カテゴリ:教育普及

学校連携共同ワークショップ参加校作品展を開催しました

2023年度の学校連携共同ワークショップの参加校作品展「おとなりアーティスト」を2月10日(土)~25日(日)企画展示室Bにて開催しました。

「おとなりアーティスト」は県内の学校に福島県ゆかりのアーティストが出向き、子どもたちと一緒に造形活動を行うアートプログラムです。今年度はFRIDAY SCREEN、よしもとみかを講師に招き、10ヵ所の学校等で実施し、のべ248名の子どもたちが参加しました。

参加校作品展は、ワークショップに参加したすべての子どもたちの作品を展示するものです。

 

アートユニットFRIDAY SCREENさんのワークショップには、須賀川市立岩瀬中学校、郡山ザベリオ学園小学校、福島市のふれあい教室、郡山市立日和田中学校、郡山市立御舘中学校、会津美里町本郷生涯学習センターが参加しました。

FRIDAY SCREENのワークショップでは「文字」をテーマに、子どもたち一人ひとりがデザイナーとなって取り組みました。

 

 

アトリエみず文庫のよしもとみかさんのワークショップには、福島県立いわき支援学校くぼた校、小野町立小野小学校、福島県立富岡支援学校、福島県立伊達高等学校が参加しました。

よしもとさんのワークショップは子どもたちの「いま」を色と形であらわすワークショップです。

申込校の生徒の年齢や人数などに合わせてたわーショップ内容で、紙やパネルやプチプチの緩衝材等の素材に、絵の具やパステル、ペンなど様々な画材で表現しました。

 

ご参加いただいた学校、ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

また来年度のご参加もお待ちしております。

創作プログラム「叩き鑿を五感で味わおう」を開催しました

2月17日(土)に、彫刻家の佐藤忠博さんを講師に招き、叩き鑿のワークショップを行いました。

会場であるエントランスホールには大きな丸太が並んでおり、丸太の前に集合してスタートです。

佐藤さんに叩き鑿のデモンストレーションをしてもらいます。

 

 

やり方がわかったところで、スタートです。

様々な形状の鑿から、鑿と木槌を選び、1本の丸太に1~2人ずつつき、鑿を叩いて鑿跡を入れていきます。

丸太は、杉、ケヤキ、楠などいくつかの種類がありますので、叩き鑿に慣れる練習をかねて一定の時間がたったら隣の丸太に移動していきます。

叩き心地や感触も木材によって異なります。木目の流れやきの硬さ・柔らかさ、叩いて感じるにおいなどを味わっていきます。

適宜鑿も交換し、鑿の種類ごとの特徴も感じていきます。

  

鑿を使ってひたすら木を叩いていく行為は 普段使わない筋肉も使うので、疲れも感じます。

一方で、木を感じながら無心で手を動かしていく行為に夢中になっていく感覚もあります。

お昼休憩をはさみ、午後も叩いていきます。

目標は、丸太の表面に一通り鑿跡が入るまでです。

美術館のエントランスホールに木の香りが立ち込め、鑿音が響き渡ります。

小学校1年生の参加者も、一日の作業に疲れてしまうかと心配しましたが、休憩したり、庭を走って元気をチャージして、さいごまでパワフルに取り組みました。仲良くなって協力し合いながら彫り進める姿も見られました。

 

丸太に彫り足りたいところがないかを確認し、完成となりました。

さいごに、振り返りで今日の感想を一言ずつ述べていきます。

日常では味わえない、貴重な一日となりました。

佐藤さん、参加者の皆さん、ありがとうございました。

「美術館への年賀状展2024」を開催しました

1月12日~31日までの期間、毎年恒例となる「美術館への年賀状展2024」を開催いたしました。

今年は県内外の小・中・高等学校・特別支援学校から188通の応募をいただきました。

今年は辰年ということで、龍の絵が多くありました。

色鉛筆やマーカーなどで描かれている絵の他に切り絵や版画、CGなど、気合の入った力作が多く寄せられました。

たくさんの子どもたちの作品は厳冬期の美術館を明るく華やかにしてくれます。

美術館に子どもたちの作品を一挙に展示する年に1回の機会です。来年もたくさんのご応募をお待ちしております。

創作プログラム「消しゴムはんこで年賀状をつくろう」を開催しました

11月25日に美術館実習室にて消しゴムはんこによる年賀状作りのワークショップを行いました。

小学生から高校生まで8名が参加しました。

考えてきた図案を鉛筆でトレーシングペーパーに写し、反転して消しゴムに転写します。

2024年は辰年ということで、龍をモチーフとしたものも多く、その他にも鯛やだるまなどの縁起物、梅やお雑煮や羽子板などのお正月のもの、オリジナルのキャラクターなどさまざまなデザインを考えてきてくれました。

転写ができたらあとはひたすら彫る作業です。

初めて彫刻刀に触る人もいて、苦戦する様子もありましたが、地道に練習して彫れるようになっていきました。

 

ある程度彫りができたら、試し刷りです。

刷ってみて、出来ばえや彫り残しやなどを確認します。

さらに彫って修正し、試し刷理をすることを繰り返します。

 

ハンコを彫り終えたら色や配置などの年賀状のデザインを決めて、はがきに刷っていきます。

 

 

多色で重ねたり、一部色を変えて刷ったりと工夫が光ります。

さいごに文字を書き入れて完成です。

近年は年賀状を送ることも減ってきましたが、1年に1度、オリジナルの年賀状を作って誰かに送る、そんな文化を楽しんでもらえる機会になればと思います。

作ったスタンプは今年の年賀状のみならず来年以降も使えます。使えるものを手作りすることも楽しいですよね。

ご参加いただきありがとうございました。

 

ワークショップ後の年末の時期には、美術館のエントランスホールにスタンプコーナーも設置しました。

多くの方にご利用いただきありがとうござました。

 

 

創作プログラム「までいな花-飯舘村の美しい自然を表現しよう」開催しました

9月24日(土)、当館エントランスホールにて、「までいな花-飯舘村の美しい自然を表現しよう」を開催しました。

講師は美術作家で東京工科大学教授の酒百宏一先生です。

 

色鉛筆で飯舘村の葉っぱを写しとり、現在も変わらない美しい村の自然を表現するアートプロジェクトです。

酒百先生は、2021年よりこの活動を始め、県内各地でワークショップをされています。

はじめに、酒百先生からプロジェクトの概要や活動に込めた想いについて、スライドを使いながらお話がありました。

 

「までい」とは、「両手」という意味の「真手(まて)」が語源です。
「手間暇を惜しまず」「丁寧に」「心をこめて」
といった東北地方で昔から使われている方言です。

今回は、酒百先生が飯舘村の森から集めた葉っぱを元に、丁寧に心を込めて「までいな花」を作っていきました。

 

葉っぱの上に紙を重ね、色鉛筆で写しとっていくと、細かな葉脈が見えてきます。
葉っぱの種類によって、形や大きさ、葉脈の出方が異なります。
何色か色を塗り重ねたり、部分によって色を変えたりしながら、みなさん丁寧に写しとっていきます。

 

写しとった後ははさみで切り、酒百先生が準備した土台に配置し、のりで貼っていきます。

きれいな花ができました!
できあがった花を、並べていきました。
 

同じ葉っぱから作っていますが、塗り方や色合い、葉っぱの組み合わせなどでそれぞれ違った「までい花」が生まれました!

これらの花は、今後様々な場所で作られる予定です。
できた花を集めて、花の空間をつくり飯舘村で展示されます。(展示時期や会場は未定)

今回のワークショップは、当館とNPO法人ふくしま再生の会との共催で実施されました。
酒百先生、参加者のみなさま、そしてスタッフのみなさま、ありがとうございました!

「福島県高等学校文芸研修会」生徒作品を展示中!

9月22日(金)、当館講堂と常設展示室で、「福島県高等学校文芸研修会」が開催されました。

「文芸研修会」は、福島県内の文芸部に所属する高校生を対象に、創作活動の技術力向上や、生徒同士で交流し、
創作技法などについて意見を交換し合うことを目的として開催されています。

今回は、当館の「第Ⅲ期コレクション」の展示作品をみて、詩、短歌、俳句を創作するワークショップが行われました。

〇参加校
東日本国際大学附属昌平高等学校、福島県立会津学鳳高等学校、福島県立安積高等学校、
福島県立安積黎明高等学校、福島県立郡山東高等学校、福島県立須賀川創英館高等学校、
福島県立橘高等学校、福島県立福島西高等学校 8校
〇参加人数
高校1~3年生 38名

はじめに講堂で開会式と、活動の流れについて福島県立福島西高等学校及川俊哉先生から説明がありました。

以下のジャンㇽから一つを選び、作品を作っていきます。

①詩…1篇(20文字20行以内)
②短歌…一首以上
③俳句…一句以上

先生からは、
「いちばんは自分が心動かされる作品について書くこと!」
「作品から感じた感動や書きたいという気持ちを大切にしましょう!」とお話がありました。

さっそく2階にある常設展示室へ。 

 

 自由に展示室をめぐりながら、創作する作品を選んでいきます。

 

感じたことなどをメモしながら、作品をじっくり見てまわっていました。
作品が決まったところで創作へ。
プリントに書いたり、スマートフォンに入力しながら、それぞれ作品を作り上げていきます。

講堂に戻り、次の活動へ。
詩、短歌、俳句のジャンルに分かれて集まり、アイスブレイクと自己紹介をしました。
 
その後、作品の仕上げをして、グループ内でそれぞれの作品を発表しました。
 
お互いの作品のいい点についてコメントし合って、みなさん交流を深めていました。

 

現在、2階常設展示室では、生徒が創作に選んだ作品の近くに、手書きの生徒作品カードを掲示しています。
(一部展示替えに伴いパネルでご紹介しています)

 

会期は12月27日(水)までです。
生徒達が作品から感じた感動や、ひとりひとりの「書きたい」という気持ちが込められた詩、短歌、俳句をぜひご覧ください。

創作プログラム「歩く花のともだちをつくろう!」を開催しました

美術館の庭園にあるフェルナン・レジェの「歩く花」のリニューアルを記念して、

10月15日(日)に当館実習室にて「歩く花のともだちをつくろう」ワークショップを開催しました。

大自然の中で悠々としている「歩く花」のともだちを作り、一緒に歩かせようという企画です。

 

 

ワークショップ当日はあいにくの雨だったため、本物を見に行けませんでしたが、

写真を見て、「歩く花」の大きさや重さなどのクイズを通して鑑賞しました。

 

「歩く花」のポーズを真似しながら、自分はどんなともだちを作るか考えていきます。

 

作る形が決まったら、ポーズづくりです。

ペンチで骨組みの手足を曲げてポーズをつくります。

骨組みができたら土台に固定し、紙粘土でどんどん肉付けしていきます。

 

形ができたらいったんお昼の休憩。

紙粘土が乾くのを待ち、午後からは色塗りに入ります。

おともだちの性格やエピソードなどを考えながら着色していきます。

 

土台にも色を塗り、土台にビーズや人口芝、貝殻などの好きな装飾をボンドで貼って・・・完成!

 

しっぽが生えているともだち、姉妹一緒のともだち、海とごみ問題の壮大な物語を秘めたともだちなどができました。

 

かわいらしいともだちができて「歩く花」も喜んでいるでしょう。

参加者のみなさんありがとうございました。

創作プログラム「彫刻ってなんだ?!石膏型で作品をつくろう」開催しました!

7/29(土)、当館実習室にて創作プログラム「彫刻ってなんだ?!石膏型で作品をつくろう」開催しました。
講師は美術家の對木裕里さんです。

挨拶をしたあと、對木さんから今日の活動の流れと、当館の庭にある《歩く花》についてお話を聞きました。
フランス生まれのフェルナン・レジェがつくった《歩く花》。
この彫刻は、大きさが異なるものもありますが、世界中に何体もあります。
どうして何体もあるのでしょう?
実は「型」を使って作品を作っているんです。
このプログラムでは、実際に「彫刻」をつくりながら、彫刻の謎を解き明かしていきます。

実際に庭に出て、《歩く花》をみんなでみます。

 

 脚の部分に触ったりしながら、作品をじっくり観察。
よくみてみると、細かい線やデコボコがあり、作った時の痕跡が感じられます。
指でコンコン!と優しく叩いてみると、中が空洞になっていることが分かります。

当館にある《歩く花》はとても大きく、高さ6メートル、重さは3トンもあります。
(講座開催後塗り直しがされ、現在は色が鮮やかでピカピカな状態をご覧いただけます)

実習室に戻り、石膏型を作って、自分の指や手を型取りしていきます。
部屋に入ると、早速石膏の準備をしていたスタッフの周りに「やりたい!やりたい!」とみんな集まってきます。

水を入れたボウルに、交代しながら石膏をどんどん入れていきます。

石膏が固まるまでの間に、對木さんから作業の説明を聞きます。
まずは手ではなく、指でお試し!
水でといた石膏を紙コップに入れて親子それぞれに配ります。
型を取る指にワセリンをよく塗り、紙コップの中に指を入れます。
そのままなるべく動かないようにします。

  

  
だんだん石膏が固まってきて、温かくなってきました。
石膏は固まる過程であたたかくなるため、「熱い!」と言っている子もいました。 
固まってきたところで指を抜きます。
これで型取りの一通りの流れがわかりました。

みんな一息ついて、いよいよ手の型取りに挑戦です!
對木さんからは、「休む手」をテーマにしようとお話がありました。



水を入れたビニール袋を手の下に置き、ポーズを考えます。
指の曲げ具合やビニール袋の水の量によって、それぞれ違ったポーズになります。 

決まったところで、粘土板の上にポーズを取った手を置きます。
お母さんやお父さんの手を借りながら、ドロドロの状態の石膏を手にのせていきます。
(後で割り出しがしやすくなるよう、石膏に色をつけています)

  

 ここからはスピードが大事!
水が入ったビニール袋と、手が完全に見えなくなるよう、どんどん石膏をのせていきます。
「冷たーい!」という声も聞こえました。

  

埋まらなかった部分や石膏が薄い部分を對木さんとスタッフで補充し、ここから手を動かさないでじっと待ちます。
子ども達はなるべく手を動かさないように気を付けます。

 

しばらくすると、またぽかぽかしてきました。
あと少し!しっかり固まるまで待ち続けます。
對木さんが見て回って、石膏の固まり具合を確認します。

「それでは外してみましょう!」
お母さんやお父さんの手を借りながら、慎重に手を動かし、パカッと手を外していきます。
石膏が入り込んでしまい、なかなか外れない子も!

 

取れた石膏の内側についたゴミを刷毛で取り除き、離型剤をたっぷり、まんべんなく塗ります。
この時、最初にお試しした指の石膏型にも離型剤を塗っておきました。


自分の手の型が完成しました!!
午前中はここまで。
離型剤を乾かしている間に、お昼の休憩です。

 

午後の作業のはじまりです。
内側に塗った離型剤が乾いたところで、型に石膏を流し入れていきます。

  

細かいところまでまんべんなく石膏がいきわたるよう、流し込んだ後に型を動かします。
 

流し込めたら、固まるまでしばらく置いておきます。
この時、最初にお試しで作った指の型にも石膏を流し込みました。

しばらく待って固まったら、いよいよ割り出しです!
對木さんから割り出しのやりかたを教えてもらいます。
金づちを使って、色がついている型を割っていきます。
みんな真剣です。

 

自分の作品の割り出しをしていきます。
初めて金づちを使う子もいましたが、みなさん一生懸命作業に取り組んでいました。

 

作品に残った細かい石膏は、ニードルなど先がとがった道具を使って取っていきます。
最初に作った指の割り出しもしました。

  

朝から1日かけて一生懸命取り組んだ作品が、完成しました!!
最後は鑑賞会。
みんなにタイトルや大変だったところ、感想などを教えてもらいました。
 

みんなの「今」の手の姿が作品としてできあがりました!
對木さん、ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!!

 

創作プログラム「光を描く―メゾチント体験―」開催しました

7月16日(日)、22日(土)、23日(日)の3日間、当館実習室にて創作プログラム「光を描く―メゾチント体験―」開催しました。

講師は、版画家の安部直人さんです。

安部さんは当館でも作品を収蔵させていただいており、第Ⅱ期常設展示室で作品を展示していました。

 

銅版画技法のひとつであるメゾチントは、深みのある黒を背景に、細かな明暗の調子が表現できます。

この講座では、ベルソー(ロッカー)を使った銅板の「目立て」から始め、それぞれが考えた下絵を元に、はがきサイズ(10×15cm)の作品をつくりました。 

 

~1日目~

安部さんから技法と3日間の流れ、道具の使い方などについて説明を受けました。

メゾチントは、以下のような技法です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キズがないきれいな状態の銅板(はがきサイズ)が受講者に1枚ずつ渡されます。

ここに、ベルソーを使って目立てをしていきます。

ベルソーは、櫛のように刃が細かく入っている道具で、ロッカーとも呼ばれます。

これをベルソーの重さを生かしながら、ゆらゆらと横に動かし、少しずつずらしながら傷をたくさんつけていきます。

縦・横・斜め・斜めの4方向に細かい傷をつけていきます。

これを10回やることが目標!と安部さんからお話があり、受講者の方からは「えー!!」と驚きの声が挙がります。

 

この作業と並行して、安部さんが事前に目立てして準備してくださった5×7.5cmサイズの作品制作を行います。

銅板に下絵を写し、パニッシャーとスクレーパーを用いて製版していきます。

「線ではなく、面で表現する」ことが安部さんからアドバイスされました。

道具を鉛筆のように使わず、なでるように使うのですが、コツをつかむまでみなさん何度も試したり、道具や持ち方を変えたりと、工夫していました。

 

ある程度製版できたところで試し刷りをします。

版にインクをしっかりつめて、余分な分を寒冷紗などでふき取ります。

版の上に紙を置き、プレス機で刷っていきました。

 

白くなるようかなり磨いたつもりでも、刷ってみると思ったよりも絵が出てこないことも。

 

最低1回は全員試し刷りをして1日目は終了。

小さな版を一度製版して刷ってみることで、調子のつけかたや、白くなるように磨く感覚をつかんでいきました。

はがきサイズの銅板の目立て作業は、次回までの宿題とされました。

 

~2日目~

まずは宿題となっていた目立ての出来具合を安部さんがひとりひとり確認。

みなさん1週間のあいだに、目立て作業に取り組んできてくださいました。

20回やりました!という方も。

目立てが済んだ人から下絵を銅板に写し、製版作業に入ります。

並行して、1日目に作った小さい版の本刷りをしました。 

黒インクで刷ってみて、作品によってカラーインクをつめて刷っていきます。

さらに、雁皮摺りをすると、柔らかな黒の調子が出てきます。

小さな版の作品がみなさん完成しました。

 

 はがきサイズの試し刷りをして2日目が終了しました。

 

~3日目~

講座最終日です!

前日の試し刷りをもとに、それぞれはがきサイズの作品の製版作業を進めました。

  

版が完成したところで本刷りへ。

部分的にカラーインクをつめる、雁皮を貼って刷るなどして、それぞれの作品を仕上げていきました。

完成した作品に、エディション、タイトル、日付、サインを記入。

 

全日程が終了しました!

 

受講者からは、次のような感想(一部)をいただきました。

●目立てをつくる作業がとてもたいへんだったけれど、すべての工程が興味深く楽しかった。 

●とても良かったです!充実した3日間でした。ありがとうございます!!

●超楽しかった!!新しい世界がひらけました。

●大好きな愛犬をフワフワにかくことができて大満足です。

●最初どういうものかよく分からずに来てしまい不安だったけど、とても楽しかった!!です!!
目立ては腕がもげるのでは…となるくらいツラかったですが、キレイに色がでたとき、頑張ったかいがあったなと思った。
普段描かない感じの絵ができてよかったです。版画作品をみる際に考えることが変わりそうだと思いました。

 

講師をつとめていただいた安部直人さん、受講者のみなさん、ありがとうございました!

受講者の作品は、1か月ほど当館のエントランスホールで展示させていただきました。

「アートなおはなしかい」開催しました!

6月17日(土)、おとなりの図書館さんと「アートなおはなしかい」を開催しました。
今回は美術館のエントランスホールからスタート!

まずは図書館さんによる絵本のよみきかせです。 

『まほうのえのぐ』林明子
主人公の女の子と様々な生き物たちが絵具を使って絵を描く様子が楽しい絵本です。

『びじゅつかんへいこう』絵:ピーター・レイノルズ、文:スーザン・ベルデ、訳:なかがわちひろ
美術館で作品と出会うことによって生まれる心の変化を描いており、美術館に行ってみたり、絵を描いてみたくなるような絵本でした。

ここからは展示室へ行き、作品を鑑賞しつつ、関連する絵本などを紹介してもらいます。
まずは2階の常設展示室へ。
最初にみたのは、佐藤玄々(朝山)《蜥蜴》1940年代作。

何の生き物かな?
「トカゲ!」「カナチョロ?」「イモリとかヤモリとか…」
この作品は、《蜥蜴》とタイトルが付いていますが、尻尾の長さなどからカナヘビだと考えられます。
(余談ですが、カナヘビのことを県北出身の美術館スタッフも“カナチョロ”と呼んでいます。)

カナヘビは何をしているところなのかな?
「獲物を見てる」「川に流されているんじゃないかな?」
作品をみながら自由に思ったことをお話します。

カナヘビがどんな生き物なのか、知ることができると、もっと色々な想像が膨らむかもしれません。
図書館さんから『かなへび』文:竹中践、絵:石森愛彦 を紹介してもらいました。
絵本の中には、作品とそっくりの体勢で木の上でひなたぼっこしているカナヘビがいました。
作品を見ながら、何をしているところなのかな?と想像してみるのもおもしろいですね。

ここでクイズ!この作品はどうやってできているでしょうか?
「粘土」「下は竹で、上が木でできてる」「プラスチック」…。
子ども達はもう一度作品をじっくり見ながら予想します。
ヒントになる隣の作品を見てみました。

 
佐藤玄々(朝山)《巣鶏》1920年頃作。
「木だ!」と子ども達から声があがりました。
《蜥蜴》と《巣鶏》は作者が同じであること、実際に木を彫っている様子の写真などを紹介しました。

今日は特別!展示ケースを外し、普段は見られない作品の裏側をみんなでみます。

 

《巣鶏》はにわとりと2羽のひよこ、それぞれの足が彫られ、色が塗られています。
玄々の作品は、裏側まで彫ってある作品がいくつかあります。

ここで、図書館さんからにわとりの親子をテーマにした絵本をよみきかせしてもらいました。

『ロージーのひよこはどこ?』作:パット・ハッチンス、訳:こみやゆう
めんどりのロージーがひよこを探して歩き回るおはなしです。鮮やかな色彩がとても可愛らしい絵本でした。

次は絵を見てみましょう。
山口華楊《畑》1925年

何が見えるかな?
「スイカ」「ナス」「豆」「スズメ」「判子」…。
作品には様々な種類の野菜が描かれています。
作者が押した印に気づいてくれた子もいました。
ナスや豆は普段目にしているものとはちょっと種類が違うかも?
京都の野菜が描かれているようです。
描いてある野菜をよーく見てみると、スイカの模様やナスのヘタのとげなど細かい部分まで描かれていることが分かります。

ここで、畑をテーマにした絵本を紹介してもらいました。

『はたけうた』作:田島征三
畑で育つ野菜たちが生き生きと、力強く描かれています。
ヨイショ、ドッコイショ、チョイトナーなどと合いの手が散りばめられ、聞いていて楽しい絵本でした。

 1階の特集展「眼にうつる詩」の展示室へ。
美術作品と文学をテーマにした当館所蔵作品のテーマ展示です。

まずはみんなで休憩室へ入り、山中現『きたのまち』をよみきかせしてもらいました。

「山のむこうに山が見える」そんな一文からはじまる本は、優しい色合いが魅力的です。
作者の山中さんは喜多方市出身の作家で、『きたのまち』は故郷をイメージして作られたそうです。
展示室へ移動し、今回展示している山中さんの《水の庭》2003年刊をみます。

作品を見ると、子ども達から「切り絵かな?」などと作り方に関心を寄せる言葉がありました。
この作品は木版画であること、よーく見るとインクがきらきらしていることなどをお話しました。

最後はとっても小さな作品をみんなで見ました。

タイトルを隠し、何が描いてあるか、みんなでお話しながら見ていきます。
「キツネ」「アジサイ?」「池?」
「隣の作品と似てるからブドウ!」など、鋭い意見も飛び出しました。
この作品には実は元になっている物語があることを伝え、図書館さんに本を紹介してもらいました。

『キツネとブドウ』文:蜂飼耳、絵:さこももみ
キツネが必死でブドウを取ろうとする様子がユーモラスに描かれた絵本です。

ということで、この小さな作品は桂ゆき《ブドウとキツネ》制作年不詳。
この作品は、紙やキャンバスではなく、透明なガラスに描かれていることをお話しました。

最後は実習室での工作です!
今回は《ブドウとキツネ》をテーマに、ガラス絵風の絵をつくりました。

危ないのでガラスではなく、透明な下敷きを使います。
短時間で仕上げるため、2枚の下敷きで絵具を挟む方法で実施しました。
1枚目にキツネと自分のイニシャル、丸いスタンプを押していきます。

ここまでできたら2枚目。
紙パレットの片側に、自分の好きな色を出していきます。
二つに折って手で絵具をのばし、紙パレットを開くと、不思議な模様の出来上がり!

 
絵具を挟むようにして、2枚をぴったり重ねます。

 

作品が完成!
スタッフが窓に貼り付けていきました。
光にかざすと絵具がよりきれいに見えます。

 

最後にみんなで記念撮影。
ご参加いただいたみなさま、図書館スタッフのみなさま、ありがとうございました!

創作プログラム「音の風景~心象表現を楽しもう~」開催しました!

5月13日(土)、創作プログラム「音の風景~心象表現を楽しもう~」を開催しました。
講師は作家の福田美里さんです。

宮城県を拠点に制作活動をされていて、当館では、2021年、22年に開催した庭園活用イベント、
「Art meets cookies」でも、作家のひとりとしてご協力いただきました。
今回の創作プログラムでは、美術館周辺の音を観察し、言葉や絵で表現していきます。

はじめに、福田さんから自己紹介と、プログラムの流れについてお話がありました。
美術館の庭園を散歩して、“気づき”を採集。その後実習室に戻って制作をします。

前半は参加者全員で一緒に歩きながら、どのようなことを感じたのか、それぞれワークシートに言葉や絵でメモしていきます。 
外に出ると、さっそく鳥のさえずりが聞こえてきました。
池の水面には様々な模様が見えます。

芝生の上に座ってみると、ザッザッと葉っぱのこすれる音や、手触りを感じられます。
寝転がってみると…太陽の光が!

「まぶしい!」と参加者の方から声が聞こえると、「その感覚もぜひメモしてください」と福田さんから声がかかります。
みなさん感じたことや気づいたことをメモしていきます。

次は美術館の正面入り口へ。


このあたりは石が敷かれていて、芝生とは足の裏に感じる硬さも異なります。
「自分が鳴らす音にも注目してみてください」と福田さん。
遠くからは電車の音も聞こえてきます。

大きな彫刻《歩く花》(フェルナン・レジェ、1952-53年※寄託)の前へ。
彫刻を触ってみると、金属の質感や表面にあるデコボコなどが感じられました。 

奥に進んでいくと、今度は砂利道に変わります。
梅の木を見上げると実がなっていました。
落ちている実を拾ってみると、ふわふわとしたさわり心地。
この季節ならではの光景です。
砂利道から少しはずれると、落ち葉がいっぱい積もっています。
踏んでみると、ガサガサッと気持ちのよい音がしました。

あづまやに集合し、前半は終了。

後半は一人ひとり好きなところをめぐっていきます。 
庭園の一番奥にある水路のはじまりは小さな滝のよう。
「こんなところに滝があるんだ!」と驚きの声も聞こえました。

 

大きな枝を見つけました!

 

実習室に戻り、みんなで“気づき”を共有します。

 

・鳥のさえずり

・人工的なものと自然物の音の違い

・いつもは無意識に感じていることを意識する時間になり、自分の視点が変わる、意識が変わる感覚があった

・歩いている時間にしあわせを感じた

・大きな枝を見つけた

・風に吹かれるユキヤナギの揺れ方の違い

などなど…。みなさんたくさんの“気づき”を紹介してくださいました。 

次は制作です!
庭園の散歩で感じたことや気づきを、表現していきます。

 

今回は、B5サイズのボードとはがきサイズの画用紙に、アクリル絵具で描きます。
制作の前に、福田さんが今回のワークショップのために作った参考作品などを見せていただきました。

自身が感じたことの中の1つに着目して、それを全面に描く一場面型や、
感じたことを1枚の絵の中にたくさん描いていく地図型などがあり、描き方は自由とお話がありました。
また、表現のヒントになるよう、デカルコマニーやドリッピングなどの技法を紹介してくれました。

ここからは自由に制作していきます。
 

 

  

ローラーを使ったり、筆に水をたくさん含ませて描いたり、コラージュをしたり…
みなさん思い思いに表現していきます。
作品が完成しました!

最後はみんなで作品を並べて鑑賞会です。

自分が作った作品や、今日の活動についての感想をお話していただきました。
 

受講者からの感想(一部)です。

・普段感じることのないことを感じて、絵を描くということが大変おもしろかった

・自分が感じたことを表現するプロセスがすごく楽しかった。

・小さいころにもどったようなゆったりとした時間を過ごせたのがよかった。

・自由さが心地よかった。

・静かな環境の祖と庭を散歩して目、耳、感覚などを働かせる。

・時間が足りなかった。


普段何気なく見たり聞いたり、感じたりしていることを、改めて意識してゆっくりと全身で感じとる。
自分自身ともじっくり向き合う時間になったように思います。

福田さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

「美をつくし」展マグネット作りワークショップ

4月29日(土)と、5月14日(日)に、「美をつくし」展と関連したマグネット作りのワークショップを開催しました。

 

 

 

葛飾北斎の『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』、尾形光琳の『円形図案集』、原在中の『百鬼夜行絵巻』を原画としたぬり絵から好きな作品を選び、色鉛筆で色を塗っていきました。

 

ぬり絵が完成したら、スタッフが缶マグネットに仕立てました。

 

同じぬり絵で制作しても、参加者の方たちが創意工夫をたくさん発揮してくれて、一つとして同じものがない多彩な作品が生まれました。

参加者の作品の一部をご紹介します。

 

 

 

たくさんのご参加ありがとうございました。

また、今後も企画展を中心にこのようなワークショップを開催していきます。

詳細が決まりましたら当館HP等でもお知らせしていきますので、ぜひご参加ください。

創作プログラム「ピンホールカメラを作って撮影してみよう」開催しました

2月4日(土)、当館実習室にて創作プログラム「ピンホールカメラを作って撮影してみよう」を開催しました。
講師は須賀川市出身の写真家、村越としやさんです。

村越さんには、3月5日まで開催されていた「福島アートアニュアル2023」にご出品いただいていました。

箱にあけた小さな針穴から入る光によって外の像を写し取る「ピンホールカメラ」。
今回の講座では、ピンホールカメラを手作りし、風景や人物などを撮影し、最後に暗室で現像をしました。

午前中はカメラづくりです。
村越さんが準備した型紙を元に、黒い厚紙をカッターで切り抜いていきます。

 

切り抜くのは全部で3枚。
切り抜いた紙に切り込みや折り目を入れ組み立てると、3つの小さな箱ができあがりました。

この3つの箱を組み合わせて、光が入り込まない暗箱が完成。
箱ができたところでピンホールづくりへ。
小さく切ったアルミ板を、紙ヤスリで薄く削っていきました。

ここで一番大事な穴あけの作業。
まち針を使ってアルミ板にピンホールをあけます。
きれいに穴があいているか、ライトボックスの光を当てて確認します。

ピンホールがあいたアルミ板を、箱に切り抜いた穴に貼り付けます。
最後にピンホールの上にパーマセルテープを貼ってシャッターを作り、カメラの完成です! 
午前中はここまで。

 

午後からは撮影・現像作業をしました。
まずは撮影の流れについて村越さんから説明をしていただきました。
それぞれ作ったカメラのピンホール面から印画紙面の長さと、ピンホールの大きさを元に、F値(絞り値)を計算します。
撮影場所の明るさから露出時間(シャッターを開けている時間)を決め、撮影へ。

部屋を真っ暗にして、印画紙を箱の中にセットし、最初の1枚は試し撮りです。
ピンホールカメラを持って、全員で屋外に出て撮影します。


試し撮りが終わると、部屋を真っ暗にして現像作業を行います。
デジタルではないので、現像するまでどのように撮れているのか分からないわくわく感があります。

カメラの中から印画紙を取り出し、現像液→停止液→定着液→水洗という流れで浸していきます。
現像液の中で真っ白な印画紙に像が浮かび上がる様子はとても面白いです。
現像した写真(ネガ)を見ながら、箱に隙間があいていないか、露出時間は適当かなどを村越さんに相談します。

ここからはそれぞれの作業へ。

1、暗室で印画紙を箱の中にセットする

2、外に出て自由に撮影をする

3、暗室に戻って印画紙を取り出す

4、現像作業

これを時間がある限り繰り返していきました。


講座の日は曇ったり急に晴れてきたりと、天気が変わりやすかったため、露出時間を調整しながら撮影していました。

現像したネガの中から気に入ったものを、引き伸ばし機を使ってネガからポジに反転する作業をします。
時間いっぱいまで、みなさん撮影と現像に取り組んでいました。
現像した写真をお互いに見せあいながら、
「どこを撮ったの?」
「この写真おもしろいね!」
などと、楽しそうにお話されていました。

 

今はデジタルカメラやスマートフォンで気軽に写真を撮ることができ、写真を撮る仕組みについて意識することはなかなかありません。
今回の講座は写真の原理を体感する貴重な機会となりました。

受講者の方からいただいた感想(一部)です。

・カメラのことをもっと深く知れて、体感できてよかったです。
・カメラを手作りして実際に写真が撮れるなんて驚きです!
・写真のしくみや成り立ちを理解でき、写真ができてくるのが”出会い”みたいでおもしろかったです。

村越さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

今年も、おとなりアーティスト・学校連携共同ワークショップ参加校作品展がはじまりました!

当館では、県内の子どもたちを対象とした「学校連携共同ワークショップ」を2003年より行っております。福島県ゆかりのアーティストを講師に招き各学校等でワークショップを開催しています。今年度は、FRIDAY SCREENのお二人、よしもとみかさんを講師としてお招きしました。参加した子どもたちによる成果展が2月4日からはじまりました。

 

FRIDAY SCREENのワークショップのテーマは「もりもりもじ!」です。私たちの周りに溢れている「文字」をテーマにしたワークショップです。

 

福島市教育委員会教育研修課(ふれあい教室)

ふれあい教室のテーマは、「空間に自分の好きな言葉を植えよう」です。自分の好きな言葉を「植物のような」デザインにし、その言葉が地面から生えているように立体を作りました。

 

展示室に足を踏み入れると、まるで植えられたような「文字」が迎え入れてくれます。「ぐーん」は展示室の天井を突き抜けるくらいの大きさです。

 

重い「あ」、軽い「あ」、喜んでいる「あ」など、いろんな「あ」を描きました。

 

郡山市緑ヶ丘中学校・郡山第一中学校(美術部)

こちらのテーマは、「君×(駆ける)  kimi-kakeru」です。友達の走る姿に音をつけて音をデザインしました。漫画でよく見かける効果音を、友達の走る姿にぴったりの音とデザインで表現しました。「ペムッペムッペムッ」「すっっすっ」「ドウタッ」。それぞれの個性が光ります。

 

 

よしもとみかさんのワークショップのテーマは、「私のいまを色と形で表現してみよう」です。よしもとさんと学校の先生が、子どもたちに合う素材や画材を選び、それぞれの学校で違う内容のプログラムをつくりました。

 

会津坂下町立坂下中学校(文化部)

 

10メートルのキャンバスに、全身を使ってダイナミックに描きました。躍動感ある作品です。

 

会津若松市立第二中学校(美術部)

プラスチックの板に紙を貼り、オイルパステルで色を塗りました。やわらかな色合い、個性的な形が独特な存在感を放っています。

 

いわき市立小名浜第三小学校(2年生)

 

よしもとさんが鳴らすピアノの音から、色や形のイメージを膨らませ、赤・青・黄の絵の具だけを使って描き、色々な形に切りました。子どもたちの小さな手から次々と楽しい作品が生まれていきました。

 

小野町立小野小学校(5年生)

 

正方形の紙に数字を書いて画面を分割し、オイルパステルで色を塗りました。割りばしで引っかいたり、オイルで溶かして制作しました。小さな画面に数字が楽しげに描かれています。

 

西郷村立米小学校(1・2年生)

 

赤・青・黄3色の色水を大きな画用紙に垂らします。紙の端を友達ともって、画面上で色水を動かします。3色が混ざり合うことで複雑な色調が生まれ、幻想的な作品です。

 

子どもたちに「つくる喜び」を与えてくださったFRIDAY SCREENのお二人、よしもとみかさん、当事業にご協力くださった多くの方々に心より感謝いたします。

 

おとなりアーティスト・学校連携共同ワークショップ参加校作品展は、2月26日(日)まで開催しています。子どもたちの充実した活動の足跡がダイレクトに感じられます。みなさまのご来場をお待ちしております。

 

会場:当館企画展示室B

入場:無料

開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)

休館日:6日(月)、13日(月)、20日(月)、24日(金)

 

創作プログラム「シルクスクリーンでオリジナルTシャツを作ろう!」を開催しました

1月15日(日)に当館実習室にて創作プログラム「シルクスクリーンでオリジナルTシャツを作ろう!」を開催しました。講師は、版画家の大河原健太さんです。

大河原さん着用のTシャツは大河原さんがデザインしたもの。大河原さんは人気ブランドのデザインの仕事もされています。

 

「シルクスクリーンはどんな版画?」「木版みたいに反転しないの?」の受講者の質問に、大河原さんは実演開始。下準備が済んだ版に白いインクをのせてスクィジーでのばすと・・・

 

黒い画用紙に大河原さんが描いた絵が現れました!実際の工程を見て、みなさん納得。

仕組みがわかったところで、作業に入ります。

 

まずは、下絵の準備です。下絵をあらかじめ準備されていた方も多くて、木枠のついたA4サイズの版と下絵のサイズ調整を行いました。木枠の内側2㎝ほど余白をつくると、印刷しやすくなるので、そのサイズに収まるようにします。

 

 

下絵を版にトレースします。版を浮かせて、ペンタイプの描画材を使って下絵をなぞります。

 

 

面の部分は、面相筆に描画剤をつけて塗っていきます。

 

 

絵を版に写し終わったら、版を裏にしてスクィジーで乳剤をのばして、目止めをします。

 

 

乳剤をドライヤーで乾かし乾燥させます。

 

 

洗い油を版に塗り、筆を使って描画剤を溶かします。その後、版を水で洗い、乾燥させます。

 

洗い油で描画剤を溶かすと、トレースした線や面部分の細かな目にインクが通る状態になります。

 

午前はここまでです。

 

午後からいよいよ印刷していきます。初めに、多色刷りとグラデーションの色付けの仕方をレクチャーしてもらいました。

 

シルクスクリーン用の絵具やアクリル絵具から自分の使いたい色を選びます。アクリル絵具を使う場合はメディウムを混ぜて、水飴くらいの固さに調整していきます。また、色に透明感を出していきたい場合はメディウムを足すと効果的です。

 

さあ、印刷開始です。

版上の使わない絵はマスキングテープで目止めをしておき、インクを絵の横に多めに置きます。

 

 

スクィジーを斜め45度の角度で引きます。

 

 

絵が写りました!

 

刷り終わったら、版を水洗いし、乾かします。版を何度も使うことができるので、持参のトートバッグやTシャツなどにどんどん印刷していきました。

 

 

こだわりの作品が次々と出来上がりました!

 

 

 

 

受講者の方からです。

 

・とても楽しかった。シルクスクリーンについてよく理解できた。

・自分の絵がプリントされてうれしい!

・反転など考えなくてもそのまま版にできるなど簡単で大変楽しめた。

 

みなさん、ご自分のこだわりがつまった作品をつくりあげていて、どの作品も素敵でした。困っている時にはすぐにアドバイスをして、細やかに指導してくださった大河原さん、ありがとうございました!

創作プログラム「想像のお庭を作ろう」を開催しました

12月11日(日)に当館実習室にて創作プログラム「想像のお庭を作ろう」を開催しました。講師は、美術作家の杉浦藍さんです。

 

今回のプログラムは、事前準備として、参加者に日常生活の中で自分のまわりにあるものを写真に撮ってきてもらいました。それをA4の紙に印刷し、色紙として制作に使っていきます。

 

参加者も杉浦さんもいろんな写真を前にワクワク。「これは何かな?」「ロディだよ!」「これは?」「水滴が付いた麦茶のコップ」など、聞いてみないとなんだかわからない不思議なものから、脂がのったステーキ、タイヤ、レゴなど、ユニークなお気に入りのものがたくさん集まりました。

 

次に、杉浦さんに葉や茎のつくり方のコツを教えてもらいました。

 

見本の想像の植物には葉脈があると思ったら、葉脈に見えていたのは道ばたで見かけたカラスよけネットだったり、穴が開いている葉っぱと思いきやプラスティックのカゴだったり。写真の柄や形、色などを生かして切り取り、貼り付けて立体にしていきます。

 

さあ、好きな色紙と容器を選んで制作開始です。

 

 

杉浦さんは自分のやりたいように自分だけの植物をつくってください!とのことで、自分のペースで制作していきます。

 

 

 

 

撮った写真の模様を生かして、想像力を使って、手を動かして、いろいろな植物ができていきます。

 

 

和気あいあいと活動して、あっという間に制作時間が過ぎました。

 

完成です!作品をみんなで鑑賞しました。

 

どれもおもしろい植物です。それぞれのこだわりを聞くのも楽しい時間です!

 

がんばりました!ダイナミックな植物ができたね。

 

 

受講者の方からです。

 

・手の中でいろんな花や葉ができてきて、楽しかった。頭の中の完成図と違うものができた。

・子どもの想像力はこちらが思いもしないものを作り出すので、とても楽しく過ごせました。

・面白かったです。3歳でも参加できることがわかったのが1番の収穫でした。

 

楽しくて想像力を刺激する制作時間をつくってくださった杉浦さん、ありがとうございました!

 

創作プログラム「鍾馗様の小旗を作ろう」を開催しました

11月20日(日)に当館実習室にて創作プログラム「鍾馗様の小旗を作ろう」を開催しました。今回は、当館にて開催中の企画展示「亜欧堂田善展」の関連ワークショップです。講師は、伝統工芸須賀川絵のぼりの吉野屋六代目大野青峯さんです。

 

まず、大野さんから絵のぼりの成り立ちについてお話がありました。江戸時代に男の子が生まれると、のぼり旗に絵を描きお祝いするようになりました。「須賀川絵のぼり」は白河藩主松平定信の御用絵師亜欧堂田善が、和紙や布地に唐の守り神である鍾馗を描き、庭先に立てたのが始まりで、田善から弟子・安田田騏へ、田騏から吉野屋の初代大野松岳へと継承されて、今に至ります。

 

お話が終わり、制作の開始です。

はじめに、オリジナルの落款を作ります。自分の名前をそれぞれ考えたデザインで型紙に書いていきます。

  

 

型紙から各自がデザインした文字をカッターで切り取っていきます。ここで切り取る際のポイントがあります。型紙の字や図がスポッと抜けないよう、線が曲がるところやぶつかるところは、切り取らないでつなぎとして残すようにします。

   

 

 

落款ができあがったら、鍾馗様の図柄を選びます。

 

左の鍾馗様は不動、真ん中は四方八方に目を配り、右は動きがあるポーズをとっています。大野さんは、左は長男、真ん中は三男、右は次男へののぼり旗としておすすめするそうです。みなさんは、自分の好きな図柄、お孫さんへのおくりものなど、それぞれ選ばれていました。

 

さあ、馬毛のハケを使って顔料をすりこんでいきます。

 

顔料を付けすぎると滲み、逆に足りないとかすみます。加減を調整しながらすりこみます。

 

仕上がりはどうでしょうか?

 

第1段階はこれで完了です。鍾馗様の全体図が小旗に付きました。

 

第2段階は、顔料が付かなかったつなぎの部分(サンプルでは赤い箇所)を、面相筆で描いていきます。

 

細い線が途切れたつなぎ部分は、繊細な筆づかいが求められるので、サンプルと見比べながらみなさん慎重にじっくりと筆を運んでいました。

 

同様に、自作の落款にも顔料をすりこみ、つなぎ部分をうめていきます。

 

 みなさん途切れている部分を丁寧につないで仕上げていきました。

 

最後に、アイロンをして小旗に棒とひもをつけてもらいます。

 

 

完成しました!

 

自分だけのオリジナルの小旗が出来上がりました。

 

受講者の方からです。

 

・こんなに本格的にやるとは思っていなかったのでびっくりです。感動です。

・大変良かったです。孫にプレゼントいたします。

・筆でかくのは難しかったけれど、きれいにできあがってよかったです。

 

 お子さんが小さい時に吉野屋さんにのぼりを作ってもらい、毎年端午の節句にのぼり旗を立てている参加者の方がいらっしゃいました。地元に根付く伝統工芸を体験できる機会をつくってくださった大野さん、アシスタントの安齋さんありがとうございました!

創作プログラム 「ドローイング、ドローイング、ドローイング。」楽しかったです!

創作プログラム

「ドローイング、ドローイング、ドローイング。」

 

講師:美術家・小沢剛氏

日時:11月3日(祝・木)

場所:美術館エントランスホール、庭園

参加者:高校生23名

 

11月3日、秋晴れの気持ちのいい日、美術家の小沢剛先生をお招きし、23名の高校生とともに、ドローイングをテーマにしたワークショップを開催しました。その様子をご紹介しましょう。

 

9時半。開館と共に大きなクラフト紙が敷き詰められたエントランスホールに集合。

さて、これからいったい何が始まるのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは小沢さんが「ドローイング」って何、そしてこれから何をするのかを簡単に説明して下さいました。「ドローイング」とは画材を手にして紙の上で腕を動かす、その痕跡のこと。今日は二つの方法でドローイングをしていきます。

 

その前に、緊張をほぐすアイスブレイク。みんなで常設展示室に向かいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それぞれの展示室で、「自分だったらどの絵が欲しい?」という小沢さんの問いに10秒で回答。絵の前で、どこが好き、どこが気になったかを発表しながら、少しずつ気持ちをほぐしていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後の展示室には小沢さんの「ベジタブル・ウェポン」シリーズ8点が展示されています。若い女性が野菜の銃を構えた不思議な写真を前に、どのように作品が制作されたのか、そこに込められた小沢さんの想いをお聞きしました。

 

鑑賞が終わったところで、エントランスホールに再集合。

いよいよドローイングに取りかかります。最初は約2メートル四方のクラフト紙に墨でドローイング。しかも音楽に耳を傾けながらの描画です。

でも、いきなり大きな紙に描くのは大変。まず小さな紙でエクセサイズです。小沢さんがのこぎりを叩いたり、縄跳びをぶんぶんとまわしたりして音を出し、それを聞きながらA3の画用紙にドローイングをして墨の感じをつかみました。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さあ、本番です。15分程度のオーケストラの演奏を聴きながらクラフト紙にドローイングをしていきました。演奏が終わったところで、一旦手を止め、それぞれの作品について参加者の話を聞きながら小沢さんが丁寧に講評。そして今聞いた音楽が、クラウディオ・アバド指揮ベルリンフィルの演奏によるチャイコフスキーの「1812年」という曲で、1812年のフランス・ナポレオン軍のロシア進軍を撃退するロシア軍の様子を表現したものであることが紹介されました。しかし今年2月のロシアのウクライナ進攻後、演奏するのはふさわしくないという意見もあるいわくつきの曲だそうです。芸術が政治に利用されることがある、そして社会状況によって作品の解釈が大きく変化することを知りました。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に、自衛隊による同じ曲の演奏が流れました。実際の大砲の音が加わり、印象がかなり異なります。

午前中は二つの演奏をバックグラウンドに、筆に一杯墨を含ませて滲みを用いて描いたり、ドリッピングしたり、あるいは細い筆で線を描いたり、思い思いに耳と手と体を使って大きな紙に描きました。

 

 

 

 

 

 

さて、午後は一転、美術館の庭でパノラマドローイングです。最初は4人ずつ、次に8人ずつ、位置を換えながらグループで円を作り、A4の大きさの画用紙に鉛筆で、それぞれが目の前に見えている風景を描いていきます。それらを円形につなげればパノラマになるのです。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後は、美術館正面の彫刻、井上武吉作《my sky hole 82-2》の周りに集まって全員で大きな一つの円を作り、庭園、美術館、図書館など周囲の風景をスケッチしました。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それらを一つのパノラマ画にする作業は美術館スタッフの担当。別室でパソコン作業により個々の画像を繋げて1枚の長い紙にプリントアウトし、パノラマに仕上げていきます。

 

その間、エントランスホールで高校生たちはアートブックの制作に取り掛かりました。午前中、自分が描いた墨ドローイングから好きなところをA3の大きさにトリミングし、切り取ります。8枚切り取り、ストーリーを思い描き、構成を考えて順番を決めていきました。そして最初のエクセサイズで描いたA3のドローイングを表紙にして、糊で貼り合わせていけば、1冊のアートブックが完成です。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大きな紙に描いたものを、小さくトリミングしていくと、イメージの印象が大きく変わるものです。余白を大きく入れてみたり、ある部分にフォーカスしてみると不思議に物語が見えてくることがあります。

それぞれのアートブックができたところで、お互いの作品を鑑賞。自分は誰のどこのページが気に入ったか、好きか、いいところを見つけて発表し、作品を講評しあいました。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうこうしている間に、パノラマドローイングが出来上がってきました。最後にみんなで作った一つの風景を観賞。

観察、接続、思考、感情、偶然、即興、鉛筆、墨汁、小さな画用紙、身体サイズの紙、そして編集。今日体験したいろいろなドローイングのやり方、そして楽しみ方を振り返りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

盛りだくさんの一日。スタッフも、高校生たちのパワーに圧倒された熱い一日でした。

 

それぞれの墨ドローイングを1枚ずつ使って作った共同アートブック、パノラマドローイングは、現在エントランスホールで展示しています。是非ご覧ください。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実は震災後の2012年、小沢さんは同じエントランスホールで《あなたが誰かを好きなように、誰もが誰かを好き》(通称ふとん山)を展示して下さいました。多くの子供たちが遊びに来てくれたのですが、今回の参加者の中にも二人いました。感無量でした。今回のワークショップも参加者の記憶のどこかにとどまり、10年後、20年度、何かのきっかけで思い起こしてもらえれば嬉しいです。小沢さん、本当に有難うございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アートなおはなしかい2022」を開催しました

9月23日(金・祝)、県立図書館さんと「アートなおはなしかい2022」を開催しました。

今回は、当館で開催中の企画展「生誕100年朝倉摂展」の関連イベントでもありました。

 

はじめに図書館で絵本をよみきかせてもらいました。美術館での作品鑑賞に関連する絵本を選んでいただきました。

 

1冊目は、『アンジェリーナ はじめてのステージ』(キャサリン・ホラバード 著/ヘレン・クレイグ 絵/おかだよしえ 訳)です。バレエ好きのアンジェリーナとヘンリーが舞台に出演するお話です。2冊目は、『あいうえおうた』(谷川俊太郎 文/降矢なな 絵)です。谷川さんの生み出すことばがリズミカルで耳に心地のよい絵本です。

 

それから、美術館へ移動して「生誕100年 朝倉 摂展」を鑑賞しました。彫刻家・朝倉文夫さんの娘の朝倉摂さんの回顧展です。絵画、舞台、絵本と多彩に活躍した女性アーティストです。

 

まず鑑賞したのは、珠玉の挿絵が展示されている絵本のパートにある「てまりのうた」です。

「てまりのうた」は、うさぎ、まり、みかん、雨など絵本に出てくる題材が美しく描かれた挿絵で構成されています。ここでは「うさぎ」の作品を観て、うさぎが画面から前足やしっぽがはみ出しているくらい大きく描かれていることに気付きました。

 

次に「てんぐのかくれみの」を鑑賞しました。

こちらの作品は、「かくれみの」の部分が光沢あるフィルムでコラージュされています。「この絵の中で、1カ所だけ違う方法でつくられているのはどこかな?」と問いかけると、「もくもくしたけむりの描き方!」「天狗と女の子の着物の赤が違う!」「かくれみのが光っている!」など、子どもたちはいろいろな視点から答えを出してくれました。子どもたちの豊かな感性に拍手です。

 

そのあとは、お楽しみのよみきかせタイムです。展示室内の特設の絵本コーナーで読んでいただきました。

実際の作品を観てすぐに『てんぐのかくれみの』(岡本良雄 案/朝倉摂 画)を読んでもらいました。彦一が天狗の子どもから透明人間になれるかくれみのをだまし取って、いたずらをしていく展開にハラハラ。みんな集中してお話に聞き入っていました。

 

そして、原画が展示されている本を紹介していただきました。

『てまりのうた』(与田準一 さく/朝倉摂 え)、『三月ひなのつき』(石井桃子 さく/朝倉摂 え)、『スイッチョねこ』(朝倉摂 絵/大佛次郎 文)の3冊です。『スイッチョねこ』は、ねこが虫を食べちゃうと聞いてみんなびっくり!

 

本の紹介が終わると再び作品鑑賞へ。舞台美術のパートに移動しました。舞台美術家としても活躍された摂さんが手がけた舞台模型「ハムレット」を鑑賞しました。

図書館でよみきかせてもらった『アンジェリーナ はじめてのステージ』を参考に、模型の中でアンジェリーナやヘンリーがどのようにステージに立つか想像しました。

 

そして、摂さんと詩人・谷川俊太郎さん、グラフィックデザイナー・粟津潔さんで合作した「衝立」を鑑賞しました。

「この絵からどんな音がするかな?」と子どもたちに聞いてみると・・・。目玉がびっしり描かれたワンピースからはギョロギョロ、包丁からザクザク、瓶からリンリン、電球からピカピカ、釘からトントン、虫からニョロニョロ、カサカサ、目玉からパチパチなどなど。絵からいろいろな音が聴こえてきたようです。

 

作品鑑賞と絵本のよみきかせの後は、美術館の実習室で工作の時間です。今回は、《スイッチョねこ》の作品から、ガチャガチャスタンプを使ってポストカードをつくりました。

 

まず、スポンジを輪ゴムと毛糸でまとめてガチャ玉の中に入れてスタンプを作ります。

 

子どもたちの小さな手でひとつにまとめるのは大変そうでしたが、みんな頑張りました。

 

次に、ガチャガチャスタンプとアクリル絵の具を使って、美術館スタッフお手製のポストカードにスタンプします!

 

みんなポンポンポンとスタンプを押して、素敵なポストカードが出来上がりました!

 

本好きな子どもたちが集まったので、貸し出し可能な摂さんの絵本を借りに、図書館へ戻っていきました。きっと絵本を読んだら、みんなで一緒に鑑賞した摂さんの作品を思い出すね!ガチャガチャスタンプも再利用できるので、また家で工作してみてね!

 

ご参加くださったみなさま、図書館スタッフのみなさま、ありがとうございました!

創作プログラム「うるしをみがいて作るピカピカ猫のブローチ」を開催しました

7月30日(土)に当館実習室にて創作プログラム「うるしをみがいて作るピカピカ猫のブローチを午前と午後の部で開催しました。今回は、当館にて開催中の特集展示「みんな大好き!福島ねこづくし展」の関連ワークショップです。講師は、漆芸家の平井岳さんと綾子さんです。

 

岳さんは、制作に加えて漆掻きの仕事もしています。国産の漆が貴重で手に入りにくくなっていることから、自分で漆を採取するようになったそうです。映像を見ながら漆掻きの現場について解説していただきました。

 

 

実際に使っている漆掻きの道具をみせてもらいました。

 

数日前に山に入って漆を掻いた岳さんの道具です。刃の形状が独特で、掻く道具はずっと昔から変わっていない伝統的なものです。漆掻きに携わっている人は岳さんを含めて福島県ではお二方だけ。自然と向き合いながら、木から樹液を1滴1滴採取するという話をみなさん興味深く聞きました。

 

漆のお話を聞いた後は、猫のブローチをつくっていきます。まずは、綾子さんの実演です。

 

 

作業工程がわかったところで、制作開始です。岳さん、綾子さんがつくった漆が塗られた猫型のプレートをみがいていきます。塗ってある色、塗り方もランダムなので、どんな色や模様がでてくるかはみがいてみてのお楽しみです!

 

 

みがくのに3種類の研磨剤を使います。1番目に使うペースト状の研磨剤、2番目、3番目のクリーム状の研磨材です。1番目はこの中では粒子が粗いですが、粗いといっても目には見えない粒子の大きさです。2番目、3番目に進むにつれて粒子が細かくなっていきます。粒子を細かくしていくことでツヤを出していきます。また、どのくらい模様を出すかはそれぞれの好みで、銀色の表面を残してもOKです。いい感じになったと思えば、次の研磨剤に進みます。

 

 

細かい所は綿棒を使ってみがいていきます。

 

 

ヤスリも使います。日常生活では使うことのない目がとても細かいヤスリで、光沢を出していきます。銀色部分をこするとメタリック感が出ます。

 

 

3番目の研磨剤の段階にいっても、みがきが足りないと思ったら、1、2番目の研磨剤にもどってみがいても大丈夫です。いったりきたりしながら自分好みのピカピカ具合までみがいていきます。

 

 

 

ブローチの表面をエタノールで拭き取ります。岳さんにピンを付けてもらって完成です!

 

 

岳さんと綾子さんから「漆は年月が経つと強くて固くなる不思議な塗料」「漆は経年で色が明るくなり発色がよくなるので、猫ブローチは使ううちに明るくなっていきます」「お手入れはたまに指でみがいてみてください」と教えていただきました。

 

最後に出来上がったばかりの「ピカピカ猫ブローチ」を付けて、特集展示「みんな大好き!福島ねこづくし展」を鑑賞しました。今回は、制作も鑑賞も楽しむプログラムでした。

 

受講者の声です。

 

・うるしが身近に感じられるワークショップでした。

・1人1人ちがう模様でかわいかったです。

・うるしのことがわかってよかったです。国産うるしの伝統を感じました。

・磨くのに没頭できたので、気持ちもすっきりしました。

 

暑い中参加してくださったみなさまありがとうございました!漆に親しむ機会を提供してくださった岳さん、綾子さん、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

創作プログラム「お気に入りの絵を彫ろう 漆の沈金体験」を開催しました

7月10日(日)に当館実習室にて創作プログラム「お気に入りの絵を彫ろう 漆の沈金体験」を午前と午後の部で開催しました。講師は、今年の2~3月にかけて当館にて開催した、福島県ゆかりの若手アーティストを紹介する企画展「福島アートアニュアル2022」に出品いただいた漆芸家の吾子可苗さんです。

 

はじめに作業工程を説明していただきました。

 

 

次に実演です。

 

 

「面にしたい場合は線を交差させたり、何本も線を彫る」「線を太くしたい場合は数本線を引いていく」など、わかりやすく教えていただきました。

 

さあ、各自で制作の時間です。

 

まずは、皿の上にチャコペーパーをおいて、各自用意したイラストをのせて、鉛筆でなぞっていきます。

 

 

図案が漆の皿に写りました。

 

お皿に写った線を加工した太い釘でなぞり、浅く彫っていきます。釘を立てて持ち、ギリギリと音がすればうまく彫れている証拠です。

 

 

 

「漢字を彫るのが難しい!」との声に、「最初は大まかなところを彫って、釘に慣れてきたら細かいところに彫り進んでいきましょう」と吾子さん。

 

彫り終わると、表面をきれいに拭き取ります。そして、漆を模様にすり込んでいきます。漆は触れるとかぶれることもあるのですが、挑戦した人は吾子さんの丁寧な指示のもと、気をつけて漆を擦り込みました。

 

 

表面についた漆を拭き取って、いよいよ本金を、真綿をつかって模様に蒔き付けます。丸くふわふわふわと蒔き付けていくのがポイントです。

 

 

線が金色で浮かび上がると、その美しさにみなさん気持ちが高まります!

 

お皿の表面についた金粉をきれいに拭き取ったら、完成です。1週間漆が乾くまで、濡れたティッシュを入れた袋で保存します。袋は密閉せずに口を3㎝ほど開けておきます。

 

 

受講者の声です。

 

・初めて漆をつかって模様をつけたので、楽しかった。工夫して彫ったりするのも楽しかった。

・非常に素敵な経験ができました。金粉をつけた時の華やかな瞬間は素晴らしかったです。

・大人がするような沈金の体験をさせて頂けるのがありがたかったです。

 

ご参加いただいた受講者のみなさま、1週間経ちましたね。お皿にカステラを載せたい、飾りたい、愛でたいとそれぞれ使い方をお考えでしたが、使うのが楽しみですね!

 

 

今回のワークショップは、アートアニュアルにあわせた2月開催の予定が、新型コロナウイルスの影響で延期となりました。受講者のみなさまが待ち望んでいたので、無事に開催することができうれしい限りでした。お申し込みいただいたみなさま、吾子さんありがとうございました!

 

 

 

 

創作プログラム「こけしの源流を想像して、こけしに絵を描こう」を開催しました

6月26日(日)に当館実習室で創作プログラム「こけしの源流を想像して、こけしに絵を描こう」を、午前と午後の部で開催しました。今回は、当館にて開催中の企画展「東北へのまなざし1930-1945」の関連ワークショップです。展覧会のポスター、チラシのデザインを担当された軸原ヨウスケさん(デザイナー)が講師です。

 

 

はじめに、伝統こけしの系統の特徴を説明していただきました。

     

 

続いて、熟練の伝統こけし工人さんの制作工程の映像を見せていただき、制作意欲が高まっていきます。

 

いよいよ「幼少期の自分を投影したこけしをつくる」に挑戦です。

まずは、小さい頃の自分を思い出しながら、シートに自分の顔を筆で描く練習です。墨汁と食用の染料(赤・青・黄・緑)を水で溶いたものを使います。

 

軸原さんにいただいたアドバイスは、「筆に慣れること」「気持ちよくすすっと描ける線、柄を考案して描いていく」でした。

 

次はロクロの使い方の実演です。ロクロを使ってこけしの髪や模様を描くことができます。

 

 

みなさんもロクロを使って模様を入れていきます!

 

 

一発勝負なので、筆を入れる受講者の方も手回しロクロを回す軸原さん、美術館スタッフも集中しています。

 

さらに顔や髪、胴模様を自分好みに仕上げていきます。

 

 

 

最後に、みなさんでこけしの記念撮影をしました!どのこけしもつくった人の“その人らしさ”が表れています。

 

 

                                    軸原さんと伝統こけし工人の早坂さんです。

 

震災で落ち込んでいた時に軸原さんの本(残念ながら絶版)をきっかけにこけしに魅了され癒やされた「こけ女」の方、おじいさまが土湯のこけし工人だった方、現在も鳴子でご活躍されている工人さんなど、こけしと密接な関わりがある方々が軸原さんとこけしに引き寄せられるように集まりました。こけしの奥深さを感じた一日でした。

 

受講者の方からの感想です。

 

・想像した以上に筆づかいや絵付けは難しかったが、作品を作る過程が楽しかった。ロクロで色をつけることもできてよかった。

・とてもたのしかったです!!

・工人の方のすごさを体感できました。

 

ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。小さなこけしに大きな魅力がつまっていることを教えてくださった軸原さん、本当にありがとうございました。

 

 

もののけワークショップを開催しました

5月8日(日)に当館実習室で創作プログラム「もののけワークショップ」を開催しました。講師は画家の香川大介さんです。

今回は親子向けの講座です。香川さんがつくった素焼きのオブジェに絵付けをし、自分だけの“もののけ”をつくります。

 

まずは、オブジェを選びます。

ひとつとして同じ形のない約30体のオブジェから、自分のお気に入りを選ぶのは楽しい時間です。

 

選んだら、絵付けの開始です。

 

 

「制作時は、集中しないで周りと話しながら、なるべく考えずに手を動かしてほしい」「みなさんに話しかけます、なんならひとりで勝手にラジオになっています」と、香川さん。

 

考えないで手を動かすという作品づくりに、子どもたちはすいすいと手を動かし、色を付けていきました。大人も筆を動かし始めると夢中モードに。香川さんと話しながらも制作の手は止めず、親子でそれぞれの表現を楽しんでいました。

 

 

最後にみなさんと出来上がった作品を鑑賞しました。

 

“もののけ”集合!

 

自分だけの“もののけ”が出来上がりました。

 

素敵なコメントをいただきました。

 

・ぬるのがたのしかった!

・0から何かを考えるのは難しいと思いますが、今回のような素材をもとにつくり上げていくのは取り組みやすく刺激的でした!

・親子それぞれ作るのが新鮮でした。自分で作るのも楽しいものですね。

・普段できないことを体験し、まわりのみんなの作品に触れ、ますます表現に興味がでたと思います。

 

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。そして、楽しい時間を提供してくださった香川さん、本当にありがとうございました!

創作プログラム「写真のような鉛筆デッサン」を開催しました

4月16日土曜日、当館実習室で創作プログラム「写真のような鉛筆デッサン-自画像を描く-」を開催しました。講師は当館学芸員の大北です。

 

今回の講座では、形を取ることを省くために写真をトレースして描きます。

形のくるいが無いことで自分の扱えるトーンの幅を増やすことに集中できます。

 

使用する画材は鉛筆3種類(3B・HB・2H)と、ねりゴム、綿棒です。

2Hの鉛筆は固いので、芯を長めに出してねかせて使います。綿棒は擦筆の代わりです。

 

左半分は写真をトレースして輪郭やあたりをつけた状態。

右半分は3種類の鉛筆、ねりゴム、綿棒を使って描きました。

 

まずは、白黒コピーした写真の裏面に、鉛筆の芯の粉末をティッシュペーパーですりこみ、トレースするための準備をします。

 

 

次に、色ペンを持ってトレース開始。

目や鼻などの輪郭や明暗が分かれているところをなぞってあたりをつけます。

 

トレースが終わると、鉛筆で色を入れていきます。固さの違う3種類を使い分けます。

一番暗い色を最初に置くのがポイントで、それを基準にすれば間のトーンをつくりやすくなります。

 

午前はここで終了。

 

午後は、立体感を出すべく、ひたすら描きます。受講者の方それぞれ描き方が違うので、その特徴を活かして、個別にアドバイスをしていきます。

苦しい修行のようなデッサンですが、みなさん根気強く取り組み、終盤はそれぞれが何かをつかみ、鉛筆さばきが軽やかになっていきました。

 

もっと伝えたいことがあったのですが講座終了の時間です。

みなさん扱えるトーンの幅が増えたと思いますので、その感覚を今後の制作に生かしていただければ幸いです。

 

「今日は楽しかった」「また絵を描く講座を開いてください」「これからもデッサンがんばります!」などのお声をいただきました。嬉しいです。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

学校連携共同ワークショップ参加校作品展がはじまりました。

当館では、県内の子どもたちを対象とした「学校連携共同ワークショップ」を行っております。今年度は、福島県ゆかりの作家であるアーティストの門馬美喜さん、画家の宮嶋結香さん、当館学芸員を講師として、各学校等でワークショップを開催しました。その成果展である、子どもたちが制作した作品約220点を一堂に会する展覧会が2月8日からはじまりました。

 

 

門馬さんのワークショップのテーマは「建築廃材で小さなまちをつくろう」です。門馬さんのふるさと相馬市をはじめ、復興に使われたさまざまな形の建築廃材を自由に組み合わせて、ひとりひとりが思い描く、自分が行きたい世界・場所・街を制作しました。廃材の木をそのまま使ったり、のこぎりで切ったり、おもいおもいの街をかたちにしたブックスタンドをつくりました。柿渋で彩色して、味わいある作品に仕上がっています。

福島県立相馬高等学校(美術部)

〈生徒たちの声〉

  • 自分の行きたい世界、街、場所をつくることなんてしたことがなかったので、とても新鮮でした。
  • 粘土や絵の具などを使用せず木だけの表現のやり方に悩まざるを得ない反面、木がうまく組み合わさった時の達成感を強く感じることができました。
  • のこぎりで切ったり、きりで穴をあけたり、くぎを打ったりと普段の生活ではしないことをして、手が痛くなりましたが、とても楽しかったです。

 

 

宮嶋さんのワークショップのテーマは、「古紙をつかって絵を描いてみよう」です。紙袋や包装紙、ポスター、チラシなど、一度役目を終えた紙に描きます。破いて描きやすい大きさにして、断面やシワや紙に入っている模様からイメージを膨らませて、描きたい絵を自由に描きます。

 

二本松市立渋川小学校(4年生) 田村市立要田小学校(5・6年生)

 

南相馬市立太田小学校(5・6年生) 田村市立大越小学校(6年生)

 

会津坂下町立坂下中学校(文化部) 須賀川市立小塩江中学校(全校生)

 

会津若松市立第二中学校(美術部) 郡山市立日和田中学校(美術部)

〈子どもたちの声〉

  • 普段使わない紙に、その場で思いついた絵を描いていくと、次の場面が次々にうかんできて、描く手が止まらなくなって、正直悩むと思っていたので、とても楽しくできました。
  • 題名は「自然の中にきえた記憶」です。ポスターの絵はそれにぴったりだったので、写真を破って記憶がわれたように使いました。いろいろな記憶があるようにしようと思いました。
  • ポスターのジャンプしている女の人を見て、「天使やん」と思ったので、羽をつけました。米袋のぼこぼこを使って犬の毛を再現しました。適当に切った紙からイメージをふくらませるのが楽しかったです。
  • 小さい頃、何も考えずに描いた楽しさを思い出すことができた。共同で作品を作ることもできた。

 

 

当館学芸員のワークショップのテーマは、「目や鼻や口を描かないで友達の顔を描いてみよう」です。友達の雰囲気や友達から教えてもらった好きな音や物などから想像し、いろいろな画材を使って友達を描きました。

子どもたちは、マチエール(絵肌)作りからこだわりをみせ、作業に没頭する姿が印象的でした。五感を使って友達から感じ取ったことを画面上で表現し、目や鼻はないけれど友達が持っている空気感が伝わる作品をつくりました。紙を貼ったり、ビーズを付けてみたりと、リズミカルな作品に仕上がりました。

福島市教育委員会教育研修課(ふれあい教室)

 

 

福島の子どもたちの心豊かな成長を願い、貴重な時間を提供してくださった2名の作家と当事業に協力してくださった多くの方々に深く感謝いたします。

 

 

作品をご覧いただいた方から、「賑やかな音楽が流れているイメージ。楽しい!」「子どもたちの元気いっぱいの作品をみて楽しかった」「自由で楽しそうなアウトプットと、その隙間からのぞく現代の子どもたちの鬱屈した感情が見えるところがよかった」など、さまざまな感想をお寄せいただいております。

 

学校連携共同ワークショップ参加校作品展は2月27日(日)まで展示しています。子どもたちのきらきらした感性、パワーが感じられる作品展となっております。どうぞご覧ください。

 

場所:当館企画展示室B

観覧料:無料

開館時間:9:30~17:00(最終入館は16:30まで)

休館日:14日(月)、21日(月)、24日(木)

 

創作プログラム「窓に描くクリスマス」を開催しました

12月18日(土)、当館実習室、庭園にて創作プログラム「窓に描くクリスマス」を開催しました。

 

講師は南相馬市在住の画家で絵本作家の小原風子さんです。

 

今回のワークショップは、みんなでフロッタージュした紙を使って、大きな窓をキャンバスにもみの木やクリスマスの風景を描いて、切って、ちぎって、貼って、つくっていきます。

 

当日の天気は雪。

まずは、フロッタージュの材料になる葉っぱや実などを採りに、美術館の庭園に。さむい!!!

 

 

 

次に、寒さに負けずにあつめた葉っぱや実を、実習室でフロッタージュします。葉っぱの上に半紙を置き、上からクレヨンなどでこすり、かたちをうつし取ります。

 

 

 

実習室の中の凸凹も探して作品にします。

 

さらに、等身大の自分を窓に飾るべく、大きな和紙を使って、自分で考えたポーズを型取りしてもらいます。そこに自分の顔を描いていきます。

 

 

そして、こんにゃくのりで等身大の自分を窓に貼り付けます。

午前中の活動は、ここで終了です。

 

午後は、窓に貼り付けたもみの木や等身大の自分に、フロッタージュしたものを使っておもいおもいに制作していきます。

 

 

風子さんが海から拾って集めてくださった貝も飾りつけました(こどもたちに大人気だった貝は“ナミマガシワ”といい、幸せを呼ぶ貝といわれているそうです)。

 

 

窓にむかって夢中で制作しました。

 

 

シンプルな大窓が、躍動感あふれるアート作品に変わりました!信夫山をバックに、たのしく遊ぶ冬景色の作品ができあがりました!

 

 

最後にみなさんで鑑賞しました。

 

のびのびと、また集中して活動されていたので、完成後のみなさんのお顔は充実感に満ちていました。「たのしかった!」「またやりたい!」とのお声、ありがとうございました!

 

すてきな時間をつくってくださった風子さん、ほんとうにありがとうございました!

瀬戸語録:「瀬戸正人写真学校in福島」第4回報告

8月に開校した「瀬戸正人写真学校in福島」もいよいよ大詰めになってきました。12月12日日曜日、第4回が展示室Bで開催されました。

 

これまで美術館の建物の奥にある美術館講堂で開催してきましたが、12月4日に「瀬戸正人 記憶の地図」展が開催し、企画展示室内の最後の部屋を使って行われました。ここは関連映画の予告編をご紹介したり、この写真学校の事業を展開するためにオープンスペースとした部屋です。展覧会を見終わった方が通るスペースでもあるので、写真学校にご参加でない方も「何やってるんだろう?」とちょっと覗いていただける場所になっています。たくさんの方と共に瀬戸さんの言葉に耳を傾けました。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は、これまで3回の講座で瀬戸さんにセレクトしていただいた写真に加え、そこで落とされたけれど敗者復活したい自分推し作品、新たに見てもらいたい自信作を提出することが可能になっていました。いよいよ展示作品を決めます。成果展に向け、みなさん心残りのないように、最後のセレクトの回に臨みました。今回はZoom参加はなく、ほぼ全員美術館に集まりました。コロナも落ち着いており、瀬戸さんと直接お話をしながら、納得して作品を決められて本当によかったです。

 

今回も、瀬戸さんの言葉を拾いながら、様子をご紹介しましょう。 

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完成している、安定している写真ではなくて、出来上がっていない写真、半端だと見える写真も、注目しなくてはならないものだと思っている。

…出来上がっていない写真に、写真の神様が宿ることがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見る人は、写真の中にポイント(中心)を期待する。撮る人もそれを忖度する。でもそれではいけない。驚きがなくなってしまう。驚きを作るためには裏切る。なかなか難しいけれど。

 

写真はバラバラなんだけれど、撮った人の世界観がしっかりあればそれはそれでいい。

例えば個展で、40枚バラバラの写真が並んでも、世界観が感じれるのであれば、それでいい。ということは、実は写真はどこを撮ってもいいということ。作家としての世界観があるなら、被写体はなんでもいいということ。それがないならテーマを決めなくてはならないけれど、取っ払えるのなら、取っ払った方がいい。もっと自由であっていい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中心がない、空気を撮っているような写真。その時何が起きているかというと、撮っている人の内面、気持ちが現れでてくる。

 

盆踊りの空気感を写しているようなもの。花火を写したわけじゃない。櫓を写したわけでもない。お祭りなんだけれど名付けられないような場所を撮っている。重要なテーマです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〈展示について〉撮影者の名前もタイトルもいらない。脈絡を無くして展示したい。見た人は誰の写真かなんて関係なく、どれがいいかを見てくれればいい、というところまでしたい。

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ということで、キャプションはなし。各写真の下に、撮影者に対応した番号シールを貼るだけ。

作品は基本的にシャッフルして展示することになりました。瀬戸さんが壁面に写真をレイアウトして下さいます。撮影者順ではありませんし、上下があったり、作品によって感覚を開けたりすることもあるでしょう。

受講生と瀬戸さんの完全コラボレーションということです。

担当としては、わくわく、いや正直ドキドキの方が大きいかも。

何はともあれ、泣いても笑っても26日が最終日です。受講生の皆さんからは、記念写真、卒業証書などいろいろな要望が出ました。名残惜しいですね。

展示は、この企画展示室Bです。

 

そうそう、受講生のご要望により、当日12:30から瀬戸さんにギャラリートークをしていただくことになりました。ハプニングです。

受講生のみでなく、一般の方もお聞きいただけますので、チケットをお持ちの上展示室入口にお集まりください。

瀬戸語録:「瀬戸正人写真学校 in 福島」第3回報告

瀬戸語録:「瀬戸正人写真学校in福島」第3回報告

 

「ドラえもん展」最終日を二日後に控えた11月21日(日)、写真学校第3回目が開催されました。チケットを買う長い列を横目に見ながら。

さて回も進むにつれ、セレクトの基準も厳しくなって、選ばれる写真の数がぐっと少なくなりました。今回も講座の中で瀬戸さんの写真論が展開されたので、言葉を拾いながらご紹介していきましょう。

 

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中心がない、そういう写真は見過ごされやすい。選択肢の外に置かれやすいのだけど、よく見ると空間、視覚、空気感、大袈裟に言うと自分、その人の世界観が意外と表れる。中心があるとそこに目がいってしまって、中心、ポイントがいいかどうかという議論になりがちだが、中心がない分、作者の考え方、個性が表れやすい。そこを意識して撮れば自分を出しやすい。

 

紅葉はきれいだけれど、これが写真の大問題なんです。撮らされている私がいるパターン。自分が入る余地がない。圧倒的に向こうの方がきれいだし、すごい力を持っているので、どう対峙したらいいのかということになる。いくら撮っても先が見えない。

 

どこに行ったらいいのか、何を撮ったらいいのか、そういうことは普通日常的によくあること。・・・歩いているうちに何か見つかる、見つけちゃった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

探していない人のところには現れない。何かないかと探しまわる人のところに現れる。漠然と歩いていても見てないのと一緒。見つけられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これ以上寄ると抽象画のようになってしまうけれどまだ具体性が残っている。・・・見る人にいろいろ錯覚させるそのギリギリ。それがいい。

 

たくさん撮るのはいいけれど、その中から選び出す力がないと撮る力になっていかない。

 

この写真はオーソドックスで何も主張していないんですが、何かがいる感じがする。中心がないけど、何かがそこにいる。

 

こういうもの(大きな岩)に神様が宿っているんじゃないかと僕は思っている。何か惹きつけられる。撮りたくなるものですよ。

 

その効果を狙って撮るとして、もうバレちゃっているから面白くないですよね。・・・こうすればこうなる、頭で計算ができている、それを撮った写真はあまり面白くないです。何故かというと考えちゃっているから、もう出来上がっているから感動がないんです。

 

パッと見ちゃった風景がある。実は見たときに撮れちゃっている。しかしそれを人に言ってもわからないので写真に撮る。1秒でカメラを握り、2秒後にそっちに向かい、3秒後にさっき見ちゃった風景はこれかなと思ってシャッターを押す。これにはトレーニングとか経験がいるんですが、見ちゃった時に終わっているという感覚。もう撮れちゃっているんです。

 

(スナップの撮影について)そもそも写真を撮るということ自体が悪意のある行為。写真を撮るという行為の向こうに、人間の何かを暴き出そうという私がいる。それは仕方なくあって写真を撮る。

 

写真は半分に破いても写真。いくら破いても写真です。写真のかけら。かけらでもよくみたら写真なんですよ。

いい写真は半分にしてもいい写真。

 

普通、中心のない写真は(コンテストでは)無視される。皆の常識がそこにないから。審査する側がポイントを評価しているから。僕はそうじゃないと思う。もっと広く見てみたい。ポイントのない写真にも可能性があるんじゃないか。・・・自分でそういう写真を50点くらい作って展示をする。全部中心のない写真。そうすればやっと中心が見えてきたと感じるかもしれない。見えない中心が会場に立ち現れる。・・・架空の柱のようなものがそこに現れる。そういう可能性が写真の中にあるんじゃないかと思っている。中心のないものにこそ自分が表れる。

 

40年前とここ2,3年で、僕の写真は変わってきている。

最初何を撮ったらいいか、何を目指すかわからなかった。どこから始めようか、そう考えた時、生まれたタイ、バンコク、ハノイそして住んでいた家を探しに行こうと思った。自分探しというところから始めて撮ってきた。でも写真家として、作家として勝負していくためには、テーマで見せた方が人に伝わるんじゃないかと考えた。中心のない写真ではダメで中心のテーマを決めてしまう。そして撮る。《リビングルーム》もそう。東京のアパートにいろいろな外国人が来始めた時期で、彼らは部屋にもお国柄を持ち込んでいた。だからドアを開けた途端にその国の匂いがする。それをテーマに据えよう。中心にコンセプトを据えて、中心だけを見せる。そういう手法を随分やってきた。でも最近《セシウム》から、だんだん中心がない写真を撮るようになった。福島の山の中、川を撮っているんだけど福島を撮っているわけではなく、草むらを撮っている。そんな感じ。中心のない写真はこれだって指し示そうかなというのがこれからの僕のテーマなんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真には撮る側、撮られる側、その真ん中にカメラがある。写真ってそれらのあいまいな関係があるから面白い。

自分が撮ったつもりなんだけど、実はいい意味で撮らされたならば素晴らしい。決して撮っている私だけではない。撮られる人、カメラも参加している。自分を主張したい人は主張することもできる。でも自分を消したい人は消すこともできる。

カメラというものがこの世界と自分を繋いでいる。でもそれはすごく曖昧な関係なんだけれど、それを信じないと写真は撮れない。

虚構なんだよ。現実が写っているから現実だろうと思うけど、現実ではない。ペラペラの紙なんですよ。あくまで虚構の世界の中に写真があるの。私が見ちゃったものをカメラは忠実に撮ってくれたということを信じているから写真は成り立っている。

 

写真は誰のものか。写っている人、撮った人、カメラ?

写真は誰のためにあるかと言ったら、この3者は関係ない。100年後、私もあなたもこの世にいない。カメラも壊れている。残っているのは写真だけ。100年前の写真があったとしてこれは誰のものか。実は誰のものでもない。その時に見た人が感動したらその人のものになるんじゃない?

 

父親は写真館をやっていたから、僕たち子どもの写真をいっぱい撮っていて、アルバムにしているわけ。そこには50年前の写真がある。撮ってくれてよかったと思う。お父さんは何のために撮ったのかということを考えると、後で皆で見てくれっていうことなんですよ。写真の意味ってそこにある。こんな有難いことはない。50~60年経って今頃それを感じている。そこに写真の時間的なスパンとか意味がある。

 

写真がわからなければ、音楽も文学もわからないと思う。形が違うだけでみんな繋がっている。やっていることは同じだからわかる、感じられる。

 

自分の写真の問題は意外とひらめき。ひらめいたものを、今までの経験にのっとってやってみようかなと。でも最後まで辿り着けないなと思えば、その時やめようか、あるいは2~3年おいておこうか、そういう風にして進める道がどこにあるかというのを探すんです。

 


なんで明日写真を撮りに行くのかというと、まだ見たことのない写真を探すため。どこかに自分もみたことのないものがあるんですよ。それを撮るために行くの。どこにあるんだろう。つきないんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回も会場からたくさんの質問が出て、興味深いお話を聞くことができました。

有難うございました。

次回は12月12日。いよいよ成果展に向けて、作品をセレクトします。

 

展覧会「瀬戸正人 記憶の地図」展が12月4日(土)にオープンします。瀬戸語録と併せて、是非ご覧ください。

 

創作プログラム「墨であそぶ・墨でえがく」開催しました

8月7日(土)、当館実習室にて創作プログラム「墨であそぶ・墨でえがく」を開催しました!
講師は、いわき市ご出身で美術家の久保木桂子さんです。

今回の講座は子ども達向け。
すずりで墨をする体験をして、墨の柔らかなうすい色、はっきりとした黒い色、にじみや線などを使って、いろいろな描き方を楽しみます。
最後に自分ですった墨で色紙に自由に絵を描いてみましょう!

まずは、墨のすり方から。
すずりの丘の部分に水を少し入れ、墨をたてて持ちやさしくすっていきます。
今回子ども達に準備した墨は「すずか墨」というもので、通常の墨よりもすりやすいものになっています。

墨がある程度すれたら、絵皿にうつします。
今一番濃い墨を梅皿の中央に入れて、水を調整しながら周りの仕切りに濃さの違う墨を作っていきます。

説明が終わったところで実際に墨をすってみます!
すずりと墨を1人1セットずつ準備し、久保木さんの説明を振り返りながら墨をすっていきます。

 
学校での習字の授業は3年生くらいから始まるそうなので、初めて墨をさわる子もいました。
ある程度の量の墨ができるまで、10分ほどすり続けるため、途中お休みを入れながらみなさん集中して手を動かしていました。

 

墨の準備ができたら、試し描きです。
おとな向けの時と同じく、雪村周継の《花鳥図屏風》をまねして、線を引く、濃淡をつける、ぼかし、かすれなどを練習します。

 

なんとなく筆の使い方や墨の感じに慣れてきたら、それぞれ準備してきた下絵や写真を元に試し描き。
久保木さんからのアドバイスをもらいながら、どんな風に描いていくか考えます。
今回は色は入れず、墨だけを使って描くので、濃さの違いを生かして描いていきます。

 

お昼休憩の前に、開催中の「ミネアポリス美術館展」をみんなでみに行きました。
とっても大きな水墨画が並んでいます。

 

午前中にまねして描いてもらった雪村の屏風もみてもらいました。
まねしてもらったのは白鷺やツバメがいる一部分を切り抜いたものだったので、全体をみてみると、目がぎょろりとした鯉などもいて驚いている子もいました。

 

観覧が終わったところで午前中の活動は終了。
お昼休憩をとります。

午後は、いよいよ本番の色紙に描いていきます!
それぞれ準備してきた描きたいものを、自由に描いていきます。

 

ドリッピングをしたり、墨の濃淡を使い分けて表現したり、みなさんそれぞれ工夫を凝らして描いていました。

 

最後に名前を入れて、作品が完成!
みんなの作品を並べて鑑賞会をします。

  

一人ひとり作品について、工夫したところや感想をお話してもらい、久保木さんからもコメントをもらいました。
下描きからどんな風に作品が変わっていったのか、説明してくれた子もいました。

 

子ども達からは、

・さいしょはうまくできなかったけど、さいごはうまくできてうれしい。
・水とすみの量で、いろいろなことを表せることが分かった。
・むずかしかったけど楽しかった。
・すみをするのが楽しかった。

などと感想をいただきました。

久保木桂子さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

創作プログラム「水墨画体験」②

◆◆◆2日目◆◆◆

「水墨画体験」2日目は、前日に描いた本紙をパネルにはるところから始まります。
パネルのふちにのりを塗ります。
本紙の裏に刷毛で水をぬり、パネルに本紙をのせてやさしくはりつけていきます。

  
これでパネルの準備が終わりました。
乾くのを待つ間に、墨をすって準備します。

いよいよ作品を仕上げていきます。
今回は作品によって墨だけでなく、顔彩も使って色を入れていきました。

 

 

 
途中、久保木さんからのアドバイスで、にじみ止めのためにドーサを引く作業なども入れながら、みなさん黙々と創作に取り組んでいました。

最後は作品をイーゼルに並べて講評会。
自分の作品について、どのように描いたのか、工夫した点や難しかった点などについて、一人ひとりお話していただきました。
久保木さんからも、それぞれの作品についてコメントをいただきました。

 

受講者の方からは、

・おもしろかった。水墨画ははじめてだったが、思った以上に表現できた。
・なかなか思うように描けなかったが、ドーサの使い方など、大変勉強になった。
・1人1人の作風に合わせてきめ細かいアドバイスを先生からいただいて制作できてよかった。

などの感想をいただきました。

久保木桂子さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

創作プログラム「水墨画体験」①

7月31日(土)、8月1日(日)の2日間、当館実習室にて創作プログラム「水墨画体験」を開催しました。
講師はいわき市ご出身の美術家、久保木桂子さんです。

今回の講座では、硯で墨をすることからはじめて、墨の濃淡やにじみ、ぼかし、かすれや、はっきりとした線、溜まり、日本画の絵の具を併用して色彩を加えた具墨(ぐずみ)など様々な表現方法を体験します。
その後、各自が準備したスケッチや下絵をもとに、F4号サイズの水墨画、または色彩を用いた墨彩画を各々の表現で描いていくという流れでした。

◆◆◆1日目◆◆◆

まずはパネルの下準備から。
パネルのふちの部分にのり打ちをしていきます。

のりを乾かしている間に、墨の準備へ。
久保木さんが墨の持ち方やすりかたを丁寧に教えてくださいました。
膠を硯に1さじ分のせて、優しく墨をすっていきます。


説明が終わったところで、一人一つずつ硯と墨を持って机に移動し、墨をすっていきます。


みなさん集中して取り組んでいます。
ある程度すったところで、墨は絵皿へ移動。
硯は傷んでしまわぬよう、すぐに水で洗います。
梅皿の中央に濃い墨を置き、水を足しながらさまざまな濃さの墨を周りの仕切りにつくっていきます。

墨ができたら試し描きです。
現在「ミネアポリス美術館展」で展示されている雪村周継の《花鳥図屏風》を参考にしながら、筆の動かし方や濃淡のつけかたなどを試していきます。
 

だいたい筆と墨の感じに慣れてきたところで、それぞれ自分が持ってきた下書きを元に、どのように描いていくか考えていきます。
 

愛猫の写真や風景写真を持ってきた方や、モチーフとなる花やスケッチを持参した方などがいらっしゃいました。
どのように描き進めていくか久保木さんと相談しながら、下書き用の和紙に描いていきます。
早く進んだ方は、本紙に描いていきます。
最後ににじみ止めのためのドーサ引きと、裏打ちの作業をして、1日目は終了しました。

 

「アートなおはなしかい」開催しました!

7月24日(土)、おとなりの図書館さんと一緒に「アートなおはなしかい」を開催しました。

まずは図書館での絵本のよみきかせ。
ストレッチで体をほぐした後、紹介されたのは『まいごのたまご』(作:アレックス・ラティマー / 訳:聞かせ屋。けいたろう)です。

どこかの巣からころがり落ちてしまった、恐竜のまいごのたまごが、お母さんをさがすおはなしです。

2冊目は、『びじゅつかんへいこう』(文:スーザン・ベルデ /絵:ピーター・レイノルズ/訳:なかがわちひろ)。
美術館ってどんなところなんだろう?どんな風に楽しめるのかな?
そんなことを考えさせてくれる絵本でした。

次はとなりの美術館へ。
最初にみたのは大きな屏風。


まずは、何が描かれているのか、みんなで絵全体を見てみます。
木や葉っぱ、花、池などが描かれています。
絵の中に巣があることに気づいてくれた子がいました。
どんな生き物の巣なのでしょうか?
絵の中には他に生き物が描かれていないため、何の巣なのかは分かりません。

この絵は、勝田蕉琴作《安らかなる鳥の巣》。
描かれたのは今からちょうど100年前の1921年です。
みんなだったら、この鳥の巣からどんな鳥が生まれると思うかな?
大きいかな?小さいかな?羽の色は?それぞれ心の中で想像します。

巣が出てくる絵だったので、図書館さんから『ふしぎな鳥の巣』(作・絵:鈴木まもる)という本を紹介してもらいました。

さまざまな鳥が作る巣を、緻密な絵とともに紹介している本です。
ヒナを守るために入口が分からないようになっている巣や、アパートのように複数の鳥が住む巣など…。
一見巣には見えないものもあり、とても面白い本でした。

次にみたのは、クロード・モネ作《ジヴェルニーの草原》。
描かれた季節はいつ頃か?時間は何時ころか?など、絵から想像しながらみていきます。
この絵にも描かれている「積みわら」が描かれた3点の作品画像を見ながら、それぞれが描かれた時間帯についてみんなで予想しました。

季節や時間よって移り変わる光を描こうとしたモネ。
そのモネの生涯をやさしいイラストとともに知ることができる、
『ぼくはクロード・モネ』(作:林綾野  / 絵:たんふるたん)という絵本を紹介してもらいました。

次の作品に進む前に、よみきかせしてもらったのは『アヒルかも!ウサギかも!』
(作: エイミー・クラウス・ローゼンタール トム・リヒテンヘルド/ 訳: せきね みつひろ)。

一枚の同じ絵でも見方によって、アヒルにもウサギにも感じられます。
自分には何に見えるか…?そんなことを考えながら楽しめる絵本です。

次に紹介したのは、不思議な生き物が描かれた絵。

この生き物は何に見えるかな?
ほとんどの子が、「亀に見える」と答えてくれました。
何匹いるかな?指差ししながら数えてみます。
この作品は桂ゆき作《親亀の背中に子亀をのせて》。
作品をみている途中、「何か貼ってあるように見える」「デコボコしてる」
ということに気づいてくれた子がいました。
この作品は板の上にくしゃくしゃにした紙が貼り付けてあり、コラージュという技法で作られています。

最後に、絵のモチーフにもなっている亀について詳しく知ることができる『こうら』(文:内田 至 / 絵:金尾 恵子)という本を紹介してもらいました。

亀は、実は恐竜の時代から固い”こうら”で身を守ってきました。
危険が迫るとこうらを膨らませるパンケーキガメなど、
さまざまな種類の亀とこうらの機能について、緻密な絵とともに知ることができる本でした。

作品をみた後は工作の時間! 
図書館さんに戻って画用紙を使った工作をしました。
今回は、《安らかなる鳥の巣》の作品から、「ゆらゆらうごく鳥をつくろう」というテーマで作りました。
作品の中には鳥が出てきませんでしたが、どんな鳥が生まれるのか想像しながら作っていきます。

大小さまざまな大きさに切った丸い画用紙を組み合わせて、好きな色や模様の羽やくちばしを付けていきます。

最後に目を描いて完成!
リボンを付けたり、羽の模様を描いたり、尾羽を付けてみたりと、みんなそれぞれ工夫をこらして作ってくれました。



ご参加いただいたみなさま、図書館スタッフのみなさま、ありがとうございました!

創作プログラム「おさんぽ美術館―マップをつくろう」開催しました

6月20日(日)、創作プログラム「おさんぽ美術館―マップをつくろう」開催しました。

イラストレーターの佐藤ジュンコさんが作ってくれたマップ。
今回はこのマップを見ながら美術館の庭やエントランスホールをおさんぽし、気に入った場所や発見したことなどを絵やことばにして小さな紙にかいていきます。

はじめに、美術館スタッフから新しいイラストマップのこと、今日の活動の流れ、注意事項についてお話しました。
その後はマップを手に、自由に美術館をめぐります。

梅雨入りしたばかりで前日は雨。
ですがプログラム当日、幸い雨は降らず、曇り空だったので予定通り屋外で活動することができました。

  

ちょうどアジサイがきれいに咲いていました。
みなさん花の形をじっくり見ながら、丁寧に描いていました。
他にも梅の木になった実や、かわいらしい形の葉っぱ、青々とした竹など、色々なものを発見していました。

ひととおり庭をめぐると、館内へ。

 

エントランスホールにある彫刻作品を見ながら描いたり…
建物の大きな窓などを気に入って描いている子もいました。

実習室に戻って色塗り。
色鉛筆やクーピー、ポスカやペンなどを使って色を塗っていきます。

 

みんな集中して描いていたので、描く時間を少し延長。
たくさんお気に入りを見つけてくれて、10枚くらい描いている子もいました。

最後に、大きなマップの前で発表会。
描いた絵について、何を見つけたのか?どんなところが気に入ったのか?などを紹介してもらいました。

発表が終わると、見つけた場所に貼り付けていきます。
(描いてもらった作品全部は貼りきれなかったので、特に気に入っているものを選んでもらいました。)
大きなマップが子ども達のお気に入りで埋められていきました。

 

みなさんそれぞれいろんな場所でお気に入りを見つけて描いてくれました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
完成したマップは、エントランスホールで7月4日(日)まで展示しています。
ご来館の際にはぜひご覧ください。

庭園は、季節ごとに異なる種類の花が咲いていたり、さまざまな鳥や虫もいて色々な発見ができる場所です。
美術館に展示されている作品ももちろんですが、美術館の建物や庭も楽しんでいただけるといいなと思います。
当館にいらした際にはぜひイラストマップを手に、お気に入りの場所を見つけてみてください。

 

創作プログラム「木っ端でカタチをつくろう」開催しました!

6月6日(日)、創作プログラム「木っ端でカタチをつくろう」開催しました!
美術館再開後、初となったワークショップ。
宮城県在住の彫刻家、佐野美里さんが講師です。
今回は広い空間ということで、当館エントランスホールを会場にしました。
1人1つ円形のシートで制作するのは、コロナウイルス感染症対策のための佐野さんのアイデアです。

自己紹介のあと、まずは、佐野さんが作った作品をみんなで囲んでじっくりみます。

佐野さんが「何に見える?」と聞くと、「猫っぽい」「犬!」などと子ども達から声があがります。
「どういう風に見えてもいいんだよ。作品の見方は自由。思ったことを大切にしてね。」と佐野さん。
次はとなりに置かれた作品をみてみよう。
美術館に所蔵している笹戸千津子さん作《彫刻家》(1988年作、ブロンズ)。

いつもはさわれない美術館の作品ですが、今日は特別。
きれいに洗った手でみんなでやさしくさわります。
実物大の頭像は、師匠である佐藤忠良さんをモデルにしています。

佐野さんが「どんな感じがする?」と聞くと、
「ひんやりしてる」「つめたい」などと子ども達から感想がありました。
「これは金属で作られているんだよ。」
中央にあるマリノ・マリーニの《騎手》を示しながら、「この大きな作品もそうだよ」と説明してくれました。
今度は佐野さんの木彫をさわってみます。

「さわり心地はどうかな?」
「デコボコしてる!」「ザラザラ」などと子ども達から声があがりました。
今回のワークショップでは、佐野さんが木彫を作った後に出た木っ端を使います。

持ってきてくれた3作品。
それぞれ表情があり、とっても愛らしいです。

 

佐野さんが作品に使っている木は”クスノキ”という名前の木であること。
東北にはほとんどなく、あたたかい地域で育つこと。
「神様の木」とも言われていることなどをお話してくれました。

「みんなは『となりのトトロ』って見たことあるかな?トトロが住んでいた木がクスノキだよ」
クスノキを作品に使っていますが、作品を作る中でどうしても木片や木っ端がたくさん出ます。
今回はみんなにこの木っ端と木片を使って作品を作ってもらいます。
大切な木の一部を使って、みんなで作品に生まれ変わらせます。

 

早速制作へ。
まずは並べられた大きな木片の中から、1つ気に入ったものを選びます。
次に、1人1つずつ準備されたトレーにカラフルに着色された木っ端を入れてきます。

(木っ端は佐野さんが制作で出た木っ端の中から、大きめのものを選んで絵具で着色してきてくれました)
赤や青、ピンクや黄色、金色や銀色など、色々な色や形の中から好きなものを選んでいきます。

木片と木っ端を選んだら、円形シートの中でみんな自由に接着していきます。

 

同じ色の木っ端を集めて貼ったり、大きな目玉を付けたり、木っ端を手で割って形を変えたり…。
途中で木っ端の山から欲しい木っ端を探し、色や大きさにこだわりながらどんどんくっつけていきます。
みんなそれぞれ思い浮かんだ“カタチ”ができてきます。

 

黙々と制作に取り組んで…完成!
佐野さんに見てもらいます。
それぞれ、何を作ったのか?どんなところにこだわったのか?
など、佐野さんがインタビューしていきます。

 

最後に大きな佐野さんオリジナルの大きな虫眼鏡で鑑定!

作品をじっくり見ながら「本物」かどうか鑑定していきます。
完成した作品をお互いに見たり、お話を聞いたりしながら、1人1人に拍手をしました。

 

子ども達の想いやこだわりがつまった“カタチ”が完成しました!

講師を務めてくださった佐野美里さん、アシスタントをしてくださった佐野麻里菜さん、
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

 

現在開催中の特集展「佐藤玄々の彫刻」では、相馬市生まれの彫刻家佐藤玄々(朝山)の作品を展示しています。
希望された方にはワークショップ終了後、展示室で作品をみてもらいました。

ネコやトカゲ、ウサギやにわとり…など、玄々の作品には生き物をモチーフにしたものが多いです。
みなさんじっくりと1点1点ご覧になっていました。
こちらの展示は6月20日(日)までです。
ぜひご来館ください。

福島県立美術館の「イラストマップ」ができました!

福島県立美術館のイラストマップができました!

当館は5月21日まで改修工事のため休館中です。
もっと美術館に親しんでほしい、楽しんでほしいという想いから、休館中に「美術館イラストマップ」を制作しました! 
イラストは、福島県伊達市霊山町生まれで、仙台市在住のイラストレーター佐藤ジュンコさんに描いていただきました!

実際にみなさまにご覧いただけるのは、5月22日の開館以降ですが、
とってもかわいいイラストマップの一部をご紹介します。 

 

美術館では季節によってたくさんのドングリが発見できます…!
かわいらしいドングリたち。

ジュンコさんも登場します!
どこを歩いているのでしょうか?マップから探してみてくださいね。

他にも、館内にある部屋の紹介や…

 

美術館に展示されている彫刻作品も紹介しています!
ご来館の際には、ぜひ手に取って館内と庭をめぐってみてください。

今回のマップづくりでは、実際にジュンコさんと美術館スタッフで館内や庭園を歩きながら打ち合わせをしました。
普段見慣れた美術館の景色も、ジュンコさんと一緒に改めてじっくりと見てみると色々な発見があり、私たちスタッフも楽しい時間となりました。
(庭で「コンコンコン!!」と一生懸命音を立てるキツツキに出会った時には驚きました)


とっても魅力的なイラストマップが完成しました!
何度も美術館に足を運んでいただいたイラストレーターの佐藤ジュンコさん、本当にありがとうございました!

このイラストマップは、福島県立美術館と福島県立美術館協力会で制作しました。
制作にあたり、エツコ&ジョー・プライス夫妻から受けた、福島県の子ども達に対する美術教育支援のためのご寄付を活用させていただきました。
ご夫妻に対し心から感謝申し上げます。

「まんまるもじゃもじゃポケットつきバッグをつくろう!」開催しました。

3月13日(土)創作プログラム「まんまるもじゃもじゃポケットつきバッグをつくろう!」を福島市子どもの夢を育む施設こむこむ「つくろうの部屋」で開催しました。

講師はFRIDAY SCREENの鈴木孝昭さん、坂内まゆ子さんです。

今日のワークショップでは、ダンボール織りでカラフルなポケットつきバッグをつくります。

紙や布など、いろんな素材でポケットを織りましょう!

 

  

経糸をダンボールに張ったら制作開始です!紙や布はこのように細長く切ります。

 

 

たくさんある材料から使いたいものを選びます。お店みたいで選ぶのも楽しいですね。

 

 

 

選んだ材料を経糸に通して織っていきます。

 

細い糸は何本も束ねるとボリュームが出せます。

 

 

数種類の毛糸を組み合わせるのもいいですね。

 

和紙の素材感もいいアクセントになります。

 

 

完成まであと少し!

 

 

経糸を切って結ぶと、もまんまるもじゃもじゃポケットの完成です!

 

 

バッグに貼り付けたら素敵な作品の完成です。

鈴木さん、坂内さん、参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

共催 福島県立美術館 公益財団法人福島市振興公社

「グリザイユ技法で花を描く」開催しました。

2月13日(土)福島市アクティブシニアセンター・アオウゼで「グリザイユ技法で花を描く」を開催しました。

本来時間のかかる技法ですが、アクリル絵の具を併用して3時間半で完結させます!

講師は当館学芸員の大北です。

 

描く花はピンクのガーベラです。

 

あらかじめグレーのジェッソを引いたキャンバスに花の輪郭を鉛筆で描きます。

 

鉛筆の作業が終了したら、白のアクリル絵の具で描きます。

水の量を調整することで明暗をつけていきます。

 

リラックスして描くのではなく集中を続ける修行のようになってしまいました。

時間設定に無理があったと反省しています…。

 

乾燥させたら油絵の具で彩色します。

色を薄く何度も重ねることで空間感が出るのですが、今日は時間が限られているので一層だけにします。

こんな感じです。

 

設定に無理があったのですが、短時間でここまで仕上げる皆さんのスキルや集中力に脱帽しました。

参加していただきありがとうございました。

 

アクリル絵の具と油絵の具を併用することで時間短縮だけではなく、それぞれの特性を生かせばおもしろい表現が可能になります。

いろいろ試していただければ嬉しいです。

学校連携共同ワークショップ参加校作品展を開催しました

福島県ゆかりの作家(アーティストNaomi Horiike、アートユニットFRIDAY SCREEN)を講師に招き、各学校等で子ども達が制作した作品の全てを前期、後期に分けて展示しました。

会場は当館が改修工事のため福島市子どもの夢を育む施設こむこむの企画展示室です。

 

 

 

前期「FRIDAY SCREENワークショップ」では、子ども達の生活する地域の魅力や児童生徒の実態などを作家が担当者から聞き取り、全ての開催地で違う内容のワークショップを行いました。

どのワークショップも段階を踏むスタイルのため、子ども達は考えること、ひらめくことを楽しみながら魅力的な作品を仕上げました。自らが難しさを楽しむ時間がそこにはあり、教育現場に必要とされる自主性、創造力の伸長が期待できるワークショップになりました。

 

福島県立小野高等学校(美術部)

 

 

福島市教育委員会教育研修課(ふれあい教室)

 

 

二本松市立渋川小学校(5年生)

 

 

会津美里町公民館

 

 

田村市立大越小学校(6年生)

 

 

郡山市立日和田中学校(美術部)

 

作家のホームページでも各ワークショップについて紹介しています。

 

 

 

後期「Naomi Horiikeワークショップ」では、多くの子ども達が「仲良く楽しめた」「笑顔になれた」と振り返っています。

印象的だった感想の中に「アートとはたった一つのくくりではなく、生活の中に無限大に広がっていると思います」「私たちの人生もアートなんだと感じました」という言葉がありました。これらは、自分の中で積み上げてきた概念に疑問を抱いたから生じるもので、Naomiさんと時間を共有した子ども達の感性が、より一層磨かれることを予感させてくれます。

 

郡山市立緑ヶ丘中学校(美術部)

 

 

郡山市立御舘中学校(2年生)

 

 

会津坂下町立坂下中学校(美術部)

 

 

福島県立相馬高等学校・相馬東高等学校・原町高等学校(美術部)

 

 

会津若松市立第一中学校(美術部)

 

 

会津若松市立第二中学校(美術部)

 

作家のホームページでは各ワークショップの動画を紹介しています。

 

 

福島の子ども達のために貴重な時間を提供してくださった3名の作家と、当事業に協力してくださった多くの方々に感謝いたします。

創作プログラム「魔法陣!ソーシャルディスタンシング!!」開催しました!

当館は現在改修工事のため休館中です。
12月12日、福島市のこむこむさんで創作プログラム「魔法陣!ソーシャルディスタンシング!!」開催しました。
大きな紙の上でグルグル!体を動かして「魔法陣」を描いていきます。

講師は東北芸術工科大学講師のイシザワエリさんです。
アシスタントには、学生の富樫さんと長岡さんが来てくれました。

「みんなならどんな魔法を使いたいかな?」

「おいしい食べ物が出てくる魔法!」

「コロナがなくなる魔法!」…

さまざまな魔法が子ども達から出てきます。

「まずは魔法の杖をつくってみよう」

並べられた流木から、1本好きなものを選びます。

中には子ども達の身長よりもずっと長―い木も!

「魔法陣をどんな色にする?」

1人1本ペンを選び、カラフルなテープで木にくくりつけます。
ここまでできたら飾り付け!
机に並べられた色々な柄の布や毛糸、タッセル…
ここから好きなものを選んで貼り付けたり結んだりしてオリジナルの魔法の杖にしていきます。

 

毛糸やリボンをくるくる巻き付けて結んだり…

 

テープや布を巻いたり…

 

オリジナルの杖が完成!

みんなで高く掲げて、魔法使いになったみたいです!

完成した杖で、大きな紙に魔法陣を描いていきます。

 

全身を使って紙全体にぐるぐる!

 
大きな紙に寝転がりたくなっちゃいます。

 

次は水でといた絵具を魔法陣にたらしていきます。

 

刷毛に絵具をしみこませて飛ばしたり

 

手のひらでスタンプする子も!

 

最後の仕上げ!魔法陣でキラキラさせたいところに、ラメが入ったのりを塗り、パウダーをふりかけます!

 

 

魔法陣が完成しました!
最後に、イシザワさんから子どもたちにインタビュー。
どんな魔法を使いたいと思って魔法陣を描いたのか聞いていきます。

みんなそれぞれ、さまざまな魔法をこめた素敵な魔法陣と杖ができあがりました。
最後はみんなで集合写真!

イシザワさん、富樫さん、長岡さん 、そしてご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
ご協力いただいたこむこむスタッフのみなさま、ありがとうございました!

 

創作プログラム「ガラスフュージングを楽しもう」開催しました!

当館は現在改修工事のため休館中です。
10月25日(日)、福島市アクティブシニアセンター・アオウゼさんを会場に、創作プログラム「ガラスフュージングを楽しもう」開催しました。
講師に、ガラス作家の近岡令先生。アシスタントに近岡明美先生にお越しいただきました。

「フュージング」とは電気炉を使って板ガラスを溶かす技法です。
今回の講座では、ガラス板の中から好きな色を選んでカットし、透明なガラス板に自由に並べて、10cm角程度の小皿をつくります。
まずはガラス板の色選び。
複数の色のパターンから選んだり、自分なりに組み合わせを変えたりしてデザインを考えます。
(デザインは大きく四角形と多角形に分かれています)

デザインシートを参考にしながら、色ガラスの板を選んでいきます。
色が決まったところで、板ガラスをカットしていきます。
近岡先生から、ガラスカットの仕方についてレクチャーしていただきました。

ガラス板にガラスカッターで傷を付け、手やペンチを使って線のところでガラスを割ります。
ガラスカッターの持ち方や角度、切った時に出る音など、ガラス板をカットする時のコツを教えていただきました。

自分のデザインに合わせて油性ペンで下書きをし、ガラス板を切っていきます。


最初は恐る恐る切っていた方もだんだん慣れ、パキッとガラスが割れるのを楽しんでいました。
カットするうちに、元々のデザインに一工夫加えて、三角形や六角形を入れたりしている方もいました。

この間に、電気炉の中に入れていたガラスが溶けた様子をみなさんにご覧いただきました。
(アオウゼさんの七宝焼き用電気炉をお借りしました)

手前にある2層に重ねてある四角形のガラスが、熱で溶かすことで白い板の上にあるような丸い形になります。
ガラスの種類によっては、溶ける前と後で色の印象が異なるものもありました。

それぞれガラス板のカットが終わったところで、よごれのふき取りと接着作業へ。
ガラス板を配置し、フュージングのりを使って仮り留めしていきます。

仮留めが終わったところで終了。
作品は近岡先生の工房で焼成していただきました!

近岡先生より完成後の写真をいただきました。

みなさんとっても素敵な小皿が完成しました!
返却は本日からですので、ご自宅で飾ったり小物を置くなどして楽しんでいただければと思います。

今回の講座は、春の企画展「ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」に合わせて4月に開催が予定されていました。
しかし、緊急事態宣言にともない開催できなくなった講座でした。
近岡先生たちのご厚意により開催を延期させていただき、無事10月に開催することができました。

近岡令先生、明美先生、そしてご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました!
また、AOZスタッフのみなさま、ありがとうございました!

次回は12月にこむこむさんを会場に創作プログラムを開催します。

「リトルモンスターを作ろう!」開催しました。

10月17日(土)創作プログラム「リトルモンスターを作ろう!」を福島市子どもの夢を育む施設こむこむ「つくろうの部屋」で開催しました。

講師は画家の宮嶋結香さんです。

今日のワークショップでは、ボトルキャップフィギュアをベースに、コルク粘土で形を作り、木の実やボタンなど、身近にある素材を使って、自分だけの小さなオリジナルモンスターを作ります!

 

 

宮嶋さんから作り方を聞いて、フィギュアと粘土を受け取ったら制作開始です!

 

 

フィギュアにコルク粘土をつけて自由に形を作ります。

 

 

形ができてきたら、木の実、木の枝、ビーズやボタン、貝殻などをつけていきます。

 

 

いい感じです!この後、粘土の表面を乾燥させて色を塗ります。

 

 

 

 

 

真剣に丁寧に工夫しながら色を塗っていきます。まるで職人です。

 

最後は全員のオリジナルリトルモンスターの撮影会です。どの作品も魅力的です!

分解して要素を加えて創り上げることで表現の幅が広がりました。

 

宮嶋さん、参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

共催 福島県立美術館 公益財団法人福島市振興公社

創作プログラム「三原色で描く水彩画」開催しました!

8月31日(月)より、当館は改修工事のため休館に入りしました。
そのため、普段は美術館の実習室で開催している創作プログラムを、福島市内の会場をお借りして開催しています。

9月13日(日)、福島市アクティブシニアセンターAOZさんで「三原色で描く水彩画~入門編~」を開催しました!


講師は画家で上越教育大学准教授の伊藤将和先生です。
伊藤先生は西会津町のご出身です。

色と色とを混ぜ合わせることで、多彩な色を作り出すことができます。
今回の講座では、色の三原色(マゼンダ赤・シアン青・イエロー黄)のみを使用して、水彩画を描きました。

まずは色の基本や描き方について、スライドで説明していただきました。
 

構図の取り方、明度、彩度、色相。人は色をどのように捉えているのか。
補色の関係…などなど、実験なども交えて丁寧にご説明いただきました。

では、実際に描いてみましょう!
まずは赤、青、黄色の絵具をパレットに出して混色をし、色相環を作ってみます。

ウォーミングアップが終わったところで、本日のモチーフ選び。
今回のモチーフはスイーツ。
ケーキやタルトなどの中から、描きたいものを1つ選びます。

 


鉛筆でモチーフの形をとっていきます。
構図が大体決まってきたところで、午前中は終了。

お昼休憩をはさみ、午後は自然な色調でモチーフの色を再現していきます。

今回の講座で使った絵具は、青、赤、黄色のみ。
何度も塗り重ねながら、モチーフの色に近づけていきます。
同じような赤でも、青みが強い赤もあれば、黄色みが強い赤、くすんだ赤もあります。
よーくモチーフを観察しながら、色を近づけます。
最後に影を描くと、立体感が増します。

ワークショップ中に、並行して伊藤先生もタルトを描いていました。
できあがった絵をご覧になりながら、みなさん伊藤先生に質問をしていました。

最後に、受講者全員の作品を持ち寄り鑑賞会。
お互いどのような絵が完成したのか、みてみます。
いくつかの作品については、伊藤先生からコメントをいただきました。

伊藤先生、ご参加いただいたみなさま、AOZスタッフのみなさま、ありがとうございました!


引き続き、来年春ころまでAOZさんやこむこむさんを会場にワークショップを開催します。
HPで募集案内を掲載しますので、ぜひご参加ください。

創作プログラム「建築廃材で小さなまちをつくろう―木製ブックスタンド制作」

8月22日(土)、当館実習室にて創作プログラム「建築廃材で小さなまちをつくろう―木製ブックスタンド制作」開催しました。
講師は相馬市出身の画家、門馬美喜さんです。

講師のふるさと相馬市をはじめ、福島県の復興に使われた様々なかたちの建築廃材。
これらの木材を自由に組み合わせて、ブックスタンドにひとりひとりが思い描く、行ってみたいまちを作ります。
午前、午後で2回開催しました。

まず、L字に組み合わされた木の板を1人1つ選びます。
紙ヤスリを使って、角を丸くしていきます。

 

木をしっかりと押さえながらヤスリをかけていきます。 
具体的に使う場所をイメージしながら作っている方もいました。

ヤスリがけが終わったら、上にのせる小さな木を選んでいきます。
たくさんの木片から、形や色合い、模様を見ながら探していました。
 

選んだ木片をL字の上にのせ、木工用ボンドで接着します。
それぞれが思い描く街や家をつくっていきます。

 

接着がだいたい終わったところで、柿渋を塗りました。
柿渋には防腐、防虫などの効果があります。
重ねて何度も塗ることで落ち着いた感じの色になります。
 

柿渋が乾燥したら、みつろうワックスをウエスですりこみ、完成です!
みんなでお互いの作品を見ていきました。
作品はこのような感じ。
小さな部屋のような空間を作ったり、木片の模様を波のように組み合わせたり、たくさんの木を並べてビルのようにしたり…
様々なまちの姿があらわれました!

門馬さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

9月より改修工事のため休館となりましたが、市内の施設を会場に、引き続き創作プログラムを実施します。
詳細は当館HPをご覧ください。

「アートなおはなしかい」開催しました!

8月8日(土)、おとなりの図書館さんと一緒に「アートなおはなしかい」を開催しました。
今回のテーマは、「夏をさがそう!」

図書館の本や美術館の作品の中から、“夏”をさがします。
まずは図書館さんで絵本のよみきかせです。

最初に紹介されたのは、『トマトさん』(田中清代作、福音館書店)。
真っ赤に熟れた「トマトさん」といきもの達のある暑い夏の1日を描いた絵本でした。
トマトさんの表情の変化が面白く、たくさんのいきもの達も愛らしく描かれています。

次はとなりの美術館へ!

ちょっとしたクイズも入れながら、みんなで作品を楽しみます。
作品を鑑賞した後には、関連する本を紹介していただきました。


最初に鑑賞したのは、中島清之作《胡瓜》(1923年)。
生い茂る葉っぱの間に見えるキュウリの実をみんなで探しました。
暑いかな?寒いかな?ジメジメ?カラッとしてそう?
絵から気温や湿度まで感じられそうです。
最後に、キュウリの育て方がわかる本や、日本各地の伝統野菜についての本を紹介してもらいました。


大きなふきが摺られ、背後に滝、周りを飛び交うツバメが描かれた平福百穂作《ふき》(制作年不詳)。
ここでは、葉っぱの部分をどうやって作っているのか、みんなでクイズなどをしました。
この後、葉っぱの形から植物を探すことができる本や、人の背丈より大きい秋田蕗の写真が載っている本を紹介してもらいました。


波の動きを表した伊砂利彦作の《瀬》(1978年)はとても涼しそうな一枚。
「どんな音が聞こえてきそうかな?」みんなで想像しました。
鑑賞後、水に関する本を紹介してもらいました。

百瀬寿作《NE.Blue,Blue,Blue and Blue》(1993年)
「青」にもいろんな色があります。
みんなが好きな部分はどこかな?指差してみてもらいました。
色には様々な名前がついています。
最後に、色の詳しい名前と由来に関する本や、青が変化していく様子を描いた、美しい絵本を紹介してもらいました。

 

 

展示室での活動はここまで。
最後に、百穂の《ふき》をイメージしながら、葉っぱを使った工作をしました。
今回は美術館の庭園から採取した葉っぱを活用。(美術館の庭園には様々な種類の樹木があります)
水彩絵の具をスポンジにつけ、葉っぱの裏側にトントンと付けていきます。

 

まんべんなく付いたら、厚紙の上に葉っぱを置き、新聞紙を重ね、上からこすりつけます。
葉っぱをゆっくりはがすと…。模様がきれいに写ります。

好きな葉っぱを2枚選んでスタンプしていきました。
最後に、葉っぱの間や上に、いきものをステンシルして、葉っぱのカードが完成!

ご参加いただいたみなさま、図書館のスタッフのみなさま、ありがとうございました!

「ミニ大津絵をつくろう!」

現在、当館企画展示室では「大津絵展」開催中です。

これにあわせて、13日(土)と14日(日)の2日間、エントランスホールに小さな体験コーナー「ミニ大津絵をつくろう!」を設けました。

江戸時代に東海道の大津周辺で旅人へのおみやげものとして親しまれた「大津絵」。

量産のため、版木押しや型紙で骨格をつくり、素早い筆づかいで色が塗られたものもありました。

今回は、和紙にスタンプされた黒い骨格を元に、色を塗ったり、表情を描き入れたりして、小さな大津絵をつくりました。

塗る前はこのような感じ。

 

左から《瓢箪鯰》、《大黒外法の相撲》、《鷲》、《鬼の念仏》の4種類。

顔の部分が抜けているので、表情を自由に描きこむことができます。

 

着彩の道具はポスカを準備。

基本の7色以外にも、使いたい色を自由に使って色を塗っていただきました。

 

みなさんとっても集中して塗ったり描きこんだりしていました。

完成したミニ大津絵の一部ご紹介。

 

元になっている黒い骨格は一緒ですが、色合いや表情によって全く異なる印象の作品が完成しました。

 

オリジナルのキャラクターを生み出す方もいて、発想に私たちスタッフもびっくり!

 

ご参加いただいた方からは、「たのしかった」、「塗り絵なんて久しぶりでおもしろかった」、「展覧会の思い出になった」などのご感想をいただきました!

短時間のワークショップでしたが、「大津絵」の魅力を感じていただけたらうれしいです。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

 

「もうひとつの江戸絵画 大津絵展」は6月28日(日)まで開催しています。

ぜひご来館ください。

「冬に透ける街~水彩絵の具の光に透ける感覚を楽しもう~」開催しました。

2月15日(土)創作プログラム「冬に透ける街~水彩絵の具の光に透ける感覚を楽しもう~」を開催しました。

講師は画家で絵本作家の小原風子さんです。

今日のワークショップでは、クレヨンや水彩絵の具で半紙を彩り、実習室の大きな窓に貼って街や森を創ります。どんな風景が広がるのか楽しみです!

 

はじめにフロッタージュの実演です。

凸凹の上に半紙を置いて、クレヨンやパステルでこすり模様を写し取ります。

 

実習室の中にもおもしろい模様がたくさんありました。まるで宝探しです!

 

今度は、美術館の庭で宝探しです!

木の根や葉の複雑な形もおもしろい。人工物の規則正しさもおもしろい。いろいろな発見があります。

 

 

集めた模様をみんなで鑑賞して午前は終了です。たくさん集めました!

 

午後は、集めた形を水彩絵の具で彩り、実習室の窓をみんなで街や森にしていきます。

 

貼ったり、切ったり、ちぎったり、大きな窓が彩られていきます。背景の信夫山もいい演出をしてくれています。

 

できあがった街や森に、自分と自分の友達を住まわせます。かわいい。

 

室内の照明を消すと光に透ける街が浮かび上がりました。

 

外から見ると、ここでも信夫山がいい演出をしてくれています!

 

天候にも恵まれ、笑顔の絶えないワークショップでした。

風子さん、参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

「学校連携共同ワークショップ参加校作品展」はじまりました!

「学校連携共同ワークショップ参加校作品展」が本日より企画展示室Bではじまりました!

今年度のワークショップに参加した子ども達の作品を全て展示しています。

子ども達の柔軟な発想と感性をお楽しみください。見ごたえあります!

 

1月25日(土)~2月2日(日)

観覧料:無料

開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)

休館日:1月27日(月)

「美術館への年賀状展」はじまりました!

新春恒例「美術館への年賀状展2020」が、12日(日)よりエントランスホールではじまりました!

県内の小・中・高校生から当館宛てにお送りいただいた年賀状をすべて展示しています。

 

今年の干支である「子」をモチーフにした作品や、鯛や獅子舞、鏡もちを描いたもの。

また、新年の抱負が書かれ、子ども達の決意を感じられるものもあります。

鉛筆や絵の具、貼り絵やスタンプと技法も様々!

年賀状展は1月31日まで展示しております。ぜひご来館ください。

 

●観覧料:無料
●開館時間:9:30~17:00(最終入館は16:30まで)
●休館日:14(火)、20(月)、27(月)

創作プログラム「組み木のおもちゃを作ろう!」開催しました

12月15日(日)、当館実習室にて創作プログラム「組み木のおもちゃを作ろう!」を開催しました。

講師は創作おもちゃ作家の古川英樹さんです。

今回は、親子で好きな動物やクリスマスにちなんだ組み木のおもちゃを作ります!

 

前半は「のぼり人形」づくり。

動物や人の形など、好きなデザインを考え紙に描きます。

 

親子で話し合いながら、古川さんにアドバイスをもらいながら、形を考えていっていました。

描き終えたらスプレーのりで木の板に貼り付けます。

ここからいよいよ糸のこを使った作業です。

まずは古川さんにお手本を見せていただきました。

手を置く場所や木の向きを変えるタイミングなどについてアドバイスをいただきました。

早速みなさん親子一組一台で糸のこの作業を進めます!

親子で協力しながら、線に沿って糸のこで切っていきます。

 

黙々と切断作業。

初めて糸のこを使った!というお子さんも多かったですが、みなさんとても上手に切れていました。

切断が終わったら、ひもを通すための穴をドリルで開けていきます。

この作業は少し難しいので、古川さんがサポート。

ハンドルの操作を子ども達がしました。

それぞれやすりがけをし、自由に色を塗って午前中は終了。

お昼休憩の後、ひもを通してそれぞれボールや果物などのパーツをつけて、のぼり人形が完成しました!

とってもかわいいのぼり人形たち。みんな早速動かしてみます。

最初はうまく上げられなかった子もいましたが、コツをつかむとスイスイとのぼらせていました。

午後は組み木のかざりを作ります。

古川さんからは組み木のデザインを考えるときのコツを教えていただきました。

好きな動物や2020年の干支であるねずみ。クリスマスツリーなど季節に合わせたものなどみなさん自由にデザインを考えます。

午前中に切るのが難しかった部分を改良している親子さんもいました。

デザインができたら糸のこで切断作業。

2回目のためか、みなさん切るのが早くなり、細かい部分まで切ることが出来ていました。

作りたい組み木のイメージに合わせ、場合によって混色をしながら丁寧に色を塗っていきます。

みなさん、ひとつひとつのパーツをじっくりきれいに塗っていました。

作品が完成!

最後にみんなで鑑賞会をして作品について紹介してもらいました。

みなさん素敵な作品が完成しました!

ぜひおうちに飾ったり、つり下げたりして楽しんでいただきたいです。

 

古川さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

創作プログラム「まんが絵巻をつくろう」

11月24日(日)、当館実習室にて創作プログラム「まんが絵巻をつくろう!」を開催しました。

講師は、アーティストの久松知子さんです。

まず、「絵巻」とはどんなものか?

「横長の巻物の絵。右から左へくり広げて楽しむもの」、歴史についても簡単に説明していただきました。

 

なんと今回のワークショップのために、久松さんが一人に一つずつ、ミニ絵巻を作ってきてくれました。

みなさんこれを見て実際に絵巻をくり広げながら説明を聞きます。

今回のワークショップでは、常設展第Ⅲ期で展示している小川芋銭の《細道絵日記》、

《於那羅合戦》などに登場するキャラクター達をコラージュし、台詞や絵を描き加えて、巻物にします。

小川芋銭とはどんな画家なのか、また、それぞれどのような内容の作品なのかもお話しいただきました。

 

いよいよ制作です!

まず、切り抜かれたモチーフをみなさん好きに選び、並べたり組み合わせたりしながらお話を考えていきます。

だいたいのお話が決まったら、のりで貼り付け、そこに絵を描き加えたり、台詞やお話を入れていきます。

可愛いオリジナルのキャラクターを描いている方もいらっしゃいました。

親子で相談したり、じっくり静かに構想を練るなどしながら、みなさん制作を進めていきました。

お昼休憩をはさみ、仕上げ。

作品がだいたいできあがってきたところで、表装をしていきます!

久松さんがひとつひとつ丁寧に作る手順を説明してくださいました。

赤か青の2種類の布から選び、カラフルなひもの中から好きな物を選び、みんなで巻物にします。

みなさん真剣に貼り合わせて、オリジナルの巻物が完成しました!

子ども達は喜んで何度も広げたり巻いたりを繰り返していました。

最後の仕上げ。

短冊にタイトルを書きこみ、貼り付けます。

みなさんとっても楽しい作品が完成しました!

 

パーツをみることで、より作品自体にも関心を高まり、「帰りに作品を見に行こう!」と話している方もいました。

美術館スタッフ自身も、作品の細部まで改めて見る機会になり、登場人物の表情や筆の流れなど、作品の魅力を再発見する時間でした。

 

久松さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!