福島県立美術館ブログ
ふとん山ができるまで、4日目
作家の小沢剛さんが、美術館に登場!
小沢さんとともに、いよいよ山に布団を敷きつめる作業が始まりました。布のベルトを山にビスで固定し、そこに布団を差し込み、折り返して山の表面に貼り付けていきます。小沢さんに指導を受け、ちょっと緊張しながらの作業です。
布団にまみれての作業はなんかくつろぐなぁ。
山の裾のから始まった布団設置作業は、意外に早く山の頂上まで達しました。膨大な布団を目の前に、呆然としながら、本当にこれ全部を一日で敷き詰められるのかと感じた昨日のことがうそのよう。何度も設営と撤去を繰り返し、そのたびに一つ一つの作業のコツが蓄積されて、効率よく運ぶように改善されてきたという感じです。
今度やる時はうまくもっとうまくいきそう!でも次は私たちが設営するわけじゃないもんな。
そして、山のてっぺんに白い大きな帽子がかぶせられました。子供たちが描いた絵を投函する大事なポストです。
そして手前には、サインボードが完成。美術館の倉庫にしまい込まれ、最近、久しく日の目を見ていなかった青いフェルトの展示台が、素敵なサインボードになりました。
子供たちがお絵かきをするかわいい顔の机もきれいに塗り直されていきます。
それにしても、布団が敷かれるとどこか空気が柔らかくなる。不思議なのです。大理石が張り込まれた教会のようなエントランスホールが、なんかいつも違う雰囲気。布団マジック、恐るべし。
これはブログでは伝えきれない。残念!
A.Y.
ふとん山ができるまで、3日目
今日は朝から、経師紙を貼る大工さんが来て、トンネル部分が白くお化粧されました。でもそれも午後早い時間で終わり。端の処理など細かなところが残っていた床の絨毯敷きの作業を私たち学芸員でやったくらいで、今日はあまり大きな進展はありませんでした。中休みというところ。ちょっと気が抜けて、写真をあまり撮ってません。すみません。
明日はいよいよ布団を設置する作業です。準備のために、夕方、布団をエントランスホールに運び上げましたが、これが今日の一番のハードワークでした。それにしてもすごい量の布団です。結果、ふとん山がもう一つのふとん山に埋もれかけています。130枚もの布団を、明日並べ終えることができるのか?お楽しみに。
おまけ。
さて、ここはどこでしょう?
こんな空間もできています。
ということで今日はここまで。
A.Y.
ふとん山ができるまで、2日目
今日は久しぶりにいいお天気。秋晴れのすがすがしい一日になりました。
さて、再びふとん山に向かいます。
昨日、下から2段目まで敷き終わった板を3段目、4段目と敷き詰めていきます。午前中には、ふとん山の骨格が完全に組み上がりました。離れて見るとベニヤの色がそれぞれ違って、まるでパッチワークの●●。
●●に、どんな言葉が入るでしょうか。私は昨日、「スカート」のようだと書いたのですが、「富士山」という人もいたり、「UFO」が美術館に不時着したという人もいました。そうだ、福島市の隣りの飯野町にはUFOふれあい館があったね。UFOが出るんだよね。昼休みはその話しで盛り上がる!
午後いちばん、ベニヤがささくれないように表面にヤスリをかけます。そしてベニヤの継ぎ目のところに養生テープを貼っていきました。これで表面はつるつるです。しかし、作業中に滑る人が続出。この山を駆け上がるのは結構大変。この角度、バカにしちゃいけません。これだけでもかなり楽しめる感じです。
実は今日はここまでが目標だったのですが、その後みんな頑張って、床の絨毯張りまで終了しました。
もうこれで土足では上がれません。少しずつ、最後の布団を迎え入れる準備が整いつつあります。
ということで今日はここまで。
A.Y.
ふとん山ができるまで、1日目
さあ、今日から小沢剛さんの「あなたが誰かを好きなように、誰もが誰かを好き」(通称ふとん山)の設営が始まりました。
まずはこんな四角いものが、エントランスホールに立ち上がりました。
何になるんでしょう。
上から見ると、どうやらトンネルのようですね。ホールを横切っています。かなり大きいですね。でも、頭にはかわいい丸い帽子が乗っています。
そのトンネルに柱が何本も立てかけられ、そこに、板がかぶせられていきます。
上から見ると、こんな感じ。まるでスカートのようですね。
一番下の段が敷き終わったら、その上の段を敷き詰めていきます。一人はスカートの中に入り、中の柱を少しずつ微調整しながらの作業。下の段ではそれほどでもなかったずれが、上に行くに従ってだんだんと大きくなっていき、ぴったりはまらない!何度かやり直しながらの作業。みんな総動員でとりかかります。
中段まで完成して、今日の作業は終了となりました。
夕方になってエントランスホールにライトが点灯し、ふとん山の全景が浮かび上がりました。まだ骨格部分のみですが、まるで羽を広げた鳥が天井に向かって飛び立とうとしているみたいで、美しい!
さぁて、明日はどんな姿に変わっていくでのでしょう。こうご期待!
A.Y.
今年も、「あそVIVA★びじゅつかん」がやってきます!
これは昨年の夏、福島の子供たちにもっと美術館を楽しんでもらおうと取り組んだ企画で、今年も引き続き開催することになりました。今年は、美術家・小沢剛さんの「あなたが誰かを好きなように、誰もが誰かを好き」という作品を展示します。
豊田市美術館での展示風景
一面に布団が敷き詰められた布団山。その山には子供達がのぼったり、すべったり、ねころんだりしてかまいません。その山の上にはポストがあります。それは、小さなカードに自分の好きな人の顔を描いて、世界の見知らぬ誰かに届けるためのポストです。子供達は、前の会場で投函された誰かの絵をプレゼントとして受け取り、そして自分の絵は次の会場の誰かに手渡るのです。遠くの誰かの思いを受け取り、自分の思いを知らない誰かに届ける、そんな心温まる作品です。
さあ、みんな美術館に集まれ!
明後日から、展示作業が始まりますが、その様子もアップしますので、メイキングもお楽しみに!
会期:2012年9月30日(日)~12月24日(祝・月)
場所:福島県立美術館エントランスホール
料金:入場無料
休館日:毎週月曜日(10月8日(祝)、12月24日(祝)は開館)、10月2日(火)、10月9日(火)
時間:9:30~17:00
主催:福島県立美術館、福島県立美術館協力会、小沢剛
協力:豊田市美術館、READYFOR?
助成:Japan Art Donation
*この展示は、クラウドファンディング READYFOR? を通じてご協力いただいた方々をはじめ、福島の子供たちにこの作品を楽しんでもらいたいという多くの方々からのご支援により実現しました。
皆様、本当に有り難うございました。
A.Y.