福島県立美術館ブログ
若冲ぬりえに挑戦!
3月26日から開幕した「東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展」は、5月6日に終了しました。
たくさんのご来館、ありがとうございました!
会期中、エントランスホールでは「若冲ぬりえ」のコーナーを設けていました。
ぬりえは下記の3作品を元にしていました。
《百犬図》(部分) 個人蔵
《果蔬涅槃図》(部分) 京都国立博物館蔵
《伏見人形七布袋図》国立歴史民俗博物館蔵
小さなお子さんから大人の方まで、連日たくさんの方々にぬりえのコーナーで楽しんでいただきました。
ぬりえをすることで、作品をもう一度じっくり見たり、描き方に注目したり…。
若冲作品の魅力を改めて感じる機会になればと思います。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
2019年度常設展第Ⅰ期
3月26日(火)より企画展で伊藤若冲展が開幕しましたが、同日より常設展も2019年度第Ⅰ期展示が始まりました!
早速ご紹介していきます。
まず第1室目では、当館自慢の日本画の名品を展示しております。若冲展では水墨の作品が比較的多いですが、こちらでは鮮やかな着色の画面をお楽しみ頂けます。展示期間の季節とあわせ、春や初夏のさわやかな空気が感じられる作品が多いです。
小茂田青樹『薫房』や山口華楊『畑』、池田遙邨『大漁』など、見ているだけで自然の生き生きとしたエネルギーを感じられます。
また、風景画の他、人物画も展示されています。橋本関雪の『倪雲林』はかなり巨大です。速水御舟『女二題』、安田靫彦『茶室』、根上富治『笛』など、しっとりとした美しさには息を呑んでしまいます。
続いて第2室では、「生誕100年 橋本章特集展示」を行っております。
橋本章(1919-2003)は、第二次世界大戦後の福島を舞台に、鮮烈な活動を展開した造形作家です。橋本は、妻の故郷である福島県伊達地方で教師の職を得ながら、創作活動を展開し、地元の画家や人々を巻き込んでさまざまな美術運動を展開しました。
画家の生誕100年にあたる本年、橋本作品を所蔵する美術館・ギャラリーが、同時多発で展覧会を開催することになり、当館での展示もその連携事業の中の一つとして位置づけられています。
素描から特大サイズのタブロー、オブジェなど、多岐にわたる作家の創作活動をご紹介しております。
次の第3室目は、海外作品のコレクション展示です。
印象派をはじめとするフランス美術の名品紹介では、コロー、モネ、ピサロやルノワールを展示しています。印象派のきらめく風景作品はこの季節に相応しく感じますね。また、彼らの他、サーカスを題材としたルオーの多色刷りの版画もご覧頂けます。
そして、アメリカ美術の紹介では、当館の目玉作家であるベン・シャーンとアンドリュー・ワイエスを展示しています。
《ラッキードラゴン》をはじめ、シャーンの作品には作家の強い意志が込められています。
ワイエスでは、人気の《松ぼっくり男爵》が今期は出品されています。緻密な水彩表現の極地をご堪能頂きたいです。
最後の部屋は、版画のコーナーです。
まず左壁面にあるのは、福島県を代表する版画家の斎藤清の木版作品です。眼光鋭い猫ちゃんや妙に迫力のある赤ん坊、霊峰とその麓に集う牛達などユニークな作品が並びます。
もう片方の壁では、追悼展示として、昨年ご逝去なさいました浜田知明と秀島由己男の版画を並べています。小さな画面の中に深遠な世界が広がっています。
現在開催中の常設展第Ⅰ期は6月23日(日)まで!
若冲展チケットの半券でもご鑑賞頂けますので、是非ともご鑑賞ください。
館長講座第6回目
3月9日、本年度最後の館長講座が開講されました。
今回のテーマは「バロック(2) レンブラント、フェルメール」です。
会場の講義室が満員に達するほど多くのお客様にご来場頂けました。
ちなみに、3年前の2016年、当館では企画展「フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」が開催され、10万人を超える動員数を記録しています。
そんな恐るべき人気を誇る両巨匠の画業と彼らの作品の魅力について迫りました。
ご参加頂いたみなさま、ありがとうございました!
本年度の講座「古典に帰れ―西洋美術の巨匠たち―」は、実は次年度も同様のテーマで続きます。
次回5月以降の予定は以下の通りです。
第1回 5月18日(土) バロック(3)プッサン、ロラン、ラ・トゥール
第2回 7月20日(土) ロココ(1)ヴァトー、ブーシェ、フラゴナール
第3回 9月21日(土) ロココ(2)ホガーズ、レイノルズ、カナレットなど
第4回 11月23日(土) 新古典派とロマン派(アングル、ドラクロワなど)
第5回 1月18日(土) 英独西の近代巨匠(ターナー、フリードリヒ、ゴヤ)
第6回 3月21日(土) 19世紀写実派(ミレー、コロー、クールベ)
時間および会場は変更無く、10時半~12時頃まで講義室にて開講します(聴講無料)
事前申し込みは不要ですので、当日、直接会場にお越し下さい。
皆様のご参加をお待ちしております。
「すきなもので自分の顔をかいてみよう!」開催しました
3月3日(日)創作プログラム「すきなもので自分の顔をかいてみよう!」を開催しました。
講師は画家であり女子美術大学助手の坂内直美さんです。
F10号のキャンバスに、好きな食べ物、好きな色など、自分の好きなものをかき集めて、色々な画材で自画像を描きます。
クレヨン、色鉛筆、油性ペン、木炭、アクリル絵の具、油絵の具など色々な画材があります。
スパンコール、モール、ビーズも今日は画材です。
坂内さんの参考作品です。抽象・具象問わず自分の描きたい方法で作品を制作します。
坂内さんのアドバイスを聞きながら構想を練ります。
色々な画材で、思い思いに作品を仕上げていきます。
色面と線描の対比が絶妙です!
わくわくする絵の具の使い方を教えてもらいました!
最後は全員の作品を並べて鑑賞会です。
どの作品も魅力的です!
自分の作品について一人一人発表をしていただきました。
坂内直美さん、参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
「アートカード★チャレンジ」展 ギャラリートーク開催しました
2月24日(日)、当館企画展示室「アートカード★チャレンジ」展会場でギャラリートークを開催しました。
今年で3回目の開催となった展覧会。
テーマや作品、展示の順番などを福島県立福島東高校の生徒さんたちに考えてもらいました。
展覧会タイトルは「愛のかたちと家族のかたち」。
今回は、活動の中心となってくれていた美術部の生徒さん達によるギャラリートークを開催しました。
まずはじめに、今回の展覧会が完成するまでにどのような活動を行ったのか、順を追ってパネルの前で説明しました。
今回の活動では、はじめに美術の授業を選択している2年生の生徒43名がアートカードを使いながら、それぞれ展覧会のテーマを考えました。
その後、美術部の生徒5名が、提出された43名分の展覧会のテーマを整理、検討しひとつのテーマ「家族」に絞りました。
決定したテーマに沿い、アートカードになっている作品以外の所蔵品にも選択の範囲を広げ、作品選定をしました。
多くの人に楽しんでほしいという想いから、
「母のぬくもり子の想い」「楽しかった思い出」「忘れられない風景」「色いろな家族」、4つの小テーマ(セクション)を考えました。
各セクションの内容を説明し、いくつかの作品について、自身が作品から感じとったことや、観覧者に特に注目してほしい部分を紹介しました。
描かれている人物の表情や視線の先、描かれた時代などにも着目しながら、作品についてお話しします。
最後に、来場者の方から感想をお聞きしました。
ここで高校生への質問もいただきました。
今回の展覧会で、自分が感じたことや考えたこと、普段の制作についてなどしっかり答えていました。
美術部のみなさん、顧問の真柴先生、ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました!
展覧会は3月10日(日)まで。
観覧料は無料です、ぜひご来館ください。