福島県立美術館ブログ
コレクション展Ⅳ
美術館では本日より2階常設展示室にてコレクション展Ⅳが始まりました。
その内容について、各展示室ごとに簡単にご紹介いたします。
まずは展示室Aから。今回は現代の日本画を展示しています。
重厚で力強い作品たちです。
展示室Bでは抽象絵画を展示しています。
また、新収蔵作品についてもご紹介しています。
展示室Cは海外の作品。
ベン・シャーンのポスターや、ラッキードラゴンなど。その発する問いかけに考えさせられます。
また、いつもお問い合わせをたくさんいただくワイエスの作品も。
ルオーの作品も展示しています。
最後の展示室Dでは版画を展示しています。
斎藤清は外国シリーズ。
山中現は《時の器》シリーズ全作品を展示しています。
版画は半期で展示替えを行い、後期は安部直人の作品を展示予定です。
1階企画展示室では、学校連携共同ワークショップ参加校作品展を開催中です。
また、12日からはホールにて毎年恒例の年賀状展が始まります。
本年も美術館をどうぞよろしくお願いいたします。
親と子の美術教室「クリスマスを彩るどうぶつライトをつくろう!」
2016年、12月11日(日)、当館実習室にて、「クリスマスを彩るどうぶつライトをつくろう!」を開催しました。
講師は、光のアトリエPAPERMOON主宰の冬野朋子先生です。
今回は、好きな動物のかたちのフットライト(足下灯)を親子で一緒に作ります。
先生から自己紹介などのあと、まずはどんな動物にするか決めます。
今回は事前の準備として、子ども達につくりたい動物のイラストを描いてきてもらいました。丸い形にした針金を基本形として、冬野先生と相談しながら、あかりにする動物のかたちを決めていきます。
次に、イラストを描いた紙に合わせて、針金を切ったり、曲げていきました。これは少し力がいる作業です。ハンダづけするためののりしろも考えつつ、ペンチやパイプを使いながら、みなさん丁寧に曲げていました。
針金ができたらいよいよ接着!
まず冬野先生からハンダごての使い方や、扱うときの注意点について説明がありました。
針金をつける手順を、実際にやってみせてもらいます。
次は自分たちで挑戦!お母さんやお父さんと協力しながら、針金をハンダづけしていきます。みんな先生の説明をしっかり聞いていたので、上手にできました。
針金の枠をたくさん入れる子もいて、少し大変そうでしたが、みんな集中して一生懸命取り組み、それぞれ自分が考えた動物形の針金の枠が完成しました。
できた枠をきれいに洗い、今度は和紙を貼る作業です。
まず、白い和紙をくしゃくしゃにして広げます。
次に針金の枠の片面にボンドを塗り、先ほどの白い和紙を貼り付けました。
ボンドが乾いたら、はさみで針金より少し大きめに和紙を切っていきます。
切り終わると、こんどはその上に自由にカラフルな和紙を貼り付けていきます。
色ごとに並べられた和紙の山から、自分の好きな和紙をいくつか選びました。
選んだ和紙を、自分がつくりたいイメージに合わせてちぎりながら白い和紙の上に貼り付けていきます。
子ども達はどのような感じに透けて見えるのか、色が重なるのかを見るために、前に置いてあるライトにかざして何度も確認していました。
黄色一色でも、同じ色の和紙を使うのではなく、濃い黄色やオレンジに近い黄色など、様々な黄色を組み合わせて重ねることによって、光を通して美しいグラデーションが生まれます。
世界にひとつだけのフットライトが完成しました!
最後は点灯式。部屋を暗くして、ひとりひとりの作品をライトに付け、みんなで楽しみます。
寒い冬を彩る、あたたかく素敵なフットライトが完成しました。
おうちであかりを灯すたびに、一緒につくった時のことを思いだしてもらえたらいいなと思います。
冬野先生、参加してくださったみなさま、ありがとうございました!!
「アートなおはなしかい」開催しました!
12月3日(土)、おとなりの図書館さんと一緒に「アートなおはなしかい」を開催しました。
今回のテーマは、来年の干支である「とり」です。
まずは図書館の研修室で、「とり」に関連する素敵な絵本のよみきかせをしてもらいました。
1、『にわとりとたまご』 作: イエラ・マリ エンゾ・マリ
にわとりとたまごが変化していく様子が絵だけで表現された、美しい絵本でした。
2、『ロージーのおさんぽ』 作:パット・ハッチンス 訳:渡辺茂男
ある日、めんどりのロージーがおさんぽに出かけます。背後にはロージーを狙う動物がいますが…?黄色や赤、だいだいなどの同系色でまとめられ、黒く細い線で描きこまれた絵にひきこまれます。
3、『十二支のはじまり』 作:岩崎京子 絵:二俣英五郎
「ね、うし、とら、う、たつ、み…」みんなが知っている十二支。
この動物達の順番はどの様に決められたのか知ることができる絵本です。
4、『でんごんでーす』 文:マック・バーネット 絵:ジェン・カラーチー 訳:林木林
お母さん鳥が、小さなピーターへ伝言を送ります。いろんな種類の鳥たちが次々と伝言していきます。果たしてピーターにお母さんからのメッセージはきちんと伝わるのでしょうか?鳥たちによる愉快な伝言ゲームが描かれた、楽しい作品でした。
5、『しまふくろうのみずうみ』 作・絵: 手島圭三郎
ある湖のほとりにすむ、しまふくろうの親子のお話。大きく翼をひろげて魚をつかまえるシーンは、とても迫力があります。
さて、おはなしかいの後は秘密の抜け道(連絡通路)を通って美術館へ。
美術館では、2階の常設展示室で作品を一緒に鑑賞していきました。
まずは展示室入口すぐの作品、《雪に埋もれつつ正月はゆく》(1919年)
作者は三島町出身の画家、酒井三良(1897‐1969)。この作品では、囲炉裏を囲む家族の様子が描かれています。画面上部には会津の小正月行事のひとつである「だんごさし」が描かれており、「学校でやったことがある」と話してくれた子もいました。
みんなで作品の真ん中に集まり、低い姿勢から作品をみてみます。そうしてみると、あたたかい囲炉裏を囲んでいる家族の一員になったような、そんな気持ちにもなってきます。
次に紹介したのは、佐藤忠良(1912-2011)作、《ジャコビン》(1977年)。
これは絵ではなく、立体の作品です。ケースのまわりをぐるりと1周してみます。
ジャコビンとは鳩の一種で、首の周りがふわふわとしています。今期の展示作品の中で唯一はっきりと「鳥」がモチーフになっている作品でした。
最後に紹介したのは、河野コレクションのひとつである高橋忠弥(1912-2001)の作品です。
まずはタイトルを言わず、なにが描かれているように見えるか聞いてみました。
はっきりとはなにが描かれているのか分からない絵に、みんな困り顔です。
この作品には《花・鳥・ランプ》(1950年)というタイトルがついています。
子どもたちと「どこの部分が鳥に見えるかな?」と絵をもう一度みて考えてみます。
「右側の大きな丸いところが目に見える」
「ここが胴体で、ここが羽に見える」などと、絵を指さしながら、お話してくれました。
現在の展示が始まってから、子どもたちや大人の方と、何度か≪花・鳥・ランプ≫を一緒に見る機会がありましたが、みんなそれぞれ異なる部分に鳥の姿を見つけるので、毎回色々な発見があります。
少し急ぎ気味に展示室をまわってしまいましたが、「これなに?」「これ不思議」などと、子どもたちは展示されている作品に対して、様々な反応をしてくれました。またゆっくりと作品に会いに来てほしいです。
最後は工作の時間です。図書館の研修室に戻り、ステンシルでカラフルな鳥を描いていきます。
まずははがきサイズの紙にやってみよう!
自分の気に入った鳥の型をひとつ選び、紙の上に置きます。マスキングテープでずれないようにしっかりととめます。
スポンジに絵の具をつけて、トントンと紙に色をのせていきます。
ふちの方までしっかりと。何色か重ねてカラフルな鳥をつくっている子もいました。
ステンシルが終わったら、今度は文字や絵を描きこんでみよう!背景に山や空を描いたり、枝や卵を描いてみたり…。
みんな一枚一枚丁寧に描き、素敵なはがきが完成しました。はがきサイズなので、年賀状にも使うことができます。
今度はもっと大きなステンシルに挑戦!ロール紙を準備しました。
真ん中には「HAPPY NEW YEAR!! 2017」
その周りに、カラフルな鳥をどんどんステンシルで写していきました。
みんな手を絵の具だらけにしながら、制作に取り組んでくれました。(作品は展示の時にご紹介したいと思います。)
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
美術館では、毎年「美術館への年賀状」展を開催しています。小学生から高校生による手づくりの年賀状を募集し、届いた年賀状全てを展示しています。
今回大きな紙にみんなでつくった作品は、2017年の年賀状展会期中、エントランスホールに展示します。
会期は2017年1月12日(木)~1月31日(火)までです。
子ども達の作品を見に、ぜひ遊びにいらしてください。
ギャラリートーク
今回は、広重展担当の紺野学芸員です!
これを楽しみに待っていたお客様もたくさんいらっしゃいました。
紺野学芸員によれば、広重の視線を作品を通して追体験できるのが楽しいとのこと。
たとえば、《名所江戸百景 深川洲崎十万坪》では、大空を飛ぶ鷲の視線から絵を見ますが、これは、広重が火消しの仕事で高い火の見櫓に登ったことがあるからだそうです。なるほど!
(上の写真は《六十余州名所図会 阿波鳴門の風波》ですネ)
身振り手振りで約一時間、あっという間にギャラリートークが終わりましたが、さらに質問のある方もいて、約30分の質問ぜめ!
熱心なお客様がとても多く、改めて広重人気のすさまじさを実感した次第です。
会期もあとわずか。もう一度作品をじっくり見ると、また新たな発見があるかも!
紺野さん、お疲れさまでした。
聞き終わったお客様の晴れ晴れした表情がとても印象的でした。
HY
広重グッズ
気になるのは…
どれを買うかで迷っちゃう、特設ショップの広重グッズ。
以前もちらっとご紹介しましたが、だんだん売り切れ商品も出てきているようです。
ほしい商品はお早めに、ということで、とうとう念願の広重グッズをGET!
左から一筆箋(国芳もの、¥432)、トートバッグ(オリジナル商品、¥2,376)、手前のカード立て(¥1,296)、図録(公式図録、¥2,800)、そして浮世絵キューブ(¥1,296)。
複製版画などの高額商品はクレジットカード決済もできるそうです。
特設ショップならではのサービスですね。
やっぱり絵はがきも買おうかな…。
HY
広重展一万人&展示替え&地震!
11/21 休館日に展示替えをしました。今回は通期展示の作品4点と資料等をのぞき、作品が総入れ替え!
それから、一部のお客様から「パネル解説低すぎ」「展示室が暗い」という声がありましたので。照度はかえずに、ライトの角度をすこし上向きにして、部屋を明るく見えるようにしました!
パネルも若干上めにしましたので、前期より見やすくなったかもしれません。
ところが!
翌朝地震がありました。広重展は何も異常はありませんでしたが、福島市は震度4。
(もっと大きい感じがしましたよね)
2階常設展の彫刻をのせた免震台が作動しました。
こうしたことは、ないにこしたことはありませんが、実際に作動するところを見たのは今回が初めて(東日本大震災の時は免震台が設置されてなかった)。
もうこれ以上大きな地震はないといいなあ。
そうこうしているうちに、11/25には広重ビビッド展の入場者が1万人をこえました。折り返しをすぎて、平日でも混み合う時間帯が増えています。
お天気の悪い日の方が狙い目だったりして。
お天気が悪くても、熱心に鑑賞くださるお客様が思いのほか多くいらっしゃるのには本当に頭が下がります。
HY
コレクション展Ⅲご紹介 その3
まずは河野保雄コレクション。
福島市の実業家・故河野保雄氏が蒐集されたコレクションから、洋画を中心に展示しています。
小ぶりながらどれも宝石のようなきらめきを放つ作品たちです。
石原コレクションはⅡ期から内容を変えて展示しています。
ロダンなどの彫刻のほか、小磯良平の版画や佐藤忠良の素描など。
1階の企画展示室で開催中の広重ビビッド展は今週から後期展示が始まり、2階常設展の版画も先週展示替えをしました。
あらたな魅力を発見に、ぜひご来館くださいませ。
館長講座「みちのくの美-その源流を巡る旅」第4回 山形編
11月19日(土)、当館講義室にて館長講座を開催しました。
今年度は、「みちのくの美-その源流を巡る旅」ということで、青森から福島に至る東北地方の近代美術を中心にご紹介しています。
第4回は「山形編」です。
山形県では、美術の分野でどのような作家が活躍し、どのような作品が生み出されたのか、各作家とその作品について画像を映し出しながら紹介しました。
今回は、画家の菅原白龍、小松均、今野忠一、福王寺法林、高橋由一、椿貞雄、真下慶治。
そして彫刻家の新海竹太郎、新海竹蔵、桜井祐一、吾妻兼治郎・・・計11名の作家を取り上げました。
次回、「宮城編」は1月21日(土)、10:30~12:00まで開催いたします。
広重展特設ショップ
広重、北斎、国芳の作品をつかった展覧会グッズがいっぱい!
ショップの方にうかがったところ、
「一番の売れ筋は、クリアファイルですね」とのこと。
ねこグッズ…。
こっちはルービックキューブみたいなふしぎな浮世絵キューブ。
こちらのショップも広重ビビッド展と同じ9:30〜17:00の営業です。
残念ながら通信販売はできませんが、ショップのみのご利用は入場券がなくても大丈夫!! 人気商品は売り切れのおそれもありますので、お早めにどうぞ!
(※一部、展覧会出品作でないグッズも含まれています※)
以上、グッズ情報でした。(HY)
わんぱくミュージアム「キラキラつやつや七宝焼きバッジに挑戦!!」
11/13(日)の午前と午後、2回にわたり、
今回は小学1年生~6年生まで、23名の子ども達が参加してくれました。
七宝焼きとは、簡単にいうと金属の土台(銅板)に、
まずは丸か楕円のかたちの土台を選び、どんなバッジにしたいか、
あまり細かい模様は難しいですが、
どんどんアイディアが浮かぶのか、もう一枚描く!
スケッチが終わったら、お気に入りのひとつを選びます。
いよいよ一番難しい作業へ。考えた絵柄に沿って、ガラス絵の具を選び、
子ども達は、透明色(すける色)、不透明色(はっきりした色)を使い分けながら、丁寧に土台の上にのせていました。
のせている時の表情はみんな真剣!細かい模様にした子も、慎重にホセを動かしながらガラス絵の具をのせていました。
完成すると、スタッフが800度に熱した電気がまで焼きます。
かまの小さな窓から、ガラスが溶ける様子を見てもらいました。
焼き上がった熱々のバッジ。焼きたては絵の具の状態と全く色が異なります。
子ども達はどきどきしながら作品が焼き上がるのを待っていました。
バッジが冷めたら縁をやすりで削り、後ろにピンをつけます。
キラキラでつやつやの、世界にひとつだけのバッジが完成しました!
参加して下さったみなさま、お手伝いいただいたみなさま、ありがとうございました!