福島県立美術館ブログ

実技講座 ~大堀相馬焼をつくる 開催しました。

6月18日㈯「よみがえるオオカミ」展の関連事業として実技講座「大堀相馬焼をつくる」を開催しました。

講師は、大堀相馬焼 半谷窯:窯元 半谷菊枝さんです。大堀相馬焼は、浪江町大堀地区(山津見神社と
同じ地域:相馬地方)に、320年もの間受け継がれてきた焼き物です。半谷さんは、平成23年の東日本大
震災で大堀の地を失いましたが、その火を絶やすことなく、吾妻山麓荒井の地で再起されております。

講座では、1キロの粘土を使い、手びねりで器などを作りました。

受講者の方々は、半谷さんに粘土の積み上げ方や繋ぎ方を教わりながら、思い思いの器を作りました。

講座の最後に、大堀相馬焼の特徴の一つである意匠「走り駒」(疾駆する馬)を半谷さんに描いて頂きました。

なめらかな筆さばきと躍動感のある馬の姿に皆さんから拍手がわき起こりました。
次回は、7月2日㈯。半谷さんに素焼きをして頂いたそれぞれの器に絵付けをします。

オオカミ展ギャラリートーク開催

6月11日午後2時より、よみがえるオオカミ展のギャラリートークを開催しました!

展覧会担当が、山津見(やまつみ)神社の天井絵を復元することになった経緯や、天井絵の復元技法、
天井絵(オオカミの姿)の魅力、そして作者とその関連作家(佐藤朝山)などについて約1時間ほど
お話しました。

ご来館頂いた皆様方ありがとうございました!
たくさんの方々が熱心に耳をかたむけてくださいました。

2回目のギャラリートークは、6月25日(土)午後2時より企画展示室内で開催いたします。
(観覧券のご購入をお願いいたします。)
ご来館お待ちしております!

実技講座 ~大堀相馬焼をつくる〜受講生募集中!

相馬焼は、江戸時代元禄年間に浪江町の大堀地区で始まり、その後約320年にわたり作り続けられています。そして昭和53年に国の伝統的工芸品に指定されました。
半谷氏(はんがい)は半谷窯を継いで十六代目になります。
平成23年の東日本大震災で大堀の地を失いましたが、その火を絶やすことなく、吾妻山麓荒井の地で再起されております。
講座では、手びねりで成形し、素焼き、絵付け、本焼きまで行います。

日時●全2回、成形:6月18日(土)13:00~15:00
       絵付:7月 2日 (土)13:00~15:00
対象●小学生以上 定員:15名程度《先着順》 
講師●半谷菊枝氏(相馬焼窯元:半谷窯)
経費●材料費として一人4000円程度必要です。
会場●美術館実習室
申込締切り・・・・2016年6月12日㈰
※定員になり次第、締め切らせて頂きます。

●ホームページからもお申し込みいただけます。
トップページ⇒教育普及⇒受講生の募集をクリック!

お電話は、024-531-5511(実技講座係まで)
美術館の総合受付でもお申し込み頂けます。


技法講座 オオカミを杉板に描こう!開催しました。

5月29日㈰、「よみがえるオオカミ」展の関連事業として技法講座「オオカミを
杉板に描こう!」を開催しました。


講師は、この度の山津見神社天井絵復元プロジェクトにおいて、オオカミ絵の復元
制作をご指導し、自らもオオカミ絵を描かれた東京藝術大学大学院准教授であり
日本画家でもある荒井経先生です。



またこの日は、荒井先生のご指導の下、同じくオオカミ絵を描かれた学生の向井さん
と松原さんにアシスタントとしてお手伝いいただきました。

 
 
  
講座は小学3年生から大人まで幅広い年齢層の方々にご参加いただきました。





受講された方は、筆の使い方や顔料(絵の具)の塗り方など、日本画の特殊な技法
(復元プロジェクトと同様の技法)を学びながら、熱心に杉板へオオカミ絵を描き
ました。









オオカミ展開催期間中、エントランスホールに受講者された方々の作品を展示して
おります。どの作品もオオカミが生き生きと描かれた力作揃いです。
ぜひご鑑賞ください!
 

オオカミ天井絵をめぐるフォーラム

初日午後はフォーラム「山津見神社のオオカミ天井絵をめぐって」を開催しました。

こちらもたくさんの方が参加してくださいました。


加藤久美氏、サイモン・ワーン氏には、「山の神のみえない力」として
オオカミの絶滅とその信仰についてご紹介いただき、
山津見神社の旧天井絵を撮影した状況や、
この復元プロジェクトに至る経緯をお話いただきました。


荒井経氏には、「オオカミ絵の復元から継承へ」として、
具体的な復元のプロセスと方法、技法、
文化財保存の観点から、どのような復元を意図したかをご説明いただきました。
また、会場に同席された、復元を担当された20名の方々をご紹介いただきました。


石黒伸一朗氏には、「山津見神社と南東北のオオカミ信仰」として、
山津見神社の由緒や旧天井について詳しくご報告いただき、さらに
福島県や宮城県のオオカミのお札や石碑などをご紹介いただきました。


佐藤俊雄氏には、「飯舘の山の神様」として、まず飯舘村の現況をご説明いただき、
新しく発見された江戸期の飯舘村の地誌などをもとに、
地域の山の神、オオカミ信仰についてお話いただきました。







飯舘の山津見神社をめぐる信仰や文化がどのようなものであったのか、
あらためて掘り起こすとともに、
それを今後どのように継承していくのか、
様々な視点からの、心のこもった提示がありました。

すばらしいフォーラムでした。

ご登壇くださった先生方、また当日ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

よみがえるオオカミ展スタート!

焼失してしまった、飯舘村山津見神社のオオカミ天井絵が、このほど復元されました。
この展覧会で全242枚をお披露目いたします。

28日初日には、開会式が行われました。飯舘村の方はじめ、多くの方に来ていただきました。



和歌山大学の加藤久美氏と、サイモン・ワーン氏が天井絵を一枚一枚、撮影記録していました。
2013年4月の火災の数ヶ月前のことでした。

加藤氏、ワーン氏が復元プロジェクトが立ち上げ、飯舘の支援にかかわるNPOふくしま再生の会などが協力しました。

復元事業を受託したのが、東京藝術大学大学院の荒井経氏と保存修復日本画研究室でした。
以前当館でワークショップをやっていただいた、荒井先生です。

多くの関係者の尽力で完成にこぎつけました。

開会式には、復元を担当した東京藝術大学大学院の皆さんもかけつけてくださいました。


展示室では、焼失してしまった天井絵を、写真によって一部再現しました。




展覧会終了後、天井絵は山津見神社の拝殿に設置されます。

館長講座がはじまりました

本年度の館長講座「みちのくの美―その源流を巡る旅」がいよいよはじまりました。


今年3月北海道新幹線が開通し、東北と北海道との距離はぐっと縮まったように思います。

新幹線ではなく、各駅停車に乗るような気分で東北地方の美術を巡ってみよう、

それが今回の講座のテーマです。



第一回目は「青森編」。

言わずと知れた日本を代表する版画家・棟方志功(むなかた・しこう)や、

幻想的な作品を多く残した日本画家の工藤甲人(くどう・こうじん)、

そして、どこかにくめない眼差しを向ける少女の絵で知られる奈良美智(なら・よしとも)の魅力に迫りました。



次回の第2回秋田編の詳細は、以下のとおりです。

日時 7月16日(土)10:30~12:00
講師 早川博明(当館館長)
会場 美術館講義室(聴講無料)

※お申込み・お問い合わせは県立美術館「館長講座」係まで(電話 024-531-5511)

フェルメール展無事終了しました

「フェルメールとレンブラント」展は5月8日無事閉幕いたしました。

総入場者数は10万人を超え、最終的には10,4159人の方に足をお運びいただきました。ご来館いただいたみなさん、ありがとうございました。

約一年前に実行委員会が立ち上がり、駐車場の場所や来館者の待機列など、様々な難問にぶつかりながら、みんなで知恵を出し合って取り組んできました。

ご満足いただけなかった部分も多々あったと思いますが、私たちも皆様から頂いたアンケート結果をしっかり読ませていただき、今後に活かしていきたいと思います。

今後の県立美術館の活動にご期待ください!

小林氏の講演会を開催しました

フェルメールとレンブラント展関連講演会第三弾は、
4月30日、福島市にあるAOZ(アオウゼ)にて開催されました。

今回は数々の「フェルメール本」で知られる小林賴子氏(目白大学教授)をお招きし、
「澄みわたる窓辺―フェルメールの女のいる空間」と題してお話しいただきました。

画家フェルメールについてはいまだ多くの謎に包まれ、
ちまたではさまざまな憶測を呼んでいますが、

小林先生の本は、30数点といわれる彼の現存作品についての
客観的かつ丹念な分析に基づいています。

その点が、世にあふれるフェルメール本とは一線を画するところです。

今回のご講演においても、《水差しを持つ女》が描かれた歴史的背景や、
構図、技法の革新性について、熱っぽくも、どこか冷静なお話をいただきました。

先生のお話を聞いて、もう一度《水差しを持つ女》を見てみたいと思ったのは、
私だけではないでしょう。

ちなみに、今回の展覧会は、頭に「東日本大震災復興事業」を冠しています。

小林先生には、そうした趣旨にご賛同いただき、聴講された方々へのプレゼントとして
ご著書をいただきました。

講演会後は急きょ、プレゼントの抽選会を開催し、会場は大いに盛り上がりました。

田村氏の講演会が開催されました。

「フェルメールとレンブラント」展の記念講演会第二弾が4月23日に福島市のコラッセふくしまで開催されました。

今回は、「プルーストが描いたフェルメール」と題して、

フランス文学者の田村奈保子氏(福島大学教授)にお話しいただきました。



講演会の内容は、世界的文豪マルセル・プルーストがオランダ絵画、あるいはフェルメールをどのように評価し、

またそうした絵画がプルーストの芸術観にどのような影響を及ぼしたかというものでした。

フェルメール作品を別の視点からとらえた、大変興味深いご講演でした。


次回の講演会は4月30日(土)、場所をA・O・Z(アオウゼ)に移して開催します。
(コラッセふくしまではありませんので、ご注意ください)

日時 4月30日(土)
場所 A・O・Z(アオウゼ)多目的ホール(福島市曽根田町1-18MAXふくしま4階)
講師 小林 賴子氏(目白大学教授)
演題 澄みわたる窓辺―フェルメールの女のいる空間
開場 13:30
開演 14:00
定員200名 ※参加無料、先着順

美術館からA・O・Z(アオウゼ)までは、約1キロほどあります。

徒歩だと15分程度でしょうか。


公共交通機関は次の2つがあります。

飯坂電車をご利用の場合…
「美術館図書館前駅」から「曽根田駅」で下車後、徒歩1分

市内循環バス「ももりん号1コース」をご利用の場合…
「県立美術館入口」から「MAXふくしま」下車後、徒歩3分


講演会当日は美術館は夜7時まで開館しますので(最終入館6時30分)、

講演会終了後もごゆっくり展覧会をご観賞いただけます。

ぜひこの機会に講演会と美術館へ足をお運びください。