常勤講師)、真下弥生さん(ルーテル学院大学非常勤講師)、福島点字図書館の高橋粛子さんにもご協力いただきました。有り難うございました。

 

今年は午前と午後合わせて、8名の視覚障がい者の方がご参加下さいました。

まずは自己紹介から。

そして、ウォーミングアップとして、つがいの鳥をかたどった宮坂さんの小さな彫刻を触りました。同じ形で、石膏でできたものとブロンズでできたものを2種類。肌触りや温度、重さの違いから、印象の不思議な違いを感じ取りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木彫の材料である木を触りました。宮坂さんが実際にクスノキを彫って下さり、その音、木の匂いを感じました。すごくいい匂いなんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だんだんと彫刻に迫っていきます。宮坂研究室の学生さんが制作された木彫の人物像の小品を二つ。次は少し難しい作品。これはいったい何か当ててもらいました。「雲」です。知ってはいるけれど触ったことのないもの。難しいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

玄々の晩年のお弟子さんの手元にあったという彫刻刀を2本。おそらく玄々の使っていたものとかなり近い道具だと思われるとのこと。とても美しい彫刻刀です。それらを触りながら、玄々の制作風景を思い浮かべました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、いよいよ展示室に移動し、作品の触察です。

皆でまずは入口から展示室をゆっくりと巡って出口に到着。最後に置かれている《麝香猫》(ブロンズ)から鑑賞です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

麝香猫とはなかなかすぐにはわからなかったのですが、丸く滑らかな背中の曲線を確かめるとともに、胸毛や髭のふさふさした毛の繊細な表現を感じ取りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《神狗》(ブロンズ)の部屋に移動。

1mくらいある大きな狗を、手を伸ばしながら体一杯使って鑑賞しました。大きく開いた口、牙、舌、そして大きくて飛びだした目。踏ん張った足や爪、背中の毛や胸毛。大きく巻いた尻尾。一方、繊細な胸の飾り。そのスケールの大きさと力強さに感動です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《巣鶏》(木彫)の部屋に移動。

展覧会には出品されていないのですが、《哺牛》(ブロンズ)と《鼠》(ブロンズ)を触察したあと、固定ケースの中に展示されていた《巣鶏》を取り出して、今回唯一となる木彫の触察です。学芸員でもなかなかこんな機会はありません。なんと贅沢なひととき。

これまでのブロンズ作品に比べ、羽根の部分が粗い彫りだったので雌鳥が二羽の雛を抱えている姿と把握するのには少し時間がかかりました。しかし、先生等からの言葉の助けを得て少しずつ全体像がわかってきます。そして脇の雛の小さな頭を見つけ、また彫刻を置いてしまうと見えない足が、きちんと裏に彫り込まれていることを確認しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感動のうちに展示室を出て、実習室に戻り、感想を共有します。

今まで触ったことのない動物が彫刻で触れてよかった。

木という素材であんなに細かいところまで表現できて凄かった。

曲線がきれいだった。

触察をして、見えていた時代には実は見えていなかったのだと感じた。(途中失明の方)

触れてみて、作者の思いが想像できた。

 

私たちにも毎年新しい発見があります。

楽しい1日でした。

宮坂先生、ご協力いただいた皆さまに感謝いたします。本当に有り難うございました。