カテゴリ:教育普及
「木炭で自画像を描く」開催しました。
10月19日(土)創作プログラム「木炭で自画像を描く」を開催しました。
木炭デッサンの基本的な道具の使い方を身につけて、鉛筆とは違う描画の魅力を楽しみます。
講師は当館学芸員の大北孝です。
はじめに木炭の芯を抜き、使いやすくするために紙ヤスリで削ります。
今回使用するのは太さの違うヤナギ炭2種類です。
木炭の色幅を増やす練習です。美しい調子ができています。
調子をつくる練習が終わったらアタリをつけます。
皆さん姿勢が美しい!デッサンにおいて大切なことですね。
アタリをつけたら指を使って形をおこしていきます。
木炭はすぐに画面を変化させることができるので、私の描き方を実際に見ていただきました。
多めに木炭をのせて消しながら描いていきます。
形が見えてきたので練りゴムを使ってはっきりさせていきます。
皆さん集中して描き進めています。
完成が近づいてきました。コントラストがはっきりしていて力強いです。
一人一人の作品がとても魅力的です。
講師という立場で皆さんと時間を共有でき、とても楽しい一日でした。
参加していただきありがとうございました。
アートなおはなしかい開催しました!
10月26日(土)、おとなりの図書館さんと「アートなおはなしかい」を開催しました!
テーマは「色であそぼう!」
図書館でアートな本を紹介した後、美術館で作品鑑賞と色のにじみを楽しむブックカバーづくりをしました。
まずは図書館さんで、絵本をみんなで楽しみます。
ページをこすったり押したりすると、色が変化していくように感じられる絵本や、色の歴史や特徴についてまとめられた本など。
色の面白さを感じられる本をたくさんご紹介いただきました。
途中、色から感じるイメージを参加者に聞いてみます。
1人1枚ずつ色紙を持ち、あたたかい感じがする色とさむい感じがする色に分かれて貼っていきました。
緑色の折り紙を持ちながら、「どっちも感じる」と話していた子は真ん中に貼り付けていました。
よみきかせのあとは、連絡通路を通り美術館へ。
実習室でブックカバーづくりをしました。
配られた和紙に、油性ペンで自由に模様を描いていきます。
くねくね、ぐるぐる、てんてんと、カラフルな線で画面を埋めていきます。
ボウルに入れた透明な液体をスポイトでたらしていきます。
すると、描いた線がにじみんでいき、不思議な模様が広がっていきます。
線が重なっている部分は色が混ざって、描いたときとは違った色になります。
宇宙みたい!と話している子もいました。
作品を乾かしている間に常設展示室へ。
展示室を巡っていき、百瀬寿さんの作品をみんなで鑑賞しました。
今回はアートキューブの中の「感覚キューブ」で作品を楽しみます。
嗅覚、聴覚、味覚などの感覚から想像し、いつもとはちょっと違う視点で作品をみていきました。
鑑賞後は実習室へ。
乾いた作品を、本のサイズに合わせて折っていくとブックカバーが完成します。
ご参加いただいたみなさま、図書館スタッフのみなさま、ありがとうございました!
創作プログラム「テンペラ絵具を作って描こう」③④
◆◆◆3日目◆◆◆
10月14日、「テンペラ絵具を作って描こう」3回目を迎えました。
イエローオーカーで一層薄く全体に色を塗り、乾燥。
明るい部分を白で描きおこしていきます。
だいたい白で描きおこしたところで、また一層ライトレッドをかけます。
乾燥後、また白で描きおこし、最後にテールベルトで一層全体にかけます。
これを繰り返すことにより、陰影がはっきりしていきます。
白で描きおこしていく作業は根気がいる作業で、みなさん集中して取り組んでいました。
下図と見比べ、小林先生にアドバイスをいただきながら、制作を進めていきました。
◆◆◆4日目◆◆◆
台風の影響のため日程を変更し、10月22日(火・祝)に開催しました。
いよいよ最終日。
固有色を作り、塗っていきます。
様々な色の顔料を組み合わせ、少量の水で練り、メディウムを加えて絵具を作ります。
微妙な色合いを出すのに、試しがきをしながら調整をしていました。
これまでに陰影を出す作業をしてきているので、固有色をのせるだけでかなり変化します。
髪の毛や肌の質感など、みなさん丁寧に塗っていました。
下地づくりから、卵を使ったメディウムづくり。
色づくりと、ひとつひとつの制作の過程を経て、じっくりテンペラ画を描いていきました。
4日間講師をつとめていただいた小林先生。そしてご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
創作プログラム「テンペラ絵具を作って描こう」②
◆◆◆2日目 10月6日◆◆◆
まずは前回塗った下地のやすりがけ。
きれいにまんべんなくやすりがけをして、下地の細かい凹凸をなくしていきます。
やすりがけが終わったところで、下絵を転写。
カーボン紙を重ね、前回トレーシングペーパーに写した輪郭線を転写します。
下地に写し取った線を、面相筆でなぞって描いていきます。
面相筆を使い、細い線で輪郭を描いていきます。
細かい線が多いので、集中力が必要です。
最後に、これから使っていくテンペラのメディウムづくりをしました。
今回は卵黄メディウムと全卵メディウムを使います。
最初は全員で全卵メディウムを作りました。
新鮮な卵の黄身は、つまむことができます。
外の薄い皮は不要なので、中の部分だけを取り出します。
受講者の方同士、協力して進めていました。
びんに卵黄を入れてかき混ぜ、白身の部分も不純物を取り除いて入れます。
ここに防腐剤、サンシックンドリンシードオイル、ダンマルワニスを入れ、びんの蓋をしっかりとしめて振ります。
これを冷蔵庫に保管し、制作に使用します。
最後に画面をイエローオーカーで一層薄く塗って、2回目は終了しました。
創作プログラム「テンペラ絵具を作って描こう」①
9月29日、10月6日、14日、22日の4日間、当館実習室にて「テンペラ絵具を作って描こう」を開催しました!
講師は、画家で山形大学教授の小林俊介先生です。
初日はこれから制作を進めていく上でとても重要な下地作りです。
今回はシナベニヤに和紙を貼ったものをご準備いただきました。
下地に塗る材料を準備していきます。
山形大学の学生さんもお手伝いに来てくれました。
できるだけ均一に塗っていきます。
刷毛で慎重に塗っていきます。
横から見ると、均一に塗れているのか分かりやすいです。
乾燥を待つ間に下図を考えます。
模写の場合は、先生にご準備していただいた図版からコピーを取ります。
模写する絵にトレーシングペーパーを重ね、鉛筆で主要な線をたどっていきます。
自分で絵を考えてきた方や、写真を元にして描く方などもいました。
1日目はここで終了!
次回に向け、下地の乾燥をします。
創作プログラム「大地の絵具で絵を描こう」開催しました!
8月17日(土)、創作プログラム「大地の絵具で絵を描こう」を開催しました!
講師は、福島県田村市出身で現代美術家として活躍している佐藤香さんです。
はじめに、これまでに香さんが制作した作品を紹介してもらいました。
香さんは各地で行われているアートイベントで滞在制作を行っています。
描くのに使っているのは、その土地で集めた様々な色の土や炭、植物など。
土の色といえば、茶色が思い浮かびますが、茶色でも明るい茶色や赤っぽい茶色、焦げ茶などと少しずつ異なります。
いつもどのようにして作品を描いているのか紹介していただきました。
最後に今日の活動について説明します。
参加者のみなさんには、自宅の周りにある土や葉っぱなどを集めてきてもらいました。
さらに、美術館の周りの庭に土などを集めに行きます!
スコップで土を掘り、袋に入れていきます。
土の他にも、葉っぱや木の実、セミの抜け殻なども集められていました。
とても暑かったので外での活動は20分で終了!
みなさん集めた物を手に、エントランスホールへ向かいます。
集合したら、一人一人から拾ってきたものと、場所を教えてもらいました。
美術館の庭園は、同じ敷地内なのに場所によって土の色が違っていました。
普段は注目せずに歩いていたので、美術館スタッフにとっても発見でした!
いよいよ、集めた素材を使って大きな和紙に絵を描いていきます!
まず、香さんから土を使ってどのように絵具を作るのか説明がありました。
カップに土を入れ、水と木工用ボンドを入れ、筆でよくかき混ぜます。
これで絵具は完成です!
参加者のみなさんも作ってみました。
今回は香さんが今までに各地で集めた土も絵具に使わせていただきました!
土の種類によって、混ざりにくいものもあります。
みなさん水とボンドの配分を工夫しながら絵具を作っていました。
絵具ができたら、まずは小さな画用紙に試し描きしてみます。
土絵の具に慣れてきたところで、今度は大きな和紙に描いていきます。
細い筆で丁寧に。大きな刷毛で大胆に。葉っぱのかたちを写し取ったり。
みなさん自由にのびのびと描いていきます。
お昼休憩をはさみ、制作を続けました。
完成したところで、最後は作品鑑賞会!
みんなで一つ一つの作品の周りに集まり、じっくりと見ます。
作者からは、どんなことをイメージして描いたのか、土の絵具を使ってみた感想などをお話ししてもらいました。
みなさん素敵な作品が完成しました!
佐藤香さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
「ロボット教室」開催しました。
8月3日(土)創作プログラム「ロボット教室」を開催しました。
当館で開催中の「やなぎみわ展 神話機械」では、京都、高松、前橋の大学、高専、そして福島工業高校の生徒が制作に携わったマシンが展示会場で動きます。
今日のワークショップは、それぞれのマシンの仕組みと動きを美術館で鑑賞することから始まりました。
左は高松でつくられた拍手をするように光ながら振動するマシンです。
右は前橋でつくられた胃カメラのように動くのたうちマシンです。
左は京都でつくられた言葉を話し、光を放ち、会場を動き回るメインマシンです。
右は福島工業高校の生徒が制作に携わった物を投げるマシンです。
美術館での鑑賞の後、福島工業高校の実習室へ徒歩で移動しました。
講師は福島工業高校の吉田健先生です。
マイコンを使った回路をつくる説明です。分からないことは工業高校の生徒が優しく教えてくれます。
これらをつなぎ合わせてパソコンでプログラムをつくりLEDを点灯させます。
回路とプログラムをつくって読み込ませます。とても真剣です!
数字を変えることで点滅する速度が変わったり、複数のLEDを点灯させることができました。
子ども達の飲み込みの早さには驚きです。今日の体験を応用して電子工作を楽しんでください。
吉田先生、高校生のみなさん、参加いただいたみなさま、本当に暑い中ありがとうございました!
創作プログラム「橋本章的カオスとベタ塗り」③
◆◆◆3日目:タブロー制作(後半)カオスペインティング◆◆◆
6月8日(土)、講座最終日
いよいよ最終回です!
前回の続きを進めていきます。
2階の常設展示室に全員で行き、 橋本章作品にある幾何学的なかたちや、ベタ塗りの部分に着目してもう一度作品を見てみました。
作品には積み木のブロックのようなかたちや星などが描き入れられています。
また、大きく塗りつぶすことによって「強調と省略」をしています。
実習室に戻り、制作に入ります。
前回まではアクリル絵具を用いていましたが、今回からは油絵の具を使います。
文字など主役脇役のシルエット以外のスペースを塗りつぶしたり、グラデーションを作ってみたり・・・
完成した後は、作品にサインを書き入れます。
そして、タイトルを考えました。
橋本章作品のタイトルには《ぴーひゃらこ》や《なまけもの》などというものもあり、ユニークです。
大町さんからは「橋本章さんが”むむむ!”と唸るような言葉で命名しましょう!」とアドバイスがありました。
ここまでできたら、最後は鑑賞会。
参加者がお互いに作品を鑑賞し合い、作品の隣にコメントを記入したふせんを貼っていきます。
大町さんによる生演奏会もしていただきました!
橋本章作品の魅力に触れながら作品を制作する、濃い3日間となりました!
大町亨さん、参加者のみなさま、ありがとうございました!
創作プログラム「橋本章的カオスとベタ塗り」②
◆◆◆2日目:タブロー制作(前半)カオスペインティング◆◆◆
まずは前回の振り返り。
カオスドローイングの続きを終えた後、当館以外の会場の「橋本章展」展示風景をスライドでご紹介いただきました。
当館以外の会場でも、たくさんの橋本章作品を展示しています。
いよいよキャンバスへ描く活動に入っていきます!
まずはF10号のキャンバスにアクリル絵具で描いていきます。
使っていいのは面相筆のみ。模様、文字、数字、記号などですきまを埋めていきます。
途中で、手描き以外の要素も加えていきます。
まずは大町さんにやり方を実演していただきました。
油絵具と水の反発作用を活用してコラージュ用のパーツを作ったり、ペトロールを画面にまいて油絵具をたらしてみたり・・・。
手描きとはまた違った、面白い模様が画面にあらわれてきます。
今回の活動はここまで。
描いた部分を次回まで乾燥させておきます。
創作プログラム「橋本章的カオスとベタ塗り」開催しました
6月1日(土)、2日(日)、8日(土)の3日間、当館実習室にて「橋本章的カオスとベタ塗り」を開催しました!
講師は美術家の大町亨さんです。
このプログラムは、当館常設展で開催中の特集展示「生誕100年記念 橋本章展」に合わせたものです。
橋本章の展示は、当館の他にも伊達市梁川美術館、あだたら高原美術館 青-ao-、
川俣町羽山の森美術館、ギャラリー伊達の5会場で開催しています。
(開館時間や会期は異なりますので、それぞれご確認ください)
◆◆◆ 1日目:橋本章をめぐる話とドローイング ◆◆◆
実習室で3日間の活動の流れについて説明の後、橋本章作品が展示されている常設展示室に移動しました。
まずはじっくり作品をみてみます。
一通りみた後で、大町さんからお話を伺いました。
今回講師をお願いした大町さんは、美術教師であった橋本章に中学生の頃に教わっています。
教師として、画家として、橋本章がどのような人物であったのか、どのような人々に影響を与えたのか・・・。
思い出深いエピソードとともに紹介していただきました。
実習室に戻り、早速実習に入ります。
今回のプログラムは、「混沌をつくりだすこと」、「強調と省略」がポイントです。
まずは鉛筆によるドローイングです。
一つ目のテーマは「線の集積」
鉛筆を画面から離さずに“線”をひたすら描き続けます。
鉛筆を3本まとめて持って描いてみたり、ぐるぐると円を描くようにしてみたり・・・
みなさん黙々と鉛筆を動かしていきます。
最後に好きなバランスを感じるところを見つけ、四角に切り抜かれたマットを使い周りを消していきます。
2つ目のドローイングのテーマは「記号の力」
文字や数字、記号などを主役にして描いていきます。
文字や数字、記号を枠いっぱいに大きく描き、輪郭に肉付けをしたり、トーンを変えてみたりしてみます。
文字や記号に性格や力を与える!という気持ちでと大町さんからのアドバイスを受けながら制作を進めました。
1日目はここで終了。
次回からはタブロー制作に入ります。